CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】残照の頂

2022-01-17 21:12:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
残照の頂  作:湊かなえ

続・山女日記とのタイトル通り、
登山をする女性の情感を山登りを通して描く
短編連作シリーズであります
今回も、しっとりとして、趣深い短編でよかった

サスペンスや、ミステリといったものとは別の
人間の内側といってもいいような、
想いと人生の振り返りのようなものをつづっていて、
これが山という存在が介在することで、
よりハレバレというか、出てくる女性たちが皆いうように、
山の上とそれ以外で異なる人間関係による、心情の吐露、告白というものが
染みてくるようでよいのでありました

ハイキング程度の低山をうろうろするくらいしかやってないので、
ザック背負ってキャンプ張ってという本作のような
本格的な登山は、読んで想像するだけしかできないのだけども
そんなキャンプをするどうこうといった技術ではなく、
山に入り、その険しい道を歩いていく
登山中の心のありかたというか、その揺らぐ様というのが
手に取るようにわかるかのような筆致も見事なんだが、
そこに用意された、山の中だからこそという人間の絆みたいなものが
まぁ、なんというか、清々しいというさっぱりした感じとは違うのだけど
いいものだというしみじみした感動がって
しっとりとした読後感がよかったのでした

出てくる関係性が、どこにでもありそうな男女の、あるいは友人、親子といったそれなんだが
山というものを通してそれらが濾過されるような内容が
いいもんだなぁと感心して読み終えたのでありました


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kei)
2022-01-19 14:16:46
こんにちは。
読んでみたいと言いますか、買おうかな?と迷いました。
実は中古書店で『山女日記』を購入したのですが、まだ読んでいなくて。
これを読んでからと思っているところです。

筆致、読後感などよさそうですね。
返信する
レス (管理人)
2022-01-20 22:00:31
keiさん

コメントありがとうございます。
イヤミスではないので、安心して読める内容でした。
前作より、一層山に登ってみたい気分になれるお話でしたよ。
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