CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】夢をかなえるゾウ2

2017-10-31 21:58:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
夢をかなえるゾウ2  作:水野 敬也

さらに話題作の続編ということで読みました
今回は貧乏神に取り付かれるという内容で、
前回ほどビジネス書向きの物語ではなくて、
単純に不思議な面白おかしい小説という趣が強く感じた
楽しい読書でありました、より早く読めたので
こっちのほうが個人的に好きだなと思うのであります

貧乏神が女

こういう設定が、ある種斬新だなと衝撃を受けたのでありますけども
この女という存在を実にうまいことといったらいいか、
いかにも貧乏臭いことをステキだというキャラとして仕上げていて
もう秀逸極まりないのでありました
ああ、俺もこの女に好かれる資格があるんじゃなかろうか、
つまりそれは、貧乏なのであるという話なんだが、
貧乏な人に惚れるだけで、貧乏にするわけではないというのが
この本における貧乏神の嫌われないところでありました

最終的には愛みたいなお話だったのでありますが、
何かを得るために、何かを手ばなすといえばいいか
今回はより夢に生きているけども挫折しかけている人が
どうして成功を掴むかというお話でありまして、
結局は、普通に努力して、それでもそうではなくてと
よくよく考えてみれば、諦められる内容だったのではないか、
そこに気付けたのがよかったのかどうなのかだとか、
なんか、考えるほどにしっくりこないオチだったと
思えなくもないが、人生そういうもんだよなとも生々しく思わされたのであります

夢が違う形で叶ったといえば、聞こえがいいんだけども
なんだろうな、うまく丸め込まれたようにも感じてしまう
心が穢れているせいだろうか

貧乏ラブロマンスと、辻説法めいた妙なコントの筋書きがメインで、
これはひょっとしなくても、作者がやりたかったことを
とりあえずやってみただけの本なんじゃないかとも
うすうす思わされたりしつつ、作者自身がだんだんガネーシャじゃないかと
思えてくるような展開でもありましたが
それがまた楽しいのでよかったのかしらねと
落ち着いてみたりするのでありました

よりエンタメだったといっていいのか、
読みやすく、楽しい小説でありました

【読書】夢をかなえるゾウ

2017-10-30 21:10:04 | 読書感想文とか読み物レビウー
夢をかなえるゾウ  作:水野 敬也

いまさらながらに読みました
ベストセラーで世間を随分にぎわした著作であります
小説ではあるものの、成功体験のコツを教える
ある種、啓発本というか、ビジネス書の内容を包含している
そういうものでありますが、
ありえない設定から、柔らかく説教をしてくれるという
そんな物語で、なかなか楽しく読み終えたのであります

成功の秘訣本は数あれども、
それを読んで成功したという人が少ないのはなぜかと
そういう話と、短絡してもかまわないような説法がありまして、
読んだところで満足して、そこで期待を持っただけで
実質的には何も変わることができないという
ジレンマというか、ごく当たり前のことについて
面白おかしい物語で語ってくれるという内容でありまして
インドのゾウの神様であるガネーシャが、胡散臭い関西弁と駄洒落を駆使しつつ、
うらぶれていた青年を導いていき、やがて夢とは何かと
そういうところまで昇華させるというお話でありました
感動ではないなが、子供向けにも読ませられるような
テンポよく、内容は説教なのに、説教臭くないという
秀逸なできばえなので難なく読めるのでありました

まぁ、難なく読めたということは
やっぱり効き目がなかったということにも
この本で指摘されているとおりありそうなんだが
それはそれとして、面白い本だという事実だけで
存在価値があると思われるのでよいのであります

変わるということは、変わらざるを得ない環境を得ることだと
これも至言であるなとつくづく感じた次第
何かをやめて、何かを始めるということや、
習慣をこつこつ積み重ねていくだとかと
そんなことが重要であると喝破していて
事実その通りなのでありますが、なかなか実行に移せない
だから変われないという堂々巡りをするんだが
やがて、それもブレイクスルーが訪れるという内容で
自分がどうするかはさておき、これによって動けた人は
いるんじゃないかしらと思わされるのであります

