CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

将棋ウォーズ2級で阿久津流急戦矢倉(2008)をとる

2021-09-30 21:52:07 | 将棋

阿久津流急戦矢倉

名前がかっこいいのに、結構簡単に出せてしまう戦法カード
思いもよらずカニ囲いから、5筋の相手の歩が出張ってきたところに角でとると発動
歩をとるという動作じゃなくて、5五に角が出るだけでとれる気がする
狙ってなくて、なんとなく流れで結構出がちなので
獲得回数が結構多い気がする
本来後手番戦法らしいが、図の通り先手でも発動
しかも、見ての通り結構手数が進んでいて、このときは29手目で獲得した

人によると、右四間飛車と組み合わせていくこともあるんだそうで
確かに、形としてはそれっぽく、怒涛の攻めで勝てそうな気がしてくる
相手の形を問わず、自分のほうも無理のない形で獲得できるので
戦法の利点をいかすとか考えなくても勝ちやすいと思われる
棋譜を見てても、狙って出しているとは思えない対局が多くて
なんかしらんが、あっくん(阿久津先生)が出た!みたいな感じで
わんさか供給されている気がする

戦法としては、後手で先手矢倉が角道を止めてきたことを咎めるようにして
55の位を角で押さえる戦法なんだそうだが、
序盤でとりあえずその形になっても、すぐに角が追い返されて
カード獲得しただけになりがちなんだが、
深い考えがある戦法なんだろう、素人にはわからない
矢倉といいつつも、カニ囲い崩れみたいな形で戦端が開かれることが多いので
角を振り回してるうちに、飛車をうっかりして撃ち込まれると
大変なことになりがち
華々しく駒交換はおすすめできない気がする

【読書】月下のサクラ

2021-09-29 21:10:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
月下のサクラ  作:柚月裕子

サスペンスミステリといえばいいんだろうか、
警察というか、捜査ものの一作でありました
実際にこういう係があるのかわからんが、
機動分析係という職務を得たいという女性刑事のお話
いや、まてよ、係の所属からすると刑事でもないのか、
このあたり、警察関係に詳しくないからわからんが
ともかく、そういう感じの組織のお話でありました

冒頭にその係への転属希望を受けた実地試験の描写があるんだが、
ここがなかなか面白かった、後半この展開が生きてくるかと思ったら、
確かに生きてきたけども、ふわっとした感じで
このスリリングさはもうちょっと楽しみたかったかもと思ってしまった
エンタメ系ではないから、これくらいがよいのかとも思うが
尾行描写を淡々とするだけでも
非常に面白いもんだなとすっかり冒頭から引き込まれたのであります

話は、警察署内で金銭の盗難事件が発覚して、
その捜査にあたるというところなんだが、
それがまったく別の事件とクロスしたり、
外事警察やら、公安やら絡んできたりとかして、
検察も含めて、この、一般人からするといまいち区別のつかない、
警察関係の人々(多分この書き方も当たってないんだろう)の組織間の闇みたいなのが
読み応えあって楽しかったのでありました

実際にこんなことがあるのか、
いや、これくらいの自浄作用というか、監視というものが
存在している組織なのかなと思いつつ
地道な捜査と、解決に向かうための強い意志という部分が
非常にかっこいいというか、面白いと思える内容でありました

個人的に、結果については、これはあかんのではないかと
思ってしまったんだけども
物語としては、正義とは何かについては、
これが正しいなとも思ったり、
でも実際はこうならんだろうなというか、色々考えてしまったあたり、
自分も妙に年齢を重ねたということかと
物わかりの良さみたいなのを覚えて、うすら寒くなってしまったのである

この熱血さというものが、自分には失われているのかと
思ったり考えたりしたんだが、
そういう感想を覚える物語ではないだろうとも思うのである
正義について、超えてはいけないものというものはきっとあるだろうし
そうであってほしいのだな

【読書】エレジーは流れない

2021-09-27 21:05:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
エレジーは流れない  作:三浦しをん

