CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

台灣縦断旅行記 34 台中肉圓と桃園空港

2016-12-31 16:08:39 | 台灣縦断旅行記(2016)
強引に最終回である
ともかく、年内に終えておこうという感じであります
今しばらくお付き合い願いたい

台中の心残りとして、台中肉圓を食べるという目的を思い出す
彰化でも食べたから、正直台中でも食べるのはどうかしらと
思わなくもなかったんだが、台中站近くに
老舗があると聞いていたので、うろ覚え脳内地図に従って移動
珍しく発見できた!そんなわけで、早速入店


その名も台中肉圓(タイチュンロゥユェン)
電車というか、飛行機の時間も近いので
焦って一個注文する、一緒にスープもどうかしらといわれたけども
凄い熱そうだったので断念する
今思うと食べておけばよかった


店内にある老舗の称号


そして出てきた、肉圓 40元
あれ、彰化のより小さい…
ちょっとしょんぼりとか思っていたのでありますが、
外側のもちもち感は一緒、ただ、味付けはすでにされていて
テーブルで追加できる薬味はなさそう
そのままで食べるしかないかと割ってみると

台中の肉圓は、肉ばっかりなのでありました
ごろごろと肉の塊が入っていて、彰化のように
具材が多くない、だけども、この肉が凄い美味い
思わず、もう一個食べたいと思うような
濃厚な肉、そう、まさに肉という味と食感
凄い旨いとあっという間に平らげてしまったのでありました
台中では、食べておくべきものの一つじゃないかと
勝手に思うほど、大変美味しかったのでありました

これで無事終わったというわけで、
台中站から、高鐵台中站へと移動、そっから高鐵で桃園までいきます


台中站にあったダンボールモニュメント
このほかにも色々あったんだけども、ジブリがよろしいね


そして、待ちに待ったというか
ようやく手に入った、高鐵弁當 80元
いわゆる八角という八角形のそれであります
上に乗ってるのは豚肉でありまして、煮卵とホタテの揚げ物
下敷きにハムという具合で、シンプルな弁當
高速鐵道に乗るなら絶対食べましょうという名物だったので
楽しみにしたのですが、感激するほど美味いこともなく
さりとて旅情たっぷりに楽しめたので
そっちがメインだろうかしらと感じるのでありました

というか、短時間に食べ過ぎているから
味がわからないのかもしれない

桃園に到着、ここから空港へ行くバスが出ているので
そいつに乗り換えて急ぎ移動をします


バスチケット 30元
簡単に買うことはできましたが、バスが結構混雑していまして
時間によると、二台くらいやり過ごさないといけないかもしれません
今回は、無事すんなり移動できたのでめでたしめでたし
ココの時間を見越してちょっと早めに到着しておいたのもよかった


と思ったんだけども、どうも降りるターミナルを間違えたらしく
全く見覚えのないロビーに出て右往左往
あわてて、ターミナルをつないでいるモノレールみたいなのに乗り換えて
するするっと移動、せっかくだから写真撮っておけばよかったんだけども
割と簡単に移動できるので、間違えても安心してほしい(普通は間違えません)

無事空港に到着して、ちょっと時間があるというわけで、
うろうろとまたも、空港ウイングを歩き倒して
最後になんか食べ収めしておこうといつもの店に


生姜を使った豚肉飯と、字面だけ見て魯肉飯の親戚だと
勝手に判断して楽しみに待っていましたら


うわ、しょうが焼き定食だこれ…。
まさかの、台灣で豚のしょうが焼きを食べるという
がっかりイベントにしてしまう 220元
しかも凄いボリューミー、食べられるのか俺…
この日、最後だからと相当に食べまくってきたのでありますが
最後に、まさかの生姜焼きかよとテンションオチつつも
でも台灣の生姜美味いからなと納得して完食
ちなみにエダマメが物凄い辛かった
胡椒というか塩っ辛い

こうなってくるともうちょっと食べられるんじゃないか
そうだ甘いものを!
前回来たときに、食べればよかったと断念していた豆花屋があったはず



ピーナッツ豆花 50元
台灣といえばピーナッツ(花生)であります
これを食べておかないとねなんて、もうランドマーク狩も
きわまってきた感じでありましたが、
ほのかに甘い豆花は美味しく、さっぱりしたのであります
ただ、お店のおねーちゃんが凄い愛想なくて残念でしたが
まぁ、それはいいや別に

完全に遊び倒した、悔いはないだろう
そう思いたかったのでありますが
高雄、台南には随分行き残したところがあるなと反省しつつ
ともかくも、6度目の台灣旅行はこうして終わったのでありました

何が便利って、高鐵が便利で、ガイジン向けのフリーパスは
是非買って遣うべきだと力説したくなる便利さでありました
また来よう、次は何しよう、あれこれ考えつつ
空港マッサージを受けてみたりする(20分 300元)
本当に盲人のいわゆる按摩さんによるもので、
歩き倒した疲れが、するすると抜けていくようでよかった
そんなに高くないし、時間あるときには是非利用したいものであります
ただ、時間帯によっては、結構混んでるので
早めに到着しておく必要があるという
観光とのジレンマもあるのだけども


かくして、台灣を飛び立ち関西国際空港へ
珍しく綺麗な夕日が見られたので記念に撮影しつつ
無事帰国できたと感激ひとしおだったのでありました

と、満足していると


機内食があった…
ここに来て食えないとか、そんなバカなことはいえない
鶏肉のとろみがついた何かとご飯
スイカにケーキまでつくという豪華なそれに
まさに、もう食べられませんという域に到達して
台灣は食べに行く場所だなと、思いを強くしたのでありました

