CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【ドラマ】ディア・ペイシェント

2020-09-29 21:19:44 | ドラマ映画テレビ感想
NHK金曜ドラマ枠でした
女性医師が、モンスターペイシェントに苦悩するお話
それぞれの立場や、やること、なすこと、
様々な部分に社会だとか、人間だとかの
仕方ないこともごたまぜになっていると気付かされるというか
突きつけられるような内容でありました
決して、手放しで解決といったお話ではないので
なかなか、毎回考えさせられるというか
どちらかというと、凄いヘビーな話が多くて
辛いドラマでありました、でも面白かった

医師が患者さんとどう付き合うか、向き合うかといったことについて、
正直医者にほとんどかからない身分としては、
よくわからんといった具合だったんだけども、
そこにいたるまでの、様々な人間関係というか
家族という単位が見えたり、隠れたりする
そこに病気が介在したときの
なんともいえないやるせない感じが、なんともつまされるようでありました
まだ、両親健在な身分ではあるが、
近い未来なのではないかと
漠然とした不安をあおられるようであった

ひとつの事件が、大きく関与していたと
最終回でわかったわけだけども、
その事件自体はさほどの話ではなく、いや、それもまた
人間社会というか、一種の病のようなものかと
考えさせられるようでもあって
厳しいものでありました
病院経営というのもかなり難しいものなんだろうなと
改めて思い知らされるところでもある
医者の数は多くて、患者の数も多いのに、なぜか
幸せにならないという、このパラドクスはどうともならん話だな

モンスターペイシェントだった、座間というキャラクタが、
なんとも不快なようでもありながら、
背景を知るにつけ、憎むことができないというか、
そのもがく姿というのが強烈で、
母親と海岸にいったときのシーンが、あまりにも鮮烈でありまして、
あの感情は、物凄く理解できてしまいそうな、
自分にもふりかかったとき、きっと、あんな風なんだろうかとか
様々に思わされるようで、凄いよかったのでありました
いや、よくないんだが、演技、演出、物語として
痛烈であったと記しておきたいところであります

途中、自殺してしまった先生の話だとか、
患者に刺された先生の話だとかも
それぞれ面白いというか、見所の多い内容だったわけなんだけども、
医師のたくましさというべきか、
その状況でもひたむきに医師であろうという姿が
物語だからこそ描かれていたとも思うが、
希望のような感じにとらえることができて
暗い話なのにステキだと感じたのでありました

いいドラマだと思ったので
じっと、メモを書いておくのであります
しかし、内田由紀はいい女優さんになったなぁ、
まんぷく以来だと思うが、凄くよかった
美人で可憐だったと、書いておくのである

【読書】峠うどん

2020-09-28 20:41:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
峠うどん  作:重松清

あれこれ読書してきたけども、重松清さんの作品は、
ドラマ作品はいくつも見てきたのに、本で読むのは初めてでした
ある少女の成長と死生観、もっというと、
死における葬式についての物語でありました

ほのぼのとした雰囲気で、
葬式に際して戸惑いや、葛藤のようなものを描く
人間ドラマでありまして、
たまたま斎場の前にうどん屋を営んでいたために、
葬式専門みたいなことになってしまって四苦八苦する祖父母のもとで、
高校受験を控える女子中学生が、お店の手伝いをしながら
そこにやってくるお客さんから、死について考えるというか
感じ取るものでありました

どのエピソードも非常に人情味あふれていて、
葬式ってそういうものかもなぁと思わされるところが
多々あるのだけども、
昔不良少年だった男が現在は僧侶になっていて、
その恩師の葬式に際しての姿なんかは、
いかにもありそうで、それでいて笑い話になっていて、
実に好きな人情話でありました

テーマというでもないけども、やっぱり物語として印象が強くなるのは、
早くして死んでしまったという人の場合、
親族や、参列する人たちの戸惑いの大きさと
悲しさを得られないかのような虚無の感覚というところで、
これもまた、ありそうだと考えるのであります
自分の祖父母の葬式は、なんとなしこなしたことがあるが、
そうではない親戚の、さらに若い人となったら
どういう感じにすればいいか、どう感じるかなんて
なんとも整理がつかないもんだろうと思うのであります

しんみりしながら、死を受け入れるということを
実際に学ぶというか、得ていく主人公の姿、
その最たるシーンがひとつ、凄くよい印象として残った
感動的な物語でありました
いいお話だった

