CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】コワ~イ、骨董品売買の裏話

2020-07-30 20:57:49 | 読書感想文とか読み物レビウー
コワ~イ、骨董品売買の裏話  著:細矢隆男

おどけた感じの表題ですが、
割と真面目に骨董品売買を始めるための心構えなどを語った本でした
そういう骨董商のイロハを教える講師もしているようなので、
その講義のかいつまんだ版といった内容なのではないか
そんな感じであります

裏話としているけども、まぁ、そういうことありそうだなと
そんなことを偽名でいくつか紹介している程度で、
物凄く貴重な話という感じはないのでありますが、
もしかすると、骨董界隈ではあの話ねといった感じで
凄く楽しいのかもしれんと思ったりする内容でありました

贋作を掴まされて、必死に勉強をしたという話の本質の解説や、
この業界、あの手この手で騙してくるので
本当に気をつけないといけないということを
実際に被害にあった内容から説明している部分は非常に面白くて、
やっぱり何事も、実地に基づいているのがポイントだなと
つくづく思い知らされるのでありました

骨董古美術はお金がからむだけに、
人間の様々ないざこざを誘い込んでいるようで、
よいことよりも、悪いところのほうがたくさん味わえる内容だと
つくづく思い知るものでありました
盗まれたり、騙されたりが、ごく当たり前にあるというのが
やだなぁと思うけど、そういう世界なんだなとしか
いいようがないなぁ

プロは値切らないといった、端的な部分もあるのだけども、
骨董がどうしたよりは、人間との付き合い方、
そして職業とするための心構え、真剣勝負というのは
そういう意味だというのが伝わってきてよかったように思うのであります
古物商の免許をとりあえずとるところから始めるのがよさそうながら、
まぁ、それ持たずに、転売やらやっている人たちもいるしなぁと
あれこれ考えさせられるところであります

昨今のネットオークションで行われる
有名な詐欺行為のあれこれが結構面白くて、
私自身も、たまに買ったりする身分としては
身を引き締めるというべきか、なるほどなぁと考えさせられるところでもありました
箱書きや、鑑定書に騙されないように、
美意識というものを磨くことの大切さが語られていて、
そういう定量化できないものに魔物がすんでいると思いつつも、
実際、そういうことなんだろうなとも思わされたり

やはり、コワい世界であるのは間違いないなと思ったりした一冊でありました
面白かった

【読書】逆ソクラテス

2020-07-28 21:30:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
逆ソクラテス  作:伊坂幸太郎

教訓系の寓話、童話みたいなお話でありました
ゆるくつながりのある短編が収録された内容でありましたが
小学生たちが、正直とは何か、それを学ぶような
言いきりはできないし、うまく説明できたとも思えないけど、
そういうことだから、小学生なりに察しろと
割と投げやりに任せた内容だったように思うもの
読んでいて、いい話でもあるし、
いい話になりすぎないようにという匙加減も見えるようで
面白い物語でありました

内容は子供向けと感じるところなんだが、
実際に子供が読むかというと難しいなという感じで
やっぱり伊坂 幸太郎の小説だなという感想になってしまう
面白い小説だったわけでありますが、
こういう考え方があるという押し付けではなく、
もっと事前段階で、ここには考える余地があるということを
なんとかして子供に伝えようという四苦八苦が見てとれるような内容でありました
確かになぁという感じも覚えつつ、
いわれたことを正直にして、よい場合もあれば、悪い場合もあるわなと
ごくあたりまえの世間を描こうとしていたというか
それもまた、小説的に簡略化されているんだけど
考えすぎているような、考えているのが面白いようなと
不思議な読み応えでありました

いじめ、という名前と事象を取り扱っているけども
もっと大きく、悪意というものについて
真剣に考えた内容なのは、共通するテーマのようでもあり、
新たなアプローチとして面白いと感じたのでありました
少し離れて考えてみると、内容は説教なのだが、
それが伝えたいことで、なんとかしたいという気持ちがのっていて
教戒といえばいいのか、
全て正しいと思ってほしくないが、こういうことも考えておいてほしい
そういう、作者からのお願いといったものが
物語の形をしている小説だと思ったとさ

伝えるというのは難しいし、
伝えたいことへの責任を考えるというのも
また難しいことだと考えさせられるのであります

【読書】ヒポクラテスの試練

2020-07-27 21:20:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
ヒポクラテスの試練  作:中山七里