気の抜けた青春小説でありました
とある田舎町の男子高校生を中心に、思春期にありがちなあれこれを
面白おかしくというか、男子校っぽいノリと勢いをまぶして、
青春を描いた物語であります
まぁ、実際はもうちょっと汚いというか、より頭悪い感じだけど
物語としては、これくらいがほどよいなと
共学出身だけど、男子高校生の付き合いについて思ったのである
なんで、あんなにバカなんだろう
そして、それが、ずっと治らないのは、進化上の欠陥なんじゃなかろうか

さておいて、主人公が微妙に特殊な状況にあって、
母親が二人いるという謎の設定
そして、それがなぜか、主人公も特に気にしていなかったし
まぁ、そういうもんだろうという感じで進むのが、
ある意味リアルだなと衝撃を受けたのであります
結局のところ、そのあたりの謎も物語のひとつのキーとなってくるんだが、
字面ほど重要度というか、深刻さがないのがよいところで
田舎の温泉町という設定もあいまって
ぬるく、ゆるくという感じが読んでいてストレスなく
楽しいのでありました

結局、物語として何かあったかというと
ありがちな、青少年たちの悩みというものだけで、
それを面白おかしく、でも、ありそうだという内容で
何かを成し遂げるでも、切り開くでもなく、
ただ生きていくという姿だけで
物語になるのが、青春のいいところだなと思わされる一冊でありました

のんびり読める小説であったとメモっておこう

青天を衝け 篤太夫と八百万の神

2021-09-26 20:43:22 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了しました
相変わらずころころ立場の変わる男だなと
ちょっと味方変えたら節操なしのような気がするけども、
ドラマだからいいかと許してしまえる絶妙なコミカルさもよかったし
最後の大蔵省と間違えた話あたりは、本当かどうかしらんが
やりそうなというところがすごいよかった
新政府における、伊藤の役回りは、まぁだいたいいつもあんな感じだけど
大隈は新しいというか、あんまりドラマで見たことなかったなと
口八丁のすごさに楽しませてもらったのであります

慶喜もこれでお役御免となってしまうのか、
できれば要所要所で出てきてほしいと思うんだが
とてもきれいに片が付いたという感じにも見えて
奥とのささやかな毎日というのが見えてきたようでもあり
これはこれで、ひとついいのかなと思うところ
だけど、慶喜という男、その才覚としては
この平穏というのは死を意味したのかもしれんなとも考えられて、
現代から見ていると、まずまずでしょうという感じだが
当時、しかも当人としては、すさまじい葛藤を抱えたままの
要注意人物としての生涯を終えたんだろうかと
考えてしまうのである
本当、すごい人生である、それを乗り切ったというか、
ああいう形で落ち着けたというのも、すごい

この頃の政府がめちゃくちゃで、なんせ人気がないというのは
なんとなくわかっていたけど、
ここまですかっと描いてくれるとむしろ楽しくて、
それをどうにか無理やりでもまとめて、明治大正の荒波を
強引に乗り切っていくというのは
やっぱり政治家としてなのか、何か優れたものなりがあったんだろうと
思わされたりもしたのでありました
結局は官僚組織というものがしっかりしていればいいという
その基盤を作ったという話だったんだろうか、
この頃に、優秀な人材が必要と、学校なんかもできて
そういうのが世に出てきて、なんだかんだで昭和を迎えたとすれば
これはもう、そういうものだったのかなと
なんとも、歴史というものを考えさせられる内容でありました
幕末は本当に面白いな
そして、こうなってくると、幕末でなくても海外はどうしているか
国家というくくりで、外国というのを見るべきなんだなぁと
今更ながらに思わされるのでありました

残り3か月で、新しい日本のために働く姿が見えるんだろうけど
なかなか、出だしから面白くて楽しみであります
日清日露の戦役には関わりがあるんだろうかな
なければ、明るい感じだけで終わりそうだけども

