CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】マインクラフト 革命的ゲームの真実

2018-07-31 21:20:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
マインクラフト 革命的ゲームの真実  著:ダニエル・ゴールドベリ

正直、マインクラフトというゲームを知らなかったんだが、
全世界でとんでもなく流行している、
一種新世界を開いたといってもいいほどのゲームだそうで、
それを創ったのが、たった一人のプログラマで、
そして、その一人がこれだけ大きなムーブメントの基礎を作ることができるのだと
そういう英雄譚めいたものでありました

このムーブメントは、今もまだといったところのもののようで、
幼少の頃から、どうも、頭が良すぎた様子のノッチという開発者が
プログラミングの面白さに取り付かれて
ただただ、自分が面白いと思うゲームをつくり続けた
そんなお話なのでありました
目的のないゲームが、発想を刺激して、とてつもなく面白くなった
そういう遊びの本質をとらえた作品なんだそうで
なかなかどうして、その驚異的な流行というか、
赤貧で死にかけていたといっても過言でない作者が、
この開発から、少しずつ儲けというか稼ぎを得るようになって、
それがある日をさかいに、天文学的な上昇を見せて
今では、凄まじい大金持ちになってしまったと
まぁ、そういうドリームであります
天才であったというのが尽きるところだけども
成したということが、やはり凄いのでありましょうや

少ない友人と、それを共有するということから
途方もない大きな発明に至ったというところで、
何か、特別に仕掛けたとは言いがたい、
時流に乗ったともいえるし、ただただ
マインクラフトというそれが、どれほど優れていたかというか、
その遊びが、遊びとして優れていたのかが重要なんだと
そういうことを思い知らされるようでありました

今後も、こうやって、誰もが気付いていないけども
いつか形になったら、みんなが楽しんでいくそれというものが
出てくるのか、どうなのか、ちょっと楽しみではあるのだが
ともかく、遊びの発明という側面の面白さ、
プログラマが一人で一攫千金を得られるという夢、
成した人間が素朴でギーグであるというテンプレート
そんなものを楽しめる内容でありました

ゲイツとジョブズが見逃したものを
彼は忘れなかった、プログラムが楽しいというそれというのが
根幹にあったと思うのだが、
これはこれで結構極端な話で、プログラムというのが
全人類にとって、そこまで面白いものかは
なかなか考えさせられるところだなと
先日読んだ本とも並び、思わされたのでありました
とはいえ、世の中、少なくないプログラマという人種がいて
それによって楽しめる人というのも存在するのは確かなので
なんだかんだ、そちら側にいきたいようでもあると
感想を抱いたのでありましたとさ

【読書】偉人は死ぬのも楽じゃない

2018-07-30 21:10:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
偉人は死ぬのも楽じゃない  著:ジョージア・ブラッグ

歴史上の偉人たちの最期をかなり詳細につきつめた本でした
冒頭から注意事項を飛ばすくらい、なかなかえぐいというか、
死に様の酷さがありあり描かれていて
ちょっと閉口してしまうものの、
実際に医学というのはそういうものだったんだろうなと
この本の主題とはずれるけど、偉人とはいえ、
当時の最高峰医学という、間違った治療の末死ぬという
目も当てられない状況というのは、衝撃を受けるに値する内容でありました
酷い、でも、今もまた、未来から見れば酷いのであろうね

多くの著名人が、その偉業を成し遂げつつも、
晩年には酷い死に様であったというのが衝撃的でありまして、
クレオパトラなど、自殺をほのめかすくらいならまだしも、
中世から近世ヨーロッパにおける、瀉血を利用した治療ともいえぬ所業によって、
物凄い苦痛の末死んだであろう、偉人たちが
まぁ、本当にもう気の毒で仕方ないという内容でありました
ベートーベンしかり、アインシュタインしかり、
どれほど偉くなっても、死に近づいただけで、
急速に死ににとらわれるかのような治療というのはどうなんだと
思わざるをえないのである、怖いわ本当にもう

そんなわけで、特段に凄い面白いという本でもなく、
ただただ、立派だと思われた人たちが、悲惨な末路を辿ったと
現代医学からすると判断できるような末期であると
それをこんこんと語っているだけなので、
正直、さほどの本ではないのでありますけども
自分がどう生きるかを考えるときに、
死に他人の何かが介在するというのは、きわめてよくないなと
改めて思い知らされるのであります
死は、当人のものであって、他人がどうこうするべきものではないなと
その尊厳について思い知らされるようでもありました

