CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

青天を衝け  栄一、仕事はじめ

2021-02-28 21:01:54 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了しました
栄一の仕事が花開いたというか、
いい感じで描かれていたけども、
あれは結構危ないことだったんじゃないかと
思わされたのでありました
結局、倍値を払っている分もあったとすると
それってよくないだろう
余裕のある人だからできる買い方に見えたんだが
そこまで裕福なのか、どうなんだと
思ったんだが、貧乏性だからかしら

と、ラストシーンが結構いい感じだったので
そこが気になってしまっていたわけですが
そこにいたるまで、割とさらっと、浦賀へのペリー来航があり、
攘夷の話があり、さらっと慶喜が反抗期を迎えていたりと
なかなか楽しかったのでありますが
水戸のこれからが描かれるようになるのか
ひょっとして、天狗党とか出てきたりするんだろうかと
ちょっと幕末としてわくわくするところが気になるのであります
思想闘争を描きつつ、
それとは別の実学というか、実業としての渋沢栄一だと
いいなぁ楽しそうだなぁと期待でありました

藍が唐突に蟲に食われて大変なことになっていたけども、
実際のところはどうしてたんだろうか気になるのであります
毎日、蟲がいないか見てまわると
そういうことをしてたんだろうな、薬もないわけだし
なかなかというか、すげぇ大変な労働だと改めて思い知るのでありました

あとは、江戸の華やかな部分がさらりだったけど
いい塩梅だと楽しく見られたのでよしとするのである
この、幕末という時代でありながら、時代劇候でもある舞台というのが
たまらなく好きなので
ちょこちょこ、ああいう町並みと町衆とのやりとりを挟んで欲しいが
どんどん時代は進んでいくんだろうなと思うのである

【読書】 アフター1964東京オリンピック

2021-02-27 20:53:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
アフター1964東京オリンピック  著:カルロス矢吹

前の東京オリンピックについて、
その前後で、何かが変わったといったお話を
様々な関係者へのインタビューで描いた作品でありました
アフターと書いてあるけども、
実際はその人が、どのようにオリンピックにかかわり、
そしてその後どうなっていったかと
そういうところを書いていたのであります

サッカーなんかは、これをきっかけにして躍進したと
そんなお話だったのでありますが、
フェンシングや馬術、高飛込み女子なんかでは、
そこでの活躍を後に生かしきれなかったと
後悔のようなことも描かれていて興味深かった
まぁ、それはそれとして、当時のスポーツをするという環境すら危うかった競技なんかも
面白いというか、興味深かったので全体的に面白い読み物でありました

十種競技の先駆者がその経験を生かして
巨人のV9に貢献していたことや、
山本晋也監督が、オリンピックの映像撮っていて、それがきっかけで
日活でも花開いたとかは、なかなか面白い展開だと思わされたのでありますが
当時、オリンピックというそれも大変だったようだけど
それ以上にその競技の行く末や、その競技環境そのものへの
愚痴めいた内容が多くて、そこが読み応えあったように思うのであります

そういった先駆者たちのおかげで、今があるともいえるし、
東京オリンピックによるレガシーが生きているとも思えるのであります
パラリンピックも、ここで始めて日の目を見たというところと
それをきっかけに、バリアフリー的なものが増えてきたという
そんな価値が当時のオリンピックにはあったのだというのは
夢というか、今後に生かせる話であるなぁと
しみじみ思うのであります

まぁ、なんだかんだ、これを機会にうまくいかせるかどうかは、
主催している人たちではなく、そこに関わろうとする様々な人であるので、
現在の、ドタバタとか、いざこざというのは正直どっちでもよくて
その間に、これを弾みにして、その後にパラダイムシフトしようと
そんな野心でもないが、そういう心持が大切なんではないかと
思わされた一冊でありました

【ドラマ】麒麟がくる

2021-02-24 20:30:38 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」

年でいうなら、2020年のドラマでありました
のっけから、俳優の不祥事で遅れてスタートしたかと思えば、
コロナウイルス大流行によって撮影できなくなったり、
もともと、オリンピックの予定で短くなるという話もあったけど
結局、どこまで当時の予定通りに撮影されていた内容なのか
気になってしまうのだけども、
通して、面白い大河ドラマだったと思うのでありました