将棋ウォーズ2級で中原流急戦矢倉(2007)をとる

2021-09-25 17:53:19 | 将棋

中原流急戦矢倉

後手番戦法だと思っていたのですが、ウォーズ的には先手でも獲得可能
後手目線でいくと、カニ囲い風にしてから、6三に金を上がると発動
金で攻めていくというのが斬新というか、
こんなの使いこなせないと思わされるそれである
中原先生いわく、玉が薄いので反動が怖いけども、
攻める分には十分に駒があるので、勝てば快勝の戦法とのことだが、
そこまでさくさく勝てるはずもない

相手の形を問わないので、割と簡単に出せるんだが、
金を繰り出していくというのが、結構怖いというか
初心者の矢倉で、この防御力の薄さは恐怖でしかない
ひたすら攻め倒して顧みないというのが正解だと思われるが、
角交換や飛車交換なんかしてしまうと
大変劣勢になるので、棒金みたいにしながら、できれば
歩二枚くらいと銀と交換できると
ずいぶん楽になるように思う
急戦なのでちんたらしているわけにはいかないので、
勢いよく、相手の金銀の形を崩していきたいと思ったのでありました

実際は5筋の歩を交換して、角のにらみ合いを生かすらしいんだが
さっぱりわからん、角交換になったら、防ぎようがないようにも見えるんだが
うまい人は裁いてしまうようであった
AI相手にも出しやすいので、割り切って、カードだけ出したら
急戦でありながら、手を戻してちゃんとした矢倉にしていけば確実にとれると思うのである
というか、そうやってとった

【ドラマ】ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜

2021-09-24 21:22:59 | ドラマ映画テレビ感想
久しぶりに民放ドラマを見ました
原作が結構好きなので、おっかなびっくり見たんだけど
丁寧に、それでいてテレビ用にカスタマイズされて
自然なドラマになってて、すごいよかったと
満足したのでありました
人気が出たからか、最終的に二期も匂わせる感じで終わって
満足だったのでありました
原作の細かいネタを、ともかく消費しようという感じに
意気込みというか、そういうドラマの作り方もあるんだなと
感心してしまったんだが、なにわともあれ、あのハコヅメが映像になったと
楽しんだのであります

途中コロナの関係で、えらいことになっていたけども、
比較的真面目な演技のムロツヨシが、いい塩梅でひっぱって、
最近名を挙げている、山田役の山田氏やら、
男性俳優陣の頑張りが、コスプレ感を吹っ飛ばして、それでいて漫画キャラだったのが
実にすばらしいと喝采でありました
モジャとか、完全にモジャだったし、山田も山田だった
もうそれしか感想ねぇよってくらいだったわ

放送コードの問題なのか、
少々残念だったのは、怒涛の下ネタがほぼ封印されていたところくらいで、
いや、でも、そこが個人的にはハコヅメの魅力の相当量を担っているんだから
惜しいとも思ったりしたところ、
でも、基本的にはお仕事系のあるある話コメディなのだから、
モジャツンのダブルデート盛大に失敗のあたりは、
河合の保険勧誘とあわせて、おなか抱えて笑ったのでありました
あれはすごいよかった、絶妙なドラマ感、コントじゃなくてドラマになるのがすごいわ
何が違うのかわからんけど、やってることは、NHKのLIFEとかと
そう変わらないはずなのに、ちゃんとドラマだと認識できてしまうのは
俳優のおかげなのか、脚本演出のおかげなのか
わからんが、面白いのにドラマを見た満足感があったのでした

牧ちゃんに懸想をする、謎のオリキャラも
違和感なくなじんでいたし
ギャグのテイストが、基本的に原作準拠であったのが
すごいよかったなぁと思いながら
毎週楽しんでみていたのでありましたとさ
消防士関係の話で、「もう、とんだ放火魔ですよ」という河合のセリフが、
うざかわいさというか、完成度が極めて高いギャグとして、すごいよかった
よいドラマ化だったと思うのである

【読書】必至の極意

2021-09-23 17:42:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
必至の極意  著:大平武洋