いくつか有名な死に様も描かれているわけでありますけども、
死ぬということが何を意味するか
それを考える人間的、哲学的何かがあるようにも思えて
面白いけども、物悲しい一冊でありました

普通に生きて、死ぬというのがどれほど難しいかと
思わされるようでもある

西郷どん  勝と龍馬

2018-07-29 21:00:39 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
あれよあれよと、長州征伐も第一回目が終了
消化不良という感じがありあり見てとれて、
それがまた、西郷の差し金で、慶喜の意に沿わないというのが
こういう形で結ぶのかと感心しきりでありました

今更ながら、一橋だからヒー様だったのかと
今日気付いたんだが、まぁ、ともかく
自分勝手極まりない慶喜が見事だと思うのである
次に心変わりするのはいつだろうかしらね

副題の通り、勝と竜馬が出てきて、
竜馬がなかなかどうして、荒くれな感じで頼もしくもあり、
勝が思った以上に適当そうで素晴らしいと
こちらも今後というか、竜馬とは
さほどのことはないけども、
江戸城明け渡しが楽しみでならんのであります

長州に単独乗り込んでというのが
ドラマの展開でありまして、
なかなか大変だなと思うところだったわけだけども、
違和感といえば、戦を回避して薩摩の将兵がほっこりしているところであろうか、
なんか、やっぱり、もっと好戦的であってしかるべきでないかと
薩摩っぽに対して思うところがあるんだが
半次郎がとりあえず楽しそうなのでよろしいと思うのである
なんとなし、純朴でというのに見えるのもまた
納得いかんキャラづけであるが、
どうなっていくやら、みんなもう少しずつ黒々としてくると
より面白くなるんだがなと思ったりする

と、考えていたら、久しぶりに黒々とした男
一蔵どんが出てくるようで、
一気に薩長同盟に話がもっていかれそうで
これもまた楽しみなのでありました
まぁ、さっさと竜馬にも死んでもらわねばならんし
この1ヶ月くらいは、怒涛でなかろうかと
楽しみが増すばかりである

【読書】プログラミングバカ一代

2018-07-28 21:49:23 | 読書感想文とか読み物レビウー
プログラミングバカ一代  著:清水 亮

少なからずプログラミングに近いところに身を置いていたけども、
こういう人を知らないといったらいいか、
ともかく、業界から離れたところにいると
知ることもない、リビングレジェンド的なものがあるのだなと
まざまざ、その偉業ともいうべき事象を
こんこんと読むことができた一冊でありました
自伝でもあろうけど、そういうことではない
90年代から、現代にいたるまでの
プログラミングという世界において、
天才が蠢いていた、そういう事実を連ねた本であります
非常に面白かった

プログラミング知識や、どういう技術があったかと
そういう素養があると、さらに面白く読めたのかもしれませんが
天才である著者が、あれこれと成してきたことというのに
かなりの衝撃を受けつつ読み進められる本でありました
20代前半というか、もっと若いうちからこの世界に親和をもって、
世間と隔絶して、許容できることもなく生活していたというのが
天才ゆえんといえばいいか、アメリカだったら
もうちょっといいことになったのか、あるいは、そういうことは関係ないのか
そんなことを思わせるほどの浮世はなれっぽさと、
その危うい生き方というのが非常に面白かったのでありました

今もそうなのか、あるいは、既に滅びたのかわかりませんが、
こういう人が、一種異様な生き方ができた時代であったのかと
当時を思わせてもらえたのでありました

年齢からすると、さほど変わらないこともあって
その実力というか、その世界、その時の技術レベルというのをかんがみるに
天才は天才であったのだろうと感じるのだけども、
やっぱり、本当に好きなことというのに
ここまで没頭できるというのが、ひとつ才能であり、何か
得がたいものなんだろうなとも思わされるのでありました
自分にはないものだと、改めて思い知らされるのであります