序盤の斉藤道三を中心とした物語も
俄然面白いというか、毒殺に継ぐ毒殺、
そして、帰蝶の大ハマリとがうまいこと作用して
凄くよかったという印象でありました
ここまでは、まぁ、俳優あれこれはおいといて、予定通りの描き方だったんだろう
そう信じたい感じでありまして、アクションも多いし
時代劇として見ごたえのある内容だったと思い返すばかりでありました

そう、もともと、アクションにかなりこだわっていたから、
それはそれは、義輝の最後は凄いことになるんじゃ、
一人七人の侍的な感じを期待してしたんだが、
残念ながら、ふすま越しに槍で刺されるだけで、
刀は一本だけと、凄く残念だったのでありました
あれは元からの予定だったんだろうか、
そうだとしたら、残念なんだが、まぁともかく、
そこにいたるまでの、道三編が活劇として面白かったというのは
国盗り物語を思わせるようでありました

そう考えると、道三という題材そのものが面白いのかもしらん

後編でもないけども、信長との関係が始まってから、
こちらはこちらで、信長の怪演が見事で
重度の承認欲求と、サイコパスかと見まがう感じの所作が
実に素晴らしくてよかった、
これとうまいことあっていた、帰蝶がまたよかったわけなんだけども、
その帰蝶が愛想をつかしたあたりが、ネット上でネグレクトとか呼ばれてて
笑ってしまったんだけども、本当にそんな感じで、
最後に繋がっていくところは、
見かたを変えるべきであったかという思いでありました
信長というものを作ったものが、その責任を取ったと
そういう話のオチだったと思えば、なるほどとも思うのであった

そして、物凄くよかったのは、松永秀永で
こちらもまた、怪演が素晴らしかった
最後のシーンも、一番かっこよかったんじゃねぇかと思うくらいで
あの迫力、胡散臭いと思いきや、意外と最後までよい人だったのも含めて
素晴らしいキャラクタだったと感激したのでありました
そして、朝倉の殿様もよかったんだけども、
最後、しゃれこうべ盃にならなかったのだけ、ちょっと残念だったけども
要所要所の敵役が優れていたと思うのでありました

いや、敵といっても、信長にとってのではあったわけだが、
それに続いた光秀というつくりだったとも見えるけど
どっかその系譜とは違うなと思えてしまったのが
なんとなし、一本筋が見えなかった物語とも
思えてしまうのである
見かたが悪いのか、ずれてんだろうかな

家康もよかったとか、あれこれまだまだあるのだけども
おおむね、帰蝶、久秀、信長を見るドラマであったと
感じるのでありました
光秀も当然よかったけど、この三人と絡んでいるときが
より煌いて見えたのでありました

新しい大河もまた、楽しんでいこう

【読書】日没

2021-02-23 20:50:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
日没  作:桐野夏生

作家が、その作家性というものを否定され殺される
そういう形而上の話を物語にした
不気味な小説でありました
書き手と思われる人は、いつもこういう妄想に苛まれてんだろうか
それとも、今、こういう状況なんだろうか
言葉狩りとは異なるけども、
一種の弾圧というものを感じている
それは精神の病だとされてしまう、本当はどうなんだ
どちらがどうなのかと
考えさせられる内容でありました

結構一方通行というか、
物語が、変転していって、まったく違うところで落ちるというか
落下するといった感じで衝撃的でありました
序盤というか、どんどんスタート位置から離れていって
まったく戻ってくる気配がないなと心配してたら
それどころではないという具合でありまして
面白かったのであります
考えてみると、初読みの作家さんだっただろうか
こういう感じがスタンダートなのかわからんが
振り回された感じがして楽しめたのだが、
いかんせん暗い

物語は、不当とも思える内容で、
ちょっとインモラル的な小説家が怪しげな機関に捕まって
そのまま拉致監禁されて、調教というか
矯正されていくという物語なのでありました
刑務所みたいな感じの場所で、誰が味方なのか、
そもそも味方ってなんだということもわからないまま
わけわからんちんの状況が、ただただ悪化していく
そういう物語でありました

最後に希望を得たのだろうか
朝日が昇ったと思ったら、日没とはいかにと
タイトルのことを最後に意識させられて
なんとなし納得というか、
色々新しい小説を体験した気分で読み終えたのでありました