相変わらずの死体好き教授による事件解決劇でありますが、
今回舞台が海外にまで及び、人種差別問題を含むものとなっていて
なかなか、物語の構造が興味深い内容でありました
序盤の事件2件が、後々かかわってくるけども、
最初の杜撰とさえいえるような取り調べが、ある意味面白かったのであります
実際にこの小説の通りのことこが起きたら
県警ひとたまりもないだろうな

肝臓がんという診断結果の遺体が、
実際は寄生虫によるものだったと判明する
これがパンデミック化するかもしれないから、
その発生源をなんとしても突き止めよう

そんな感じで物語が進んでいくのだけども、刑事がからんでいるのに、
目的が事件の解決ではなく、パンデミック阻止という
もっと大きな観点の平和というか、そりゃ管轄外だわなと
刑事に同情してしまう展開なのが斬新で面白かった
相変わらずひねくれたというか、屁理屈と不条理で教授が話を進めるのが
読みどころとして面白いのだけども、
さすがに乱暴すぎるだろうと感じたりもしたのでありました

とはいえ、いくつかの事件が、一見関係ないのに
最終的には見事につながるという、ある種ご都合的な展開ではあったものの
そうでなくてはねぇと、刑事側を忖度じゃないが、
安心させる内容にもなっているのが面白いのでありました
刑事ものエンタメというのは、もはや、刑事事件だけを扱っていては
成り立たないところまできたんだろうかと
いらんことを考えさせられたのであります、面白いからいいんだけども

追っかけていることは一つなんだけども、
その先々で起こる事件と、包含されるテーマが変遷していくので、
飽きが無い感じで読めて楽しいけど、いささかあっちこっちしすぎて
そんな話だっけ?とか思ってしまうところもあった作品でありました
説教臭く差別はダメみたいな安易な話ではないのだけども、
アメリカにおける差別というもの、それが人に及ぼす影響、
人心のありかたと、平和とはなにか、
結局、死体の方が雄弁であるというそれが
事件は生きている人が起こすという話にもつながっていて
このシリーズのテーマを現したようにも思えて面白いのでありました

とはいえ、困った医者ばっかりでてくる小説だなぁと
にやにやしながら見てしまうのである
口さがないキャラクタは見ているだけで面白いのでありました

「麒麟がくる」までお待ちください~キャスト・スタッフが明かす大河ドラマの舞台裏

2020-07-26 20:48:07 | ドラマ映画テレビ感想
NHK大河ドラマ代替放送、だいぶ近づいてきたのか
今回は舞台裏特集ということで
50ボイスの焼き直しだったけど、面白かったのでよしなのでありました
龍馬伝のは初めてみたから新鮮だったわ、
というか、あれ10年前なのか、時間が経つのが早すぎる…

出演俳優さんや裏方さんの話が見られるということで、
前回の秀吉のときに、大根の泥がチョコレートだったというのと同じくらい、
妙なこだわりシーンが集められてたのが凄いよくて、
セミの作り物が貼り付けられてたり、
障子の貼り方が違ったり、
嘉納先生の小道具が貧乏臭かったりと、
そんなの説明されんとわからんじゃないかと
もう、そういう話だけでもっと特集組んで欲しいと
そんな気分になるそれこれでありました

役者のこだわり部分なんかも楽しいので、
もっと裏側の顔というか、あれこれを見たいなぁとも思ってたんだが、
裏方さんの主張というのも面白くて、
ああいう現場はすげぇ怖いんだろうけど、
熱くて面白いんだろうなと、しみじみ思わされたのでありました
照明さんの相当怖いであろう人が、
テレビの前だから、だいぶおとなしかったんだなと
あの撮り方だけで伝わってくるから面白いなぁ

個人的には、もっと殺陣シーンのこだわり部分を見たかったけども、
麒麟がくるで、矢が刺さるシーンが実際に刺さっているというのが
結構衝撃的で、あれは本当怖いわと、
役者さんは端役でも、とんでもなく大変だなとしみじみ伝わったのであります
たまにエキストラやらせてもらうことあるけど、
あんなのは回ってこないんだろうなぁ、いいなぁ

この10年のドラマのいいとこを集めた内容だったわけでありましたが、
できれば、消え物とか、食べ物系のあれこれを集めたところも観たかったなぁと
まだまだ、企画としては山ほどあるんだなと認識させられたのでありまして
もう一回くらい、これやってくれないかなぁと思うのでありました