ちなむでもないが、この後、つい先日ではありますが
こんなに便利に利用していたトランスアジア航空が
会社解散という憂目にあったので
こんな豪華な空旅はもうできなくなるのでありました
残念極まりない

つらつら、いい加減書き募りすぎましたが
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました
また行きたいと、いくたびに思わされる台灣に感謝
そして、よいお年を

【読書】木漏れ日に泳ぐ魚

2016-12-30 14:54:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
木洩れ日に泳ぐ魚  作:恩田 陸

ミステリと呼ぶのだろうか、
ある事件について、それを解き明かしていく
それと同時に、男女の、家族の、さまざまなものが解けていく
机上のみで開いていく話なので、
やきもきしながら読むことになりましたが
最終的に、何が明かされたのか
どうだったのか、正直
俺にはまったくわからぬと思わないでもない
繊細な物語でありました

事件だったのか、事故だったのか、
それもわからないまま、
男女が、その事柄をもって不和をなして
分かれていくという日に
そこに何があったか、お互いが問い詰めていく
つきつめていくという物語でありまして
まぁ、全般にうつうつとしたというか
重苦しい空気の漂うお話でありました
何があって、何がなかったか
さっぱりわからんとまではいいませんが、
語るとネタバレになってしまうので
なんともはやという具合でありますけども
どきどきしながら読んだのでありました

事件に関する何かも描いているのだけども
ギミックとしての、男女の機微というか
それぞれが考えることというのがまた、
世の中にありふれた、男女の差というかギャップというか
それぞれが、それぞれに対して抱く何か
無理解というか、不理解みたいなのが見え隠れして
大変楽しく読めるとも思うところ

ある種の痴情のもつれともとられかねない感じだけども、
それは、落ち着いて考えていくと
ある意味、論理的なというのか、
細かな部分や情熱という言葉でごまかしている
体裁や、道徳みたいなのをたてにきた
ごっこ遊びだったみたいな感じで
恋愛、愛情とはなにかねと
思い知らされるような内容でありました
なんだろう、読みおわって、世の中をうらむではないが
鼻白む感じになってしまう

ある種残酷な話であったと
思ったりするのだ

台灣縦断旅行記 33 宮原眼科の鳳梨酥と太陽餅

2016-12-29 10:49:19 | 台灣縦断旅行記(2016)
そして、宮原眼科であります
知る人ぞ知る、なんていうほどでもなく、
昭和の頃、日本人の宮原さんが眼科を営んでいた場所を
台灣で流行のリノベーションして利用している
お菓子屋さんであります


立派な建物である
もともと眼科だったという話だが、
眼科でこんな建物必要だったんだろうか
よくわからんな



有名スポットなので、いたるところで撮影している人が
いや、自分もそうなんだけどもね
なかなか風情ある建物であります

ちなみにうっかり写真撮るの忘れていましたが
ここの名物アイスクリームを販売する入り口が
別途設けられていたんだけども、それがまぁ
とんでもない長蛇の列に思わず笑ってしまった
半分以上がガイジン観光客で、この人気凄すぎるなと
恐れおののいたのであります



外装がレトロ感を覚えつつもお洒落でステキ
取っ手が100になってるのは、創業に関するなんかだったと
記憶しておりますが、そういうのは
有名ガイド誌をご参照くださいという具合である



あまり店内を撮影するのはいかがかなと思わなくもないけども
ちょっと、撮影したくなる素敵仕様でありました
なんだこのお洒落すぎる建物は、これがお菓子屋か
呆気にとられるとはこのことである

と、建物に見とれてばかりで、冷やかしだと思われるとまずい
そんなことを思って、とりあえず購入モードに切り替える

ここで驚くでもないけど、さすがと思わされたのが
若いおねーちゃんなのに、日本語がぺらぺら過ぎること
そして、ぺらぺらのまま、凄い勢いでセールスされる
あれこれ買わされてしまう感じが凄い
今回の旅で一番消耗したというか、浪費、いや消費したのでありました
そもそもが高価なのでありますけども
長い旅を赦された代金と思って払うのでありました


そんなわけで、買い物が一瞬で終わってしまったんだけども
なんとも夢のような空間であったと
女子に大人気スポットに、おっさんが一人でのこのこ行ったと
そんなお話でありました、ちなみに戦利品は



こんな按配でありました
あれこれ買ったので、一個いくらか計算してないけども
合計で、1090元とか支払ったので
お菓子に4000円くらい支払ったんじゃなかろうかと思う
どうかしとる

しかし、これでいかにも台灣行ってきましたと
大手をふれる感じになったので、満足して
そろそろ帰国の飛行機がと思いつつも
うろ覚えで、もう一軒行ってみたい店を思い出し、探してみようと
運にまかせて、歩き始めたのでありました

【読書】ナゴヤドームで待ちあわせ

2016-12-28 15:07:36 | 読書感想文とか読み物レビウー
ナゴヤドームで待ちあわせ  作:太田 忠司ほか

ナゴヤドームというか、ドラゴンズに焦点をあてた
アンソロジー的な、短編集でした
私も、おおよそ名古屋で生まれ育った感じなので、
背番号3と言われたら、ああ、立浪ね
なんて言ってしまう(注:ドラキチでも言いません)
郭といえば、源治と答えるくらいの素養は持ち合わせていまして
書かれている内容も、なかなか楽しいと
結構幅広いドラゴンズ知識を求めてくる内容になっていて
なかなか楽しく読めたのでありました

