CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】信じようと信じまいと

2023-08-30 21:05:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
信じようと信じまいと  著:ロバート・レロイ・リプレー

古典的な奇譚集といった感じで、
新聞連載されていた、嘘みたいな本当の話を集めたもので
今現在読んでも面白い、インターネットが無かったころは、もっと面白かったと思われる
そんな楽しいこぼれ話集でありました

リプレー氏が実際に見たりしたものもあるが、
その奇譚の数々に読者からの投書なんかも多かったようで、
そういうものの集大成となっているのが楽しそうなところ
このコラム欄が、ある種の深夜ラジオ番組っぽさもあって
読者と書き手と、もろもろが楽しんでいたんだろうなと
往時を思い起こさせるのでありました
というか、たぶん、今も続いてんじゃないかしら

世界の面白事件みたいなのや、うんちくを語っているだけではあるんだが、
日本から、クシャおじさん(懐かしい)が紹介されていたり、
世界各地で、赤い雨やら、オタマジャクシやら、色々なものが降ってきた話の
実際のところみたいなのがあったり、
割と科学的というか、ちゃんと裏取をしたうえで紹介されているのが
また、この本というか、話の価値を高めていてよかったのである
日本でも、古い漫画雑誌とかだったら、ページの隅とかに
しょーもないこぼれ話が載ってることが多かったけど、あれの源流はこれなんだろうなと
改めてその影響の大きさというか、この面白さにうなるのでありました

リンドバーグやリンカーンが、初ではないということに
あらゆるところから当初が来た話とか、まあ、ある種の炎上めいたものでもあるんだが
正確な事象というものの不安定さと面白さがここにあることを教えてくれるのでありました

歴史、地理、事件のほかに、本当にしょーもない、妙な数字の並びの不思議とか
ちょっとだけ数学っぽいのも入っているところがミソで、
数学に興味ない人でも、ぎりぎり不思議だね、ふふ、とか笑えるような話にまとまってるのが
またまた、読み手を意識しているというか、匙加減が絶妙だと思ったのでありました

今となっては、既知というか、よく知られた事柄も
当時は珍しかったと見えて、首長族やら、唇に木のわっかをはめる部族の話とか、
テレビで見たことあるなというのの源泉がここにあって、
趣深いと思わされたのでありました

のほほんと読むのにちょうどよい、でもまとまってるとなんか疲れるくらいの情報量が魅力の
よい一冊でありました

台湾行き当たり場当たり旅 02 玉井でマンゴー三昧

2023-08-29 21:05:21 | 台湾行き当たり場当たり旅(2023)
さて翌日、うって変わって青天、暑い!


とりあえず朝起きて、同行の父親がちっとも起床しないので
出発が遅れてしまったんだが、とりあえず朝飯調達しつつ移動開始



台北駅から少し南、新光三越の南島角くらいの位置にある飯団覇へ
人気店とは聞いていたが、朝から長蛇の列でびっくり
休日なのに、みんなここで買うんだなととりあえず並んで飯団をゲット
台湾きたらとりあえず食べておきたいと常々思っている一品である
味を変えたのか忘れてしまったんだが2つで110元であった
相変わらずこっちのおにぎりはデカイ、そして美味い



で、台北駅より外国人向けの3日パスを購入して、いざ出発
向かうは台南であります
この往復だけで、ほぼ新幹線代の元がとれるというのがよいところである



高鉄台南に到着してから、なんとなし、無料シャトルバスに乗ってしまったので
うっかり孔子廟前で降りるはめになって、無駄な時間を使ってしまったわけだが
せっかくなのでと、ちょっとだけうろうろ
前回は修繕していたと思うのだが、今回はそれも完了していたがお金払って入ることもなく
外観だけちろっと眺めて、北上し、台鉄の台南駅へ移動
そこからバス旅である


エロ(違う)



たどり着いたのは、台南から1時間半くらい行った玉井
そう、マンゴーの里玉井である
今回の目的の一つにというか、大半がマンゴーを食べ歩くツアーにするつもりだったので
まずは総本山へと行ってみたわけである
ちなみに、台南駅前のバスターミナルから、緑幹線で一本だったので楽ちんでありました
しかも意外とバスの本数が多い、玉井に近づくにつれマンゴーの木が山の斜面にずらりと並んで、
そこの山が、愛文山だとかなんとかで、お里にやってきた気持ちが高まるのであります


早速に市場の方へといそいそ



これが玉井の果物市場である
まぁなんとも豪勢というか、当たり前だがマンゴー以外も大量に扱っていて
見ているだけで凄い楽しい、また市場のありようが日本のそれと異なっているというか
だいぶ違う感じで、みんな持ち込みの量が少ないのか、荷物の後ろにちょこなんと
農家のおばちゃんや、おじちゃんと思しき人たちが座って、のらりくらりしているというのが面白い




こんな感じで、ドリアンのどでかい青果も売られていたりして大変楽しかったのである
マンゴーなんか、山盛りで300元とかどうかしている値段だ
これ1籠とか、頑張ったら持って帰れないこともないわけだけど、バスでそれもなかなかなと思っていたんだが
地元というか、現地の人は車で結構買いに来ているようで
駐車場が満車で大混雑していたのが印象的である