何回も読みたい感じではないんだが
衝撃的でありました
いくつか謎がおいてけぼりのような気がするけど
もうそれも、妄想というので片付けてしまっていいんだろうか
猫とか、元彼の母とか、なんだったんだろうか

【読書】魯肉飯のさえずり

2021-02-22 20:58:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
魯肉飯のさえずり  作:温又柔

自身のルーツがどこにあるか、
作者の思いが小説化したといってもいいような物語
日本人の父と、台湾人の母を持つ娘が、
日本で暮らす、その中での戸惑いと解放を描いた小説でありました

多様性がどうしたとか、そういう
難しい話をするものではないけども、
ごく当たり前に、そういう目にあうというのは
なんとなし理解できる、主人公が子供の頃に受けた衝撃というか
周りと違うという戸惑いについては、
日本だけなのかしらんが、そういうことあるだろうなと
思わされる内容でありました
それが、物凄く悪いとかいうわけじゃないというのが
この小説のポイントだと思うところ

主人公が、その出自に思い悩み
それによる何かの影響で、自分を見失っていた
そして、良いといわれる結婚に身をゆだねたという状態
その後、どうなのかと、自身を取り戻すというか、
ようやく、理解できていくといった感じで
早くに修正ができたというのが
物語の決着でもあり、なんとなし、清清しいなと思わされるところ
とはいえ、独特の環境から生まれる諍いでもないが、
小さな傷というものが、やはり、日本にいることで起きているのは
ありありとわかるようでもあるし、
それは、個人的には仕方ないというか、興味というものの発露で、
それが相手を傷つけるというところに気が回らないのも
また、そういうこともあろうという感じ、
別にそれを弾劾するような内容ではまるでないのが、
考えさせられるところだと感じたのでありました

途中台湾にいくと、自分はやっぱり日本人なんだと思わされるシーンがあったり、
そもそも台湾人という人たちが、何語喋ってるか
ちょっとよくわかんない感じで、当たり前に生きているというのが
凄くはつらつとしてて、いいなぁと思わされるのであります
台湾語というものに、音はあっても、字はないのだなと
改めて思い知る内容でありました
言葉とは不思議だな

そんなわけで、大きな事件とか、感情のもつれみたいなのが
出てくるわけではない、淡々とした内容なんだけども
描かれている風景というか、情景が、
不思議とあれこれ考えさせられるところが出てきて
面白かったと思うのである

青天を衝け  栄一、踊る

2021-02-21 20:42:10 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
視聴完了であります
ゆっくりした展開だ、朝ドラの一週目みたいな展開だと
まぁ、序盤は毎回こんなもんかと思いつつ
相変わらず青い着物の鮮やかさが見事だなと
惚れ惚れするのでありました
あれいいなぁ

ゆったりした展開だからか、
ながら見してしまい、色々見落としているような気もしてんだが、
土地の代官となんか、大変な事件になるかと思いきや
大した話にもならず、さらっと、獅子舞踊って終わったので
ほっとしたというか、ほんわかした感じでありました
まぁ、恒例の子役変身が、その獅子舞からとは
思っていなかったので驚いたのでありますが
慶喜のほうの、能面外したら大人にという
ああいうのが好きだわと思うのである(どうでもよい)

ゆるやかに田舎の話を進めつつ
同時進行で幕末が動いていく、ペリーの来航が迫るというのが
なかなか楽しいと思えたのでありますが、
この頃の描き方というのは、
割と作品ごとでカラーが違うもんだなと
昨今の幕末テーマ大河を思い出しながら
感じた次第なのでありました
維新と関わらないという感じだけども、
無関係なわけがないから、どうなるのか
そのあたりも楽しみなのでありました

五代様出てんだから、あさも出てくんないかなと
ちょっとだけ思うのだが、そういうのは大河ではやらんかなぁと
考えたりするのであった

しかし、イケメン、美女になりすぎじゃねぇかな三人とも

【読書】ホントはやなこと、マジでやめてみた

2021-02-20 20:39:01 | 読書感想文とか読み物レビウー
ホントはやなこと、マジでやめてみた  著:アレクサンドラ・ラインヴァルト

女性向けのストレスフリーに向うための本でした
読んでいて、なるほどと思うところやら、
共感される部分もあるんだろうなというところやら、
そりゃやりすぎじゃないかと思うところまで、
様々にあったけども、男女問わず、
とりあえず、思い悩むくだらないことを捨ててみるのは
よいことだろうと思うにいたる本であります

