CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

五回目の台北旅行 1 トランスアジア航空と西門町

2015-07-31 21:52:13 | 五度目の台湾旅行(2015)
さて、またも数ヶ月前でありますけども
台湾ぶらぶら遊びにいってたので、
そろそろレビウっておこうと
そんなわけであります

今回はこれまでと違って
ジェットエアーではなく、トランスアジア航空を利用し、
さらに昼便で夜着、帰りも現地を昼出発と
わりとゆったりした感じの旅程でありました


飛行機の中
まさかのディスプレイ装備に驚いたのであります
これまでのとはまるで違う、ずいぶん豪華だと
値段は今までと一緒というか、むしろ安いツアーなのに
こんなに豪勢で大丈夫かと心配していたら


機内食までついてきた、いわゆる便當であります
パイコーハン的なそれですげぇ旨かった
むこうの燻卵は絶品でありますね
ドリンクもサービスで、とりあえずオレンジジュースを飲んで
なんというか昼飯空港で食べなくてもよかったなと
思ったりなんだったりなのでありました
機内食がつくなんて、旅程に書いてなかったんだがなぁ

と、そんなこんなで無事台北は桃園空港へ到着
いつものとおり入国を済ませる
電子認証的なところが凄い空いてたので
あれをなんとかして利用できないかと
げんなりするほど並んだのであります
中国人、いわゆる大陸からの客が多すぎて
大混雑でありました
ついでにいうと、飛行機も到着が遅れました
何度か空港の上を旋回しておりました

今回の旅ですが、相変わらずレートが悪化しておりまして
1万円=2440元、ああとうとう4倍超えた
1元=4円でも足らない感じというのは危機的だとうなだれてしまう

と、さておいて、夜もけっこう遅い時間に到着
3回目のときと同じホテルで、西門町であります

相変わらず中には入ったことのない西門紅楼

毎回派手なヲタク系看板
台湾も流行の移り変わりが激しいんだろうかしら

そんなことを感じつつ、到着が遅れた都合、
当初予定していた故宮はあきらめまして、
一路、松山線で移動を開始するのでありました

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【読書】小説のタクティクス

2015-07-29 20:20:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
小説のタクティクス  著:佐藤亜紀

久しぶりに佐藤亜紀さんの本を読みたいと
手にとってしまった
小説じゃなかった、題名からそこは判断しろよと
われながら、反省しきりでありますが
これはこれで、きわめて高尚というか
次元が高いと、自分の理解を超えたところにある
何かすごいものを見たような気分になって
楽しかったのであります

小説とは何か、という問いといったらいいのか、
もっと深く、表現というジャンルなのか、それに肉薄しようと
映像や美術が訴えてきたもの、そしてその手法を読み解きつつ
本当に伝えたいもの、表現とはなんなのかと
その真理に近づいて、そこに小説は到達できるのか
そんな具合の考察でありました

実際は小説がそこに肉薄するという話ではなく、
小説が描いているものと、そこで表現される内容というのは
はたして、どういう働きがあって、
どんな作用を世界にもよおしているだろうかと
それを連ねていたのでありました
もう、このあたりからして、意味不明というか
難しすぎて頭がおかしくなる

表現が真実から目を背けるための何かに堕してきたといったらいいか、
そむけるための何か、嘘を描くことで、そちらに人は引き寄せられると
そんな絵空事を束ねるだけの小説では、もうなんというか
表現としては死んだと、そんな論調でありました
小説という表現方法が、その力が衰退し古典といったらいいか
伝統芸能めいたそれに落ちてしまったと
がっかりの気持ちを表明していたわけであります

新しいものは、感動というか、
今までなかった価値観のようなものを提示できる
そんなパワーをもっていてこそだと、
過去の美術、芸術、音楽においてのパイオニアを並べて
その感動というのをどうにか
小説で表現できないものだろうかと
SFを引き合いにだしつつ、難しいと
詰めていたのでありました