まぁ、もっともというか、
やりたいことをやる、ということの難しさ、
やりたいことって何だろうかということへのアプローチが
愚直なまでにまっとうなことであるのは
反論のしようもないのでありますが、なかなかどうして
そういうものを見つけるのも面倒くさいなんて
思ったりしてしまう状態の自分には、
どうしたらよいものかしらとも思えてならないのであります
ただ平穏無事に毎日を過ごすということも
夢なのか、それは堕落でしかないのか
そのあたりはわからんと思いつつも、
ここで指摘されている好きなことをするというのが
最近話題になった100年時代でも重要なキーワードなので
先見の明でもないが、人間が生きるには
結局そういう帰結となるのかしらねと
考えたりしたのでありました

おんな城主 直虎  恩賞の彼方に

2017-10-29 20:48:41 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」
視聴完了であります
直政大躍進というか、ちょっと調子のりすぎじゃないかと
思わなくもないが、痛快に出世していく様が
なかなか楽しく見られたのでありました
まぁ、実際努力もしているし、才覚もあるし
凄いのはすごいんだが、なかなかどうしてなぁ

それを見越したように、仕方ないと思いつつも
やんわり支持してやる直虎もまたよかったわけでありますが
しれっと、井伊谷の爺さんが死んじゃったり
結構ショックだったのでありますけども、
そろそろ直虎も死ぬときが近づいているのかとも
思ったりするのでありましたが、
確か本能寺の頃までは生きているとか聞いた気がするし
まだ大分先なのか?あれ?でも長篠終わったし、
そろそろかしらね

ともあれ、物語としては直政の出世を描きつつも
周りの整理というか、世代交代が含まれてくるようで
徳川四天王も感慨深い感じで見守りたいのでありました
榊原が井伊を認めつつあるというのが
なんとも、地味にいいシーンだなと思わされたのであります
さらにそこを忠勝が渋るというのも含めて
なんとも、いい家臣風景だなと
なんか感激というか感動というか、思うようになったのでありました

岡崎勢と浜松勢であんなに違いがあったのかというのも
よく知らない話だったので面白かったのでありますが、
三河とひとくくりにしつつも、岡崎は別物なんだなと
改めて思い知ったのであります
元今川という外様も、ああやって並べられると
当時の褒章問題は難しいよなぁと思わされたのでありました

いよいよ出世街道もまっしぐらとなる様子で、
このあたり、功名が辻を思い出すようで楽しくなってきたのでありました

【読書】道教の歴史

2017-10-28 17:00:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
道教の歴史  著:横手 裕

だんだん本格的な道教の本を読むようになってきた昨今、
この本では、道教の歴史を中国史とともに勉強するようなテキストで、
正直内容の3分の1くらいが、文献と道士の名前なので、
読んだというか、なんというかという感じなんだけども
中国史における道教の立ち位置というのが
非常に興味深くて、なかなか勉強になったのであります
とはいえ、流し読んだという読み方なので
ほとんど覚えていない
残念読書なんだけども、よかったのだ

始まりは秦、漢の頃にといったところで、
文献的には、前漢あたりが妥当なようで、
後漢のあたり、三国志で有名な黄布党や、漢中の張魯なんかが、
宗教の団体というか、教団の体裁を整えだしたんだそうで、
そこから、様々な王朝とついたり離れたりしながら、
道教の興隆があったというお話でありました

時の権力者、特に中国史では、それぞれの皇帝が贔屓にしたかどうか
それが大変重要だったようで、それによって、
道士が凄い品官で雇われたり、人臣の位を極めたり
そうかと思うと、迫害された自殺に追い込まれたり、
くっついたり、離れたりが極端で
非常に面白いのでありました
政治と宗教は、古代から離れられない何かなのかもしれないと
思わされるところでありました

また、唐以降になってくると、仏教がやってきて、
儒教、道教、仏教が三教として崇められ、
影響しあいという感じになって、
道教の教義やしきたりに、密教的なものが現れたり、
それぞれの代表者が、それぞれの宗教を弾圧して
焚書ならぬ、焚経を行ったりしながら、
こなれていったというお話なのであります