著者の経験から語られるところが大部分のため、
まぁ、ラジオでおしゃべりを聞いているといった感じの文章で
学術だとか、説教だとかとはちょっと違う、
だべってる風で、ありそうな話をまとめている感じがよかったように思う
特に女性にとって頭を悩ませているであろう、
様々な外圧というか、プレッシャー、化粧をしないととか、
あれこれ片付けないととか、彼氏(旦那)が言うこときかないだとか
そういうのにどう対処するか、あるいは、
対処しようという心持すら捨てよといった
割と大雑把なアドバイスが面白く読めたと思う

仕事に関してとか、縁切りのためにという部分については
流石にやりすぎじゃないかと
ちょっと引いてしまう内容もあったけど、
それくらいしないと、色々と失うものが大きいというのも
もっともなところだと思わされたりして、
何もかもによいことをと思う徒労感、
それを捨て去ったときの開放感という点は、納得というか、
そうかもしれないなと思わされるのでありました
なかなか、うっちゃるってのは難しいけどなぁ

もう、はるかなる過去となってしまったけども、
恋人同士のいざこざというか、わかりあえない感じというのは
なんか身に覚えがあるなと感じるところばかりで
女性の側から、男性を理解するのは無理と
諦めてもらえるのは、すこぶるありがたいとか思いながら読んだのだけども、
この感覚もまた、女性からすると怒りの対象なんだろうか
スルーして欲しいと願ったりもするが
とりあえず、面白かったからよしとしよう

彼氏がずっと不機嫌で、別れ話をされるとビビってたら、
車の調子が悪いことに悩んでたという話は、
すごくありそうだと、にやにやして読んだのである

【ドラマ】グッド・ファイト2

2021-02-17 20:57:24 | ドラマ映画テレビ感想
NHK海外ドラマ枠で楽しんでいました
前作が気になるところで終わっていたので、
続きは嬉しいわと、意気込んでみていたのでありました

序盤は、前作の引き続きというか、もう本当一瞬だけともいえるけども、
マイヤのあれこれを片付けてといったところで
綺麗にクローズされて、あとは、様々な問題にまた取り組んでといった具合、
なんとなし、マイヤから、ルッカに主人公がチェンジしたのかと
そう思うような展開だったんだけども
万遍なく楽しめたのでありました

アメリカの法律モノは面白いなと
そればかりであるけども、今作は、いや、前作からそうなんだが
政治への物言いが多くて、トランプへの言及が相当に多い
後半は、完全にそれと取っ組み合う感じになって
最終的には、民主党もクソ野郎ばっかりじゃねぇかと
出産間際のルッカみたいな口調になってしまう感じが
よかったといえるのか、どうかしら

政治向きな内容を扱ってるから仕方ないとはいえ、
ブログで言及してしまうのもどうかと考えてしまうが
どうしてもというか、本当、トランプという人は
嫌われて仕方なかったんだなと
こういうメディア側のほうの悪し様を見るにつけ思わされるのでありました
ただ、一辺倒というか、そればかりではなくて、
民主党も結局たいがいじゃないかというバランスをとりながら、
反権力側みたいなのをいくつか描くこともしていて
面白いけど、実際にそこに住んでいる人としては
どういう思いで見るドラマだったんだろうかと
ちょっと考えさせられたのでありました
警察の問題なんかも扱ってたが、
人種差別とあいまったそれこれというのは、なかなか扱いに困るそれだよな
理想的過ぎてもしらけるし、現実的すぎてもどうかなという感じ

アメリカの上流以上を書いたと見ていたらいいのか
そういう世界を覗いたようでもありながら
人間らしさというか、しょーもない喧嘩がそのまま
法廷に持ち込まれたりするあたりも楽しかったのだけども
metooだとか、そういう騒ぎも揶揄まではいかず
当初はよいのだが、時間が経つにつれずれてくるという
そこを描いていたのがよかったなと思うのでありました
あと、色々と間違ってんだろうけど
マイクロターゲティングとフェイクニュースの話が面白かった
実際、あんな簡単ではないけど近しい感じになってんだろうと思うと怖いなぁ
物語のほうも、四の五の言ってられず使ってしまってんのが
笑えるけど、ブラックだわ

続きがまた見たいドラマではあるが、
this is usのほうを先にやってくれねぇかなぁ

【読書】トツ!