非常に面白い、といいたいところでありますが、
難しすぎてわからないという方が、
残念ながら私には正しい感想となっておりまして
なんというかな、もうちょっとちゃんと
あれこれ考えてものも読まないとなぁと
反省させられたのであります

【読書】大局観 自分と闘って負けない心

2015-07-28 21:16:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
大局観 自分と闘って負けない心  著:羽生善治

最近将棋づいているので
米長先生に続いて、羽生さんの本を読んだのであります
どんな真面目な本かと思ったら、
物凄く読みやすくてステキすぎた
羽生さん凄いよね、本当にもう凄いよね
そんなミーハー丸出しの感想であります

タイトルについても語ってはいるものの
何か、一冊を通じて大きな論点というではなく、
読んでいるだけなんだけども、
羽生さんと会話しているかのようなといったらいいか、
羽生さんが思うところというのを
とてもわかりやすい言葉で説明していて、
それが、理屈なのに飽きがない、なんか、
面白くて仕方ないと、そう思えてならないのでありました
羽生さんいい人なんだろうな、
なんか講演会とかやってたら、なんの話するでも
聞きにいってみたいと思わされるほどでありました

内容についても、非常に面白いというか、
将棋に対する姿勢や、よく質問されることに対しての
回答であるとかをとても丁寧に説明していて、
なるほどなぁと納得というか、説得させられたのではない、
するりと腑に落ちるようで楽しかったのであります
頭がいい文章というんだろうかしら
羨ましいことこのうえない

興味深かったところでは、
羽生さんが、色々なものを見たり聞いたり読んだりと
将棋以外のこともしていることでして、
考えてみれば当たり前なんだけども、
NHKドラマのハゲタカ見てたり、
本のブラックスワン読んでたりと、
なんか趣味もかぶったとか、
にわかっぽい喜び方をしてしまったんですけども
ともかく、楽しく読めてしまったのであります
例えてくれるものをこっちが知っていると
ぐっと近づいて思えてしまうのだなと
自分のこの舞い上がりっぷりに
思ったりもするのでありました

というわけで、羽生さんの何かが
わかったような気分に十分なれて、
とても興味がそそられるというか、
将棋やってみたくなる気持ちを強くさせられたと
そんな、ごく当たり前ながらも
久しぶりに人並みから外れることのない感想を
しっかりと抱けたのでありました
楽しかった

【読書】旅名人ブックス106 高雄と台湾最南端

2015-07-27 20:45:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
旅名人ブックス106 高雄と台湾最南端  著:荻野 純一

前回の台南編に続いて、さらに南の高雄について
あれこれと調査というか、観光と歴史探訪半々という内容で
紹介さまざまな本でありました

高雄は、台南よりもよりソウルフルというのか、
台湾の濃いところが凝縮されているような場所のようでもありまして、
よく聞く台湾のイメージといったらいいか、
南国趣豊かなそれこれが紹介されておりました

まぁ、ほぼ旅行記といったところなので、
感想どうこうというよりも、実地いって
あれこれと見てみたいなぁと
それ以上のことは思わないといったらアレだけども
こんな場所もあるのかと、日本人ゆかりの建物や、
偉人なんかもたくさん出てきて、
そういうめぐり方が好きな人には、よい指針であるなと
感心しきりだったのでありました

とくに古刹が多いようで、どれもこれも
相当に立派な様子、さらには、古い城といったらいいか、
砲台のあとだとか、そういう砦めいたものなんかも
かなり残っているようで、非常に楽しそうなのでありました
そして、多くの部族が近いところでもあるようで、
そういった出会いというか、パスポートもってないと
入ることができない自治区みたいな場所まであるとか
なかなか興味深い内容でありました
いってみたいが、さすがにこれは紹介ないと難しそうよな
いってどうするんだという話もあるんだけども

そのほか、私が一番台湾南部に期待している
日本語をしゃべる老人たちが、それこそ
山のようにいるようなので、もうなんだろう
一刻も早くいかないと、お年寄りがいなくなってしまうと
危機感を新たにしたのでありました(なんだそれは)

そんなわけで、まだ見ぬ台湾高雄について、
わざわざカオションとか呼ばずに、タカオのほうが
現地の言葉に近いとかいう話を信じつつ
いつかいけたらと夢見ながら読んだのでありました

花燃ゆ  お世継ぎ騒動!