まぁ、実際のところ、ほとんどドラファンではないのであるが、
名古屋で育つということは、ドラゴンズと育つことと同意なので
宗旨はおいておくとする
名古屋では阪神戦を見たい場合、中日阪神戦でしか見ることができないのだ
巨人阪神戦は、巨人を見たくないから見ないのだ

まったく関係ない自分語りを入れてしまいましたが、
ともかく、ドラゴンズを好きだ、あるいは
ドラゴンズに何かしら思いがあるという
いかにも名古屋人的なバックボーンを描いた作品集で
結構面白かったのであります

さまざまな角度から、ドラゴンズ好きであったり
生活というか、過ごす中にドラゴンズの陰があるという
なんともいえない現代小説っぷりが素敵で
個人的には、山本昌の引退にかこつけて
何もかもを先送りにしてしまうという話が
すごい好きというか、よくわかるなぁと
改めて思い知ったりした次第
題名がドームなのに、10.8の話が2編あったり、
昌の話があったりと、ほとんどナゴヤ球場の話じゃねぇかと
思わなくもなかったんだが
ほのぼの楽しく読めたのでありました

これを他府県というか、
ドラゴンズ地域でない人が読んで面白いかというと
絶対そんなことないだろうなと、
わかっているんだけども、この帰省の時期に読むと
個人的には、感動しきりであると
思ったりしたのでありまして
読み終えたメモを残しておくのでありました

落合は中日の人間ではないと
未だに思うんだなと、個人的感想を添えておく

台灣縦断旅行記 32 台中站周辺散策

2016-12-27 19:48:29 | 台灣縦断旅行記(2016)
こんなに長くなると思いませんでしたが、
あと2回、ないし3回くらいで終われそうとか思うんだが、
これをやっている間に、また新たに台灣行ってしまったので
記憶がごっちゃになったりして大変なので
足早に片付けていく所存

その割にドラマの捨て回みたいなタイトルでありますが
あまり時間もないため、宝覚寺からバスですぐに台中站へリターン
本当は歩いて、バナナなんとか園というスポットを見てこようと
目論んでいたのでありますけども、
朝早すぎたせいで、地図が手に入らず全然わからなかった&物凄く暑い
という、根性が足らない系の理由によってバスで移動
凄い不安でありましたが、運転手さんにメモで
「到台中火車站」と書いてみたらサムズアップしてくれたので
安心して移動したのである、バスは12元くらいだったんでなかろうか


台中站
ここも建物が古いというか、なんかいい雰囲気でほっこりする


またも登場する台灣鉄道人
台北、彰化、台中で見かけたわけだが
ひょっとすると、台鐵のそこかしこに居るんじゃなかろうか
写真撮ってるのが自分だけだったので凄く恥ずかしい

次の目的地は宮原眼科なのでありますが、
ここが10時オープンということでまだ入ることができず
場所だけ確認して、1時間くらい時間をつぶそうと
近くに市場を発見したので、ふらっと立ち寄ってみる


台北で見る市場と違って、
いかにも青物市場然としているというか
名古屋の中央卸売市場やら、西区の問屋街を思い出す感じである



内容も、いかにも青物市場と思いきや、
それこそ問屋街のように、お店屋さん向けの梱包済みのなにかれが
たくさん売られていて、なんというかステキと思うところ
ここでみやげ物とか買ったら、いかにも通っぽい気がするが
税関通らん気がするな

奥には魚市場もありましたが、そちらはもう店じまいだったようで
閑散としていたので残念でありましたけども、
特に買うわけでもないが、この活気というか
日常に触れられるのは楽しいなんて、格好をつけるのであります

さて、せっかくだから小腹を満たすものはないかと
市場の近くだけに期待して探してみるものの
こういうときに、まったく勘が働かなくてちっとも店が見当たらない
最終的に見つけたのが


手書きの店
おばちゃんが、近所のおばあさんみたいな人と
わーわー喋りながらやってたというか、
開店してるのか?よくわからん感じで
おそるおそる、やっているかと嘘中国語で聞いてみると
これまた全く通じない、こっちも何言ってるかわからないので
押し通ることにして
私「一人、内用、鴨肉麺(イーリェン・ネイヨゥ・ヤーロゥミェン)」
店主「是」
と、まぁ、「一人で、中で食べる、鴨肉麺を」てな具合で喋ると
なんとなし通じたようでありました
さほどに気にしない様子で、先にいた近所のお婆さんも
別に珍しいものを見る感じでもなく
こっちに座りなさいと、手振りで教えてくれて
ひっそり座る、そして


鴨肉麺(ヤーロゥミェン) 60元
真っ黒だ、凄い、京都の新福菜館のラーメンみたいだ
美味しさという概念から、色彩を一切奪った感じが
いさぎよいというか、凄いなと衝撃を受けたわけでありますが
食べてみると、よく煮込まれた鶏肉が美味い
いや、鴨肉、正式にはアヒル肉だと思ったんだが
ともかく美味しいのであります