2021-02-16 21:15:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
トツ!  作:麻生幾

日本における特殊部隊のお話でした
アクションもりもりだし面白かったんだけども、
やっぱり日本でこれって、本当にあるかなぁと
そんなことに囚われてしまって、
素直に楽しめなかったのであります
実際に、こういうプロは日本にも組織されてるんだろうけど
運用されるときがくるのか、来たとしてこんな感じか

あれこれ考えさせられるというか、
いかにもありそうな命令系統の混乱という
組織論で困るという展開なんだけども、
そのあたりとアクションの相性が悪いなぁと
そんなことを感じたのでありました

物語としては、ちょっとしたミステリというか
謎解きも関わりつつといった具合で
部隊の凄さと、その力の根幹がチームワークにあるという
こういう描写は嫌いじゃないんだが
なんか、日本の物語っぽくないなぁとどうしても思ってしまったのである
読み手の俺が悪い感じがするな

実際に日本でテロが起きた場合、
凄いぐだぐだになってしまって、まったく物語っぽくならなそうと
思わされてしまったわけだけども、
警察の中でも、出世欲にとらわれるものがいたり
そういう人や、色々な法律論的なものによって
運用ができなくなるという事象は、凄いありそうだと思わされたのでありました
とはいえ、そこばっかり描写する
ストレスたまる小説ではないのは、よかったと思うところ

そんなわけで、読み終えたけど、
凄いカタルシスといった感じはなかったと
メモを置いておくのであります

【読書】家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった

2021-02-15 20:51:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった  著:岸田奈美

いい本を読んだ
面白おかしいコラムというか、エッセーというか、
そんな随筆めいた内容なんだけども、
著者本人の生き様と歴史、そこから生み出されているのであろう言葉、
それぞれが勢いよく、笑いをともなってやってくる
そんな按配で楽しんだのであります

お父さんを病気で亡くし、
お母さんは障害で歩けなくなり、
弟はダウン症である

そんな一家を自分がなんとかしようと思ったり、
いやいや、家族に助けられているのかと悟ったり、
そんなことをゆるゆる感じたという
ほのぼのと、快晴といった調子で書いているのが凄いよい
なかなか過酷な状況に見えるけども、
そこを生きてきたという姿、その強さみたいなのが
示威じゃなく、朗らかに伝わってくるのがよいのでありました

基本的には優しさというものでできているんだろうと、
言葉を追うだけならば、どれも楽しいといえるそれこれなんだが、
笑い話として書いてある内容自体は、
どれもすげぇバイタリティ、アンド、行動力といった具合で
四の五のいって、うだうだしているのを吹っ飛ばしてくれるような
そんな強いものを感じる文章でありました
気負いがないのに、力強いというのはいいなぁ

と、べた褒めしてしまったんだが
ホットコーヒーを夏の甲子園で売ってた話と、
ブラジャーを新調した話が
すげぇ面白かったと、結局笑い話を一番楽しんだと書いておく

青天を衝け  栄一、目覚める

2021-02-14 20:57:20 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「青天を衝け」
いよいよ始まりました
まったく予備知識がないので、どんな感じになるか
楽しみにしたいと思いつつ第一回を見たのでありました

まったくどうなるかわからんが、
とりあえず、ケーキ様の御世と関係が強いということだけわかったのだが、
なにげに、あの鷹狩りならぬ、雉追いのシーンが凄くよかった
ロケで、結構な数の馬を走らせてと、
なんか、いい感じだと見入ってしまったのである
ああいうシーンを見るだけで楽しいんだが、
今の世の中でも、コロナはさておいて、
雉追いというイベントはアリなんじゃねぇかと思わされたのであります
まぁ、動物保護的ななにやらでダメなのかもしれんが
ああいう軍事教練でもあるが、
ただ、見るものとしても非常に面白いと感じたのでありました
CGが生々しすぎてどうかなと思ったが
まぁ、そのあとのカイコのシーンを含めて、
ああいうの控えめにして欲しいところ