大平先生の将棋・勝利の方程式シリーズの一作であります
こちらも初心者向けで、必至をしかけていくための本
終盤力というか、これができるようになると
ずいぶん、将棋が楽になるよなとわかっているが、
詰将棋と必至将棋の違いというのが結構あって、
長い詰みより短い必至を目指すための一冊でありました
二手くらい余裕がある感じだけど、詰め方がまったく見えないと
そんなときが、よくある自分には
とりあえずというか、必至をしかけることで勝てる将棋が増えるだろうと
鼻息荒く読んだわけでありました

読んで、面白いというか、
結局は似た形をしっかり覚えることなんだなと改めて思わされるんだが、
先日読んだ羽生先生の攻めの教科書と同じ例題が出てきて、
この形必修なんだなと、違う本でも学べて、
記憶に残ってきたのでよい塩梅だと喜んだのでありました

本として充実していたのは、穴熊のときにどこへ、何を置くかというのが
かなりの数紹介されていて、大変ありがたかったのでありました
まぁ、低級戦で穴熊されることないから、あんまり使わないんだけど
一間龍が万能ではないというのは、よくよく考えさせられるのでありました

必至をかけるのに捨て駒を使うというのが
かなり思いつかないそれだったと、読んでいて思ったのだけども
詰めろでは物足らないことがすごい多いので、
必至という、あとは受けきったら勝ちという形の重要さが
よくよくわかったようで面白かったのでありました
銀冠崩しにも言及されていたし、苦手な端攻めを絡めた手筋もあって
いずれも必修というか、ちゃんと覚えておきましょうという
暗記ものばかりで重宝したのであります

ま、当然のように覚えていられないというか、
持ち駒が、自分のみならず相手のまで考えないといけないのは
当たり前なんだけど、そのときに絶対勝てる形ということで
頑張って覚えていくしかないのだなと思うのでありました

【読書】羽生善治の攻めの教科書

2021-09-20 21:22:36 | 読書感想文とか読み物レビウー
羽生善治の攻めの教科書  著:羽生善治

羽生先生による初心者向けの本
今回は攻めについてクローズアップしての内容だったんだが、
これは非常にためになったと、満足感が高いのでありました
やはり、初心者には攻め方の指南というのがいいんだなと
自分の棋力の低さがよくよくわかったというか、
結局、攻めるというのが楽しいんだと改めて思い知ったように思うのである

まぁ、攻めの教科書という題名ながら、
結局は攻めの手筋を解説しているだけの本なんだが、
基本的な各囲いの攻略方法が頼もしくて、
美濃に対してのあれこれ、特に端攻めが手筋手順というだけで
頼もしすぎる、これで、端の筋は突破というのはわかったんだが
まぁ、実際そっから勝ちまでいくには、まだまだあるよなと思うものの
いつも、角と桂馬つかう手筋ばっかりだったから
バリエーションが増えたようでよかったのである

攻めの手筋は、結局のところ、ある戦型の序盤戦術、定跡の解説も兼ねているようで
自分が振り飛車やらないから、その手順というのはためになるなと
今後、うっかりした相手を咎めるためにも覚えておきたいと考えるのでありました

詰みも大切だが、必至、詰めろのかけ方が重要で、
そこに至るまでの考え方、余裕をもって
確実に相手を攻めていく考え方というのが、わかってるんだけども、
なかなかできないなと思いつつ、
この本読んでいると、まるでできたかのように錯覚してしまうのである
すごく楽しい、こんだけきれいに決まるならなぁ

終盤では先生の棋譜解説があるんだが、
相変わらず難解な部分で、確かに説明を読むとそれで有利になるんだろうと
思ったりもするんだが、実際その形から勝ちまでどうしたらいいのかは
果てしなく遠い道だと思わされるばかりなのでありました
とはいえ、確実にリードを保つ一手とか、
相手よりも得をする手というものの考え方が
中終盤でさらっとできるようになれればと
覚えておきたい手筋がいっぱいだったのであります
これを覚えておける頭があればなぁと思うが
楽しかったので、とりあえずよいのだ

