CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】 紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官

2020-11-30 20:48:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
紅のアンデッド 法医昆虫学捜査官  作:川瀬七緒

なんだかんだ、このシリーズを読み続けてしまっているな
そう思ったんだが、発刊が結構前のようで
見落としていたようでありました
今回も楽しくというか、相変わらず主人公の赤堀博士がひどい目にあってて
どこ需要の悲惨さなんだと思わされたりしつつ
昆虫関係の楽しい推理を楽しめたのでありました

頑張った甲斐があって、とうとう、法医昆虫学が組織に組み込まれることになったが、
寄せ集めの、そういう部門に放り込まれただけといった状況で
なかなか前途多難なところからスタートし、
新たなプロファイラーやら、化学捜査の人が出てきたりして
楽しく読めたのでありました
まぁ、それはそれとしながら、赤堀というキャラクタがすったもんだしてるだけで
凄い楽しいと、それに尽きる内容ではあります

今回はやけど虫なる、炎症を起こす体液を持った虫で、
これの活躍が、前にあったヒアリ騒動の話と似た感じだけども、
その被害の悲惨さが、赤堀を通して語られるというのが可哀そうでありました
本人気にしていないらしいが、相当ひどい有様になってたんだろう
相変わらず実写化をはねのける展開が楽しいともいえるし
なんともなぁと考えさせられるところでありました
しかし動く物語としてみようと思ったら、アニメ化してもらったらいいのか
どっかやってくれないかしらね

虫はさておき、出てくる被害者と関係者が、
いずれもちょっと異常とまではいわないけども、
迷惑千万な人ばかりで、なんともむなしくなってしまうお話でありました
虫がどうしたというところよりも、これにかかわる犯罪者というか、
被害者を含めた関係者すべてが、どこか許せない部分がある
これが面白いとも思えたのでありました
少なからずそういうところは、自分にもあるかなと思うんだが
露骨というか、その様をあしざまというか、
極端に描いた人物たちというのは、恐ろしいものがあると感じるのでありました

赤堀先生の意外な過去も披露されたりしつつ、
岩楯刑事との関係が、恋人とかそういうのとは別なんだが、
一種の父性であったり、家族愛的な何かがあるのかないのか
このあたりは、岩楯のほうも掘り下げてもらって
楽しませてもらいたいと、ミステリだけでなく
シリーズを通した人間ドラマも楽しみたくなってきた
面白い一冊でありましたとさ

麒麟がくる  焼討ちの代償

2020-11-29 20:44:51 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
そうか、信玄坊主を動かしたのって、
比叡山の焼き討ちがきっかけだったのか
そんな風に思いながら見たんだが、
このあたりのあれこれの記憶が、最近あやふやだと
自分の脳みそを心配になっているこのごろでありました
ま、それはそれ、ともかく面白い

信長の嬉しそうな顔が恐ろしいという
それにつきる回でありましたが、
それを見越してなのか、どうあつかったものかと
帝の言葉が重いなと思わされたというか
上層部のあれこれが、政治的決着を見せつつ、
どろどろしている感じですげぇ楽しいのでありました
松永が、どこまでわかってやってるのか、
それもまた、凄く読みがいがあって楽しいドラマだった

光秀としても、心苦しいところがあったようで
焼き討ちのトラウマめいたものやら、
割と荒っぽい明智方への風評被害なんかも見所で、
明智が比叡山で頑張ったから城持ちになったという話を
ここまではっきり描いて、そのカウンターまでとなると
なかなかこのドラマ面白いところをやってるんじゃないかと
頼もしく見ていたのでありますけども
幕府との対立が興味深くて、
政所が悪いのかと思っていたら
結構将軍そのものが離れているという話で興味深かった

将軍が唐突におかしくなったという感じでもないが、
話にあったとおり、あわないとしか言いようのない感じが
興味深いというか、面白くて、
世の中だいたいそういうことで諍いや争いになるよなと
見守ったのでありました

次回、便利使いとしての光秀が
方々からラブコールを受けることになるようなので
それもまた楽しみだと思いつつ
本人がどうしたいとかではない
もう、気付いたらそうせざるをえなかったような
そんな最後になるんだろうかと
想像しながら、また、次週、そして最後を思うのであります