2015-07-26 20:43:36 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了であります
奥の話らしいといったらいいのか、
ともかく、幕末感とは遠い何かを見たと
そういう感じでありました
これはこれで、時代劇みたいでいいんだけど
なんか、こう違うようにも思うのである

さておき、お菓子で解決するって
それは朝ドラの領分でないのかと
心配になったりしたのでありますけども
なんか、そのいぢらしい様に萌えましたとか
そういう感じかお殿様よと
なんともわかりやすいお話でありました

それよか、高杉の逃避行のほうが
楽しくあって欲しかったのでありますけども
そっちがなんか、時代劇くさいというか
どうにも、木曜時代劇のようで
これもまたどうなんだと思わされたりなんだったりであります
悠長にこのあたりをやっている間に、
着々と長州征伐の話が進んで、
しかも、家定が死ぬとかそういう
大きいイベントがあったりなかったりするんじゃないのか
というか、まったく徳川方が出てこないけど
それはそれでどうなんだと
思わされたりしたのでありましたとさ

そろそろ薩摩と長州をくっつけるために
土佐からまた、あの男がやってくるだろうかと
それを期待しつつ、今しばらくは
奥のドタバタ騒動を和みながら見ていこうと
思うのでありましたとさ

【読書】ヘンな論文

2015-07-25 19:13:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
ヘンな論文  著:サンキュータツオ

昔はこういう本は、面白系新書ジャンルだったように思いますが
立派なソフトカバー単行本で出ているのが
なんとも感慨深いのであります、閑話

さておいて、世の中のちょっと変わった論文を
あれこれと集めて紹介しつつ
実際にその著者に会ったりなんだったりしたという
そんなことがまとまっている本でありました
面白かったんだけども、無理に面白く見せようと
しすぎでないかしらと思わなくもなかったのであります
よいんだけども、ツッコミのスタイルは
やっぱり文章で読むと、どうかしらと
思ってしまう、難しいものでありますね

全編を通して、さまざまな論文にスポットをあてて
また、論文とはそもそもどうやって判定されているかと
そういう部分も真面目に書いて、
ちょっとだけ、話題になった誰かを引き合いに出したりとか
そんなこんなの内容でありましたが、
本として、この企画の根幹にあったのかわかりませんが、
最後に紹介されていた、湯たんぽに関する論文について
ここにまつわる、さまざまなお話が
もっとも強い気持ちと主張が見られて、
なんかいい話だったというか
立派な本だったような印象を覚えて終わったのでありました

いわゆる盗作であるとか、論拠についてとか、
その調査にどれほどの力と情熱が必要であったかとか
論文が発表されるまでに大切なことが、
裏方仕事のように紹介されているのはステキでありまして、
昨今、そういうプロの仕事を
さらっと上っ面だけ持っていくという、コピペの悪徳さについて
非常に考えさせられるようでもあって、なかなか深いと
思ってしまったのであります
そうなんだ、誰かが成したことはその人をもって
賞賛されるべきなのだと、気持ちとしては思ってしまいますね
それをうまくコーディネートするという仕事がまた
発生しているのも否めないけども、なかなかどうして

と、そんな難しいことも考えさせられたのですが
そのほか、変わったことに血道をあげる人がいるなと思わされたり
論文として発表するその筋道、その考え方なんかが
もっとも大切なことだとして、そういう教育としての論文だったりとか
あれこれ、本当、頭いい人がたくさん絡むと
ものすごくよいことというか、立派?じゃないな、
高尚なそれのように思うんだけども、
少し離れてみると、どうともならないという
そんな滑稽さが見えたり見えなかったりと
ともあれ、楽しく読み捨てられる
そういう本であったように思うのでありました

【読書】トットひとり

2015-07-23 21:45:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
トットひとり  著:黒柳徹子