青天を衝け  篤太夫、駿府で励む

2021-09-19 23:06:52 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了していました
相変わらず面白いというか、やっぱり、ここからだよなぁと
新政府のうさん臭さとあわせて、第二章スタートみたいな感じが
凄いよかったと思うんだが、もう終わりが近づいてんだよな
あと何回やるんだかわからんが、どこまで進むんだろうか

農家でもといいつつ、駿府には引っ越してという感じが
今一よくわからなかったんだが、
幕臣という立場があったから駿府までは行くにしてもと
そんな感じで思ってたんだろうか、
なんだかんだ、知らないというか、結局勘定方やるのかよと
殿の気持ちと恩命があったとはいえ、なんか、さくさくだなと
感じたんだけど
新政府方と同じく、あの才覚は本当にすごいなと感心しきりでありました
四万両のあたりは面白過ぎた
あのくだりだけ聞いていたら、政府が殺しにかかるんじゃないかと
そう思うほどでありますな

それはそれとしつつ、三井ともさや当てが済んだ感じでもあり
栄一の躍進というか、あの凄さってのが
見ていて心地よいのでありました
あんなうまいこと行くものかなと、商人と武家との間を取り持つ話だとか
見ていて、調子よすぎじゃないかしらと思ったりしたんだけど
物語としては、こういうのでいいんだと
まっとうな楽しさがあって凄いよかったと思うのであった

時代は確実に前へといった様子もあり、
とうとう函館も終わり、それはでも、栄一たちのところへは
まだ何も運んでこないというのもリアルというか
もうそれだけは前時代の話なんだろうなというのが
切ないようでもあるし、歴史というものを感じてよかったのでありました
喜作はどうやって帰ってくるんだろう
落ち延びたという感じだけど、よくよく考えてみると
彰義隊の首魁だし、普通そのままは生きて帰れないだろう、
しかも途中でまた、何人か斬ってたし、考えるほど生き残れないんじゃないかと
思わされるのでありました
しかし大鳥も榎本も出てこなさそうだな
ひっそり死んだ土方とともに、幕末の亡霊が消えたといった感じでありましたとさ
西南戦争は描くんだろうか、関係ないんだろうか、その頃五代ってどうしてたんだろうか

気になることが多いまま、江藤とかも出てくるかどうか
財界と政界は別だから、あのあたりのごたごたはやらないかしら
あれこれ楽しく見守りつつまた、来週を楽しみにするのでありました

【読書】黄昏に眠る秋

2021-09-16 20:59:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
黄昏に眠る秋  作:ヨハン・テオリン

スウェーデンを舞台にしたミステリ小説でありました
過去の事件が、唐突に動き出す
そんな物語でありましたが、終わってみれば
なるほどそういうことかと、納得の終局で面白かった

序盤は、過去の出来事がなんであったか、
その犯人と思しき男の過去の話と交差しながら物語が進んでいくんだが、
こういう手合いに多い、後半になるほど面白い小説で
終盤には、次々ページをめくらされる内容で、
最後はどうなってしまうんだと固唾を呑む感じで凄くよかった

物語は、過去に起きた子供の行方不明事件に始まる
その事件よりもずっと後、未だその傷を引きずる母親のもとに、
子供の祖父、母親の父にあたる男から連絡が入り
物語が動き出すといった具合
行方不明になったときにはいていたと思われる靴が
唐突に手に入ったという話で、
現代に、犯人が蘇ったかのようになっていくのでありました

過去、この村には嫌われ者の金持ちの息子がいたのだが
その男の過去の話も並行して進んでいくのだが、
どうにも、この男が犯人なのか、そうではないのか、
それはそれとして、随分酷い男だなと思ったりしていると
そのうち、大変可哀想というか、なかなか酷い目にあってしまうといった感じで
物語がどこにいくか、わくわくしながら進んでいくのが楽しいのでありました