【読書】一度は行ってみたい 京都「絶景庭園」

2020-11-28 18:50:53 | 読書感想文とか読み物レビウー
一度は行ってみたい 京都「絶景庭園」  著:烏賀陽百合

ビジュアルブック的な文庫本です
タイトルの通り、京都の様々な庭園を紹介した本で
以前にも同作者の本を読んでいましたが
今回もまた、石組に萌えつつ、様々な庭園のあれこれと、
その近所にある美味しいお店を紹介していた
読みやすい本でありました

京都と一口にいっても、
洛内だけでなく、周辺にもおよびながら、
様々な名庭園を紹介していて面白かった
写真もステキでありまして、こういう景色を
じっと、ただただ眺めて楽しむというのは贅沢であろうなと
思わされたのであります
思えば、落ち着いて庭を見るとかあんまりしてないんだよな
ついつい、うろうろ歩いてばかりで
じっくりと、それこそ涙を流すような体験はしたことがないな

この本では、海外からの来客をもてなした際の面白話と
それらの人たちにウケた庭というのも紹介されていて
大変興味深いのでありました
ざっくりではあるけども、やっぱりアメリカ人はアメリカ人だし、
フランス人はフランス人なのだと、そんな感じが
本当かどうかはわからんが、面白く読めるのであります

デンマークなど、庭園文化の根付いた国の人が
京都の様々な庭で、思わず涙したというエピソードがいくつか出ていて
そこまで感動を呼ぶものか、そういう何かを感じ取れるものかと
衝撃というか、驚いたのでありますけども
そんな心持になって、じっと庭を眺めてみたいと思わせる一冊でありました

苔が綺麗な庭を見に行くといいのかなぁと思ったりしつつも、
やっぱり、石組推しがよろしく、
石庭のよさの見所を覚えておきつつ、
いつかそれらを確かめに行きたいと思える本でありました

【ドラマ】タリオ 復讐代行の2人

2020-11-25 21:13:02 | ドラマ映画テレビ感想
結構面白かったんだが、話によって、ブレというか
原則コメディよりなんだが、振れ幅の大きいドラマだなと
想ったり感じたりしながら見たのであります

何がよかったって、岡田将生の演技が抜群によくて、
というか、本当に男前だなと、おっさんからでもつくづく思うくらいの見事さ
女性ファンがどれくらいの規模で存在するかわからんけども、
演技うまいしかっこいいし、すげぇ俳優だなと
感心しきりでありました

結構無理のある物語だとか思っていたというか、
コメディへのふり方が雑だなと思って見ていたら
第二話あたりだったと思うけど、まんまTRICKじゃんといった展開があって
衝撃を受けてしまったというか、あの話だけ見てられないほどだったんだが
調べてみると、そのスタッフの何人かがかかわっていたんだそうで
NHKのそういう確信犯的なところは、
賛否を問いたいところだなと思わされたのでありました
あんだけTRICK風味になってしまうんだったら、新しいTRICK撮りゃいいのにと
冷めた目で見てしまったわけでありますたけども、
いわゆる、上田のような扱いを受ける黒岩が、
それっぽくもあるのに、岡田将生らしさといっていいのか、
オリジナリティが感じて、この俳優上手いなぁと感激したという次第であります

ま、結局一話だけのおふざけみたいな感じで終わったのでよかったんだが、
コメディの描き方が似ているように、その後思うようになってしまったのであった
そうじゃなくても、面白いドラマだったと思うんだが
なんか残念に思ってしまうなぁ

ともあれ、騙し騙されというか、割とあっさりとした嘘がいくつも飛び交うのがよくて、
依頼人の本当の目的とか、復讐の重さみたいなところはよくよくドラマが面白くて
個人的には一話の結婚狂騒曲的な話が一番好きでありました
次に、お互いを復讐ターゲットとして依頼しあう男二人の話だろうか
独特の人間関係というか、ああいうドラマ好きだなぁと
決してよい話ではないのに、面白く見させてもらったのであります

結構派手なというか、少々見づらいとすら思う演出も多々見られた
実験的な内容だったと思うのでありますけども
おおむね楽しく見ていられたので、続きがあるのかないのか
なくてもいいかと思いつつも、余韻を楽しめる
よいドラマだったと感じたのでありました

【読書】男子って犬みたい!