【読書】夜の向こうの蛹たち

2020-07-24 21:22:20 | 読書感想文とか読み物レビウー
夜の向こうの蛹たち  作:近藤史恵

女性小説家に起こった、事件とも呼べない
少しだけ印象に残る日常のお話でありました
メインの登場人物が三人しかいないのに、
凄い面白いというか、この三人のそれぞれを描くだけで、
人間の機微というか、関係性みたいなのが
物語となって、目が離せなくなってしまうんだから
凄い小説だと、感嘆してしまった作品でした

だいたい、そういうことだろうなと、
わかりやすい展開で進んでいくのだけども、
それがミスリードか?と途中で思わされたり、
いや、ひねりもなく真っ向からそうなのか、
でも、だからどうなんだ?あれ、何がどういう話だっけ、と
目が回るようなスピードではないのに、
気付いたら、何が物語の中心だったか
見失わされてしまうような、
心の変化に戸惑わされる内容が、凄い面白いのでありました
男の身で読んでしまうからか、
女性ならではなんでなかろうか、と勝手に想像してしまう
そんな、心変わりですらない変化というのが
ごく自然に、とても当たり前に描かれていて、
ただ凄いと感じ入ってばかりでありました

ゆるく、だけどひとつ確かなテーマとして、
女性の容姿についてという部分があって、
そこに向けて、三者三様のあり方で生きつつも、
それがあまりにも違うようにも思えるが、
それもまた、不思議と理解できそうな按配で、
安易に誰かに強く出てどうした、なんていう、ありきたりな説教ではない、
様々に或る、そういった問題への態度が描かれているだけというのが
突き放したようでもあるけど、凄く興味深いと思えたのであります

主人公が好きだというタイプに、
誰かに媚びないというか、自分ではっきりと立っているというものが
ふんわり示されているんだが、それもまた、
独りよがりというか、そうではないと思っていた人が、
まるでそうであったかのように篭絡されてしまう展開になって
まぁ、インモラルな雰囲気もあわせて
凄い面白かったのであります
こういう雰囲気の小説好きすぎるわ、なんだ、俺は40代OLだったのか(違う)

日に日にバカになっていく自分を悲しく思うが
とても面白く楽しめたのでありました
もっと、こう楽しかった、こう面白かったと
言葉を尽くしたいくらいなんだけども、
語るほどに陳腐になるし、的外れになってしまいそうなので
悔しいが、このくらいでメモをおく

【読書】クスノキの番人

2020-07-23 20:56:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
クスノキの番人  作:東野圭吾

SFミステリでありました
いや、スピリチュアルミステリというのか、
そもそもそんなジャンルねぇよという話なのか、
いわゆる刑事モノとかそういうジャンルとは違う、
超越した力を軸にしたミステリでありました

あまり褒められた生き方をしてこなかった男が、
ひょんなことからクスノキの番人という仕事をさせられることになり、
その仕事の本質が何か、少しずつ明らかにしつつ
人情話を楽しめるといったものでありました

なんとなく、早い段階からそういうことだろうなと
わかるようなつくりなんだけども、
それが明かされたからといって、
何が解決するでも、大きなオチに繋がるといったことでもなく、
些細なといってしまっては、アレだけども、
誰かに何かを伝える、引き継いでいくという
普遍的なテーマを扱った内容が面白かったのであります

ネタバレにならない程度で気になったというか、
人の鼻歌を聞いただけで、それを音楽的に再現するなんて
そういう技能が存在するんだろうか、
ちょっと興味深い内容だなとあるキャラクタの能力について感じたのであります
この部分が結構面白かったけども、ある種漫画っぽいところでもあるな

人死にが出るわけでなく、
よく扱われる血縁というテーマの小説でありましたが
このあたりは、東野圭吾のライフワーク的なもなのか、
人情話に、血縁というしがらみめいたものをあわせる物語が
結構心に響くというか、年齢を重ねたせいか
しっとり楽しめるなぁと感じたりするのでありました

老いというか、認知症のはしりについてのことも書かれていて
次回作はこのあたりのテーマでがっつり掘り下げるつもりだろうかと
妙なかんぐりをしてしまったのでありますが
さくさく読めて、なかなか楽しい物語でありましたとさ

【読書】 ヤクザときどきピアノ

2020-07-21 21:03:06 | 読書感想文とか読み物レビウー
ヤクザときどきピアノ  著:鈴木智彦

ヤクザがピアノを弾く話かと思ったら、
ヤクザ専門ライターがピアノを弾く話でありました
でも面白かった、
要約してしまうと、おっさんが50がらみでピアノを習い始めたと
ただそれだけなんだが、それが面白いんだから
なんとも不思議なものであります