現代と過去とをいったりきたりしながら、
探偵でもないが、主人公である母親とその父親が
まるでタフじゃないというのがよいところで、
アクションとか、鋭い推理とかを武器にするわけではなく、
ある種翻弄されるように流れていくのに
真実に近づいて、事件の全容を明らかにしていくというのが面白いのでありました

犯人というか、事件は、思ったよりも意外な結末になっていて
なかなか衝撃的というか、終わってみれば、なるほど
そりゃそうかと、割と手近な事件でもあったなと思えるほどで
こういうところも面白かったのであります
結構古い小説だったんだが、4部作構想だったそうで
今その続編すべてが出ているのかはわからないが
面白く読めたミステリ小説でありました

将棋ウォーズ2級でカニカニ銀(2006)をとる

2021-09-14 21:59:32 | 将棋

カニカニ銀

先後どちらでも可能
両銀を繰り出して、中飛車に構えて、角を左端から覗かせると発動
というのでこの図では取ったと思うのだが、
ほかの人の棋譜を見ていると、両銀を出た後に中飛車に振るだけでも出ているっぽい
本譜は欲張って、無敵囲いを出してからの、カニカニ銀としたはずなので
角が発動になったように思うところ、ともかく銀と飛車と角と使って攻めていく
よくよく考えてみると、非常に攻撃的な面白い戦法であります

真面目に勝ちにいくにはどうしたらいいのか、
正直さっぱりわからないのだけども、昨今流行の居玉で戦うというのがステキで
銀角飛車と駒数は足りているので、中央からごりごり攻めていくしかない
両銀をそれぞれ角、飛車と組み合わせて棒銀チックに進めていって
相手の陣形をともかく削り倒していくことで突破、最終的に飛車が成れたら勝ち
そんな感じで闘っていたように思う

少し上級になってくると、歩越し銀の戦いということで、受けに回られると
まったく歯が立たないため、左右の桂馬も中央に結集させるようにして
ともかく中央突破、そして大駒の交換は角しか受けないという形で攻めていきたい
今やって勝てるかというと、まったくそんな気がしないので
早い内にとってよかった戦法のひとつだと思うばかりである
でも、世の中、カニカニ銀を極めようという兵もいるのだから
なんでもやってみるもんだなと思うところ

居玉ながら両金も動いていないのが、案外硬いのも魅力

【読書】オフラインのない時代に生き残る アフターデジタル

2021-09-13 20:50:04 | 読書感想文とか読み物レビウー
オフラインのない時代に生き残る アフターデジタル  著:藤井保文

インターネットへの常時接続が当たり前となった世界をどう考えるべきか、
未だにビフォアーデジタル的思考の日本企業がどうしたらいいか
そんなことを解説した本であります
ちょっと前の本なので、若干古いなと思うところもあるんだが
それも改善されて、さらに、昨今のコロナ下となると
意味合いが変わってそうではあるんだが、
オンラインとオフラインを区別しないという生き方について
示唆にとんだ本だったように思うのである

ビッグデータの利用等に重きを置いた説明になっていて、
事例は中国の様々な成功が書かれており
序盤は中国企業の紹介書なんじゃないかというくらいの分量なんだが
それくらい、中国ではオンラインとの融合が進んでいるというお話
以前から、ちらちら見ていた、お布施すら電子決済で進んでいるというのが
ここにも書かれていたんだけども、
これは、端緒というか、珍しいから描かれただけで
実際はそこまで浸透というか、わざわざ電子決済でお賽銭投げるかなと
首をかしげてしまうんだけども
それ以外にも、広範囲に人間行動をデータでカバーするということを
中国ではやすやすと行っているというお話でありました

アリババとテンセントの二大巨塔というべきか、
二手の陣営に別れてしのぎを削ってんだそうだが、
そういう中国の話はさておいて、
ともかくデータ、そして、データをとるためにその他のことをしている
そんな感じで、本業ではないこともやってるから、
店舗を構えて、そこで収益がどうしたとか、そんな話にならず
ただ、人間がどう行動するかモニタリングするために店舗をおいていると
そんな感じで運営しているというのが興味深かったのでありました