ともあれ、その天才をもってして、
本当の天才道とはどうかということに
おそまきながら気付いたと記述しているところも凄いなと思うし、
今近くになって、より天才と呼べる若いものが出てきたときに
知らずうちから、自分が古いものとなっていたと
それを受け入れているようでもあり、
そこに敗北しているようでもあるといった姿が
凄い印象的で、ことの次第はわからないけども
大きな時代のうねりというか、歴史のひとつひとつが
こうやって培われていくんだと思わされた
非常に面白い一冊でありました

好きというか、こういう得意というものがあるのだと
まざまざ、思い知らされるのであります

【ドラマ】そろばん侍 風の市兵衛

2018-07-26 21:01:17 | ドラマ映画テレビ感想
NHK土曜時代劇でありました
そんなに宣伝してなかったけども、
かなり本格というか、力を入れて創ってたんじゃないか
そう思うような、アクションもりもりの時代劇
細かいことはおいといて
エンタメというか、時代劇という娯楽を楽しんだ
そういう気分で見終えたのでありました

そろばんが出来る、雇われの侍という主人公が、
あっちこっちで、そろばんはじいていくと
陰謀があったり、なんだったりして
そこを腕っ節で解決していくというもので、
主人公の市兵衛が強すぎるなと思わなくもないんだが
ともかく、安心して見ていられるような物語でありました

白眉、というといいすぎですが、
このご時世にかなり頑張って創られていたと感じたのが
血をよく流すという部分と、殺すことを厭わない部分でありました
敢えて、そうしているという矜持みたいなのを
ドラマそのものから感じて面白かった
こういうのを大切にして欲しいなとか
もう、見ながらそう感じてしまう時点で
俺自身が、現代というか、まさに今の人間なんだなと思ったのであります
昔の時代劇は、だいたいばさばさ殺してたしなぁ

とはいえ、仇討ち話が二つほどあって、
片方では、まさかの子供にあだを討たせるというシーンが
結構衝撃でありまして、子供が殺人をしたと
まぁ、現代的に見るとそういう話で、
仇討ちをよしとした物語というのも、
このご時世は考えさせられてしまうんだなと
見て、感動というでもないが、こういう時代劇が見たかったと思いつつも
NHKのドラマでやって大丈夫だったんだろうかなどと
いらぬ心配を覚えたのも確かでありました

アクションに凝った時代劇でありましたので、
そのあたりも見所かと楽しみにしていましたが、
このあたりは、やっぱり殺陣というのは難しいんだなと
期待しすぎてしまったために、ちょっと物足りないと感じたところ
どうしても、演技をなぞることになっていてといったらいいか、
その刀の振り方だと斬れないだろうよと、
刀で相手の刀を受けにいく殺陣だとか、粗というか
残念なところが見てとれてしまい、なんともかんともでありました
でも、特に意味もなく、飛んだりはねたりするというのは楽しくて
こういうのでもいいんだよと思わされたりしたのであります
何気に、泰造の役どころがよくて、
裸で素手格闘をするあたりなんざぁ、江戸っぽいというか、
斬りあいではない、なんとも時代がかった喧嘩という感じが素敵で
見所だったようにも思うのでありました
そう、何よりも、泰造がいい味だしていたのが一番でありますね
凄い役者さんになったなぁ本当にもう

そんなことを感じたりしながら、
久しぶりに刀の殺陣をちゃんと撮ろうという作品ができたのが
とても大切であったと、個人的には嬉しく思いながら見ることができたので
シリーズ化するかどうかわかりませんが、
楽しく待ちたいと思うのであります

【読書】冷蔵庫を抱きしめて

2018-07-25 20:56:17 | 読書感想文とか読み物レビウー
冷蔵庫を抱きしめて  作:荻原 浩

短編集でありました
基本的に男女のもつれしか描いていないんだけども、
やや、DV男が多すぎるきらいもある中、
うまくいかないというか、ドラマチックな男女というと
やっぱり、そうなんだろうかと
よくわからんことを思ったりしながら、
笑いながら読んだのであります、凄い爽やかに面白かった

はたして、女性は共感するのだろうかと思ったりしながら、
女性描写が、男が読んで面白いそれでありまして、
これは真実か否かと、小説に何を問おうというのか
自分でもわからないけども、
一等ではない自分をどのように受け入れているでもないけど、
人並みというか、自分並みをあくせくはかっているような
日常の中にある、妙な葛藤みたいなものとか
あれこれ描写されていて、なんだか楽しいのでありました