麒麟がくる  羽運ぶ蟻

2020-09-27 20:55:17 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
斬新というか、そういうこともあるのかと
結構面白く見た回でありました

何がといえば、信長が岐阜平定したのにあわせて
母者だけ明智庄に帰るというところで、
まぁ、確かにそういうこともあるかな、それに明智も今じゃ
落ちぶれたもんだし、そんな変でもないのか
色々思うところはあったんだが、
あの流れなら、どう考えても信長に仕えるべきでないかとも
考えたりしたのだが、まぁ、いいや
ともかく、故郷に戻ることの嬉しさというのが
年老いたものにはあるというのに、なんか感じるところがある

結構あっちこっちいきつつ、
知らない内に暗躍できるポジションにいる光秀が
不思議だと思ったりもするんだが、
織田と朝倉を天秤にかけることができるような
松永あたりなら、大喜びしそうなところで
自分を通そうとしているのが
微笑ましいというか、いい塩梅だと見ているのでありました

しれっと堺町衆も見えてくるようになって
次は京都大坂がポイントになってくる下地が揃ってきたようで
利休も出るんだろうし、茶の湯系の話とか
楽しませてくれるだろうかと楽しみが続くのでありました
松永は茶釜爆発までやってくれるかなぁ
本筋と関係ないけど気になる

それぞれの思惑と立ち位置がわかってきて
なかなか楽しいところだけども、
朝倉の動きというか、朝倉と明智の関係が最終的にどうなってしまうんだろう
なんか、悲しいことになりそうな雰囲気がしてきて
気になってしゃーないと思うのでありました

結局、朝倉の殿様、いい人っぽいしなぁと思うと
残念な未来が待っているな

【アニメ】銀河英雄伝説 Die Neue These

2020-09-24 21:09:23 | ドラマ映画テレビ感想
有名なSF小説のアニメ化作品であります
過去作品が伝説的な賞賛をもって伝えられているので、
今作は、旧作見た人から、様々な感想をもって伝えられたようながら
個人的に旧作知らない身分としては、
面白いし絵が綺麗だと感心して見終えたのでありました

原作を数年前に読んだのだけども、
これを観るまで、ほとんど内容忘れていて、
新鮮な気持ちで見守ったのがよかったのか、
近代アニメだからこそできたといってもいいのか、
CGの美しい艦隊戦とかがかっこよくて、
非常に面白く見ていったのでありました

原作でも相当に盛り上がったキルヒアイスが死ぬあたりまでというのも
なかなか秀逸というか、これからを予感させる感じで終わって
割と駆け足だったようにも思うけど
面白かったと満足した作品でありました

最近のアニメということもあってなのか、
やたらめっぽう、ユリアンの造形が可愛すぎるんじゃないか、
あれがその後、キリングマシーン(言い過ぎ)のような働きをすると思うと
衝撃的だと思わなくもないけど、それはそれで
物語、いや、アニメ作品としてはエンタメ要素でもあるなと
関心しきってしまったのでありました

また、動画というか、小説ではなく
映像として見せられると、帝国の貴族たちというのが
滑稽さをまして見えるのも面白いところで、
えらそうなたわごとと、一種の夢想、ロマンの中でしか生きられないというのが
生々しい、実体を伴わない絵空事感が強くて
非常に面白かったのでありました
やっぱり、そうはいっても、あの貴族の退廃ともいえるそれは
一種の共感というか、なるほどと思える納得があると
つくづく感じるのでありました
おっさんになったからなおの事なのかもしれんな

帝国の軍人たちが、どれもこれもかっこいいというか、
キャラクタ全体が、割と美形でそろってしまってるから、
誰が誰やら、いまいちわからなかったんだけども、
だからといって見づらいというわけでもなく
オフレッサーとかの分かりやすさも含めて
楽しく見終えたのでありました

しかし、ここで終わると思ったら続編の声があがっているんだそうで、
そうなるとNHKの独壇場というか、潤沢な資金と、
さほどのことを気にしない制作スタンスで
今後を期待したいと思う内容だったと感じたのであります
でも、ヤンが死ぬあたりとかは見たくないなぁと
素直な感想も書いておきたいのである