麺は、相変わらずコシなくて、しょんぼりでありましたけども
スープは、何味と形容しがたいけども意外とあっさり
醤油とは違うんだと思うんだが、なんと言えばいいんだろう
八角の味もしないし不思議だ
肉は骨付きというか、もう肉をざくぎりにして入れてあるだけなので
こそぎ落としながら食べたのでありますが
意外と満足だったのである


またふらっと歩いていると、なんとなし面白そうなアーケードが
この感じは、いわゆる台灣電子街ではないか
と思ったら、アーケードに台中電子街って書いてあるな
今、写真見て気づいた


思ったとおりで、露天にCDか、DVDかのメディアを
量り売りよろしく単品販売しているというのが衝撃
これ以外にも、秋葉原や日本橋、大須といった
ああいう電子街の古いイメージそのままのお店が
ずらり並んでいたのでありました、面白い、買わないけど

このほかも、怪しいジャンク品売る店から
ちゃんとしたメーカーの部品販売の店とか、カメラの店とか
多種多様な電子機器販売店が並んでいました

さて、時間もちょうどよいというわけで、
台中といえばの名物スポット、宮原眼科へと向かうのであります

【読書】ラジオ・キラー

2016-12-26 22:10:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
ラジオ・キラー  作:セバスチャン・フィツェック

サスペンス小説でありました
こういうのが好きな人にはたまらない感じなんだろうけども、
私には、終盤にどんでん返しというか、
怒涛の展開がめまぐるしすぎて、わけわからなかったので
なんといっていいのか、面白かったけども
疲れたという印象を受けた一冊であります

娘が自殺したというショックから立ち直れない
女交渉人が、絶望のうえに、自殺しようかと思ったそのとき、
ラジオの立てこもり事件が発生して、
その解決にいやおうなく参加させられてしまうと
そういうお話でありました

キャラクタが、あれもこれもなかなかこなれて作られているのでありますが
読後に考えてみると、出てくる人の頭がよすぎるんじゃないかと
その状況判断で、この謎解きにたどり着くとか
全員どうかしているだろうなんて
思ったりなんだったりするのであります

いくつもの嘘が重なるというお話なので、
今もって、どれが結局本当の話で、
最終的になんだったのか、誰がどうであったか
よく読めばわかるんだけども
そこを説明している文を読まなかったら
まったくわからない展開で、面白いんだろうけども
ついていけなかったのが残念な部分でありました
自分の読解力をうらめしく思うのである

嘘をふくめた、複数人の一人称描写で進むので、
どんでん返しになったときに、
あれ、なんかおかしくないか?とか
思ってしまったりするわけでありますが
きっと整合性はばっちりあってる凄い小説だったんだろうと
ドイツで大人気だというところから
感じたりするのでありました

事件が起きて解決してというお話で、
取り立てて、ここがどうしたと語るような部分がないというか
私にはなかったので、このあたりでメモを閉じるのでありますけども
どっしりと、大変疲れる読書であったと
記しておくのであります

台灣縦断旅行記 31 台中寶覺寺

2016-12-25 19:36:57 | 台灣縦断旅行記(2016)
さて、四日目である
いよいよ帰宅、帰路につくというわけでありますが
飛行機の時間は夕方、昼くらいまでは遊べるというわけで
高速鐵道を使って台中まで移動します


すっかり気に入ってしまった、飯団(ファントゥン)
前日のセットは甘い紅茶だったが、今回は台灣らしく豆乳にしてみる
正直豆乳なんてと思っていたが、間違いでありました、凄い旨い
台灣だからか、どこで飲んでも一緒なのか
このあたりはわかりませんが、この飯団と豆乳の組み合わせが
抜群によかったので、みんなも買うといい 60元也

さて、台中について、もう時間がないからと
あわててタクシーを捕まえて移動開始
前日の高雄が嘘のように、晴れ渡っていたのでありますが
時間が惜しいというのと、台南でタクシーに慣れたというのもあって
今回もさらっと駅前でタクシーを捕まえてみる

運ちゃん「去哪里(チュウナーリ)?」(どこいくの)
私「バオジェスィー(寶覺寺)」
運ちゃん「唖?」
私「これ、これ」

と、「どこいくの」は聞き取れたけども、目的地の発音が悪く伝わらない
仕方ないので、手帖に書いてみせるのでありましたが「宝覚寺」と
日本語漢字で書いてしまったので、もうひとつという伝わってない具合でしたが
とりあえず出発したのでよろしいという具合である

この運ちゃんが、やたらよく喋る、しかも英語でという具合で
なんとなし、しどろもどろ英語でやりとりをしていたんだが
あんまり盛り上がれないなと、冷や汗をかきつつ
20分くらいで無事到着、180元といわれて
あれ、ちょっと高くね?とか思ったんだが、
気にしないことにして目的地へ


寶覺寺(バオジェスィー)
宝覚寺(ほうがくじ)と日本語で発音するそれであります
大きな布袋様で有名なというか、なぜか日本人がやたらやってくることで
地元の人はあんまり興味ない建造物だと聞いている
由緒正しい禅寺であります



なぜ日本人が多いのかといえば、ガイドブックに載ってるからというのが
一番大きなところでありますけども
意外というか、日本とゆかりが深いお寺でもありまして、
二次大戦の戦没者の慰霊をしていることでも有名なのであります
この写真が、慰霊碑であり、霊前でもありました
近くに、あの李登輝総統が建てられた碑もありまして
非常におごそかな場所でありました