有名なのに、ずっと読んだことなかったな
そういう感じで手に取りました
というか、黒柳徹子さんという人が
もうひとつちゃんと理解できていない
変なおばちゃんという印象を子供のときから
書き換えることなく持ち続けていて、
なんというか、苦手な部類の平和主義者と
そんな偏見すら持っていたのですけども

いつだったか、NHKのテレビ俳優の養成出身で
第一号だったという話を聞いて驚き
というか、この人女優さんだったのかと慄き、
さらに、なんといったらいいかな、
ちょっと小ばかにしている風であった
私の浅はかな、思うところの平和理論とは
まったく違う、実地と実践を経てなおのことという
物凄く立派な人だというのに
ようやっと気づいたあたりから、
凄い人なのではないかと、その人となりを知りたいと
うってつけの本だったわけであります

ただ、今回のこれはそれまでのとずいぶんと
おもむきが違うというか、
まさか、こんなもの悲しいといったらいいか
大きな喪失を味わう本だとは
思いもしなかったのでありました

かつて、黒柳さんが同期であり、同志であった
多くの俳優さんたちと過ごした日々、
それを振り返るのが、それらの人を失ったから
そういう引き金で語られるエピソードばかりで
なんといったらいいのだろうか、
寂しいというそれとも、なんか違う、
本人の思いではなく、こちらから見てなんと寂しいんだろうと
想像させられるような、
とても繊細な内容であったように思うのでありました

相当に感動したといってしまってよいのですけども、
なんだろうか、はらはら涙を誘われるのではなくて、
面白く、楽しく、ステキだと思える内容なのに
どうにも、それを語る黒柳さんはどうなのだろうかと
なんか切ないと思えるそれだったのでありました

強く生きた人たちを描いていて、
そして、黒柳さん自体はおそらく、
昔から一本の芯ともいえるそれをずっと変えることなく
そのひとたちと生きてきたんだなと
やはり、感動したというのが
感想として一番しっくりくるとのでした

【ドラマ】天皇の料理番

2015-07-22 20:15:36 | ドラマ映画テレビ感想
前のクールでありますけども
見ておりました、もう食い入るようにと
そう形容してもかまわないくらい
見入ってしまった
非常に面白いドラマでありました

原作、前作ともに見ておりませんので
そのよしあしは比較できませんが、
なにせ、このドラマで十二分に楽しめたのであります
両主役といっていいのか、
佐藤健だけでなく、黒木華も凄いよかった
この二人が見事に見せてくれたと
喝采だったのであります

内容うんぬんは、どれほどのこともありませんが、
きっちりと13回でぎゅうぎゅうに詰めてきたおかげで、
だれることもなく、ずっと面白く見られたのが
今回とても感激した点であります
どのシーンも、引き伸ばせそうというか、
もうちょっと丁寧に描いてもよかったんじゃないかと
そう感じる部分も、思い切ってばっさりやられてるから
ずっとよくなってんじゃないか
そう思ったりなんだったりであります

最終話だけ、若干落ちたかしらと
思ってしまったものの、これもまた、
嫁死んでから、子供たちはどうなったんだというのに
まったく触れることなく、タイトルのとおり
料理番としてどうであったかだけを
淡々と描いているというのが凄いなと
感激というではないが、感動したのであります
下手に、お涙とかじゃないだけに
ぐっときた、陛下の言葉を受けたシーンの
あの感激は本当、筆舌に尽くしがたいものでありました

あとは、いつ死ぬかと思いながら見ていた
鈴木亮平のお兄さんだったわけでありますけども、
あのやせ方をして、でも、結構長生きだったような
そういうイメージだったもので、
なんというかな、あれはあれで抜群のよさというか
もうかけがえの無い感動だったんだけど
ドラマ全体で見てしまうと
弱っていく嫁ちゃんの、弱り具合があまり伝わらなくなったというのが
残念でありました、黒木華の演技が抜群によかっただけに
なんか惜しいと思ってしまった
そんなもん、想像力でどうにかせいというところなんだけどもさ