2020-11-24 21:15:58 | 読書感想文とか読み物レビウー
男子って犬みたい!  作:レスリー・マーゴリス

子供向けの日常ドタバタ小説だと思ったら、
人間関係と、付き合い方について解説した本でありました
いや、まったくもって、子供向けの日常ドタバタ小説なんだけどね

12歳くらいの少女が、男子という生き物と接するにあたり、
犬のしつけを参考にしたら、思ったよりも上手くいくと
そこに気付くまで、また、気付いた後を描いているのでありますが
正直、冒頭のような小説だと思って嘗めて読んでいたんだが
なるほど、確かにそういうものかと、
今更ながらに、見失っていたものを見出したかのように
なるほどとうなづいてしまったのでありました

はっきりと指示をする、
こういう初歩的なことを
気付いたら、うっとうしがっていたのか、
あるいは、おざなりにしていたのかと、そんな按配で
犬のしつけについて興味を持ってしまうほどでありました
結局動物と付き合うということは
すべての根幹にある、大切なことを教えてくれるのでなかろうか

そんな按配で、原始的なところというか、
しつけや、自分の思うところというのが
どのように相手に伝わるのが効果的なのかを考えさせられたのであります
そりゃ、かなり短絡化してあるわけだが、
根底の部分は一緒なので、こういう心持をもって
あれこれ指示を出すというか、人と付き合うのが必要なんだなと
改めて、今更思わされたのでありました

うだつのあがらないおっさんには、大変よい本だと思えたのであります
社会生活が、やや破綻気味なところを補ってくれるというか
もう、そういうものだと振り切ってしまうことができる
そんな年齢だと、自身を思うと、ありがたい本であった

【読書】明智左馬助の恋

2020-11-23 21:11:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
明智左馬助の恋  作:加藤廣

シリーズではないでしょうが、似た事象を扱った3つの小説のうちの
最後のひとつであります
かなり前に2つは読んでいたんだが、なんとなし、明智の話を先送りにしていたんだが
今回、大河ドラマもあって読んでみたのであります
余談だが、衝撃的なのはこの小説で書かれているほとんどの話が
まだ、大河ドラマで始まってもいないというところで
ドラマのほう、大丈夫なのかといらん心配を抱いてしまった

さて、主人公を明智左馬助にして、
明智光秀の謀反にいたるまでを少し離れたところから描写した
そんな按配なんだけども、このシリーズの根底にある
信長のあり方というのが、そのまま描かれていて
小説としては、案外明智がどうしたということは
さらっとしているというか、さほどの意外な展開はなく、
信長の死については、秀吉の暗躍があった、それの補完をするためのような
事件というか、事象がいくつも書かれているといった感じ
タイトルの恋部分も、随分あっさりしてて、
もうちょっとしっかり描いてくれてもよかったんじゃないかと
ちょっと思ってしまったのでありました

とはいえ、光秀がどんな酷い目にあったか
あるいは、信長がどういうつもりでそう当たっていたかを
結局、下々には理解できなかったからと
そんなあたりで幕引きとしているのでありまして、
実際はわかるはずもないが、信長という男がどうであったか
そのあたりが読み応えあるところでありました

この物語上の光秀が、かなり実直なそれとして描かれていて
頼りないけども、それなりの人という評価ができそうで
なかなか楽しいところであります
ただ、細川のことを蛇蝎の如く嫌っているかのような描き方で、
変節ものといった感じなのが、ちょっと残念に思わなくもないが
実際はそんなもんなのか、戦国大名としては当たり前とみるべきかと
考えさせられたのでありました

大河ドラマが終盤に向うにつれ、補完のために読んでおいて
よかったと思うのであります

麒麟がくる  比叡山に棲む魔物

2020-11-22 21:13:02 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了していました
今週も面白かったというか、怒涛の展開で
目が離せない感じで楽しめた
すげぇ、この光秀超怖いけど、すごくいい
まっすぐなだけに、手に負えないというか、
戦国らしいといったらいいのか、殺すか殺されるか的な感じが
びりびり伝わってきて、凄く楽しかったのでありました
こういうのいいなぁ