【読書】 QED 伊勢の曙光

2020-09-22 20:55:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
QED 伊勢の曙光  作:高田崇史

シリーズものだったようですが、初めて読みました
難解というのか、考古学知識がないと
この面白さは満喫できないんじゃないかなと
小説内容の8割くらいが、古代史うんちくで彩られている
かなり変わったミステリ小説でありました

伊勢神宮をテーマにして、そもそもの伊勢神宮自体の謎を解き明かしていく
そこにちょっとしたロマンがあるんだが、平行して架空の神社の
謎の祭事と闇が暴かれていきといった具合で、
事件自体は、よくある古い因習由来の悲しい事件だったわけだが
まぁ、ともかく、伊勢神宮についての
あれでもないこれでもない考察が大変なことで
面白いといえば面白かったけど、読んでて、なんとなし珍説甚だしいのではと
首をひねってしまったんだが
ともかく、古代史にこめられたものを解き明かすという楽しさは
伝わってきたように思うのでありました

字の源や、土地の由来なんかを紐解きつつ、
伊勢神宮の内宮に祭られているのは誰なのかといった謎にせまり、
天照大神が男神ではないかとか、結構な疑問を浮かべ、
それなりの解決をしていくというのが楽しめたのでありました
まぁ、実際はさっぱりわからんというか、
こういう考古学特有ともいえる、想像と妄想の区別がつかない感じもあって
素直に、なるほどと納得できる感じではなかったのでありました
なんだかんだ、自分が神宮に対して特別な思いを抱き過ぎと
そういうことかもしれん

指摘にあった、伊勢神宮には狛犬がいないという話は
いわれてみれば、見たことない気がするなと
結構衝撃だったりしたのでありますけども
猿田彦やら、二見神社の話やらも出てきて
伊勢神宮好きの自分にとっては
楽しいものであったように感じるのでありました

物語は続き物だからか、キャラクタのある種出来上がった関係性が
解きほぐされたというところが極めてあっさりしていて
めでたしなんだろうけど、よくわからなかったかなと
素直に思ったことを書いておきたいのでありました

神宮に対しての思いというのが、明治のご一新以降か、
戦前のそれにまつわるものか
自分でもわからないうちに、古くから続くしきたりと混同してしまってるんだなと
そのあたりだけは思い至ることができたように感じるのであります

【読書】高校入試

2020-09-21 21:14:54 | 読書感想文とか読み物レビウー
高校入試  作:湊かなえ

地域の一番校での入試を舞台にした
なんともいえない物語でありました
安っぽい正義だとか、薄っぺらい真実だとか、
そういうものが描かれ、嘲笑うようでもあったのだけども
硬直化した狭い世界で、そんな小さなところで人生を過たせるものがある
そんな物語だったように思うのでありました

入試というシステムへの不信感だとか、
そこにまつわる教師たちの態度や、大人たちの本音なんかが、
どうにも、醜いというべきなのか、
登場人物の誰一人として共感できる人がいないような
実に不愉快な感じなんだけども、
まさに、そういう世界あるなという身近さが恐ろしいと
読んでいて感じたところであります

入試の採点というものが、人力で、どれほどのミスが包含されているか、
携わっている教師たちの真剣さが、受験する学生たちの必死さと
まるでかみ合わないような姿、でも、それはそういうものだなと
大人というべきか、学生ではない自分が読むから
教師たちの仕事をこなしている感もよくわかるなと
思ったりするのでありました

高い志というものが、教育の現場には必要と
当たり前のそれが言いたいわけではないんだが、
世の中の大人が思うような馴れ合いというべきか、
利己的なものとは別の、笑っちゃうくらいの崇高さや潔癖さ、清潔さというものが
教育現場には必要で、そういうもので学生と対峙する
覚悟だとか、気構えだとか、様々言い換えられるのだけども
そこにかけるものというのを考えさせられたようにも思うのであった

と、まぁ、あれこれ書いてみたが
正直いまいち理解できていないので
感想が上滑りしてしまうな

麒麟がくる  将軍の器

2020-09-20 23:54:46 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了していました
藤井総太特集やら、赤毛のアンやら見るものが多いから
遅くなってしまった