印象的な短編ばかりでありましたが、
表題作が思ったよりもしんみりとしていい話でありまして、
それ以外は、基本的に駄目男が出てくるという按配で、
まぁ、ダメ度が、それぞれというか
いくつかは自分に当てはまるなと思わされるようでもあり
なかなかどうして、楽しくて仕方ないのでありました
でも、出てくる男で、本当のクズ以外は
みんな、絵に描いたようなバカで素晴らしい
バカというか、図抜けて明るいというのはいいことだなと
そのバカさをたてに取ったのか、うそつきなんかもいるのだけども
人間模様だねぇなんて思わせるような
全体的に、重苦しくならない物語で大変よかったのでありました

表題と表紙はリンクしているけども、表題作とはまったく無関係なのも衝撃でありましたが
前向きになれる、いい話ばかりでほっこり読み終えられたのでありました
よい一冊でありました

【読書】自殺予定日

2018-07-24 21:09:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
自殺予定日  作:秋吉 理香子

思いつめた女子高生が、自殺を決意するけども
7日の期限を設けてある謎を解き明かすと
まぁ、そういうお話でありました

正直、あれこれと感想を書いてしまうと
全部ネタバレになりそうだと
物凄く、感想書きづらいそれなのでありまして、
この気持ちを綴れないと、思ったりしながら
愚にもつかないメモを残しておこうと思うところ

ミスリード
というのがひとつキーワードなのでありますが、
読んでいて、いくつかはたぶんそうだろうなと思いつつ読み進めて
しかし、最後はどっちだ、どうなんだとどきどきしながら
それでいて、なるほどと落ち着いて終わったという印象でありました
あまり考えすぎるのもよくないというか、
そういうのを自分は求めていたんだろうかと
結末について、想定していたことを自分で考えて
反省したりもしたわけでありますが
本に何を求めて読み出すかというのは
重要なことだと、読み終えて思うところでありました

キーワードの風水が出てきて、
また、さほど美人でもない女子高生が、
少しずつ変化をしていくというのも魅力的というか
テンプレ的だなと思わなくもないんだが、
さらり、あっさり読めてしまう内容なんだが
ああかしら、こうかしらと
あれこれ考えて読むとなかなか楽しくて
インスタントにエンタメを堪能できたなんて
思えたりしたのであります
凄いわかりやすいというか、すっきりしているので
読みやすいというのもよいところでありました

なんだかんだ、小説はやっぱりミステリ要素があると
ぐっとひきつけられるなと、自分では
そんなに好きでもないと思っていたところに
自身への誤解があると思うほど、
ほどほどの謎解きが、しっくりきた読書でありました
さくっと読めた、一冊であります

【読書】お金と感情と意思決定の白熱教室

2018-07-23 21:30:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
お金と感情と意思決定の白熱教室  著:ダン・アリエリー

大好きダン先生の授業内容をまとめた本でした
題名からして、サンデル教授のそれを模した感じかとも思いますが
TEDなんかで、この頃流行しだしていた
授業を放映するというその一環でないかしらと
まぁ、どうでもよいが思ったのであります

さりとて、中身は非常にわかりやすくて面白い
これまでに、いくつか読んできた先生の本の内容を
実際に授業形式で、わかりやすく解説していると
そんな風に読めるわけでありまして
単体でも、なるほどなぁと講座を受けたような満足度があるけど、
事前にいくつか読んだ本と一致する内容については
より理解が深まるというか、満足度が高いと
思えるのでありました

読んでいて、結構驚きだったのは
以前に読んだ内容と、同じような実験なのに
目的と結果が違うものが含まれていたことでありました
前回読んだ「ずる」をする実験において、
作業をやってもやらなくても報酬がもらえるという状態で
ずるをする確率というか、発生率が高まるかを見ている実験と
おそらく同時にやっていたと思われる
モチベーション持続実験というのが披露されていて、
こういう、複数実験をひとつの試行中に行っていたというのが
段取りというか、その目的精査についての部分を思い起こさせて
大変興味深かったのでありました
あれこれと実験していたけども、それ一個だけですまないように
それでいて、各実験が干渉しないように行うというのは
設計に相当能力が必要なんだろうなと
感動したのでありました