正直ヤクザは関係なく、
ヤクザ関係用語を使いつつ、おっさんがピアノを習っていく
ただその日々を綴っただけなんだが、
先生の教え方のよさと、ピアノが上達していく楽しさの描写が
ああ、ピアノ弾いてみたいと思わせるに十分な話で
なかなか読み応えもあってよかったのであります
ピアノ薀蓄話も、あれこれ盛り込まれているので、
引けないけど、ピアノについて知れた気分になれるというか、
読書体験で、ピアノ体験できるかのような
面白い本でありました

多分、ピアノをやったことのある人が読んでも
こうは感じないのかもと思ったりもするのだけども、
ダンシングクイーンを弾きたいという一念のみで、
懸命に練習してきて、そして、
どうやら結果は散々だったらしいけども、なかなか楽しくやれていたという
本としてもオチがついてよかったねといった実録が
あっさりとした読み応えで楽しめる一冊でありました

楽しんだことを、楽しかったと書いてあるだけの本だけども、
その筆圧というべきか、楽しかった感じがよくよく伝わって
いい気分になれる、よい本だったと思うのであります

まぁ、さほど感想書くほどのこともないというのは
仕方ないというべきか、本当、
おっさんがピアノを弾くまでの話
で、すべて片付けられてしまうので仕方ないのだけども、
なんだかほんわか楽しい本だったとメモっておくのである

【読書】プラスチック・フリー生活 今すぐできる小さな革命

2020-07-20 20:54:16 | 読書感想文とか読み物レビウー
プラスチック・フリー生活 今すぐできる小さな革命  著:シャンタル・プラモンドン

プラスチック汚染の問題に取り組む著者が、
すべてのプラスチックを根絶するのは無理だが、
少しずつ、こうしていけば減らせるのでは?といった感じで、
プラスチックの害悪と、それを減らす方法について書いたほんであります

私の足りない頭と知識のお話で書いてしまうのだが、
こういう環境問題系のなにかれは、どうしても行き過ぎているというか
先鋭化がはなはだしいので、話半分くらいに聞いておかないと
一種の宗教じみた恐ろしさがあるなんて思ってしまうところなんだが、
この本については、そんな狂信性は観られずに、
プラスチックの悪い部分を丁寧に解説しつつ、
それを減らすための努力として、代替案を提示すると
親切な設計なのでなるほどと読めたのでありました

でも、個人的には、プラスチックの害悪部分がいまいち共感できないのであるけども

害悪の部分については、プラスチックそのものが分解に時間がかかること、
それが断片化したものが海に山ほど沈んでしまい、
それを食べるものたちの食物連鎖が、やがて人間を蝕むといったお話、
環境ホルモンではないが、亜種ホルモンとして断片プラスチックが活動し、
様々な悪影響が出ているといったお話と、
ありそうだというところが示されているのだけども、
このあたりは、医者がそういうこともあるといった話を誇大に支持しているイメージがあって、
あんまり賛同できないところなんだが、
プラスチックに練りこまれた様々な化学物質が、溶け出すことで悪影響が出ているというのは、
ありそうかしらねと思ったりするところ
でも、それも、どれほどの量だよと考えると、さしたるものではないのではと
思ったりするわけだが、
ホルモンは微量でも劇薬的な効果あるし、やっぱりそうなのかしらねぇ

と、そんなもやっとした感じで懐疑を抱いているわけでありますが、
代替案として、できるだけプラスチック製品ではないものを使うというところで、
別金属とか、様々なものを提示しているわけであります
それはそれで、そのうち問題が出てきたとか言い出して
結局いたちごっこでなかろうかしらと思ってしまうんだが、
プラスチックの清潔さという部分、使い捨てがそれを担保しているというのは
現代にこれだけ反映してしまっている以上、
手放すのは難しいんだろうなと思わされたのでありました

昔は、あれこれ洗って使いまわししていたというのはとてもわかるし、
戻れるような気がしてしまうわけだけども、
本当に戻れるかというと無理じゃないか、あまりにも便利すぎるというか、
安全すぎる、衛生という部分については新品のプラスチックに
かなうものがないんじゃないかと思ってしまうと、
マイバックを洗うことなく使い続けている身分で、
いきなり変換はまぁ面倒臭さに負けそうだと思ったりしたのでありましたとさ

意識の問題といえばそうなんだが、
プラスチックで手に入れたものを手放すために、
そういう世界に戻る勇気をどうやって手に入れるかは
この本からは得られないけど、やるならそこまでしないといけないのかもしれんと
考えてしまうのである