日台の様々な戦没者がここに眠っているというわけで、
大きなお堂には、その名前を記した位牌が所狭しというか、
物凄い数納まっていまして、往時の写真なんかも掲げられて
なんとも、しんみりとした気持ちになるのでありました


その他も仏教建築というか、日本のお寺に近しいイメージで
観音様が、今までのような派手やかなそれとは異なる印象でおわします


でも、ここの本堂というか、メインはこちらの建物でありまして
先ほどまでのは、隅というか、もしかすると敷地が別なのかもという感じで
ひっそり建っているのでありますが
この白亜のお堂の中にお寺がありまして
どうも、もともとあったお寺を覆うように新築したような
不思議なお堂、こっちが、ありがたい布袋様を祀るところのようである


中には、ふくふくしい布袋様があらっしゃる
ともかく頭を下げて、拝み拝み、お金お金と
浅ましいことを考えるというか、すがるわけであります


さらに表に出ると、寛いだ布袋さまが
このおなかを撫でると、ご利益があるというのが
これはもう、日本のお寺や神社でもよくあるそれですが
みんなが触りたくるから、てかてかつるつるになっているおなかを
ありがたく撫でる、ついでに頭もと思いましたが
罰当たりはいかんと、とどまった、偉いぞ俺

そして


これが布袋さまの大仏であります
今回は、たくさん大仏というか、大きな建造物を見たなぁと
感慨深くなるところ、仕上げといっていい
なかなかに素晴らしいお姿でありました



ぐるりと一周まわって、彰化の大仏みたいに
中に入れないかと思ったんですが、この日は残念ながら
中には入れてもらえない日だったようで、扉だけ恨めしく見つつ
それでも、今回の旅行中で最大級の晴れ間の下
輝かしい布袋さまを堪能したのでありました

そう、凄い晴れのおかげで、
物凄く暑い、ちょっとしゃれにならないと
台灣の夏を味わったりしたのでありますが
ここにいたるまで、雨ないし曇りで本当に助かったと
胸をなでおろしたのでありました
台灣の暑さは尋常ではない、京都でなれたそれとはまた違う暑さがある

そう思ったりしながら、大変満足して次へと移動を開始するのであります

【読書】狭小邸宅

2016-12-24 17:25:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
狭小邸宅  作:新庄 耕

芥川賞作品のような小説でありました
もしかするとノミネートとかされていたのかもしれない
住宅販売のセールスマンとして、悪戦苦闘する
というと聞こえがいい話しで、
罵詈雑言を浴びながら疲弊していく姿を描いた
人生の壁といえばいいのか、自分との折り合いをつけていくという
生々しい恐ろしさのつまったお話でありました

新入社員とか、就職活動者向けだろうかとも
思わなくもないところでありますけども
ともかく住宅が売れないという状況で、
うわさによくきく、今でいえばブラック企業というそれこれのような
非情の扱いを受けても、なんとかしがみついている
なんでしがみついているのか、自分ではわからない
けど、そういう現実に負けたくないのだと
仕事に体当たりして、砕け散っていく様が
ありあり描かれていて、肝が冷える一冊でありました

ただ、唐突に運が啓ける展開に恵まれて、
そこから好転していく、人生でいう、ひとつ抜けた後という状況が
さらっとやってきて、その時には、その試練のような何かを経ることで
それまでの自分とは決別しているかのような
不思議な気分も描かれていて、綺麗な言葉でいう成長を
描いているようでステキだと思うのでありました
酷い有様なんだが、最終的に勘所を捕まえていく姿は
読んでいて、励みというではないが
自分に照らしてみたくなるなぁと
いっぱしのことを言いたい自分を思い出して、気恥ずかしいというか
恐ろしいと思うわけでありました

反省を強いられるような内容ながらも、
仕事によりかかっていく、それが生きていくことなのか
わからないまま、結局自分の中の折り合いは見つけられないような
鬱屈を抱えて終わるというのが
これまた、芥川賞っぽいとか感じたわけでありますけども
描かれた世界観が、少し古いんじゃないかなと思ったけども
2013年の発行だそうで、果たしてどうなのか
世界は変わっていくなと、いらん感傷にひたりつつ
読み終えたのでありました

【読書】治療島

2016-12-23 17:38:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
治療島  作:セバスチャン・フィツェック

精神病を取り扱ったといっていいのか、
統合失調症がキーワードとなる、不思議世界がえんげんと続くと思ったら
割と普通に大変な事件があったという
なんともいえないお話でありました
読んでいる序盤から、これはそういうことですな
なんて思うように、統合失調の症状をありあり
体験するわけでありますが、
終わりがけ、その世界から戻ってくるという奇跡というか
なんか、凄いスペクタルな感じで
判ってたと思ったのと違う収束をむかえて、
なんとも形容しがたい感情を抱いたのでありました
面白かったんだけども、どうなんだ、怖いよう

新聞の連載小説みたいに、
細切れというか、小さい小編が折り重なっていくお話でありまして
きりのよいところで、すぐやめられるから
電車通勤にはありがたい一冊でありました

さておき、まさかミステリ小説だと思わずに読んでいたというか
完全に、統合失調という症例を見て、ああ、こう終わるんだろうなと
確かめていくように話が進んでいったのに
終わりになって、急な展開というか
ミステリ要素が山盛りでてくるというのが斬新に感じた次第
なんだろう、考えるのを放棄していたせいか
すっかり騙されたでもないが、
ああ、そうか、そんな話があったのかと
おかしな世界観ではなく、しっかりと通常の世界と
地続きになっていたというのが驚愕でありました
遠大なひっかけにすっかりやられたと
そういう気持ちであります