さらには、保険会社がきめ細かな対応をとれるように
データにならって、あれこれしているというところやら
ともかく、誰かが何かをしているということを電子化して、
それを一気に片付けてしまうというか
AIのふるいにかけていくということで、儲けのチャンスを得ているのだそうで
そういう発見、そして、細かなグレードアップができる企業が残っていき
そうではない、胡坐をかいてるような企業はことごとく淘汰されているというお話でありました

じゃぁ、日本でどうなるだろうかというあたりは、
日本の状況や、国民性なんかも加味して
結局、チャンスはあるけど、それは生かし方次第という
もうひとつ踏み込んだ答えは出てこない内容なのが残念なんだが
まぁ、データをとっていくことを当たり前にできる
そういう世の中にとっとと順応しないと
いつまでも、ビフォアデジタルという考え方では
世界はおろか、存続そのものが危ういと、そんな警鐘をならす本でもありましたとさ

青天を衝け  篤太夫、再会する

2021-09-12 20:43:08 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」視聴完了しました。
ようやっと本格的に再開といった感じで、
タイトルの再会はかけてあんのかと思ったんだが
まあ、そういうわけでもないんだろう
本当に、ドラマとしても、再会にあふれた内容でありました
尾高の家が災難だなぁと、つくづく思ったんだが
兄ぃだけでも元気だったのは、本当によかった、
また、長七郎の思いを夢を通じて、栄一にそして、兄ぃに伝わったようでもあって
いい話だと、しみじみ感動したのでありました

何もいいことがなくて死んだ
そういう説明になってしまいそうな、長七郎のことを
うまいこと扱ったというと失礼極まりないんだが
リスタートする栄一の指針になる形だったのが、
また、そこでのさわやかというか、これまでの劇中にはなかったほど
穏やかな表情で語らせるというのが素晴らしいなと
長七郎ありがとうという気持ちを盛り上げる内容でありました

実家パートは、歴史上は大した話でもないから、
普段だったら、飛ばせよとか、ひどいことを思ってしまいがちなんだが
こと、このドラマについては、必要不可欠というか、
嫁ちゃんと娘との再会、そこが面はゆい感じだったのが
すごいよかった
髪型の件、再会の会話として抜群の働きだわと、ごくごく自然に笑いと喜びがないまぜになってて
いいドラマだなぁと、しみじみ感動したのでありました
そのあとの、実家でどんちゃんしてるところなんかも、
緩急というか、動静がうまいこと切り替わって
嫁の悲しみも、妹の悲しみも、
まぁ、いろいろあって、でも、両親がいてという安心というか、
平和みたいなのが、ここにだけはあるというのが
救いというか、いいなぁと感動したのでありました

その流れのまま、慶喜との再会もまたよくて、
こっちも、まるで最終回みたいな走馬灯的栄一の語り、
でも、映像はそれを聞く慶喜だけという、印象的なシーンで
ここもまた、慶喜の、草薙さんの演技が抜群によかった
あの表情は、本当、どうともとれぬ、声や言葉にならないものが
十二分に伝わるようで、すごくよかった

今回、全体の流れの中で見たらもっと感動したのかなと
思ったりもするんだが、十二分に、再開一回目として楽しめたので
次回以降、というか、喜作がどうなるかを気にしつつ
年末まで駆け抜けてほしいと思うのでありました
今回、かなりよかった

【読書】羽生善治の受けの教科書

2021-09-09 21:02:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
羽生善治の受けの教科書  著:羽生善治

シリーズの最初のを読んだと思うんだが、
読んだ、強くなった気がする!で終わってしまうのは
私の不徳がいたすところなんだが
それでも、読むだけで強くなれるんじゃないか
そう思いながら、最近課題にあげていた、受けのあれこれを考えるため
みっちりと読んだのでありました
凄い面白かった、そして、読み終わってやっぱり覚えてない