さて、凄い期待していた将軍の最期が
思った以上にあっさり過ぎてしまって、ちょっと残念でありました
絶対7本の刀を使っての七人の侍ばりの殺陣だと期待してたのに
まぁ、それでも、ひと暴れして、
コロナに考慮したのかしてないのかわからんが、
ソーシャルディスタンスを襖でとった挙句の最期というのが
なかなか衝撃的でありました
もっと殺陣見たかったなぁ、残念である

それはそれとして、話の方は面白い方向に転んでいって、
光秀がなぜあんなに重宝されてしまうのか、
そのあたりは物語の都合だからいいんだけども、
今までのお使いモードと同じなんだが、
今回のミッションについては、
その役割と答えがいかにもでよかったのでありました
それを受けての朝倉の殿様もいいなぁ
あの人、結構いい人っぽいから
惜しいというか、可哀そうな未来が辛いところでありますね

正直、義輝の後どうなっていたかよくわからないので
ここから、三好一党やら、松永倅連やらが
どんな働きをした挙句、義昭に継がれていくのか
今から楽しみなところでありますが
それと同時進行的に、信長との付き合いも始まっていくのが
なかなか見どころとしていいなと思うのであります

戦が嫌いという、ただその一点において、
将軍に向かないと判断したけども、
実際は、その理想に近しいと気づくという感じなのか、
あるいは、そう思っているのか
結構、光秀がどういう思想かが
直接的に語られていない、主役が謎をもっているというのは
斬新な感じがするなと
楽しみが増える具合に見ていたのでありました

次週も楽しみである

発音と音痴と、発声について

2020-09-17 22:47:57 | 雑感
先日、友人がツイッターで参加していた話なんだけども、
ケアルガの発音が、背油なのか、かに玉なのかという問題
なんで、ラーメン用語なんだと思わなくもないんだが
これで、どっちかが勝ったというか、
割と大差がついていたらしいということだそうで、
凄いなー、考えたやつ偉いなーと思ったりしていたんだが

さて、自分はどっちだろうと考えたとき気付いてしまったのである

背油とかに玉、そしてケアルガ…
三つの単語の差が、音でしか理解できない
わかりやすくいうと、母音が違うからという認識はできるんだが
発音と呼ばれる、強弱なのか、高低なのか、波長なのか、
そのあたりの区別がまったくつかない

今更ながらに、自分が音痴であったことを
改めて突きつけられたようでありましたとさ

これは俺だけではないだろうと信じたいところなんだが、
この現象について、さらに続けていくと、高低強弱がよくわからないので、
当然発音する際にも、いわゆるシャドーイングがさっぱりできない
だから、英語なんて喋れないのだと
声大きくしたいところだが、まぁ、英語嫌いなだけで、
そんなにトレーニングしたことないのだけども、
大好きな台湾のために、台湾語勉強していた時分でも
発音がさっぱり追いつかないことに苦心しているのはこういうことかと
なんか、合点したのでありました

ただ、それでもなんか似せていくことはできるような気がしているので
実感できないレベルなんだが、高低なり、強弱なりが
理解できているんだろうか、それを言語化するという部分に
何かしらのエラーがあるんだろうかと
自身の能力を省みるのであります

なんとなし、そういうのがさっとわかる人というのが
歌がうまかったり、何かしらよいことがあったりするのかなと
羨ましく思ったり、まったくの見当違いかもしれんとも
感じたりするのが、なんとなし楽しいと思えた
夏の終わりである

【読書】罪の轍

2020-09-15 21:25:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
罪の轍  作:奥田英朗

休みに読む本ではなかったなと反省したくなるほど
なかなか重たい、暗い事件を描いた小説でありました
東京オリンピックの前年、北海道の離島から、
空き巣を生業にする男が東京へやってくる
といった具合のお話なんだが、
この空き巣も可哀想な男だったりするんだが、
そこをやたらクローズアップするわけでもなく、
ただ、一見正直そうな行き方をしている男を様々な悪意なんかが
からめとっていくようでもあり、
どこで、何が間違ったのかとわからなくなるような
陰惨な世界へと移ろっていくのが、嫌な物語だった

ある誘拐事件が起きたときに、失敗、失態を重ねる警察の右往左往っぷりがまた、
物凄いストレスがたまる感じで、やきもきというか、
またこういう時に、今でもありそうな、野次馬というか、
様々な無責任な行動、ある種の悪意といったものが感じられて
まぁ、なんとも読むのが辛い按配でありました