そんなわけで、パリ編でも変わったおねーちゃんが
美人なのか、そうでもないのか、映る角度とか顔で
まったく違う雰囲気になるのが凄いなとか、
小林薫さんは、もう、ずるいなと
いるだけでがっちりきてしまうあたり、
高岡早紀の相変わらずのエロさとか、
あれこれ楽しみつくした、そんなドラマだったのでありました

力を入れて、それが外れていないというのを
久しぶりに見られたという満足で
喝采を送りたいそんな感想であります

【読書】男しか行けない場所に女が行ってきました

2015-07-21 20:47:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
男しか行けない場所に女が行ってきました  著:田房 永子

先だっての立ち入り禁止区域的なものかと
楽しみにして読んでみたら
そうか、エロ業界のことだったのかと
考えてみれば当たり前のそれでしたが
さらっと読んで、なるほどなぁと
思ったりなんだったりなのでありました
なんというか、題名のとおりだけども
どうも男が読んでもさして楽しい内容ではない
そういう感想であります
だからこそ価値があるようにも思ったりする

いわゆる風俗であるとか、
エロ本業界だとかのお話
そこで出てくる女性たちに女性からインタビューした場合の本当
というか、実体験などがつづられていて
やっぱりそうだよな、そりゃそうだと
手を打つような感じなんだけども
後味が悪いではないが、どうにも、
最終的に著者が言いたいであろう主張については
どうも、素直に受け入れられないと
そういう感想を得たのであります
これもまた、私が男性だからであろうと
感じたりするとそれはそれでステキである

そんなわけでありますけども、
主張のいくつかから、女性向けの風俗が少なすぎる
というか男性ばっかりそれがあるのは
なんだろうか許せないではないがおかしくないかと思いつつ、
でも女性向けのそれは、女性の願いというか
想いが高すぎるので、形成できないといった
そういうパラドクスではないが、思うところがつづられていて
これもまた、考えさせられると思うのでありました
簡単に女性向けといって作れるわけではないのだ

で、それはそれとして、
エロ業界のたくましい想像力なんかについて
女性があほらしいと思いつつも凄いと
そういう部分もいくつかかかれていて
こういうところが面白いなんて思ったりするのでありました
もはや、そこにエロいとかじゃなくて
なんというかな、そういうものだなと
それをにやにや楽しんでしまうという、この感じが
どうも許せないようでありましたけども
なんだろう、相容れない何かなのかもしれないと
高尚な言い方をしてみたりするのでありました

【読書】帳簿の世界史

2015-07-20 18:33:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
帳簿の世界史   著:ジェイコブ・ソール

歴史が好きなのでありますけども、
それが、どんな分野の歴史でも好きだと
つくづく思っていたところ
こんな面白い本があったのかと
喜び勇んで手に取ったのがこれであります
楽しい楽しい経理と簿記、その成り立ちと歴史を
みっしりと書いた本でありました

あまりにも期待しすぎたせいか、
なんだろうか、新しい発見や楽しさというよりは、
やっぱりそうだったのかという
再発見めいた、自分で勝手に思い描いていた
その通りの歴史だったりして、
面白かったけども、驚きが少なかった
複式簿記は、商人のなかで必要に迫られて発達し、
そしてそれがあるなしによって、
中世の国家経営までもが左右した、
というか簿記を嘗めた国から滅んだと
まぁ、そういうお話でありました

とはいえ、複式簿記を愛した偉人たちが
次々と出てくるというのは
非常に面白い、また、楽しいところでありまして
太陽王も当初は好きだったようだけども、
次第にうっとうしくなっていたというのは
非常にリアルだなと思わされたり、
あのウエッジウッドが、簿記により相当の財を成して
また、その財によって孫がダーウィンだったとか
さらに、ダーウィンの進化論の根底に
簿記の考え方があるとかないとか
多少、どうかしらと思わなくもないものの
おおむね、その流れには納得というか
凄いな簿記と、尊敬をはらんで読んでしまうのでありました