【ドラマ】雲霧仁左衛門4

2020-07-19 21:34:36 | ドラマ映画テレビ感想
NHK土曜時代劇枠、シリーズ3のあと、すぐに始まった4であります
天一坊事件を発端にして、米騒動の老中汚職といったところを
盗賊が正すといった感じのストーリーだったわけだけども
なかなか楽しく、殺陣もしっかり見せてくれて
面白い時代劇でありました
娯楽作品という感じが、様々なところから感じられて凄い好きだわ

こてこての時代劇、これの意味するところは難しいけども、
盗賊ならではのギミックを派手に見せるというか
仕掛けの大掛かりなところが非常に面白くて、
ややもすれば、というか、まぁ、
大工小僧活躍しすぎだろうと思わなくもない仕掛けが多いけども
それはそれとして、洲走りの鍵技術といい
ちょっとスキル高すぎる盗賊集団のあれこれが
なかなか楽しく観られたのでありました
騙しあいという部分はやや弱いけども、娯楽時代劇で
あんまり難しいトリック使うのもねぇという気分なので
これはこれで正解だと思って見入ってしまうのである
籠を引っ張り揚げる仕掛けのあたりとか、太秦テーマパークっぽくて好きすぎるわ

そういう面を楽しみつつも、
原作を生かしてということなのか、
人情味あふれる展開がまた、実に面白くて、
天一坊のやるせなさも見事ながら、
洲走りがかつて世話になったお嬢さんとの展開なんかが、
かなり熱いというか、いい展開で
ほろほろしながら見入っていたのでありました

悪役も3段階に別れてやってきたわけだが、
やっぱり、イッセー尾形のコメ問屋が一番アクが強くてよかった
世の中すべてをバカにしているかのようなキャラクタが、
なんというかな、最終的に非業といっても相違ない最期を迎えるあたり、
あの一人芝居が突き抜けたようなシーンの数々が
面白くて仕方なかったのでありました
イッセー尾形でしかないんだけども、
物語として破綻しないというか、凄いなぁ、面白い

そして、式部との戦いとともに、
雲霧の人物像もかっこよくてよかったのであります
仲間を決して見捨てないというところを何度も逆手にとられるシリーズだったけども、
それを最期まで通して、また、それによって、
若い同心を篭絡したというあたりの綾というか、
式部の怒りもまた、よくわかる感じが凄くいい脚本だと思いつつ
最終決戦もかっこよくて見ごたえたっぷりでありました

ただ、最期のシーンで、相打ちみたいになったのだけども、
まぁアクションものの定番としてそういう展開はあるが、
刀でやりあって、その同士討ちはありえないだろうと
お互いが嶺打ちしてんならいざしらず、切りあいであの体はないなぁと
ちょっと目が覚めてしまったが、
まぁそれまでがかっこよかったし、いいかと思うのでありました

シリーズ5も撮影しているのか、するのか
そういう感じらしいので楽しみなのでありますが、
雲霧は急ぎ働きをしないわけだから、ひとつの大きな事件で
年単位の仕掛けをしているとすると、あんまり引っ張るもんでもないよなぁと
感じたりするのである

【読書】しかけに感動する「京都名庭園」: 京都の庭園デザイナーが案内

2020-07-17 21:13:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
しかけに感動する「京都名庭園」: 京都の庭園デザイナーが案内  著:烏賀陽 百合

京都の寺社仏閣、様々な場所にある庭園について、
あれこれ解説を加えたビジュアル本でありました
美しい庭の写真と、その創意工夫、そしていわれと歴史が
丁寧に書かれていて、なかなか面白い本でありました
まぁ、読み終わって、ほとんど覚えてないんだけどもね

著者の感性が独特なのか、
やたら石、岩についての言及が多く、凄く好きなんだなと
そのあたりが伝わってくる内容でありました
どこその庭園のこの石は珍しいとか、
そういう石を持ってこれたところに政治的な力があるとか、
なるほど面白い見方だと思ったりもしつつ、
石そのものの魅力、その形や色から、何を模しているか、
想像させるかというところへの言及が面白かったのであります

石畳なんて、簡単なそれではないのだけども、
敷石に様々な位があって、それに使われている材質、
その形の様々が、気付かない部分だなと
今度行ったら観てみようと思わせる内容でなかなかよかったのでありました