出てくる様々な人たちがみんな少しずつおかしいというか、
どっか何か足らない感じがたまらなくて
信長の危険な感じ、それをだんだんと受け入れて
あわよくば扱いつつあるような光秀の躍進というか
慣れっぷりが見事だと思わされたのでありました
あとは、摂津に詰めよるシーンの迫力たるやといった感じで
まぁ、なんとも楽しいのでありました
そこに至るまでの、松永とのやりとり、
松永の怒りもよかったけど、それに負けないくらいの
光秀の強い視線というのが、高笑いとあわさって
こいつ悪役じゃないのかという迫力で、楽しい、とても楽しいのでありました

久しぶりに、岡村さんが出てましたがセリフもなく
なんだろうか、そのうちさらっと殺されてしまいそうだなと
想ったりしたのでありますけども、
比叡山の様子をだいぶ悪く描いているところやら、
自然な流れで、比叡山での悲惨な状況を描いていたりとか
見どころが多い、とてもよい話だったと
さらに来週も楽しみでしかたないのでありました

ここにきてスピードアップしてきた感じもよいんだが
朝倉の殿様が暗愚というではないといった描き方もよくて
しゃれこうべ事件がどう描かれるかとあわせて
楽しみになってきたのであります

【アニメ】未来少年コナン

2020-11-18 20:37:00 | ドラマ映画テレビ感想
NHKで色々あって、唐突に始まった長編アニメーション
未来少年コナンが先日終わりました
最終回がまさかの延期放送とかで、録画失敗してんじゃないかと
冷や冷やしたんだが、無事観ることができました

子供の頃に再放送で、何話かだけは見たことがあった
その程度の記憶しかなくて、正直どんな話か
さっぱり知らないまま今回全部見たわけでありますが
結構壮大な話だったんだなと驚きを覚えたのであります
調べてみると、原作があって、それは
冷戦時代のアメリカとソ連をモチーフにしていてと
そんな按配で、なるほどなぁと思ったりしつつ
ま、それはそれとして、縦横無尽に駆け巡り、
強くたくましいコナン少年の冒険活劇を楽しめたのであります

子供の頃に、なんとなく暗いアニメだよなと
敬遠していたのを思い出しつつ、よくよく見てみると
まぁ、子供向けの内容ではあるものの
全体的に重苦しいというか、それをコナンの明るさで
なんとかしているといった感じだけども、
なんだろうか、子供が見るにしても
やっぱり重たい内容というか、暗いなぁと感じる
多分、全体的なトーンというか、世紀末感がそうさせるのか、
どことなく怖いと思ってしまうのであった
多分それは、インダストリアのあり方とか、世界観そのものが怖かったんだなと
大人の世界とも違う、不気味さというか、
その世界が息苦しいといった感触を覚えるテイストに
惧れを抱いていたのかもと思うのであります

改めてというか、初めて観たという感じであるんだが
モンスリーという女性の成長がまた見所というか、
どんどん可愛くなっていくあたり、
これが宮崎駿のパワーかと勝手に感心してしまったんだが
おしとやか風になったけども、きっと、バラクーダ号のおかみさんとして、
宮崎アニメならではの肝っ玉かあちゃん的な成長を遂げていくんだろうなと
微笑ましく観ていられたのがよかったところ
ラナとコナンという少年少女の組み合わせと同時に、
ダイスとモンスリーという大人(?)の組み合わせもできあがるというのが
すごく微笑ましいというか、
しかし、モンスリーがよくダイスと結婚する気になったなと
ちょっと唐突にも思えたんだけども、ともかくめでたしめでたしでありました

アニメとしては、最終話近くのギガントというでっかい飛行機の戦闘が衝撃的で
まさか、自沈というオチになるなんてと驚いてしまったんだが
凄いロボットたちが闘って勝つではない、
アクションゲームみたいな感じの勝ち方というか、落とし方が斬新だと感じたのであります
大人になってみていると、凄いなぁと素直に感心したけども
自分が子供のときだったら、なんかもやっとしてしまうというか、
正しい倒し方なんだけども、なんか、納得いかないというか
そういうのじゃないのを観たかったとか思ってしまうだろうなと
それこれ考えるほどに、
やっぱり子供向けと見せかけて、違う内容だったのではないかと
感じてしまったとメモっておくのである