そんな中でなんとか真面目に、まっとうにと新世代の刑事が、
古い慣習に囚われないように活躍したり、この時代特有と思われる
変革みたいなのも見られて面白いのであります

時代感というか、左翼活動家がすこぶる元気だったり、
暴力団や、人種問題とか、その頃のごたごたが
たっぷり煮詰まった感じも面白くて、
読むのは凄い楽しいのに、全体の事件が悲しいので、なんというか
読後感がいいとは決して言いがたい小説でありました

面白かったけども、語りづらい小説でありました
二回読みたいと思わないやつだった

【読書】ワールド・ウォー・ゼット

2020-09-14 21:08:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
ワールド・ウォー・ゼット  作:マックス・ブルックス

いわゆるゾンビものでありました
あんまりゾンビに詳しくないからなんともいえないけども、
ゾンビが世界を席巻した後に、その当時のことを
インタビュー形式で追っていくというスタイルが面白かった
当時の人間、それぞれの土地、人種、宗教なんかが入り混じって
ゾンビとどう対してきたかという話が、
結構生々しいというか、ありそうな感じで描かれていて面白い

ゾンビが蔓延りだした頃から、その恐怖、攻防、
その時の判断や、様々な事象の解説が面白く、
山の中のサバイバルから、潜水艦話まで、ゾンビネタなのかと思うくらい
多岐にわたる話が面白かったエンタメを実に堪能できる内容でありました
苦難から、人間の仕方のない部分なんかが描かれているようでもあるんだが、
いよいよ、ゾンビに対して抗するという話になってからが、
とても楽しい、やはり勝利するという話は楽しいのだなと
読みながら、なんだかわくわくしたのでありますけども、
反転攻勢に出て、着実に結果を積み上げていく期間の回想というのが、
なんとも心躍る感じで、その間にも、様々な難題はあったものの
それを上回る、何かを成し遂げていく強さみたいなのが読み取れて
ああ、アメリカっぽいなぁと感じたりするのでありました

ただ、そのまま、一本道で勝って終わりということはなく、
そろそろ勝てそうというか、だいぶ道筋がついてきたというあたりで
人間がどこか壊れてしまうという例がいくつか挙げられているのが
なんともありそうだという話で面白い、
強いストレスが、やがてなくなると見えてくると
なぜか、その瞬間に気持ちが切れるのか、勇猛優秀だった人たちが
次々と精神的に折れていってしまうというのが
姿として憐憫を見せるけども、なんか、心情的に理解もできそうな感じが
リアルだと感じたのであります

エピソードとしては、元プロレスラーの討伐隊員が、
どこかで、香水の匂いを嗅いだら滂沱の涙でもう立ち直れなくなったとか、
この話が本当にもう、よくできてるなぁと
絵に浮かぶようだと思いつつ読んだのでありました
物凄い働きぶりだった男が、なんてことない香水の匂いを嗅いだときに
ふいに、過去というか、何かを思い出してしまうなんて
人間臭すぎる話が凄いステキだと思ったのであります
いや、悲劇なんだけどもね

そして、その後、ゾンビがまだ全滅したわけではない世界で、
各地において、また、国が始まろうとしているというところで
物語というか、報告書が終わるというものなんだが
それぞれで立ち上がるところに、若干偏ってるとは思うものの
国民性みたいなのを塗布してあって、非常に面白かったのでありました
なんだかんだ、日本がまだ扱ってもらえる時分だったようで、
日本で生き残った代表が、ヲタクだったり、盲目の仙人みたいな人だったりというのが
漫画的で面白かったのでありました
そういうキャラクタが立ってるだけで、なんかいいなぁと思えるのである

麒麟がくる  義輝、夏の終わりに

2020-09-13 20:53:30 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
タイトルからして、青春ドラマかといった感じだけども、
思いと現実があまりにも剥離した将軍という印象が
とてつもなく強く伝わってきた
物悲しい回でありました、結構好きな将軍だけど
実際、あれくらいのもんだったのかもだなぁ
リアルなのかもしれんと思うところ

相変わらずのお使い光秀でありましたが、
空振りばっかりで、その姿から、将軍の立場というか
いかにも、今望まれていない男であるかが伝わってきて
凄い切ない話でありました
やる気はあるし、何かしら大望があったようにも思えたけども
まさに、夢で終わっていこうとしているんだなと
情けない姿が見事でありました
次週の将軍の器というタイトルがまた、それを物語るようでもあるな