庭の楽しみ方を石の見立てから教えてくれる
そういった本であったように思うのである

餃子の王将 酸辣湯麺

2020-07-16 21:02:14 | 食べ物飲み物
久しぶりにメシの話でも書いておく、ネタがないのだ

さて、餃子の王将の今月のメニューでお勧めされている
酸辣湯麺が、思ったよりも美味しかったのでメモっておくのであります
このところ、麺類ばっかりお勧めで出してきてて
正直、王将の麺類は美味しくないんだよなぁとか失礼なことを思っていたんだが、
こいつは別格というか、別だと感じたのでありました

正直なところ、近所の一店舗でしか食べてないので、
ほかの店で食べても同じ味なのか、
王将のセントラルキッチンシステムはあてにならないので、
きわめて偏った情報となる気もするんだが、
ほどよい酸味が非常に食べやすくしてくれていて
大変よいと思えたのでありました

ただ、酸辣湯という名前というか、これ、酸辣湯か?という感じなのは御愛嬌というか、
もはや酸辣湯という部分がどこに残っているのか、
探すのが大変なくらい別物なのが面白いのであります
トマトが入っている、鶏肉が入っている、卵が溶いてある
いや、それ酸辣湯じゃねぇだろ、どっちかというとトマト麺とかの方じゃねぇかと思ったりしたんだが、
ちょっとした酸味と干ししいたけの刻んだものが、
わずかに酸辣湯かも、という気分を出していてなんというか面白い

まぁ、本物とはそもそもなんなのかという話なので、
大したことではないのだけども、名前はとりあえず借りているが
まったく別物、だけど美味しいという奇跡的なできばえのように思えるので
今月、こればっかり食べているというお話でありましたとさ
炭水化物断つという話はどこにいったんだと自分でも思うが、
なんかクセになる美味さがあると感じている次第でありましたとさ

王将の特別メニューシリーズでは、よだれ鶏以来のヒットメニューだと
個人的に気に入ったというお話を書いておくのでありました
麺類ばっかやってんのはお持ち帰りの影響なんでしょうね
世知辛い世の中であります

【読書】山手線内回りのゲリラ―先崎学の浮いたり沈んだり

2020-07-15 20:51:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
山手線内回りのゲリラ―先崎学の浮いたり沈んだり  著:先崎学

先崎先生の、少し古いエッセー本であります
久しぶりに図書館いってなんとなし読んでいたら
止まらなくなってしまった、やっぱり面白い
そして、考え方を改めないといけないなという点の発見があった
先崎先生は、羽生先生のことよりも、佐藤会長の方が好きなのかもしれん(どうでもいい)

ちょっと古い話題のため、出てくる棋士が
自分が将棋をかじりだした頃よりも前なので
ちょっとしたレジェンド感があって楽しかったのであります
神話というと大層なもんだけども、
木村先生や、行方先生と若い頃から飲んだ暮れていた話なんかが
若手っぽい感じで書かれているのが新鮮で、
いいなぁと思ってしまったのであります
先崎先生は、ABEMAは出ないのかしらね、毛色が違う気もするけど
観たいような気がするなぁ

どれも面白い話ばかりだったのだけども、
とりわけ、米長先生との師匠と弟子的な話が面白くて、
酷い大人の弟子をやってたんだなと
改めて思い知らされたりしたのでありました
真部先生のことは、ウォーズの真部流のエフェクトでしか知らないけども、
囲碁でコテンパンにされる話が面白くて
図書館なのに思わず声を出して笑ってしまったのであります
酷い、でもすごい面白い

気になったのは、チェスボクシングについて言及があった部分で、
それを面白そうだと笑い話しで語るだけの一遍だったんだが、
この舌の根も乾かないうちに、将棋ボクシングをやらされたんだろうなと思うと、
その話も凄い読んでみたいなと思ったりしたのでありました
多分、別のエッセー本に載ってんだろうな
気になるなぁ

と、将棋界隈の面白い話しを読むことについて、
先崎先生の本は、本当に面白い、観る将の土壌は先生が作ったんじゃねぇかと
思わされるほどのくだらないけど、とてもよい本を読んだと思うのでありました
120面指しも凄いけど、囲碁の指導将棋で負けてもらったという経験で、
初めてプロに勝つアマチュアの気持ちに気付くあたり、
本当にこの人わ…と思わされながらも、凄い面白かったのでありました
しれっと、因縁でもないけど、西原理恵子も出てきたりして
このあたりから、交友関係がすこぶる怪しいと思わされたのも
またよいところであった
楽しい本だ

【読書】スノーデン独白 消せない記録

2020-07-13 21:29:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
スノーデン独白 消せない記録  著:エドワード・スノーデン