うっかり語ってしまうと、ネタバレになってしまうと
そんな要素もありきでありましたけども
実際にそういう症状の人には、こんな風に見えているというか
脳内で繰り広げられる何かがあるんだろうかと
思わされたりして、なんともいたたまれないではないが
そちらに引っ張られてしまいそうな具合でありましたけども
まずまず、楽しい終わりではないけども
面白い物語を読めたと、感心しきりに
一冊読み終えたというわけでありました

【ドラマ】とと姉ちゃん

2016-12-22 17:44:44 | ドラマ映画テレビ感想
いまさらかよ

そんなわけで、随分先送りしていた
前回の朝ドラであります
視聴率も好調だったようで、
なかなか楽しく見られた一本でありました

まぁ、何がよかったかと問われると
一にも二にも、唐沢寿明だったとしか言いようが無い
実に素晴らしい演技というか存在感でありました
話によれば、相当にアドリブを突っ込んでいて
NHKが容赦なくカットしていたらしいと
このあたり、凄い興味深いというか
カットの場面いっぱい見たいなぁと思わされたのであります
マッサンのときみたいに、メイキングじゃないが、
そういうの見たかったなと思わされたのでありました

暮らしの手帖にまつわる、あれこれというのが題材だったわけで、
朝ドラって、こういう路線だったかなと
不思議に思ったりもしたのでありますが
お得意の戦中戦後を描いてというもので、
まぁ、そこはそうだよなぁと思わされたり
ちょっといいところのお嬢さん過ぎるというか、
貧乏時代の暮らしぶりが
ちょっと考えてみると不思議というか、なんかおかしくないかと
思わなくもなかったのだけども
それはそれとして、花山さんとの出会い、そして
ドタバタしながらも雑誌を作っていくというのが
非常に楽しかったと思えたのであります

最終回近くに、花山が死ぬというあたりは
本当に見事というか、この関係といえばいいか、
この男を描いたというのが
やはり、このドラマの肝のひとつだったよなと
喪失感のようなものも覚えたので
感動といっていい、素晴らしいものを得たと思うのでありました

あとは次女がべっぴんさんだったなとか、
ピエール瀧が面白おかしいというか、
瀧だなぁと感激ひとしおの演技だったのと
唐突にはさまれる妙なギャグというか、
夢見がちな展開のあたりとかは
好きなテンションだったと思い返してみるに
なかなか楽しんでみてたなぁと
メモっておけると思うのでありました

あとは、向井理の叔父さんが面白かったというか
私の叔父にそっくりだな(生き方が)と、
個人的な感想を抱いたのが印象深いところでありました

【読書】スプラッシュマンション

2016-12-21 21:05:30 | 読書感想文とか読み物レビウー
スプラッシュマンション  作:畠山 健二

ご近所事件もの
そんなジャンルがあるのかわかりませんが、
マンションの住人たちが、あれやこれやと
事件を起こすというか、事件に関わっていくという話で
個人的にこういう狭い範囲でどたばたする話は
とても大好きです
なんて思って読んでいたのでありますが
オチというか、終わりにつれ、
なんとなく冗談で済まない展開になってきて
もやっとというか、すっきりはしない感じで終わったのでありました

序盤だけ見ていたら、これはNHKあたりでドラマにしたらいいのに
とか勝手にいきまいていたのでありますけども、
よくよく考えてみると、ソープ嬢が出てきて、
しかもそれが売れっ子になっていくスターダム的な話もあり、
マンションの管理組合で、些細なことの復讐を成し遂げる話だったり、
ちょっと、悲惨にすぎる悲哀の男性がたくさんでてきたりと
テレビで見るには、哀しすぎると
思わなくもない内容でありまして、なんともはや
面白かったんだけども、残念であります

なんとなく、落語の調子に似た具合で、
あれやこれやと進んでいくお話で、
筋というか、トリックめいた混んだ部分は
さほどに難しいことはない
よくある感じなのでありますが、どたばたと
やんや遊びながら、それをやっていくというのが
楽しそうでもあり、面白そうでもありと
読んでいて、楽しいと思えたのでありましたが
その楽しそうなのが、なんというか
それは度を過ぎてしまっているんじゃないかと
ちょっとそういう展開になったあたりで、
少し目が醒めたような、そんな気分になったのでありました

人間が生きていくのは大変だなと
何も言いえていない感想を抱いてしまいがちでありますが、
ソープで母性をもとめる男性の描写が
えらい丹念で生々しいという部分が
ある意味、白眉であったのでないかと
思ったりするのでありました

台灣縦断旅行記 30 高雄六合夜市と台北西門町

2016-12-20 21:23:23 | 台灣縦断旅行記(2016)

六合夜市に到着であります

高雄で最も有名な夜市だと聞いて、
すげぇ楽しみにしてやってきたのでありましたが
どんよりと、怪しい雲が出てきて
なんとなくやだなぁなんて思っていたのであります
でも、とりあえず夜市を楽しもう
と、思った矢先にすげぇ雨、まさに豪雨
さすが亜熱帯、熱帯性のいわゆるスコールめいたそれが
もう、ちょっとありえない水量でやってきたのである