中国における宗教というのは、
根強くあったと思うのだが、時々に知識人がそれらを否定する、
特に道教における神仙の思想については、
そういう世迷いごとで人心を乱すとして強く否定して、
怪しい呪術やら、迷信というのを忌避するということが
たくさんあったようであります
この感じは今も中国に根強くあるように思えたりするんだが
興味深い内容であります

遼、金、元、そして明、清なんていうそれぞれと
様々に付き合いつつ、現代に入り、文化大革命という弾圧を経てと
このあたりのドラマチックな流れが非常に面白かった
さらには、その総長を巡って争いでもないが、
誰が正統かで諍いがあったり、弾圧から逃れるため台湾へ渡った人たちもまた、
それぞれで争いが起こったりとかしているようで
現代の道教についても大変興味がわいたのでありました
あんなにいっぱい寺院というか、廟があったわけだが、
それぞれが、どういう関わりで、どういうものなのか
物凄く不思議に思えたのでありました

まだまだわからないことばかりながら
歴史とともにあった宗教というのが
ひとつ、新しい世界を見せてくれたようで
楽しく読み終えたのであります、面白い、勉強をして面白いと
初めて思ったという感じなのかもしれない

【ドラマ】植木等とのぼせもん

2017-10-26 21:03:34 | ドラマ映画テレビ感想
面白いドラマだった
最近のNHKの昭和押し、昭和攻勢が素晴らしくて
ひよっことともに、がっつり見入ってしまったのであります
こちは、植木等さんの話を主軸にしつつ、
大御所小松の親分さんの立身出世を描いた内容で
正直、世代としては違うんだけども
なんだかんだ、楽しく見られてしまったのであります

何に驚いたって、主役の一人、植木等役をこなした山本耕二さんが
まぁ凄いのなんの、あんなに歌も上手いのかと
あっけにとられてしまったのであります
あまり本物を何度も聞いたわけじゃない身分にすれば
ほとんど区別がつかない感じで
まぁ、なんだろうかな、多才だなと拍手喝采という感じでありました
かつては、新撰組!で土方やったときも
地歌を唄ってたときに、何気にうまいなぁと感心したんだが
声が素晴らしいのでありますなと
感動すら覚えるようでありました

話の内容は、クレイジーキャッツというバンドが
どうであったか、特に植木等という人がどういう人だったかと
その交流が描かれていて、ハナ肇ほか、みんな一芸というか
戦後のその流れでのし上がったというか
下積みしてきた人たちなんだなと感動したのであります
ナベプロという組織についても、
社長の人柄やなんやらも考えると
これまた興味深くて面白かったのでありました

トランペット吹きが一念発起でもないが
ショービジネスで華々しく成功するというのも
夢というか、凄いことだなと
美化されてんだかしらんが、感動するのであります

そんなわけで、昭和の大スターというのを
まざまざ、その世界とともに見せてもらえて
それでいて、人情話としても非常によくできてて
なによりも、ドラマがコンパクトで無駄がないというのに
凄く感激して、いいドラマ見たと
大手を振って言いたくなるような内容だったのでありました
面白かった、見てよかったドラマだと思うのであります

国宝展

2017-10-25 20:05:18 | 陶磁器を探す旅と名物
京都国立博物館の開館120年記念の特別展覧会
その第二期に行ってきて、いたく感激したので
そのメモを置いておこうと思うのであります

目的というか、一番見たかったのは
耀変天目茶碗、それも大徳寺耀変天目であります
世に3つの耀変天目が知られる中で、
このひとつだけ見たことがなかった
おそらく外に出てくる機会がほとんどない一品だと思われる
これが見られるというのなら、
そりゃ見に行くしかなかろう
そう信じたというか、それをしたいがために行ったのであります
実際にそれを見て、この感動、なかなか筆舌に尽くしがたい

見込みに見事な青色が浮く、
白い星は小さく、不規則なのに、星空のように浮かぶ
星の色もただ白いのではなく、浮くような不思議な色を持ち、
青色の光とともに、世の中で一番いわれている小宇宙の様相を作っている