慶喜の描写のほうが結構気になってしまったんだが、
噂にきく、刀を置いての床とか、斉昭のあれこれが
遺憾なく発揮されていて、そのあたりは面白かったのでありました
実際ああいった感じで一橋へというのか
そのあたりはよくわからんが、
いい塩梅だと思うのであります

栄一のほうは正直、何がというのも
まったくわからんわけで、
とりあえずお金持ちの子だなというのだけぼんやりわかったんだけども、
藍染の色があまりに見事で、なんか流行りそうだなと
ちょっと、美しい青というものに
見とれたのでありました
青花というか、素晴らしい

とりあえず何がということもないので
様子見というか、次回を見てと
しばらくはじっと見守っていく感じかと
思いながら、とりあえず一話をメモっておく

【読書】家族じまい

2021-02-13 20:27:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
家族じまい  作:桜木紫乃

読み終わって、なんでこんな気分になるものを読んだんだと
軽い後悔みたいなものを覚えたのであります
おひとりさまで生きている自分にはキツいというか、
積まされるものを感じる内容でありました

ごくありふれたというか、実際は、あれこれ問題のあった家族というか
親子なんだけども、それが年を経て離れ離れになっていく過程、
家族が解けていくといえばいいのか、
瓦解していく様が描かれた小説でありました
こうやって、家族というものは消えていくんだなと思わされたのであります

両親子供が死ぬわけではない、
なのに、それが近づいてくるにしたがって、
子供たちは自分たちの生活ができており、
両親は死に向いつつある状況を受け入れたり、抗ったりしながら
まるで人付き合いもなく生きてきた人も
そういう血縁に導かれて、新しい縁を得たかのように見えて
それは滅び行く最後を看取りにきただけのような
なんとも悲しい、何がとか、崩壊なんて凄いものではないけど
間違いなく、ひとつの共同体だった家族がなくなっていく様が
ありあり描かれていて悲しい気持ちになったのでありました

家族といえども、一人の人間でもあるし、
それぞれ個性があってという感じなのはわかるけど、
普通に生きて、普通に年をとっていくだけなのに
見方次第というか、この小説のような描かれ方をすると
凄い悲しくて仕方ないといった風情になったのでありました

救いではないけども、認知症というものが
何か明るいものにすら見えるような感じが
なんとも、終末に向う年齢の人全員に突き刺さるんじゃないかと
読んでいて、まだ峠を越えてもいないのに
思い知らされたのでありました
60歳くらいの人が読むと、いよいよ衝撃が強いんじゃなかろうか
考えさせられたのであります
自分の行く末を、どのように仕舞われるのかを

【ドラマ】ライジング若冲

2021-02-10 20:02:57 | ドラマ映画テレビ感想
NHKにお正月にやっていたドラマであります
見て、なかなか面白かったんだが、
結局なんだったのかよくわからんともいえてしまう
不可思議なドラマでありました

でてきたキャラクタたちのやりとりと、
それらの絵、もしくは美に対する尋常ではない何かが
あっさりと描かれているのに、
とてもはっきりとしていて、物語としては、一種箇条書きのような内容なんだが、
シーンだけを切り取ったみたいに、なんだかんだ楽しく見られてしまったのであります

ともかく、売茶翁とのくだりがよろしくて、
そこから若冲の名前になるあたりも含めて、
あの高尚なサロンめいた雰囲気というのが
不思議な魅力として描かれていてよかったと感じたのでありました
翁が、なんとなし、へち貫を思わせる感じで
ああいうのが、あの時代あっちこっちにいたんだろうかねと
思わされたのであります
世捨て人ではないが、そういうジャンルという高尚さが
この頃にはあったという話か、
あるいは、日本人、もしくは日本の美術というものには
そういう存在と価値観というのが必要なのかと
考えさせられたのである
なんか、勘違いしているかもしれない

主役二人のやりとりと、絵になる姿が見事だと思いつつも、
応挙が、ガヤみたいにじたばたしてるのも面白くて
池大雅やら、その時代人たち勢ぞろいなのは楽しかったけども
仏画というジャンルに挑んでいたことをまったく知らなかったので
そこは、なかなか衝撃的というか
なんか、虚を衝かれたような気持ちになったのでありました