傘なんざほとんど役に立たない降り方で
とりあえず退散しようと、手近なお店に入る
そのまま突っ立ってるのもなんだしと腹ごしらえに
飯も頼んでみる


蝦仁炒飯(シァレンチャォハン) 60元
いわゆるエビチャーハンである、
高雄といえば海産物、海鮮料理だろうと
まず食べてみたかったのがエビでありました
日本人は本当にエビ好きねぇと、いつだったかの
台北旅行中に言われたのを思い出したけども
今回も楽しみにして食べたのである

これがまた、非常にうまい
ほどよい塩味と、ぷりぷりのエビが
ああそうだ、これを食べたかったんだと
物凄く感激して、むさぼるように食ったのでありました
いやー、高雄素晴らしい、安いのにすげぇ美味い


これで雨がなければねぇ…
そんな風に思ったりしながら、豪雨の写真である
伝わりにくいけども、道が川になるとはまさにこれかと
屋台というか店から簡易の屋根が張り出していまして
そこそこ濡れないで歩けるかと思ったけども
なかなか難しい、みんな傘さしてるし道が狭いと
なんとも難航、観光の気力がどんどんと失われていく


エビ焼いてる…
美味そうだとじっと見て、また雨が強まってきたので
これはもう食べろという啓示だろうと次の店へ


蝦仁(シァレン) 300元
今考えると、これはボられたんじゃないかと
ちょっと思わなくもない値段であります
今までで一番張り込んだと感じるようなそれだが
これがまた、非常にうまかった
やっぱり蝦は偉い、蝦は美味い、蝦大好き
貧乏臭いことを考えつつも、
熱い熱いと一人呟きながら殻をむいて食べる
また頭が、脳みそが凄い美味いんだ
すげぇ満足だと、覚醒したかのようでありました


結局、あんまりにも雨が凄いのにげんなりして
そそくさと退散、これが目的だったのに
ものの30分くらいで夜市を去ることになるとは…
このリベンジを誓いつつ、蛇の店がここにもあるのかと
近くに風俗街もあるんだろうななんて考えつつ
高雄を後にしたのでありました

さて、台北


戻ってから気づいたんだが、今回の旅で
台南、高雄とめぐったにも関わらず、
マンゴー食べてないじゃんと気づいたのである
何してんだ、せっかくの機会に…
そうなると仇をとるしかないなんて思うわけで、
西門町をうろうろして、前日、前々日と
夜中に呼び込みに誘われたこの店に入ったのであります

呼び込みが独特で
「マングォ、イチグォ(注:苺を日本語で発音している)」
なんて感じで、やたら耳に残ったというか
怖いわと思いつつ二日間素通りしていたのである


マンゴーミルクカキ氷 120元
多分、芒果雪花冰でいいと思うんだが、氷が牛乳なのである
そこそこのサイズで、この価格ならお得と
ほくほくで食べたのであります、つめたいうまいあまい
やっぱり旬は違うなと、このとき5月後半でありましたが、
フレッシュマンゴーの美味さが身にしみたようでありました
高雄での雨にくたびれた感じが嘘のようである

ついでに、もう一軒マンゴーを楽しもうと移動



フレッシュマンゴージュース 70元
新鮮芒果果汁とかいう漢字じゃなかったかと思いますが
お持ち帰りにしてホテルで飲んだ
これもまた、濃厚なマンゴージュースで美味いのなんの
西門町は若者が多いので、店員の兄ちゃんも
とっぽい感じで、日本人のおっさんがわからず注文していることを
面白そうに眺めつつ、さりとて親切に相手してくれて
よかったのでありました

よい思い出を抱えつつ、ようやっと三日目終了
いよいよ帰国の四日目である

【読書】渡されたバトン

2016-12-19 21:28:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
渡されたバトン  作:ジェームス三木

実際にあったお話のようであります
新潟県巻町の角海浜というところに原発を建てようという話が
ふって沸いたときの狂騒といっていいのか、
結局、これが建たなかったという出来事を描いた
小説というよりは、脚本・台本のような読み物でした
凄い読みやすかったし、面白かった

そもそも作者からして、見事な劇作家であると
知っているのもあってか、普段だったら会話劇的な小説は
好きじゃないとか思うところが、
凄いすんなり、とてもわかりやすく情景や、心情が伝わるようで
いい小説だと感心しきりだったのでありました

なんとなし、原発を扱った本ですよとは聞いていたので、
てっきり、東北震災を扱ったものかしらと
身構えて読んだのですが、まったく別の地域で、
しかも、原発を建てなかったという出来事を扱っていて
こういうこともあったのかと
驚いたというか、興味深い内容でありました

原発の是非について、ここで語るという内容ではなく、
その話があったとき、地元でどう考えた人たちがいたか、
どんな係わり合いがあったのかという点が
とても秀逸というか、人間味、現実感にあふれていて
結局お金であり、打算であり、利権があるんだろうなと
読み知った感じになるのでありました

どこまでが本当かというのも
書かれた当人には重要なんでありましょうが、
こんなこともあったかもなぁと、
断罪のためというではなく、なんとなく
考えてしまうことが、とてもうまく筋だっていたように思うのでありました
ある意味危険なことでありますが、
こんなことは、この件に関わらず
世の中にたくさんあるだろうと感じるわけであります

最終的には、建てないという民意を得たというか
折々、スリーマイル島や、チェルノブイリといった事故事件が起きて
さらに、もんじゅや、ほかの原発が怪しい稼働状況であるという
すったもんだの末に、この話は流れていくというのが味噌で
そうではなかったところもあったり、
また、そうではないという強い流れが、今もってあるというのも
確かだなと思わされたりして
非常に考えさせられる一冊だったのであります

