古典的な奇譚集といった感じで、
新聞連載されていた、嘘みたいな本当の話を集めたもので
今現在読んでも面白い、インターネットが無かったころは、もっと面白かったと思われる
そんな楽しいこぼれ話集でありました
リプレー氏が実際に見たりしたものもあるが、
その奇譚の数々に読者からの投書なんかも多かったようで、
そういうものの集大成となっているのが楽しそうなところ
このコラム欄が、ある種の深夜ラジオ番組っぽさもあって
読者と書き手と、もろもろが楽しんでいたんだろうなと
往時を思い起こさせるのでありました
というか、たぶん、今も続いてんじゃないかしら
世界の面白事件みたいなのや、うんちくを語っているだけではあるんだが、
日本から、クシャおじさん(懐かしい)が紹介されていたり、
世界各地で、赤い雨やら、オタマジャクシやら、色々なものが降ってきた話の
実際のところみたいなのがあったり、
割と科学的というか、ちゃんと裏取をしたうえで紹介されているのが
また、この本というか、話の価値を高めていてよかったのである
日本でも、古い漫画雑誌とかだったら、ページの隅とかに
しょーもないこぼれ話が載ってることが多かったけど、あれの源流はこれなんだろうなと
改めてその影響の大きさというか、この面白さにうなるのでありました
リンドバーグやリンカーンが、初ではないということに
あらゆるところから当初が来た話とか、まあ、ある種の炎上めいたものでもあるんだが
正確な事象というものの不安定さと面白さがここにあることを教えてくれるのでありました
歴史、地理、事件のほかに、本当にしょーもない、妙な数字の並びの不思議とか
ちょっとだけ数学っぽいのも入っているところがミソで、
数学に興味ない人でも、ぎりぎり不思議だね、ふふ、とか笑えるような話にまとまってるのが
またまた、読み手を意識しているというか、匙加減が絶妙だと思ったのでありました
今となっては、既知というか、よく知られた事柄も
当時は珍しかったと見えて、首長族やら、唇に木のわっかをはめる部族の話とか、
テレビで見たことあるなというのの源泉がここにあって、
趣深いと思わされたのでありました
のほほんと読むのにちょうどよい、でもまとまってるとなんか疲れるくらいの情報量が魅力の
よい一冊でありました