受けの手筋とか、考え方について凄く丁寧に書いてあるし
読んでいて強くなってきたような気がしてしまう
初心者には、とても優しいというか、すごくいい感じで難易度があがってく話で
じっくり、よくよく読んで、楽しんだのでありました
難しい漢字には振り仮名が振ってあるというあたりに
色々思うところもあるのだけども、
それはそれとして、ただ面白いというか、将棋ってここまで考えていかないといけないのかと
受けの手筋それこれについて、深く頷いたのでありました

最終盤に羽生先生の棋譜を使った次の一手問題があるんだが、
そこは正直難しすぎるというか、それでいいという判定なのかと
そっから勝ちきれる筋がまったく見えないのばっかりだったので
個人的には、レベルが高すぎると思ったんだが、
その一歩前に、しのぎのテクニック中合いの説明で、
解いていくほどというか、この場合、この場合というのを全部網羅していくのが
凄い楽しいというか、そう進めていくほどに、この変化で受かる受からないが
まぁ、楽しいのなんのって、この問題自体が凄くよくできてるなと
感心というか、感動してしまったのでありました
受けって難しいな、受けながら、寄せのことを考えてみるんだが
勝手読みが多すぎて、その筋で寄せられてしまうのかと抜けがぽろぽろ出てくる問題で
大変楽しかったのでありました

だいたい7手詰めで限界を迎えている自分には、
かなり難しいところもあったんだけど、
ここぞというときの一手の稼ぎ方とか、その考え方、
なによりも詰めろ逃れのかけかたの考え方みたいなのが
読んだだけで強くなる気分を強めてくれて凄くよかったのである

受けでもあるんだが、そこにさばきも入ってきて、
受けるとしながらも、効果的な捨て駒とかの解説が
大変面白いと、将棋の面白い部分を解説というか説明してもらったような
そんな本でありました

これを丸暗記できる頭があればなぁと嘆息みまってしまうが
楽しい読書でありました

将棋ウォーズ2級で米長流急戦矢倉(2005)をとる

2021-09-08 21:13:16 | 将棋

米長流急戦矢倉

後手番の戦法だからというわけでもないが、
最新棋譜が後手だったので、発現は4四に銀が出たところになっている
話によると、先手でも普通に出せるようなので、以下説明は先手番で記します

相手方の動きは関係なく、居飛車戦法ながら飛車位置も問題ないらしく
玉が6九、その両肩に金(7八、5八)、その上部の歩はそれぞれついておいて(7六、5六)
角は動かないままで、左銀が7七から6六へ出ると発動
数少ない、狙ってなくても出すことができた戦法カードなんだけども、
居飛車で、なんとなく突然攻めたくなったとき、両銀をがんがん前へと進めていくと
自然と出てしまう感じだった
両銀がお出かけしてしまうので、陣営の弱体化がはなはだしく
飛車打ちに滅法弱いので、始まったら攻め倒していくしかないと
腹をくくってとりにいったのでありました

説明によると角頭が弱点になるそうなので、
戦法カードをとることだけを考えるなら、6六に出た銀を次の手番で7七に戻すと
その後は普通の矢倉戦として闘っていけるようにも思う
上級者相手には絶対できないが、カードをとるための低級将棋ならできる
ただ、両銀で攻めるというのは思いのほか破壊力があるので、
よくわからんが勢いで押し切って、角を生かした斜め棒銀を仕掛けていっても
勝てたりしてしまう、かもしれない

狙って出しやすいカードでもあると思う
米長先生のことは好きで仕方ないんだが、その戦法を使いこなすとなると
泥沼も持さぬ覚悟なり、罠なりが必要なんだろうと思うが
往時を知らないので、中原先生との対局でも眺めてみないといけないと思ってしまう
せっかくだから、米長先生の肖像でアイコン作って欲しかったと思うんだが
何かあるんだろうか、米長先生だし恨まれたりするんだろうかと
いらんことを考えてしまう