この迫力というか美しさは、ほかにどうとも言い表せない
実に凄いものを見たと感激ひとしおだったのでありました
凄い、すばらしい、稲葉天目の星に近いけども、
それよりも小さくつつしみ深い感じが見事と思えたのであります

展示も気を使われていて、間近で見られる機会と少し遠くから見られる機会と
そう案内されたのでありますが、こればかりは間近で見ないといけない
あの見込みにある青は、じっくりとそばで見ないとわからない
何よりも、星の光が違うなんて、興奮さめやらぬ感じで
見終えてきたのでありました、本当にあれは凄いものだ

と、これ以外も国宝がぞろぞろと展示されていまして、
個人的にいいなというか、これまでなかなか見る機会がなかった
土偶のシリーズに感激ひとしお、それぞれ異名がつけられていて
縄文の女神、仮面の女神、縄文のビーナスと3体が展示されていて
とりわけ、縄文の女神がかっこよかった、
いや、3つとも現代アートの陶人形だといっても差し支えないほど
スタイリッシュで、かっこいいのでありました
縄文の女神が、ベルボトムのジーンズをはいているかのような
足の造詣がステキで、いや、全体のバランスが見事な
根本的な何かが、かっこいい、と思わせてくれるスタイリッシュさに脱帽だったのであります

さらには、雪舟の絵が本邦初の6点同時展示やら、
教科書、美術本さまざまな写真で見てきた
仏像、絵図、掛け軸ありとあらゆる国宝が見られるということで
まぁ、楽しいことこのうえないのでありました

4度の展示替えがあるということで、
本来なら全部見たかったと物凄く残念に思うところでありますが
この展示会の盛況っぷりも、なかなか筆舌に尽くしがたいところで
一気に全部見られるというのも素晴らしいことだけども
やっぱり、いいものをじっくりと静かに見たいものだなと
美術館鑑賞について、改めて思い知ることもあったりして
なかなか充実した展覧会経験をしたと思うのでありました

俵屋宗達の風神雷神の本物も始めてみましたが、
そのコーナーにひっそりと、志野茶碗「卯の花垣」もあって、
大変満足できたのでありました
陶磁器のほうでは、さらに、飛青磁と万声の龍泉窯の一級品も居て
非常に満足だったのでありました
様々なものと一緒にみる陶磁器の国宝というのは
また違う魅力に気付かせてくれるようでもあると
感嘆したのでありました、以前に見たよりも卯の花垣が大きくというか
迫力をもって見られたのも不思議なところ
以前見たときは、近世の志野茶碗と並べてみたから小さいと感じたと思うんだが
実際は、ほどよいサイズでもあるなと感じたりして
そもそも、風神雷神と並べて、時代を感じながら見学するというのも
ロマンあふれていて、よかったと思うのであります

ともかく、感激と感動を催した
実によい展覧会を見たとメモしておくのでありました
よかった、もう一度、二度と見たいと思える
ステキなそれこればかりであります

【読書】七色の毒

2017-10-24 21:22:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
七色の毒  作:中山 七里

てっきり、様々な毒をつかったトリックの推理ものかと思ったら
読む毒といえばいいのか、読み終えて、
すっきりしない、ああ、人間の毒とはこういうものかと
嫌な話というか、動機の犯罪を暴く短編集でした
面白かったけども、毒がきついなぁ

一見、簡単に解決しそうな内容ながらも、
そこに推理のみで立証というか、推測でしかない確信で、
その裁くことができないものをいくつも暴く、
暴くけども、裁かれないという
なんとも哀しいそれこれをいくつも読んだのでありました
本音と建前でもないが、嘘と真実、
何が狙いで、狙いがそうだからと
それは殺意なのか、そうではないのかと
そういうことを描いていました
悪いとわかっているのに、それを裁くことはできないのだなと
そういうお話なのであります

推理とか、刑事ものとかというジャンルではなく、
これは人間ドラマといったらいいのか、
悪意について書いた小説だったのかなと
思ったりしたのであります
悪意もまた違うな、なんといえばいいのだろうかな
身近に潜むものなんだが、
直視したくないものである