【読書】緑衣の女

2020-11-17 21:34:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
緑衣の女  作:アーナルデュル・インドリダソン

前作湿地に続いての北欧ミステリであります
またも、過去に起こった悲惨な事件とクロスオーバーしながら
現代に、その謎というか、その事件を暴いていくというお話
またもといっていいのか、
どうやら、北欧というのは結構大変なところのようで、
DVというか、女性への執拗な暴力が隠されてきていたと
そんなところを暴いた内容でもありました

唐突に差し込まれる暴力的な夫に悩まされる妻と子供たちの物語があり
それが、どうやら過去の話であるらしいと思いつつ
現代では、謎の骨、おそらくは殺人にあった遺体が発掘され
これがまた、ちょっとずつ掘り起こされていくという
いらいらする展開と、それと同時並行的に
主人公の娘の問題とか絡んできて
まぁ、北欧というか、アイスランドというのは大変な家庭環境が多いんだなと
いらんことを考えさせられつつ、物語が進んでいくのでありました

前作に続いて、やっぱり、派手な何かがあるわけでもないんだが
ある悲惨な家族の物語が、少しずつ、本当に少しずつ明らかになっていく
その途中途中に、ただただ、悲惨であった過去のシーンが挿入されて
まぁ、なんというか、酷いと思わされ、
そういった男の有様というのが、ありありと浮かぶような
外面はとてもいいのに、家庭内では悪魔となる
こういうのは、どこでもあるんだなと思わされつつも
その人を許容しているようでもなく、
でも、逆らうことはできずといった女性の苦悩だとか
様々なことに思いを募らせる内容でありました

最終的に、これまた、見事に解決というか
その物語が明かされるのだけども、
前にも思ったが、人口が少ないとはいえ、
相当に古い記録も当たることができてしまう
これが、アイスランドという国の凄いところなんじゃないか
70年近く前の事件を明かすことができてしまう
そこが面白いと思ったのでありました

いや、物語だから、実際そんなわけねぇだろと言われたら
残念でしかたないんだが、人間の数が少ないから
わかってしまいそうだなと思うのである

【読書】湿地

2020-11-16 20:39:49 | 読書感想文とか読み物レビウー
湿地  作:アーナルデュル・インドリダソン

北欧を舞台にしたというか、アイスランドのミステリ小説でありました
アイスランドならではといっていいのか、
人口が少ないといったことが、ある種キーワードというか
ミステリの根幹部分に関わってくる内容で
なかなか面白く読めたのでありました
人口の大半が、だいたい親戚にあたるというのは
結構衝撃的なことだよなと、同じ人種という概念が狭いというか、
少なくとも、自分が考える自国民というものと
遠い感覚が新鮮でありました

ある老人が殺される事件が発生し、それを追いかけていくと
50年以上前のある事件が姿を現し、
その糸が今に続き、この事件の真相に繋がっていくといった感じで
派手なアクションとかあるわけではない、
淡々と様々なことを調べていき、そんな古い事件なのに、
少しずつ手がかりを探り当てて、
そういうことだったのかと合点するまでにいたるというのが
推理小説、ミステリ小説といった、よくあるそれとは
ちょっと異なるペース、あるいは、楽しみ方で満足できる内容でありました
謎を解く楽しみはあるんだが、異質といっていいのか、
異世界といった感じがするのだ

この事件とは、特に関わりなく、主人公の娘がシャブ中になってて、
これもまた、なかなか大変なことになっているという話も展開して、
それが事件とリンクするかと思ったら、特にそういうわけでもなく、
いや、実際は細かいところで近づいたり、離れたりしてたんだけど
ただ、そういう状態の若者というか、人間が一定数存在するということが
当たり前に受け入れられている社会といったらいいか、
ともかく、犯罪なんだけども、許容されているというか、
存在が認められていて、どうしようもないといった
やるせなさでもないな、なんだろう、この不思議な感覚わと
北欧独特なのか、その世界観が衝撃的だとも思えたのでありました