授業内容そのものからは、感情やお金のあり方が
意思決定、モチベーションに多大な影響を与えるという
至極当たり前のことについて、実証実験で解説しているというのが
肝なわけでありますが、そこへいたるアプローチ、その方法というのが
読んでいて面白いところだとも感じるのであります
何を調べるか、どうするかということについて
シンプルにして実験化するという作業が
まったく語られていないけども、大変重要なことなんだろうと
結果と、検証だけを見ているとやってみたいと思うくらい楽しいが、
とてつもなく大変であろうとも思わされるのでありました

現状の自分において当てはまるところもあるからか、
モチベーションに関する実験が興味深くて、
長続きさせるには、認証、承認というのが極めて有効であると
みんな知っているはずなのに、それをせずに
社会的に崩壊しているチームや、取り組みがあるというのが
衝撃というか、いわれてみれば思い当たると
考えさせられたのでありました
まぁ、甘えて自分がモチベーションあがらないのは
周りが悪いと思いたいだけなのかもと
ちょっと反省するが、それはそれとして
巧妙でもなく、人間は無意識に他人のモチベーション下げる行動を
とりがちだなと、気をつけることリストを作るなら
こういうのも重要だろうと思い知ったりしたのでありました

自分もさることながら、他人もなぁと
あれこれ考えることが増えてしまう感想なんだが、
それにしたって、面白い実験ばかりなのでありました

西郷どん  禁門の変

2018-07-22 21:00:17 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
面白かった、ちょっと駆け足すぎるだろうと
残念にも感じたが、それはそれ
やっぱり戦シーンは面白い

そんなわけで、桂登場から、古高が出てきたと思ったら
捕縛シーンもないままに、いきなり池田屋になって
気付いたら禁門の変まで済んでしまうと
まぁ一連といいたい気持ちは自分にもあるが
あまりにも性急すぎやせんかと思ったり
でも、実際ああいう感じでばたばたと毎日が過ぎたんだろうか
あれこれ考えると、なかなか面白いのでありました

桂がどう暗躍していたのか、それが効き目を持たなかった
というあたりは、慶喜が悪いという一点だとは思うのだけども
政治が見られたり、なんとも胸糞悪いことが
あっちこっちで隠れて起きてんだなというのが
うすらぼんやり見えて、
その中で、西郷がどう立ち回っているか
まだ、悪辣ではなく、今までの芯をとらえたまま
まっすぐに居るとも見えるので
ここからどう悪というか、ある種の腹芸が出てくるか
楽しみでならんのであります

と、まぁ、思っている中で、会津が一方的に悪者にされているのが
まぁ、このあたりは仕方ないのかしらねと思ったりなんだったり
未だ、幕末終わらずだなと思わされる一シーンであったと
感じたのでありました
露骨に西郷さんあげるため、他藩を出汁に使うというのは
どうにも、大河ではよくあることとはいえ
あれこれ思わされたりもしたのでありました

そして、さらっと、そして唐突に
だけど説得力あって、半次郎が再登場して
まぁ立派になって、しかもべらぼうに強いというあたりが
ドラマ的でとても楽しいのでありました
西南戦争が今から楽しみでならんじゃないか

あとは、長州に力さんがいて、ラリアットしていたのは
事前に情報持ってたけども、画面で見ると
やっぱり迫力というか、違うもんだなぁと
久しぶりに大河でレスラーを見て満足だったのでありました
相撲とりか、レスラーに、毎回どっかで出て欲しいと
願ってやまないんだが、今回のはよかったと思うのである
何喋ってるかわかったしなぁ

【読書】挑み続ける人生

2018-07-21 21:00:53 | 読書感想文とか読み物レビウー
挑み続ける人生  著:加藤 一二三

ひふみん先生の本であります
引退してから出版されたもののようで
かなり新しいという印象でありました
まだ四段だった頃の藤井さんについても言及していて
将棋の方面でも興味深いけども、
最近テレビに出たりと、新しいことに挑戦している先生の感想が
非常に読み応えというか、面白く読めて
楽しい一冊でありました

生涯の部分や、将棋の部分については、
既刊の内容とさほどに変わりはないものの
やっぱり、大山先生と羽生先生に対する思いいれが尋常ではない様子で、
その天才っぷりについて、方向性が違うとしながらも
強かった理由に言及していて面白いのでありました
本の通りかわかりませんが、加藤先生は
また違うタイプであったようで、純粋でもないが、
腕一本に恐ろしく自信と力を持った人なんだと改めて思い知るのであります
相手が嫌がる指し方ではなく、最善手というのが
加藤先生の答えのようで、なかなか考えさせられる
大山先生は、嫌がる手を一に考えたというのもよくよくわかるし
このあたり、羽生先生もそうじゃないかと
思えてならんのでありました