晩年そういう心持になったということか、
あるいは、坊主の相棒とのことが何か作用したのか
なかなか、面白いそれでありました

【読書】冬の狩人

2021-02-09 20:51:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
冬の狩人  作:大沢在昌

3年前に起きた、ある企業上層部4人が殺された事件が、
突然に解決へ走り出す
そんな按配で、この事件の重要参考人が
突然メールで問いかけてきたところから始まり、
刑事、企業、県警と、いくつかの思惑も見え隠れするなか
その真実を突き止めるといったお話なんだけども、
殺しも出てくれば、銃撃戦もある
派手なハードボイルド小説でありました
面白かった

重要参考人が出頭するのにあたって、
殺し屋が跋扈したり、それを出し抜いたり、
重要参考人そのものが、相当のキレ者だとわかってきた中、
色々問題もあって、やめようとしていた
組織に縛られない刑事と、新米県警刑事がタッグを組んで、
その背後で蠢くやつらをだしぬいてと
裏切り者探しと、重要参考人探しが同時進行で
あれこれと忙しないのに、凄い楽しいのでありました

そんな明るい話ではないのだが、
古参刑事がヤクザとやりあうシーンが多々でてきて、
その間ののらりくらりでもないけど、
手練手管が鮮やかで、そんな簡単に決まらないだろうけど
読んでいると、テンポよく、すげぇと思わされるシーンが多く
なんだか痛快にも見えるのでありました

それでいて、細やかな気配りも見えたりして
いわゆるアウトローヒーロー的な雰囲気もあるんだが、
どうも描写をみていると、結構ロートルのおっさんみたいなんだが
読んでいるだけだと、もっときびきびというか、
ぎらぎらした男を想像してしまうんだが
これっとひょっとして、続き物だったりするんだろうか
よくわからんが、ともかくかっこよいと感じるばかりでありました

なんとなく、裏切り者はそうかなと
結構わかりやすく展開したかと思ったら、
最終的には、謎解きは脇に置いての暴力沙汰というか、
やっぱり銃撃戦で解決だよねといわぬばかりに
大立ち回りで終わるんだが
このあたりも、入り組んだ辛気臭さを吹っ飛ばすようで
楽しめたのでありました

解決したんだけども、色々な人が、
その後どうなったんだ、大丈夫なのかと
ちょっと心配になったが、そんな瑣末なところは描写もなく
ただ、重要参考人が、新たな仲間になったとすら思えるような感じで
さっと終わる小説でありました
刑事モノの濃い物語をみっちり楽しめた

【読書】アンと愛情

2021-02-08 21:05:54 | 読書感想文とか読み物レビウー
アンと愛情  作:坂木司

和菓子のアンちゃんシリーズでありました
3冊目ということだけども、実は2冊目しか読んでないので
ちゃんと続き物として認識できていないんだが
そのあたりはおいといて、和菓子の様々な知識と
それにまつわるエピソードがまとまった、楽しいほんわか小説であります

和文化についての言及というか、
和菓子を通して、文化への気付きを得るといった感じで
せんべいのルーツだとか、着物のあれこれだとか、
金沢の美味しいもの探索だとか
そんなテーマの小編が集まっていて、大変楽しい
そしておいしそうな小説でありました

抹茶と和菓子の取り合わせは好きながら、
その知識はさっぱりないので、
ここで出てくる様々な意匠の和菓子が、どういう味なのか
そのあたりがわからないのに、とてつもなくおいしそうな
口で、まさに解けていく感覚の描写が素晴らしくて
美味しい和菓子を食べたいなぁと
しみじみ、抹茶ないし、ほうじ茶が欲しいと思わされるのでありました

物語では、相変わらず食べるの大好きで、
一生懸命という、非の打ち所のないヒロインというか
主人公であるアンちゃんが、知識を得たり、勉強したり、
時折失敗もするけど、ちゃんと成長していくといった姿を
優しいタッチで描いていまして、
その周りの人々の描写もあいまりつつ
ほんわか読めるのでありました

最終的には、別れも出てくるんだが
そこにいたる切ない感情やら、色々ごたまぜになっている感じは、
和菓子から離れて、ひとつの青春小説の体なのだけども
なんとなし、ほのぼの読んでいられる内容だと思うのであります

金沢いいなぁと、久しぶりに思わされた一冊でもありました