そんなわけで、見事に解決してすっきりとか
そういうお話ではないのでありまして、
それでも、悪いやつを懲らしめるような内容は
やっぱり好きだなと思って、
罠に落ちたと見せかけて、うまいこと嵌めていた話だとか、
善意により、無法を無理やり裁いたりといった
そういうお話も読めたりして
ちょっと考えすぎというか、疲れてしまう内容だなとも
感じたりしながらも、つらつら
あっという間に読み終えられたのでありました
なんだかんだ、やっぱり面白い小説だったのだと
思えるのであります

【読書】剣と紅

2017-10-23 21:35:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
剣と紅  作:高殿 円

知らずに手にとったら、井伊直虎の物語でした
作者からちょっとコメディ調子だったりするかと思いましたが
そういうこともなく、非常に真面目な歴史小説という感じで
おんな城主直虎を見ている身分としては、
出てくる武将の名前なんかもわかりやすくて
直虎という人物というか、井伊という家のことが
物語としてまた新たに知ることができて
楽しい読書でありました

などと呼ばれて、どこか不思議な力を備えている
そういう女として生きた直虎の生涯、というよりも、
井伊谷の運命的なそれこれを描いていて、
その都度、その不幸や、悲惨な事件を不思議な力で予見しつつも
防ぐことはできない、どうしようもないという
大変難儀な状態のまま過ごすが、やがてお鉢が廻ってきた
井伊の当主につくこと、それでもまた、
その力を生かすこともできず、断絶の憂き目にあうなど
その通りの歴史なのだけども、そこに
なんとか抗おうとしつつも、運命に流されるままでしかない
悔しい生き方が描かれていて
面白い小説でありました、一人の生涯として面白い、
そういう物語でありました

小野政次と、瀬戸方久との関わりが
物語としては非常に重要な部分なんだけども、
それぞれの生き方が、また哀しいでもないが、
直虎同様に、自分の人生をどう生きたかという結果だという捉え方が
大仰な物語ではないのに、重みがあるというか
説教臭さとは違う、なにか教訓めいたものを
記していたようにも感じたのでありました

基本的に、きわめて地味な話でありましたが
歴史モノという内容をきっちりとおさえて
それでいて、人間ドラマだったように読めたので
なんとも、現代劇のようにも思える内容だったと
感じたのであります

おんな城主 直虎  長篠に立てる柵

2017-10-22 19:56:28 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」
視聴完了でありました
台風と選挙と、えらい騒ぎの中でありましたが
内容はなかなか面白くて、わかりやすい立身出世劇というか
ありがちな倍返しの前座という回だったように思うところ

先週からその鋭さというか独自の賢さを見せている
正信がまたも大活躍というか、いい塩梅で軍師みたいに働いていて
これがなかなか楽しいのでありました
その後、この二人が組んで武功をあげるのか知らないけども
いい塩梅で薫陶を受けているようにも見えて
非常に楽しい、いい組み合わせだなと思わされたのでありました
どちらも優秀だけどベクトルが違うという
この相棒感はいいなぁ

話は長篠の戦なんだけども、
それにかこつけて、信康が殺されるフラグをためていく
そういう話だったようにも見えて面白いところ
あの茶碗、耀変天目風だなと思っていたんだが
あんな小領主のところにいったとか
ちょっと話つくりすぎじゃないかと思うんだが
史実だったらどうしましょう
結局ノブナガのところに返るとかだと、
本能寺で紛失するどれかということなんだろうが興味深い
話と関係ないけどもさ

あとは優秀な上司である家康が、万千代の心を掴むみたいな
そういうお話だったようにも思うところ
逆に万千代もまた、家康を掴んだともいえて
なかなか楽しい出世劇であるなと
見ていて微笑ましいのでありました
次回、その出世をかさにきるという
危ういシーンがあるようなので、そのあたりでしっぺ返しを食らうのか
さらに高みからとかいう、斜め上展開になるのか
楽しみだと思いながら待っていくのでありました

追伸
調べてみたら、本当に信長から受領の天目茶碗が龍潭寺で伝わっているとのこと
ノギメらしいのだけども、それはそれで凄いことだなと感心であります
茶碗としてはよくあるそれこれのようにも思うが、
信長からのといういわくがいいなぁ、凄い