将棋部分については、ひふみん伝説の有名どころである
神谷八段とのかみ合わない会話だったりが紹介されていて
安定して楽しめるのでありますけども、
先生がこれだと思った1手がいくつかピックアップされていて、
最後のひとつが、最高齢勝利の手だったのが印象的でありました
相がかりで棒銀とはしない手というのが
新しい加藤流であったというのがいいところであります

また、人間味あふれるところもいっぱいで、
あまり知らない人に、藤井四段に負けた人といわれるのは
事実だが、嫌だなという正直なところも書かれていて
そりゃそうだよなぁと思いつつも、
やっぱりこの人も負けたということは嫌なんだなと
当たり前のことながら、将棋棋士としての自負というか
強い心を見たように感じたのであります

羽生先生を語るときに、羽生さんは何度も駒を取って清算するという将棋が好きと
そんなことが書かれていて、それが強さの秘密だよなと
思い知ったりなのであります
細々と指している身分としては、何度も清算があると
もういいわいと疲れてしまうんだが、それが楽しいというのが
大きく違うところなんだと思い知るのでありました
加藤先生がどうなのかは語られていないので残念であるが
長いことは苦にしないようなので、多分同じなんだろう

キリスト教への言及も細かにたくさんあって
伝道師としても素晴らしいなと感心しながら、
詰め将棋については、あれはあれでよいものだが、
本将棋とはまったく別物で、いつまでもやるものではないと
持論をぶっているのが衝撃的でありました
実際そうなんだろうが、必要以上に取り組むものではないと
バッサリなのが意外に感じたのでありました
ゲームと勝負は違うということを端的にあらわしたことのように思えて
意義深い一冊でありました

まだまだ、自身の名局集を作る予定をしていたり、
本当に挑戦を続けようという気力が充実していると思われるところでありました
とはいえ、ご高齢なのは確かなので、長く楽しく、
続けていただけると励みになるなと読みながら思ったのでありました
過去本よりも随分読みやすくて面白い一冊でありました

【読書】中国人物伝4 変革と激動の時代 明・清・近現代

2018-07-18 21:31:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
中国人物伝4 変革と激動の時代 明・清・近現代  著:井波 律子

ついに最終巻であります
一気に近世、近代を駆けていくのでありますけども
明くらいの時代になれば、相当の文献が残っているのもあってか、
また、文化の充実も伺われて、小説家などの
文筆文化人がたくさん紹介されていて、
正直、まったく知識がないので新鮮に読めたのでありました

とはいえ、明という時代が創った
一種の狂騒みたいなのが衝撃的でありまして
こういった文人や、政治に携わった人たちという
記録に残るべくして残った人は
なるほど面白そうな人生であるなと思わされるんだが
この人たちを支えるようにして、
苦労に苦労を重ねまくった人民が山ほどいるんだろうと思うと
なかなか楽しいと言い切れるわけではないんだが
凄い人がいたもんだと思わされるばかりであります

しかし、明時代の腐敗ははなはだしかったようで、
宦官が跋扈すると、どれほど酷いことになるのか
このあたりがよくよくわかるというか
これだったら、ひょっとして
秀吉の明出兵は勝てた可能性もあったんじゃないかと
思わされたりしたのでありました
もっとも、その切欠になって、さらには
ヌルハチが清を建てる嚆矢をつけるわけだから
なかなか時代というのは面白い

明時代に、そんな酷い有様だったおかげか
ここ何年かで読み終えた、水滸伝、西遊記なんていう
巷間にあった物語が、本の体裁になったというのが
非常に重要なところだったようで、
この流れを受けつつ、清の時代にも漢民族のあぶれた知識人による
民間における文化の開花が進んだというのが
ステキでありますなと読んで思うところでありました

明末から清初が激動で、この頃の武将や官吏に
もう、どうしようもないくらい酷いのもいたようで
この頃から、中国ではとりあえず数字を盛るということを行っているようで
蜀が滅びるんじゃないか、いや、既に滅びたんじゃないかというほどの
大殺戮が繰り広げられたり、興味深いところでありました