自分が原発についてどう思うかといわれると
その是非が、未だ持ってよくわかってなくて、
なんとなし、ここにある利権、そこに群がっているという状態は
気に入らないね、なんて思うんだけども
それはまた、ここに描かれていたものとは違う見方であり
そういう人がいるのも確かだったりしながら
考えるきっかけになる一冊でありました

いつになく真面目になってしまった

偏屈なことを書くならば、反対派というものが
よそからやってくるフローも、見てとれて
それの良し悪しは語らず、生々しく描かれているのは
いい意味で衝撃的でありました
結局、どっちかに大きくふれるしかないのだろうかと
げんなりさせられるようでもあり
個人的には、読んで自分がどう思うかで判断する
思想の押し付けのない良作だったと感じたのであります

真田丸  最終回

2016-12-18 21:00:37 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
全部見終わりました
なかなか面白い一年だった

そんなわけで、副題がないこともあいまって
なんとなし、今回一回分というよりは
振り返っての感想になってしまいそうでありますが
最終回としては、淡々と残ったイベントをこなしていったみたいな
そういう雰囲気でありまして、前週までがクライマックス
そんな風でもありまして、
面白かったんだけども、ぱたりぱたりと
なぞっていたような印象でありました

最終的には間者が働きすぎだろうというそれだったんだが
それも含めて、そこまでやれた徳川が
やっぱり強かったというお話でなかろうかと
思わなくもないところ
最期の最期まで、大蔵卿含む大野一族が
ろくなことをしないという話になったようで
これもまた満足でありました
負けるべくして負けたという感じなのが
なんだかんだ、王道でありますね

結局、あんなに出来そうだった秀頼も
優柔不断といえばいいのか、
史実にある傀儡的なそれであったというのを
本人がどう思うかはさておき
一生懸命やった結果がそうであったという
悲劇的な感じで、これもまたよかったのであります
満足だ

ちょっともやっとしたというか、
しまらない終わりだったようにも感じたのでありますが
そのあたりも含めて、前週までで
だいたい終わらせていたという話なんだろうなと
感じたりもするのでありますが
内記の最期が思いのほか感動的で
やられた後、大往生というか、まさに断命、落命した感じが
なんかかっこよくて、じんと来たのでありました
その後に、部屋に集まって
みんなが暗い顔しているというシーンだけで
切腹は暗喩だったのは
なんともはやというところだったり、
そもそも、淀を落ち着けるために信繁が言ってたことが
守られなかったというか、
あれはその場しのぎの嘘で、その嘘は真田によってなされないという
これもまぁ、ままある人生の結果的嘘だよなぁと
感じ入った次第であります
でも、なんだろうかな、しょんぼりする話だから
こういう形で見たくなかったような
そんな気分でもある

失敗が、些細な手抜かりから始まるというのが
このドラマの中では、次々披露されたように思うのだけども
それをうまいことカバーできたおにいちゃんは生きたと
そんな終わりだったのか、
オチが見つからなかったから、佐久間象山を唐突に持ってきたのか
ただ、佐久間象山という人物を
三谷が好きなだけじゃないかとも思うんだけども
このあたりはわからないまま
楽しく見終えたのでありました

きりちゃんは最期どうなったんだろうか
もしかして鎮痛なシーンのときに居たんだろうか
よくわかんなかったので
これから、見ていた人の感想をめぐってこようなんて思いつつ
一年ありがとう、そして直虎こんにちはと
書いておくのでありました

【読書】ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。

2016-12-17 20:40:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。  作:辻村 深月

女性にとっての、結婚、出産、妻や母になること、
母娘の関係、女友達との友情、
何よりも、個人として自立するということ
こんな重たい内容をある事件を追いかけながら
考えていくといえばいいのか、
主人公たちの思考をなぞっていく物語でありました
重たい、そして、内容は、
女性じゃないとうまく消化できないんじゃないか
自分の理解力を棚に上げて感じた次第であります

タイトルは、強烈なネタバレでもないけども、
終盤にさらっと出てきて
なるほどと思わされるキーワードだったわけでありますが
なんとも悲しい物語でありました、
すれ違いとは違うんだが、理解と想像が及ばないことが
悲劇を作ってしまうといっていいのか
もっと情緒的な、そういう生き方、成長するとは何かと
人生を自分のものと考える
大切なことが、伝わってきたというか
ああ、流されているばかりではいけない
知らないうちに自立、独立していたような風に
陥っているのかもと
自分自身に、つと思い至る感じでもありました

様々な女性のタイプが出てきて、
それぞれの結婚感といっていいのか、
そのために様々に戦闘といっても相違ない合コンに挑む様だとか、
そこに一人ひとり、その考え方に高低や正邪があるような
本当に色々な考え方が披瀝されていて
この粒の不ぞろいさが凄いと感心してしまった
本当に、その人それぞれに考え方と感じ方があって
その背後にあるコンプレックスだとか、
環境だとかが、あるのだと思い知るようで
ひりひりしたのでありました

頭の良し悪しと学歴、自立と依存みたいなのが
ないまぜになっている感じが
非常にリアルというか、ありそうだなと
話が合う人とそうでない人との間を
実に巧妙に描いていたようで
背筋が冷えるような読書でありましたが
読み終えて、思いにふける感じなのでありました