【読書】攻めるロングセラー パインアメ「中の人」の心得

2017-10-21 11:45:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
攻めるロングセラー パインアメ「中の人」の心得  著:係長 マッキー

知り合いから、進められて読みました
広報だとか、宣伝だとか、そういう部門とは
随分縁遠い身分なので、読んでもなぁなんて思っていたのでありますが
Twitterの企業アカウントがどう運営されているか、
どうやって成功したのかが、わかりやすく書かれていて
マーケティングの実例本として楽しめたと思うのであります

パインアメの会社の公式アカウントで
七転八倒というほどでもないけども、
こつこつと様々に活動を重ねて、いくつかの成功を見たと
そういうお話であります
twitterの公式アカウントでの成功が
何をもってそうだといえるかは難しいところでありまして、
フォロワー数とか、RT数とか、数値に目がいきがちだけども
そうではなくて、どう話題になって、また
フォロワーとどれだけ親密になっているかというところ
その積み重ねのあとに、たまたま当たるときがあって
そのときの爆発力に繋がるという
そういうことなのだろうと思わされたのでありました

無料だからと誰でもやれるからこそ
差別化が難しいというのはわかるところながら、
差別化を狙いすぎると大炎上という、あまりにもリスクが高いところが
ある種面白いといえば面白い、
でも広報担当者で、流行ってるからやったら?とか言われる人は
たまったもんじゃないだろうなと伺えた次第であります

成功の一因として、特に触れられていなかったけども
自発的にやりたいという強い想いがある人でなくては
どんな仕事もそうだけど、成功といえるところまで
たどり着けないのではないかしらと考えさせられたのでありました

本の内容で、セガやシャープといった、随分尖った企業とコラボが多かったようで、
これは、パインアメが特殊なのではなく、セガ、シャープが特殊なんだろうなと
考えさせられて、その事例集めた本とかあったら読みたいかもなぁと
なんとなし思わされたのであります、広告宣伝はどうするべきかの
バイブル的な、知恵袋となってんじゃなかろうかしら
とはいえ、パインアメも、軽妙な乗っかり方が秀逸だったりして
日ごろの積み重ねと、その長打時の得点力が
素晴らしいのだと思い知ったのであります

中の人次第であるのは間違いないところで、
この後継者であるとか、様々な難度を考えるとき
企業としてこれを扱うかどうか
難しい話になるよなぁと、ごくありきたりな感想を添えつつ
メモを閉じるのであります

【読書】道教の世界

2017-10-20 22:33:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
道教の世界  著:菊地 章太

とりあえず学んでみようと道教本をまた手にとったのですが
なかなかどうして、似た内容だったなと
そういう印象を受けたのであります
道教について書くと、ごちゃごちゃしてわかりにくい、
中国土着の宗教である、様々なものが混淆している
と、まぁそういうあたりなのでありますが
前回読んだ先生の弟子筋ではないけども、
ひとつの体系にあるような感じだったので
あまり、道教について広く知れたとは思えなかったものの
ともかくひとつ読んだと思うのであります

内容では、三尸の虫が出てくる庚申講について随分割いてあって
これがひとつ、道教由来なのかそうではないか
そのあたりが面白い話のようでありました
庚申講については、以前にタイムスクープハンターで知っていたので
非常に興味深い内容でありましたが
日本土着のそれもあったり、そもそも
大きな意味で同じ意識、文化の系等なのではないか
そういう哲学ではないが、理解への導きがあったそうで
中国が他人か親戚かなどなど、東洋哲学の分野にも踏み込んでいて
なかなか面白かったのであります

道教そのものに近づいたとはとうてい思えなかったのでありますが、
その世界観の入り口に立つことはできたんだろうか
そういうことを考えさせられたり、
そもそも道教をどう考えていったらいいか
そのガイドブックのようでもあったなと印象を抱きつつ
読み終えたことをメモっておくのでありました
ちゃんと勉強するなら、しっかり読み込まないといけませんね