簿記、会計最強というそれこれを
ずっと歌いつつも、ついにそれを成しえたというか
ずっとその最強で正しい簿記を守ることができていない
これは理想郷というそれなんだろうかと
思わされたり、そのルールは長くなると
制度疲労というか、どうしても疲弊し、磨耗し
ついには守られなくなるというのが
ほとほと残念でありながら、そういうものなのかもと
思ったりなんだったりであります

最終盤には、かのサブプライムローンのところが
かなりわかりやすく出てきて、というか、
簿記を嘗めた報いによってできた法律が、
あれあれと取り壊されたことによって招いたという
これもまた、聞いていた論調について
よりはっきりと理解できたようでありまして
大変楽しいそれだったのであります

まったく簿記について説明しないのに、
簿記凄い、そして会計は正しいと
思ったり思わされたりして、
非常に楽しい読書であったと
メモっておくのでありました、いい本だった

花燃ゆ  女たちの園

2015-07-19 20:40:07 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「花燃ゆ」
視聴完了であります
女ばっかだな
画面がともかく、老いも若きも女ばっかり
凄いな、まったく覚えられん
そうあっけにとられてしまったのでありますけども
なんだろう、文がどうこうしてる部分は
まぁ、どっちゃでもいいと感じつつ
ダイジェストで、片付けられていく
主戦派の面々がなかなか残酷でありました
特に周布様がもう

周布様の背中だけで今回はよかったなと
あの寂しそうというか、ひとつ終わった男というのが
たまらなくいいシーンというか
いい演技だったと思わされたのであります
酒飲んで、そこで短絡ではないが
決着してしまうというのが
なんというかな、いい男でありました

それととき同じくして
どう考えても即死だろうと思われる傷を負いながら
ナレーションで生き残ってしまった
井上がなんというかかわいそうというか
あそこはもうちょっと描いておくべきだったんじゃないか
数少ない伊藤のいいシーンになるだろうにと
思ったりしたんだけども、
そこを描くわけではないところが
今回のドラマなのでありますね

ともあれ、奥ではあっさりとした陰謀に
さくっと引っかかって大童という状況が
なんというかな、もうちょっとそこについては
周りが見えてるやつがいるだろうになと
女が出てくるにしても、
その政治劇めいたところがないのが
残念と思ったりしながら
ともかくも、しばらく見続けるのであります
いけない、語るべきシーンが周布様のみであった

東洋陶磁美術館 黄金時代の茶道具展

2015-07-16 20:51:08 | 陶磁器を探す旅と名物
少し前になりますが、数々の茶の湯の名品が集まるということで
なんとしてでもと見てまいりました
久しぶりにいってきたけども、やっぱり面白い
いいものを見たと、
眼福このうえないこと、とてつもなく堪能したのであります

内容は、大阪の陣400年記念事業とのことで、
何がどう記念なのかわかりませんけども、
いわゆる戦国時代に聞こえ伝わる名品たちが
ずらずらと並んでおりまして、
へうげもの読者としては、大変楽しめたのであります

特に今回は、ずっと見たいと思いつつ
わざわざ、根津美術館までいけないと
袖をかんで悔やんでおりました
狂言袴の引き木がやってくるということで、
もうこれだけでも十分だと
本当、まさにこれをと見てきたのであります

狂言袴については、もう一点、金森だったか、遠州だったかが
持っていたというそれもありましたけども、
やっぱり、引き木であります
実物を見て感嘆しましたけども、
あんなに背が高いというか、あれだと
茶碗に見立てたにしても、茶を点てることができたんだろうかと
不思議に思うほどの異形というか、背高で
興奮しきりでありました、面白い、いいなぁ

そのほかにも、荒木高麗、柴田井戸、耀変天目等々、
一等の茶碗が勢ぞろいといったところで
非常に満足だったのであります
後期展でいったため、灰被天目、青磁香炉の千鳥なんかが見られなかったけども
十分に楽しめたのでありました