いや、全然知らなかったわ
そんな目からウロコというか、
同じ時代に生きて、まさにその事件を見ていたはずなのに、
そんな話だったのかと、いかに知らないでいたか、
あっけに取られてしまうほどでありました

ぼんやりと、CIAの裏切り者の人だよなー、ロシアに亡命したんだよなーと、
かつて、原爆の秘密をロシアに持っていったスパイと
同じ感じで捉えていたんですが、まったく違っていました
そして、この人がどういう人だったのかも、
まるで知らなかったことを思い知らされた一冊でありました

スノーデン氏の半生を語った本であり、
本人のその生い立ちから、どうして、CIAを裏切ることに至ったか、
まぁ、CIAを裏切ったという言い方も、また正確ではないのかなと
思わされるような入り組んだ内容が
凄くわかりやすく書かれていて、大変面白い本でありました

若い頃から天才ハッカー的なポジションの人だったようで、
家柄とか、生き方なんかは凄く興味深いところがあった、
日本ではこういう人種が、こんな活躍をするといった場が
存在すらしないんじゃないかなと思わされるんだが、
知らないだけで、日本の諜報部隊ってのはいるんだろうか、
気になるなぁ、このレベルなのかなぁ

ハッキング技術というものの概念の説明が面白くて、
コンピュータ相手に何か悪いことをするというのではなく、
世間、生きているうちにおきることすべてに対して、
何か、裏技や隠し技みたいなのを使って、自分の都合よい形にするというのが
ハックということだと、諭すではなく教えられるような内容で、
子供の頃からいたずら好きだったことや、
様々な嫌なことをどうやってやらないようにしてきたか、
それよりも、やりたいことをやるためにどうしてきたか
そのあたりの機転のきく様が、頭の良い人だという印象を
凄く強めてくれるのでありました

まぁ、その生い立ちが災いしたというべきか、
いよいよ本筋ともいうべき、亡命にいたるあたりの思考が興味深くて、
こういう仕事、また、そういう頭のいい人というのは
思考や、心というものが弱りやすいというか、考えすぎてしまうんじゃないかなと
思ったりしたのでありました

自分がしている仕事は、全世界を盗聴することを手助けしている、
こんな不正義を許容できるかどうか、
極論そういう話だと思うんだが、ここで悩んでしまう、
いや、この本からではわからないだけで、そこにいる自分という立場が、
それをつかさどろうとする国というものにとって、
どれほど危険か、何か、そのために不幸を被ることになるのではというのを
直感的に覚えて、それが心を疲弊させたんじゃないかしらとか、
凡人の想像では、そのあたりに陥るのでありました
重責というものが、人を蝕むというのは、こういうところかなと
思ったり感じたりしたのでありました
それを厚顔無恥ではないが、感じないという人が
英雄と呼ばれる素質を持っているということなのかもしれんとか
かっこいいことを考えさせられたのでありました

と、まぁ、天才でもあったし、凄く仕事のできる男でもあったスノーデン氏だけども、
その職務の重責に耐えられないというか、その先に不安を見出したことから
不正義を告発するということにしたというわけだったのでありまして、
さらには、ロシア亡命については、アメリカの手落ちであったのが衝撃的で、
たまたまロシアに寄っていたときに、アメリカがパスポートを失効させたので、
身動きがとれなくなったということなんだそうだが、
このあたりも、誰かがそう、あるいは、本人がそう仕向けたんじゃないかとか
思わされたりするわけだけども、そういう疑惑というものを被るのもまた、
彼というか、彼のポジションに付きまとうプレッシャーであり、
また、よからぬものかしらねと感じたのであったとさ

語りだすととりとめもなくなる話題だけども、
非常に面白く読めたのであります
なにより、スノーデン氏がハッカーだったというのが一番興味深いところで、
そういう人が、日本のアニメ好きで、日本語喋れたりしてしまっているのが
色々考えさせられる話でありました

だのに、日本のハッカーというのはついぞきかないのは
うまいことやってて、表に出てこないからなのか、
やっぱりそういう人はいないということなのか、
国という単位で考えてしまうばかりでは、そのあたり憂えるのである

「麒麟がくる」までお待ちください 戦国大河ドラマ名場面スペシャル 秀吉

2020-07-12 21:21:40 | NHK大河ドラマ感想
第四弾「秀吉」でありました
これも名作といわれながら、まだ観たことがない大作でありました
竹中直人の出世作というか、もう秀吉といったらと、
代名詞的に扱われるほどのそれ、
個人的には、官兵衛のときに観ているわけだけども、
それより以前、若い頃の演技というか
まさに猿そのもの、なんと汚いという絵面が見事でありました