松永が糸引いて将軍殺しをやるんだと思ってたけども
今回はその線ではなく、言葉の通り、もう何もできることがない
敵が多すぎるという状況のようで、
来週、物凄い殺陣が見られると期待したかったんだけど
ひょっとすると、あんまり激しくならないんだろうかと
心配になってきたのであります
コロナの影響がどの程度なのかわからんが、
そういうのいいから、なんとか、ドラマとしてというか
このアクション大河の傑作シーンをぜひ撮ってくれ、届けてくれと
願うばかりでありました

さらっと、秀吉の顔見世も終わらせておきつつ、
お駒ちゃん界隈も、必要なのかわからんやりとりをいくつか見せつつ
相変わらずうらぶれたままの光秀だけど、情勢は刻一刻と変わってきている
そんな按配で、もう、新しい将軍というトレンドに
あれこれさらわれていくのかというのが
またリアルなんだな、終わってしまった男というのに
権力は容赦がないなと、なんとも切ない物語でありました

ガリガリくん

2020-09-12 17:18:33 | 食べ物飲み物
書くこともないのでというか、最近、甘いものを結構食べるようになって
凄い久しぶりにガリガリ君を食べたら、思いのほかというか
とても美味いと感じたので、その界隈の話をメモっておく

私が小学生くらいの頃からあるものか、
覚えていないのだけども、気付いたら食べたことのある
なんてことない氷菓であります
名前の通り、ガリガリした氷を固めたアイスキャンディーで、
味はソーダ味が定番、次に続くのがコーラ味とったくらい
個人的に、コーラ味はさして美味いと思ったことなく
ガリガリといえば、ソーダだろうと思っているくらいであります

何年か前に、居酒屋でガリガリチューハイなる謎の飲み物があって
つい頼んでみたら、チューハイにガリガリくんが突っ込んであるだけという
酷いものを飲まされたことがあるんだけども、
それくらい、世の中に浸透しているのかと思ったものであります

と、個人的な思い出としてはそれくらいなんだが
先日、何年ぶりかわからないくらいにガリガリくんを食べようと
近所のスーパーを覗いてみたら、なんと違う味が出ている
スポーツドリンク味というやつだったと思うんだが、
まぁ、いわゆるアクエリアスやら、ポカリスエットやらの味なわけだが、
これもまた、個人的にはソーダに勝てるものではないという具合、
残念無念と思っていたところ、FBにガリガリ部なるものがあると知って
早速アクセスして驚愕、ガリガリくんて、こんなに種類があったのかと
新味が次々発表されていたことを初めて知ったのでありました

中には、リッチな大人のガリガリくんなる商品もあるんだそうで、
果たしてどのあたりが大人なのか、どれくらいリッチなのか
気になって仕方ないんだが、売ってない、
というか、そんな数の様々なガリガリ君はいったいどこに行ったら食べられるんだと
そっちのほうが気になってしまうところ
近所のスーパーでは、なにせ、ソーダとコーラが常駐、
先日たまたま、スポーツドリンクは食べることができたけど
その後続いて出たらしい乳酸菌飲料味は見たことない、
バイヤーがどういう基準で採用してんのかわからんが
どうしたら手に入るんだが、大人のガリガリくん

と、まぁ、そんな特にオチもない日々を過ごしていたわけなんだが
このガリガリ部なるところで、次回の新味を当てるとなんかもらえるキャンペーンがあって、
それに果敢に挑戦していたとき、「青りんご味」とか、考えていたんだが、
つと、ソーダ味というのが、そもそも、それに類するということに気付いて
自分がどれほど、青りんご好きなのかということを思い知ったとか
オチにもならないところをつけて、置いておく
なんだかなぁ

【読書】タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源

2020-09-08 20:57:11 | 読書感想文とか読み物レビウー
タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源  
著:ピーター・ゴドフリー=スミス

非常に興味深く、面白い本だった
タコに関する研究本だと思ったら、そこからさらに発展して、
意識や、記憶、心といった哲学にも通ずる問題に意識を撥ねる
大変楽しい内容だったのであります