あとは、秀吉が持っていたという
青磁の筒状の花生がこれまた見事で、
あれは初めてみたけども、宋のそれだったのか
見事な色だとあっけにとられたのでありました

このほか、通常展のほうでも
ずっと見たかった、唐三彩宝相華のツボだとか、
李朝青磁の洗だとか、やっぱり
青磁白磁については、こちらを見るべきよなと
つくづく感心したのでありました
今回、白磁はほとんどなかったのが残念でありましたが
やっぱり、青磁について、龍泉窯のそれこれは
たまらんなぁと嘆息見舞ってきたのであります

定期的に通わないといけないと
思ったりしつつ、大変よいものを見たという
報告だったのでありましたとさ

【読書】流

2015-07-15 20:58:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
流  作:東山 彰良

満を持してというか、最近の台湾勉強を経て
台湾小説を読んだのであります
舞台は台北と山東省で、国民党と共産党、
その頃浮名を流したというか、さまざまなことがあった
その血を、その意思を、その歴史をつむいだ
そういう感じの小説でありました
不思議な感じといったらいいのか、面白かったんだけど
獏とした印象であります
とらえどころがないような、不思議なそれを思うのであります

台湾育ちながらも、祖父は山東省から流れてきた国民党員
その時分には、殺す殺されるの毎日で、切った張ったを
文字通り、命をかけてやりとおしてきた男、
その祖父が殺された、そこからルーツを辿り、
怒りや想いや、時間とか、世代とか
そういうものを考えさせられながら生きる
成長していく一人の男を描いた小説でありました
かなりごちゃっとした感じで、
コミカルなんだけども、どことなく脆い感じで
情緒的でステキと
何書いてんだかわかんないんですけども、
なんか、まとまらないまま、繰り広げられたようで
何か大切なものがあるかのように思えてならない
そういう読後感でありました、面白かった

1960年代頃を含む、さまざまに転がる台湾の情勢と
そこで生きている人たちの生き生きとした感じが
なんというかな、どっか懐かしいような
不思議と共感を覚えるような任侠めいたそれこれが
ちりばめられていて、非常に面白いのであります
いまどきなかなか、こういうのはないなと思いつつ
兄弟盃のあれこれ、仲間と縄張りでの争い、
実にくだらないことでも、血道をあげて
暴力だとか、なんだとかにかまけてしまうような
うっそうとしたそれこれが
なんとも、懐かしいような、羨ましいようなと
ありあり伝わってきて、ロマンスと呼ぶのも違うような
それでいて、本当初恋とはこういうもんだろうかなとか
思わされるなにかが、

ともかく読んでいると、どことなく
懐かしい、という感想に近い何かが寄ってくる
そんな気持ちになったのでありました

非常に面白かったし、出てきた台湾の町々について、
特に萬華のあたりはやっぱり物騒だったんだなと
改めて思い知りつつ、今とはやっぱり違う、
台湾の人がこれを読むと、そうだったかなと
懐かしんだりするんだろうか
わからんままに、どうにも、
男たちの挽歌にイメージとしては近い
でも、あんなに物騒じゃないそれこれが
描かれていた物語でありました
よかった

【読書】われ敗れたり

2015-07-14 20:16:30 | 読書感想文とか読み物レビウー
われ敗れたり  著:米長 邦雄

将棋の本であります
最近、突然将棋にはまりだしまして、
やれ棒銀だ、それ鬼殺しだと
そんなことをつらつらかじっているわけですが、
ここでやっぱり、最近の読書クセから本も読んでおこうと
面白いと評判の米長永世棋聖の本を手に取ったのでありました
非常に面白かった、そして、
将棋ってこうやって考えていくものなんだと
なんとなし、教えてもらったようでもありました

内容は、電王戦のはしりとなった対局について、
そこでの敗戦を感想戦のように見せた、
非常に面白いものでありました
この頃、固唾を呑んで、リアルタイムで興味を持ってたら
もっと面白く読めたんだろうなと
後手から放った二手目の衝撃を味わってみたかった
そう思わされたのでありました