【ドラマ】女王ヴィクトリア 愛に生きる

2017-10-19 21:55:24 | ドラマ映画テレビ感想
NHK海外ドラマであります
ヴィクトリア女王の前半生を描いた作品でありました
子供生むまでだから、相当前で終わったと思っていいんじゃないか
正直なはなし、ヴィクトリア女王がどういう人か
まったく知らないので、どういう物語かと
わくわくして見たのでありますが
副題の通り、愛の物語で面食らったのであります
もっと歴史知ってると面白かったんだろうな
しくじったなぁ

そういうわけで、ドラマの感想を交えながら
これを見て、私なりに学んだことを
つらつらメモっておこうと思うのであります

・ヴィクトリア女王には、メルバーン卿という優れた宰相がいて、
それといい感じだった時期があったらしい
・ドイツ人と結婚した
・子供みたいな年齢で即位したけど、政治力は優れていたようである
・縁故をはねつけていたようだ
・最初は嫌われていたけども、やがて国中から好かれる女王になったようだ

と、まぁそんな按配でありまして
ただ物語は子供を産んだところで終わったので
女王がどういう政治を敷いたのか
そのあたりはさっぱりわからなかったのでありますが、
物語の端々でその聡明さみたいなのが描かれていて
これがまた、さらっとという感じで描かれて、
ドラマとしてはそこが主題ではないといわぬばかりであったのが、
ある意味かっこいいなと惚れ惚れしたのでありました

それとは別にというか、侍女の惚れたはれたも少しだけ描かれていまして
そっちもどうなるんだと思ってたら、残念な結果で終わってと
なんか、あれこれ見終わって感じたのは
「このドラマ、続きありきなんじゃないか」ということなんだが、
ちょっと調べたところでは、そういう話でもないらしく
これで完結しているのか、ヴィクトリア女王って
結局何した人なのかさっぱりわからんと、
思ったのも確かなのである、
あの料理人かわいそうだったなと、むしろそっちが気になってしまった
どうなってんだこのドラマ

そう思いつつも、当時の議会のありかた
貴族の政治というのも面白くて、
軽妙な台詞は少なめで、そういう点が寂しかったのでありますが
楽しんで、気付いたらじっと見つめていた
そういうドラマだったのでありました

なんとなし、千代と一豊みたいだよなと思わなくもなかったんだが
もっと壮大で、大きな物語だったんだよなとも
感じるのであります、しょーもない感想を書いてしまった

【読書】或るろくでなしの死

2017-10-18 21:11:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
或るろくでなしの死  作:平山 夢明

なかなかのグロナンセンスな小説でした
先日読んだ微狂いの人に実に似た人が出てきたりして
本当に小説のネタにもなってんだと、
驚いてしまったというか、そんなわけあるかと
一笑に付してしまいそうな頭のおかしい人が、とてもさらりと
自然に、当たり前に、どうやらいるようだと
思わされたりしながら、衝撃を受けたのでありました

内容は死にまつわる様々な情景を描いているもので、
まぁ、全体的に胸糞悪いというか、酷い有様の内容ばかりで
どこをどう叩いたら、こういう酷い状況や人物が生まれてくるのか
でも、実際にいるんだろうなと思わせる
見事な造詣に、しびれるような感覚を覚えるのでありました
今の世の中に生まれたが、こんな人たちと出会ってない人生で本当によかった

いくつかの短編が掲載されているのでありますけども、
どれも繋がっていないのに、続きものかのような
世界観が地続きといったらいいのだろうか
ともかく、不思議と同じシリーズないし、そういう地平の物語だと
思わされてしまうのでありました
特に目的というか、何か凄いということもない話なんだが、
ただただ酷いという共通点以外にも
どこか似たというか、空気を感じるのでありました

おおよそ、ろくでもない生き様をしているクズ人間が、
これまたより一層クズ人間や、それに類する何かによって
殺したり殺されたり、見殺しにしたり死んだりと
そういうことが行われるというもので
面白いとは到底言いがたい内容なんだが
目が離せないでもない、どうとも
中毒めいたものを感じるものでありました