個人的に調べていた、鄭成功はちょっとしか出てこなかったので残念だったけども
このあたりから、おそらく取り上げるべき人物が多くなりすぎたのか
わりとあっさりというか、さっさと終わってしまって
近代においては、魯迅と毛沢東が取り上げられるのみと
やや残念でありました、まぁ、清においては西太后を扱えば
おおよそわかるからいいようでもあるんだが
もうちょっと、清文化繚乱の頃の名君を掘り下げて欲しかったかなと
読み終えて思うのでありました

ともかく、毛沢東が名文家であったのが意外で、
だけども、扇情文というか、アジテーションめいた内容が多く、
これが現代にも引き継がれているというか
よく革命的な何かの演説に使われる手法だなと
その礎になったとも思しき功績は凄いと思ったのであります

とりあえず、さらっと古代から近代までさらうことができて満足なわけでありますが
こういうタイプの本を何シリーズか読んでいくと
より中国史に詳しくなれるのかもなと思ったりして
知識欲を満足させていくのでありました
面白いシリーズだった

【読書】フォークロアの鍵

2018-07-17 21:20:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
フォークロアの鍵  作:川瀬 七緒

痴呆老人をケアする施設を舞台にして、
要介護老人とのやりとりを通じつつ
気付いたら、大きな事件を解決するに至ると
そんなお話でありました

個性豊かな痴呆老人たちが魅力といったらいいか、
実際は、もっと会話にならん感じで、こんなにキャラ立ってるというか
人間的なものなんだろうかと、やや疑問を覚えなくもないのでありますが
話というか、人間の面白さというのが
凄く伝わってくるお話だったように思うのであります

民間伝承を調べるという中で、
痴呆老人が最後まで覚えている記憶というのが、
民俗学的に面白いということを突き詰めていくわけなんだが、
確かに、痴呆になっていても、忘れない
最後のピースなるものというのは興味深い内容であると
読んでいて引き込まれたのでありました

幼い頃のどれかの記憶であったり、
体に染み付いた手続き動作であったりというところが
リアルな手触りで、記憶や人間性の根幹になってくると
思わされるところなのでありますけども、
尊厳というか、人間、人格を形作るうえで
こだわり、特に痴呆老人特有の強いこだわりというのが、
どういったものなのかと、あれこれ考えさせられるのでありました
いずれも、残っている記憶であり、
その人そのものの何かなんだろうなとも思ったりするのである

謎の解決は衝撃的な内容だったのだけども、
痴呆老人たちが、だんだんと生気を取り戻すというか
会話が成り立つように、元気になっていくというのは
読んでいて微笑ましいのだけども、
なかなか、ここまでうまくはいかないだろうなとも
思ったりなんだったりしつつ
介護ビジネスの闇めいたところも理解しながら読む
面白い小説でありました

【読書】追想五断章

2018-07-16 21:21:03 | 読書感想文とか読み物レビウー
追想五断章  作:米澤 穂信

けだるい、違うな、薄暗い、そうでもないな、うっそうとしてる、
そんな、ともかくダウナーなイメージを抱きつつも
面白く読まされた小説でありました
古本屋で自分の人生に押し潰されそうになっている主人公が、
ひょんなことから、探偵でもないが、
ある断章を集めるという依頼を受けて
それを続けていくうちに、謎に迫ると
そんなお話でありました

男が生涯をかけたというか
その人生において、どうしても残したいと思ったものを
小説の形にして、それも、オチをあえて断裁している
リドルストーリーという形で姿にし、
さらにそれを方々にちりばめていたというのが
なんだろうか、オチまで知ったうえで
今また思い返すと、男の煩悶でもないが、
そこに何を残そうとしていたのか、
想いみたいなのと、煩悶や懊悩みたいなものが
見えてくるようでぐっと感動したのであります

最後は救われない形だったようにも思ったのだけども、
それは読み手によるのか、これもまた大きなリドルストーリーなのか
わからないけども、本を読んで、小説を楽しんだ
そう思えてならない、いい一冊だったとメモるのであります

キャラクタがどうしたということもなく、
人の想いが形を作られていくような感じが
なんとも読んでいて楽しいというか、読書していると感じられて
物語を読む楽しさを味わえた
なんか、そのものの感想とは言いがたいが
なんとも読む面白さがわかった本だったように思うのでありました