当時の様相がどうであったか、
また、今このようになっているとあまり理解が届かない
閉鎖していた将棋会の姿も見えたようで
たまらなく面白い一冊だなと
感心しきりで、その対局、その背景が楽しく読めたのですが
失うものの大きさや、様々な葛藤というか勉強が
とてつもなく大切でステキすぎると
思い知らされたのでありました

残念ながら、実際の内容というか
いわゆる感想戦部分については、私の理解の程度を
はるかに超えているため、分岐点の手を説明されても
まったく理解できなかったのでありますが、
それほど悔やんで、そして、何日もその盤面が浮かぶという姿が
本当に力を尽くしたからこそ味わう
地獄なんだろうなと、まさに将棋のそれを
そこに見たように思えて、震えたのでありました
凄い世界だよな、つくづく思うのだ

そして、コンピュータとの戦い方というのに
あれこれと思いをいたるようになったり、
人間相手のそれとはどうにも、準備するものが違ってくると
そのあたりもなんというか興味深いところで
もっと、そんな感想から、将棋AIではなくて
AIと人間の違いみたいなのが
見えてくるんじゃねぇかなと、素人ながらに思うような
不思議なそれを感じ取ったのでありました
理屈も立ってないと個人的には思うんだけども、
結局将棋というゲームだから、
人間だろうとそうでなかろうと一緒というのは
やはり、何か違うんじゃないかなと
思いたくなってしまうのである
情緒的であるかもしれない

さておいて、人間を前にして指したかったというところで
その棋士が互いに盤をはさんでの迫力だとか
そんなのは味わってみないと
きっとわかることのないそれが、
うすらぼんやりと本で触れることができたようで
なんというか、将棋対戦記録を将棋ではなく
人間目線で見たら、もっともっと面白そうだと
なんか、わくわくさせられた
そういう一冊でありました
ともかく、とても楽しく面白い一冊でありました

【読書】旅名人ブックス104 台南 台湾史のルーツを訪ねる

2015-07-13 20:46:35 | 読書感想文とか読み物レビウー
旅名人ブックス104 台南 台湾史のルーツを訪ねる  
著:荻野 純一

台湾でも、特に飯が旨いと聞いている
台南についての本を読みました
今度いってみたいと思っていたので
その下調べをかねてと思ったのですが
予想以上に濃いというか、様々な歴史的なそれこれが
散在しているということがわかったのでありました
本当、いってみたい

そんなわけで、ルポとかそういうのとは
ちょっと違う、観光案内本というには歴史に根ざしているというか
本当に台南を勉強するのにうってつけと
そういう内容でありました
副題のとおり、台湾のルーツがここにはあるようで、
台湾がどういう立ち位置でやってきたか、
日本と中国との間に入って勃興していた頃だとか、
大陸とのいざこざ、国民党とのなにかれといった
そういうことも、あれこれと書かれていて
非常に興味深い一冊でありました

台南で英雄というでもないですが、
八田與一さんというダムを作った日本人の存在を
教えてもらったというか、学ぶことができたのであります
インフラを整備して、様々に台湾に根付いて
あれこれとした人なんだそうで
相当に地元で愛されていたらしく
なんというか、そういう人の話は
聞いているだけで、ぐっとくるなと思いつつ
そんな凄いことしたのに、今の自分の年齢の頃に
そういった大きな仕事をしていたそうだと知り
戦慄というか、なんというか、
ああ、素晴らしいと感嘆したのでありました
なんだそれわ

それ以外にも、台南名物だというサカリバなる盛り場から
棺おけという名前の食べ物だとか、
なかなか楽しそうなそれこれ、そして古刹の数々が
みっしり載っておりまして、
結構台南でも山奥のほうだとかも紹介してあり
これは観光ガイドブックとは名ばかりなのではないかと
あまり、観光で楽しみたい人が行きたがるところが
載ってなかったようなイメージであるものの
大変楽しく読めたのでありました
マンゴーが40種類もあるんだそうで
玉井という街にもいってみたいと、知識だけ
増えていくのであります