話題作で、さらに続編があるとのことで早速読んでみているんだが
なかなか、楽しいといった、明るい話ではないけども
面白く読める小説でありました

麒麟がくる  反撃の二百挺

2020-11-15 20:51:37 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
じわじわと、信長と将軍との間に溝ができて深まっている感じが
非常に面白いと思えた回でありました
序盤に、光秀がくぎを刺していたのに
どうしても、摂津を信じてやまないところから
脱却しないというのが、将軍様なのでありますな
物語上そうならざるをえないとはいえ、それが非常に面白いので
歴史と人間と、それを眺めるドラマというのは
それぞれ異なるもんだよなと思わされるのであります

さらっとお駒ちゃんが重要なポジションになってるけども、
それ以上に驚いたのが、利休の名前は出るけど姿が出ないことで
今回はまったくかかわりなしといった感じかと
結構衝撃的だと思うのであります
最近のそれこれに毒されたためではあるが、
利休が出てこない戦国というのが、なんか、新しく思えてしまうのが
なんともはやである

なんだかんだ、秀吉といい関係を続けて、
相棒でもないが、いい二人組って感じになってるのが
またまた興味深いところでありまして、
ここからライバル的な扱いになり、やがて敵になりとなっていくのか
そこまで細かく描いていく時間が残っているのかも含めて
楽しみと心配が半々なのでありました

いよいよ、本願寺やら、比叡山やらと
坊主たちとの闘いになってきて、
ここも非常に面白いところだとわくわくしつつ
でも、ここからさらに、松永離反、荒木離反と続くのが、どれくらいのスピード感でやってくるのか
せっかく面白い大河だから、じっくりとやってほしいと願ってしまうのだが
ともかく、楽しませてほしいと望むばかりであります

【読書】アマの将棋ここが悪い!3 終盤の極意

2020-11-14 19:47:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
アマの将棋ここが悪い!3 終盤の極意  著:桐山清澄

とうとう3冊読んでしまった
いよいよ終盤の話ということで、ほとんど詰め将棋問題でありました
もっとも実践詰め将棋といった感じなので
持ち駒があまるとかそういうのはどうでもよくて、
ちゃんと詰められるかどうか、
また必至をかけて、自分は安全かどうかを確認する
その訓練になる問題ばかりで、あーだこーだ、
一日数問ずつとりかかっていったばかりであります

いわゆる詰め将棋本とは異なり、
やっぱり、各戦型で、でてきやすい終盤図が多くて
ぴったりはなかったものの、それをどう詰めていくのかが
また、詰めるための捨て駒の使い方の妙なんかが詰まっていて
非常に面白いのでありました
まぁ、詰められるとわかっていれば、こうやって捨てられるんだが
実践ではとんと難しいよなぁ
まぁ、そこを読めという話なんだが

最終問題が17手詰めということで、
自力回答を断念してしまったんだが、
実際これを解いていくにあたり、あれこれ頭の中で盤面を作っていくんだが
やっぱり、それが途中で切れてしまうというか
これが、限界なんだろうかねと思わされたりするのでありました
あれをこれをとやっていくと
盤面が消えてしまうというか、なんとも、大変でありますね

一手勝ちを目指すという問題がやっぱり面白くて、
向こうをウケなしにして、こちらは余すという
それを読んでいくという作業が
大変苦労というか、これを実践でさらっとやらないといけないなと
つくづく、勉強は大変だと思わされたのでありました

ポイントは詰めるということにいたる間に、
受けがない形に追い詰めることの大切さを学ぶのでありました
最後、詰めきれずとも、必至をかけ続けることとか
そして、その後に特にこちらは余していると
これを繰り返していけるようにするのが
いいのであろうと、改めて思わされるのでしたとさ

5手先くらいを読めると随分違うんだろうなぁ

【ドラマ】アンという名の少女

2020-11-11 21:33:30 | ドラマ映画テレビ感想
NHKの海外ドラマシリーズでした
赤毛のアンという題材自体を全く知らないので、
新鮮な気持ちというか、変わった物語だなと思いつつ見ていたんだが、
いや、結構ヘビーというべきか、
アンのキャラクタは、危ないなぁと思ったりしながら
見守ったのであります
だんだんと打ち解けていくというのはいいことだし、
なんだかんだ、いいひとが多いというのが
ほほえましくみられるところなんだが、
あの妄想癖は、ちょっとよくないんじゃないかと
序盤は、なんとなし、ひやひやしてみてしまったのでありました