いや、だけども、そんなに面白かったかというと
そんなでもない物語なんだけども
不思議と、構成なのか、読んでいて
するする頭に溶けてくるようでよかった

西郷どん  西郷、京へ

2018-07-15 20:52:08 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了しました
新しい編に突入ということで
ちょっと、前回のスペシャル番組の記録というか、
対談とあれこれごっちゃになりつつ見てしまったのでありますが
結構唐突に岩倉が出てきたのが驚きでありました

と、まあ、そうではあったものの
今回もというか、今回はというか
主役だったのは、きーさまでありまして、
慶喜の二心っぷりが見事で、鮮やかで
さらには、自分が危うくなってからの変わり身と
あの保身っぷりの恐ろしさが
これまた、見事すぎて目を見張るようでありました
実に素晴らしい、あの誠意のない笑顔
ああいうのは、実社会でいっぱい見るなぁ
なんだったら、自分がやってるなぁとも思うんだが
爽やかな胡散臭さというのを
本当に遺憾なく発揮していて、素晴らしかったのでありました

とりあえず顔見世みたいなシーンで
あれこれ、新しい人たちが出てきたわけでありますが
出てきたとたん殺されたりもして
なかなか幕末のスリリングさも楽しめたと
思ったりしたのでありますけども
まぁ、ともかく、久光との仲たがいっぷりが
どうともならんようで、これもまた
今後の見所だなとしみじみ思わされるのであります
ああいう上司の下も大変だ

大久保のかくし芸がちょっと面白かったのでありますけども、
西郷の指宿、桜島踊りと比べると
どちらがいいかと、甲乙つけがたい大変さというのを
感じ取った次第なのでありました
こういう、少しずつでも気の抜けたところというのが
どんどん減っていくんだろうなと思うと
悲しいのであります

あと、ハリセンボンのはるなと
あれは、どういう関係というべきなんだろうかと
或る意味見逃せないシーンだと感じつつ
次回を待っていくのであります
血みどろでありますね、楽しみだ

【読書】ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?

2018-07-14 10:00:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か?  著:横井 軍平

ゲーム史、あるいは日本のアミューズメント史と
言ってもいいのかもしれない
あの任天堂でヒット商品を生み出し続けていた
破格の企画家横井軍平氏の本であります
氏が語った内容をいくつも収録しているというもので、
平たくいえば、最先端の技術じゃなくても物は作れる、
技術が枯れてきたときに利用して
素晴らしいものを創ることができる、
そんな哲学から、ゲームウォッチや、ゲームボーイを作った
そういうお話でありました

氏については、バーチャルボーイという偉大なる玩具もあったんだが
これが成功しなかったのが、きわめて残念というお話でもあり、
売れなかったから仕方ないのであろうが、
一部マニアというか、これは画期的で面白いと
食いついて離さない何かもあったようなので、
惜しいものであったんじゃなかろうかと思わされるのであります
今でなら、この技術を使って、本当に顕現したかった
面白さがあるんじゃなかろうかなんて
思わされたりもするのであります
凄い技術が安く使えるよになった
それが楽しさに繋がるという発想なので、
確かにクリエイターとして不思議というか
芸術的なそれとは別の発想が
駄菓子を楽しむみたいに子供に、人間そのものに受けるんだろうかなと
思わされたりするのでありました

そもそもの切欠が、ウルトラハンドだったんだそうで
今思えば、俺でもわかるような簡単な機構なんだけども
それが面白いと思えて、また、安く手に入ったというのが
なかなかステキなところだよなとしみじみ感じ入るのであります
タミヤの尺取虫とか作ったのを思い出すようである
随分後の話だが、あれは、この機構の水平思考だったんじゃなかろうか
いや、違うかな

ともかく、物を作るということは
決して派手なことをするというのではない、
哲学に商売がちゃんと根付いているというべきか
こういう発想が、素晴らしいものを創るのだなと
物凄く感激して読んだのでありました
自分はクリエイター側ではない仕事をしているが、
憧れがあるなぁと、今読んでよかったと思えたのであります
下手に若い頃に読んだら、その道にと
思っていたかもしれない
それくらい、とても楽しい一冊であります