今回のこの番組でよかったのは、
竹中直人がよく喋るということと、
コメディにふる感じのコメントが多いのが面白くて、
また、撮影の裏話的な、大根の泥がチョコレートでできてるとか
そうそう、そういう話聞きたいんだよと
そんなあたりが面白い一回でありました
役者の演技それこれも楽しいけど、裏側的な話も面白いな
そうか、身なりの作りこみからして、
泥つきの大根食ってると思ったけど、そうじゃなかったのか(そりゃそうだ)

また、当たり前だけど
オリンピックの年に大河やってたのは今回だけじゃないわけで、
それが秀吉の年だったとは知らず、そのときどのような感じだったか
心配後無用のシーンとかは、いかにもというか、
今回、こんなことになっていなかったら、
幕間的なシーンが目に浮かぶようでありました
そういうのも面白いところだな

物語のほうも、相変わらず、かいつまんだ見せ方なんだけど
いいシーンばっかりで面白かった、
このドラマ自体は、番組でも触れていたように
ちょっと変なラストシーンだったということもあってか、
そこまでの随所だけで随分面白いということが、
逆にもったいないといったらいいか、
これもまた、オリンピックで尺が短くなってたせいなのか、
もっと違うなんかだったのか、わからんけど、
晩年を演じたかった竹中直人の言葉とともに
何か、ここまででというところが、秀吉というドラマに課せられたもので、
それだからこそ、いい作品でもあるのかもと
ちょっとだけ思ったのである

来週はやらないようだし、
そろそろ本編が戻ってくるんだろうか
8月スタートくらいなのか
だとすると、総集編的なのをこれまでのあらすじとして見せてからのと
そんなことを考えたりしてしまいつつ
待つのであります

【映画】レディプレイヤーワン

2020-07-09 20:58:40 | ドラマ映画テレビ感想
先日地上波でやってたので見ました
ヲタク界隈で話題になっていたので、きっと面白かろうと思って
期待をかなり高めていたのでありますが、
実際に面白かった、けど、自分の知識では追いつかない展開だったので
最も楽しめた人ほどではなかったのだろうと
なんか、よくわからん残念感も覚えたのである
面白かったけど、悔しいなぁ
あと、昨今流行のオンラインゲームをほとんどというか、
それこそ将棋ゲームくらいしかやってないから、
ああいうアバターとかで、あっち側に人格を作るといった行為をしてないせいで、
もうひとつ入れ込めなかったのも悔しいところであります
改めて思うが、自分はゲームヲタではないのだなぁ

昔懐かしいゲームや、ヲタクの素養を試すかのような内容で、
そのあたりの知識が足らないので、オマージュ部分をどこまで見られたか
正直、そのあたりは残念な結果でありましたけども、
デロリアンやら、金田のバイクやら、なぜかガンダムまで出てきて
なかなか衝撃的だったのでありますけども、
モブキャラに相当数の日本のゲームキャラがいたんだそうで、
いかにそういった分野で文化侵略しているか、かつ、版権管理が割りとゆるいかというのが
よくよくわかったような気がしたのでありました
面白かったからいいんだけども、世界的に本当にウケたんだろうか
世界的というか、むしろ、北米的という感じなのかしらね

みんながゲームやってて、街中で、ゴーグルつけて
ぶいぶい動いているさまは、滑稽極まりなかったけども、
実際のVR系のゲームとかは、あんな感じなのかなぁと
あれを克服する手段はないとわかっていても、なんとももやっとしてしまうのでありました
でも、やったらすげぇ面白そうだし、結構運動になりそうだからよいのかもなぁとか

最初の謎を解くレースの結末が、いかにもゲーム好き的というか、
昔のゲームによくよく仕込まれていた裏技的な内容だと
観ていて感心してしまったのでありますが、
あれも含めて、映画全体の謎解きが、昔ながらのゲームっぽいのがツボにはまって
凄く面白かったというか、飽きがなくてよかったと思うのでありました

ああいうのが、いわゆるソシャゲというやつなのか、
そうではないのかわからんけども、
ゲームは結局、対人戦があるから面白いという哲学は
ずっと続くんだなと、そういう映画ではまったくなかったのに
凄く思い知ったような気がするのである
でも、アドベンチャーとかやってたし、決してそれを否定していないんだが
あれをやっている人たち同士のつながりみたいなのが楽しいというのが
古いゲームに関する記憶というか、思い出というか
楽しさの根源であったと思い出した映画であります