もう一度読みたいかというとそうじゃないんだが、
それでも何か、読んでしまったのであります

【読書】博士の愛した数式

2017-10-17 20:40:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
博士の愛した数式  作:小川 洋子

ああ、なんという読後感だ、喪失といったらいいのか、
こんな物悲しい気持ちを抱くことになるとは…
そんな演劇調で嘆きたくなるような、
美しく優しい物語なのに、とても悲しい結末(のように見える)お話でした
実際は哀しいことなんてないのかもしれないが、
私にはどうにも哀しかったのであります
同じ作者のチェスの話を読んだときと同じような感情なんだけども
こっちはもっとずっと、哀しいと思えてならないのである
穏やかな、おても静かな物語なのに
どうしてこんなに哀しいのかしらと感じてならない

そんなセンチメンタルな物語だったのでありますが、
奇妙な数学者である博士と、
その宅へと勤めることになった家政婦とその息子、
そして、博士の義理の姉
この少ない登場人物たちが、過ごす日常を描いていたのでありますが
博士は、昔事故にあった影響で記憶が80分しか残らないと
そういうとても哀しいことになっていて、
その事故以前の記憶しか蓄積されていないと
そんなお話なのであります

そのうち、阪神タイガースが関わってくるのでありますが
これがまた、記憶が止まっているため、
いつまでも大エース江夏であって、
この江夏をめぐってまた、お話があると
まぁそういうことだったのであります

そこかしこで、数学、数字にまつわるエピソードも交えつつ
不可思議な関係が続いていくという感じで、
明らかに浮世離れしている物語なんだけども
とても心地よいというか、当たり前のようにも感ぜられて
ただただ、読み進めてしまうのでありました

いくつかの謎でもないが、記憶をめぐるものが現れたり消えたりして、
そこから、最後のシーンの意味を考えたりすると
なんというか、また哀しい気持ちになったり
ある種それが幸せなのかもしれないとも思ったり
残酷なような、美しいような、
語られないもしかしてを裏読みして楽しんだのであります

でもやっぱり、哀しい物語だったと
私は思うのだ

【読書】道教の神々

2017-10-16 21:33:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
道教の神々  著:窪 徳忠

台湾に興味がわいてという状況のなか、
わからんままに寺だか廟だかを廻っていたので
ここはちゃんと道教について調べる必要があるんじゃないかと
はた、気付いたわけでありまして読んだんだが
入門編なんだろうが、よくわからん
なりたちと、その成立についての研究成果といってもいいような
精密な分析が載っていて面白かったのでありました
ただ、覚えられないというか、
最近ちゃんと勉強するという気持ちがないせいか
読むだけでなかなか頭に入らないという状況なので
とりあえず今回読んで、もう道教わかった
などといえるはずもないのでありますが
真面目に、ちゃんと読んでいったら
かなりの知識を得られる、そういう本でありました

中国といっていいかわかりませんが、
中華という風土に根付いた、地の宗教というのが
非常に興味深いところで、この道教については
文革なんぞで徹底的に叩きのめされたりしていたそうで
あまりにも迷信めいてすぎるというのが
知識層に嫌われたりしたんだそうで、
こういう歴史みたいなのも面白いなと思うのでありました

さておいて、内容では道教が儒教と道徳と哲学が
ごちゃっとした感じの宗教なんだそうで、
いくつかの神様とかも仏教から逸話を借りてきていたり
土着ならではといっていいのかわからんが、
あれこれ混淆となっているのがステキだと
思ったりするのでありました
だいたい宗教というのはそういうものかもしれぬね

と、そんな風に思っていると、いっそ日本の八百万に近い感じで
アジア人として共通の何かなんじゃなかろうかなどとも
思ったり感じたりしたのでありました
とりあえず、神様の名前はいくつか覚えたので
今度訪問した際にはちゃんと神様を見て、
そのご利益みたいなのを感じてこようと
思ったのでありました

しかし宋代とかの人物が思いのほか多くて不思議に感じたのでありましたが
よくよく考えてみれば、イスラム教とかもっと遅い成立だし
だいたいそういうものなのかしらなどとも思ったりしたのであります