タコについて、そもそも、ほとんど知らなかったということも
この本によって補完されるし、そういう本でもあるのだけども、
その専門性高い話ばかりではなく、
タコがどういう行動をとるか、タコの研究がどうなされてきたか、
そこで判断されたものは、正しいのかという切り口で始まり、
やがて、タコに対して抱いている、研究結果という期待は
本当にタコを理解した内容なのだろうかと
そんな風になってくるのでありました
これは本当に深い、凄い面白くて仕方ない

タコという存在を紐解いていき、人間とどのあたりで進化分岐したのか、
それはどこが決定的に違ったのか等等、そのあたりも面白いんだが、
それらがさらに遡ったとき、ごく単純な生き物と呼べるかといった状態のとき、
コミュニケーションの原点ともいえる行動が見られ、
それが進化を続けるにつれ、何かを伝えるという方法となって、
その手法として神経が構築されていく

このあたりのドラマチックな語り口が面白いので
ぐいぐい引き込まれて、久しぶりに考えさせられた
というか、いい具合に本によって目が啓く感じを覚えたのでありました
この神経というものが、やがて、手とか足とか、そういうものに
概念もまた変化していき、今があるのかという
なんか、わかったような気分になれる知識を得つつ、
タコは全身にそのような神経が通っているという話で、
それは知恵というものか、知能というものを
どう判断すればよいのかに疑問を呈するのでありました

まぁ、そんなことを続けつつ
考える、心とは何か、もっと単純に嫌という感情が
人間以外にも存在するのかどうかとか、
そういうところにも発展して、もう、考え出したら楽しくてきりがない
答えがないのに、あれやこれや想像できるという
最高の娯楽を提供してくれるような
いい本だったのであります
久しぶりに、どっぷり本を読んだという感じがする
本によって、動かされて、何かを考えるというのが楽しい
そういう本だったと
思って書いておくのでありました

それはそれとして、タコとは何かについても凄く厳密にかかれていて
大変面白いのでぜひ読んで欲しいような気がする一冊でありました

【読書】あの本は読まれているか

2020-09-07 20:48:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
あの本は読まれているか  作:ラーラ・プレスコット

ドクトル・ジバゴというロシア、いや、ソ連の文学作品を巡った
CIAを含む西側と、ドクトル・ジバゴの作者のいる東側で
それぞれ、様々な思惑と戦いがあったことを描いた小説でありました

正直なところ、このあたりの東西冷戦構造だとか、
スターリン以降のソ連の恐怖政治について勉強不足なため、
十分に楽しめなかったという感じになったんだが、
それでも、厳しい体制下で本を書き、そこに意味が見出されるという
文学の可能性ともいえるような思想戦争があって
非常に面白かった

東側の監獄における非人道的な様子なんかもまがまがしく、
それを経て、様々な背景を背負うこととなった
ロシア系アメリカ人の生き方とか、
色々考えさせられるところも多いんだが、
それが、CIAのスパイ行為と結びついて、あげく、二重スパイだとか、
割と明るくさらりと、騙しあいと駆け引きが描かれているのが
軽妙で面白かった、なんといっていいのか、
いくつもの物語を同時に読んだような感じがする

ドクトル・ジバゴを英語翻訳して、
世界中の絶賛を得ることで、ソ連の体制批判を行おうという
崇高だか、なんだかな作戦が実行されて、
それを実行するCIAの雇われたちが、
ただのタイプライターの打ち娘だったり、
本格のスパイであったり、それが、いいように転がされていたりとか
男女、女女の縺れなんかも合わせて描かれていて
アメリカ側の物語だけで、まとめて読みたいと思うような内容でありました

それぞれの登場人物たちの最期の姿が、悲惨でもあり、
物語的でもあり、この頃のソ連というものを
臨むような景色で、印象的でありました
ついこの間といえる、いや、もしかしたら、今もそうなのか
わからないが、得体の知れない恐怖というのを
ソ連というものに感じるのであります

【ドラマ】江戸川乱歩短編集Ⅱ 妖しい愛の物語 第3回「人間椅子」

2020-09-06 17:12:03 | ドラマ映画テレビ感想
いったいいつやってんのか、
シリーズなので、目に付いたらできるだけ見るようにしてるんだが
多分何作か見逃していると思われる江戸川乱歩シリーズ
大好きだわと思っていたら、昨晩ちょうどやっていて、
そして、なかなか衝撃的な内容だったので
大河もやらないらしいから、本日メモっておこうと思うのである
*「麒麟がくる」は台風注意喚起のため放送中止だそう