孤児院育ちということが
偏見を生み、その差別にさいなまれるといった感じもありつつ
友情や、やさしい人たちとの交流なんかが
そういうものをほどいていってくれるようで
なかなか見ていてほんわか気分になれたのであります

ただ、最終回が、結構衝撃的というか、
すごいのぶっこんできたなと思ったんだが
あの後どうなってしまうのか
NHKが続きをやってくれるのか、そもそも、続きが作られているのかも含めて
気になってしまうのでありました
めちゃくちゃ面白いといった感じのドラマでもなかったけども、
なんだかんだ、じっくりと見入って
不思議な家族関係だなと、里親が兄妹という組み合わせであることも含めて
家族とはと、考える内容だったように思うのでありました

【読書】アマの将棋ここが悪い! 中・終盤の秘手

2020-11-10 21:18:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
アマの将棋ここが悪い! 中・終盤の秘手  著:桐山清澄

前回に続いて、今度は中終盤の攻防について
また次の一手方式で学ぶ内容でありました
序盤の話より、よりわかりやすいというか
一手一手で、勝ち負けがはっきりするシーンというのが
考えごたえがあって面白かった

特に矢倉戦のそれこれが、大変勉強になるというか、
もう、この形何回もやってきたといった感じで
勉強になることこのうえなかったのでありました

基本的には考える訓練といった感じなので、
問題に対して、あれこれ考えて、答え合わせをするときに
悪い手のとき、どうして悪くなるか
良い手のとき、どうなって欲しいか
それぞれを想像して、ぴたりとなったら
まぁ、なかなか満足感が強いのでありました

よい確率で、最善手を選べていたんだけども、
盤全体を見る、数手先を考える
相手の狙いを見るといったところは、
まだまだ勉強が足らずに、ああ、そういうことかと
答え見て気付くことが多くて、なかなか先は長いと
思うのでありました

ただの将棋勉強日記になってしまった、感想文とはいえないな

【読書】4TEEN

2020-11-09 20:50:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
4TEEN  作:石田衣良

ジュブナイル小説というには、少しハードな感じをまぶしてある
ある種の時代感も強い一作であります
著者の本は、IWGPシリーズを何本か読んだことがあったなと
それくらいの知識でありましたが、
こういう独特な、子供たちのコミュニティというものを扱うのが
凄いうまいなぁと感心しきりな内容でありました

4人の14歳の子供たちを主人公にした連作短編で、
それぞれ事情が異なるけども、そういうのはナシにして
お互いが友達だという、若い時分の特権というか
特有の絆がうまく描かれていて、
大人になって読んでしまうと、一種のSFとすら感じてしまうくらい
清清しくてステキな世界なのでありました

こんな中学生たちがいるだろうか、なんて疑問を浮かべるのは
まるで意味がないことでありまして、
この物語、突き詰めると単純な青春物語というのを
ただただ楽しむと、凄くよい一冊でありました

14歳の男子だからというわけでもないが、
エロに対して興味津々なところをうまく扱っているのも面白くて、
全然下品じゃなく、青々しい、もうちょっとひねてるではないが、
照れというか、なんか、違うものが当時はあった気がするなと
主人公になれない自分を突きつけられるようではあったが、
その微笑ましいやりとりもふくめて面白いのでありました

大きく異なるというか、小説世界だと思わされるバックボーンに、
東京生まれ東京育ちというところがあって、
彼らの住む世界と時間のうち、世界という部分が
聞いたことのないそれだと感じるところも多い
本当の東京育ちは、だいたいこんな感じなんだろうかと
憧れでもないが、想像が膨らむようでもあって
このあたりも面白いと思えたのでありました

短編の中では、結構ヘビーな題材も扱いつつ
そうはならんやろ、とちょっと御都合に解決しすぎるところもあるけど
小説なんだから、こういう幸せな感じがよいのだといえば
反論できないくらい、清清しい、でもちょっとだけ
悲しいことがあるといったさじ加減が絶妙だと思ったのでした

この時代と場所におけるスタンドバイミーといった
ありきたりの感想になってしまうけど、
自分としてはしっくりきた感想を抱いた