さて、作品は「人間椅子」
さっぱり知らなかったけども、相当の掌編ながら
かなり人気の高い原作なのだそうで、
これまでにも何度か映像化された、クリエイターの何かを
刺激してやまない作品でありました
今回、寡聞にして、初めて観て、あまりの衝撃にメモとろうと思ったくらいで
なんというか、凄いなと、あれこれ思ったことを書いておくのであります

ドラマについて

映像作品としての気概というか、
並々ならぬ執念みたいなのを感じて
度肝を抜かれた感じでありました
なんだこの執拗な尻シーンの数々は、
そして、女ばっかりで責めてくるあたりの露悪加減というか、
あえて低俗感のあるフェチをぶっこんできたような羅列が
なかなか衝撃的でありました、まぁ、何せ夜とはいえ、NHKだからなぁ

正直、このシーンを撮りたいだけのための作品なんではないかと
思わされるくらい、かなり執拗に続くのがなんともいえないところだったんだが、
あれは、もうちょっとおっさんというか、男のも入れたほうが
変化があって面白かったように思うんだが、俺のフェチ感がずれてんだろうかな
あまりに露骨すぎると、なんともげんなりするというか、
尻に、ふんどしを絡めてきたのは衝撃的だったけども、
パンツが、結構安易というか、そのガラはなかろうというのがあって、
なんというか、ちょっと違くね?と感じたのでありました
と、書いて気付いたが、完全に俺の趣味じゃなかったとか
そういう話なのかこれ、おかしい、そんなはずじゃ…

かなり凝った撮影だったみたいで、透明なフィルム越しで、
ライトの強弱をつけるという不気味な撮り方が面白かったんだけども、
モデルの数の問題なのか、尻というか、その顔の見えない個人
あるいは、人間というものを描いていくのに
バリエーションを感じなかったのでありましたとさ
でも、尻で殴打みたいなのが何回かあったんだが
あれどうやって撮ったんだろう、光の加減だけだったんだろうか
右尻と左尻を交互に打ち付けるとか、ぱっと考えると
やるの相当難しいなと思ったりしたのである

明智小五郎役のときの妖艶さのほうが上回ったように感じたのだけども、
今回のも、満島ひかりさんの存在が素晴らしかったと思うのでありました
台詞なしだから、より、仕草というか体を使ってという感じが
なまめかしくてよかったんだが、文学的倒錯感みたいなのが
薄れたように思ったのである
ただの男装フェチの感想みたいになってきてやだなぁ
しかし、どんどん朝ドラヒロイン役から離れていっているように思えてならない
確か、凄い朝ドラ主演を熱望してると聞いたと思うんだが

物語について

さて、この変態度が高いものをしゃらっと書いていたという
江戸川乱歩に衝撃を受けたわけでありましたが
文章力の高さというか、今回の映像で朗読されていた部分が
おそらくは、元小説の大半でもあったんじゃないかと思うんだが
独白と、そこから漂う変態性の高さが
実に素晴らしくてよかった
エログロの一種にあたるんだそうなんだが、絶妙なフェチ加減というか、
そういう種類の嗜好がありそうだ、かつ、嫌悪感が凄いという、
もう、このやむにやまれぬ業すら感じさせる
変態性の高さが見事でありました
本当に凄いものを生み出してくれたなと思うのである

この作品も、かなり人気の高いそれだそうで、
その頃の文壇というか、そういう世界については
読み手も書き手も変態が多かったのではないかと、また、
読み手の変態度が、書き手に書かせていたということではないかなとも思えたり
なんというか、サロンとか、文壇というもののあり方みたいなのを
考えさせられたのでありました
いや、凄い偏見だと思っているが、そうであって欲しいという感情が
抑えきれない具合である
自分が、その頃の金持ちなら間違いなくそうであろうと思うばかりなのでありましたとさ

追記
今更ながら、尻のバリエーションが少ないと思っていたが、
あれ、ひょっとして満島ひかりが一人で演じているのか、
だとしたら、それはそれで凄いなと思ったんだが
そうなってくると、パンツバリエーションで挑まざるを得なかったあたりは
仕方ないとも思えるのであった