そんな格安マンゴーを見つつも、まずはマンゴーかき氷を食べようととりあえず頼む
1つだけでとんでもない大きさ、マンゴーシャーベットがどっかり乗ってるのもよいのだが、
どうやら2種類のマンゴーが混ぜてあるのに加えて、青マンゴーも乗っている全部乗せみたいな感じ
これで170元とかいうとんでもない安さに眼がくらみそうになるのであった
しかも、べらぼうに美味い、マンゴーは多分愛文(アーウィン)と、もう一種類少し酸味のあるタイプで味が変わって良い感じ、
さらに、青マンゴーが、前回高雄で単体で食べた時酸っぱいだけで違うなと思っていたのに
この甘いマンゴーかき氷と一緒に食べると、絶妙な箸休めというか、違う味感覚が最高で
この酸っぱいコリコリしたマンゴーによって、さらに全体の美味さが華やかになると
まぁともかく、食べて大正解だったわけである、なんだったらもう一個食べてもいいくらいだったわ

と、がぜん楽しんで、次は玉井農協へと向かうのである

つづく
03 玉井農會と北極殿

前の
01 数年ぶりの桃園着便にて

【読書】散り花

2023-08-28 21:05:18 | 読書感想文とか読み物レビウー
散り花  作:中上竜志  

プロレス小説であります
これは、かなりプロレスが好きな人が読むと、相当に楽しめるそれではなかろうか、
ライト層である自分では、ここに描かれていた、セメントからブックまで
変遷する試合のそれこれの楽しさ、そのだいご味というのが
真に理解できたとは思えないのが残念だけど、
まるで試合を、その団体を追いかけているような楽しさが詰まっていた
いい物語、ある種のブックだと思ったのでありました

もしかしたら、モチーフとなるレスラーや、因縁が込められているのかもと思いつつも、
レスラーとしての生い立ちやら、同期因縁等々が面白くて、
よく練られているなと感心して読んだわけだけども、
実際にどっぷりプロレスに浸かってるファンは、こういうのがより楽しいというか
ここまで読んで、プロレスを楽しんでるんだろうかと思うと
凄い世界でもあるが、それがゆえに狭くなってるのかしらと
いらんことを考えたりもしたのであった

何連戦もしていくという巡業の姿で描かれていくんだが、
改めて、レスラーという人たちの体力、いや、体のつくりというのは、
常人のそれとはまったく別物なんだろうなと思わされる
小説ではあるが、このあたりのことは実際にそうだろうし、
とんでもない練習の結晶でもあるし、ものすごく頑丈なつくりでもあろうしというのが
ありあり伝わってくるのがよかった、
そして、その休息のありかた、魔法のような鍼師の技とか、そういうのもまた
プロレスの裏側にありそうなところだなと、
これは普通に自分でも打ってもらいたいと思うようなところもあったりして
周辺の描写も面白かったと思うのであります

結局のところ、生きるとはというのが、プロレスラーとしての自分を取り戻すといった
まぁ、もっとあれこれが結集したものなんだけども、
純化させた結果が、女のためというのがまた、こういう物語に最高の結末だなと
クサいといえばそれまでなんだが、そこがいいなと思ったりしつつ
楽しく読んだのでありました
だいぶ、年齢も色々も全部過ぎ去ったおっさんに刺さる物語だったなと
読んでしみじみかみしめたのであります

どうする家康  裏切り者

2023-08-27 21:10:21 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「どうする家康」
視聴完了しました
今回も、なかなかよかった、じっくりと数正の心を描いていて
こういう時間、尺の使い方は大賛成だなというくらい
みっちりと松重さんの芝居の重さもあいまって
いい回だったと思うのであります
生真面目さと、心ばかりの軽妙さというのをにじませて、
あの行動に出たというのが、すごくわかりやすく、
また、ちゃんと見ている人に伝わるようにか、露骨にセリフで説明というか、
「押すな、押すな」的なものがいっぱいでてきたのは気になったけど
それをうっちゃるように、松重節の演技が実によかったと思ったのでありました

まぁ、やっぱりそういう決着になるよなというあたりで、
出奔することで、物理的に対立できなくするという方法で諫めたという話になったわけだが、
それならそれで、家康が戦うのは今じゃない的な何かとか、
そういうフォローがもうちょっとあってもよくない?とか思ったのだけども、
若き四天王(酒井を除く)が荒ぶる様子とかで、
考えてみると、伊賀越えのあたりから、その世代の違いというのを出してきてたんだなと
改めて思い知ったりしたわけだけども、
正信という知恵者も、勝てないという話をするタイプではなく、
どう勝つかという話しかしないというキャラ付けが実にうまいこといってて、
まぁ、当然の帰結というか、数正のありようがさもありなんとなっているのはよかった
案外、ここのために、これまで色々積んできていて、
脚本が、数正よりなのかもしれんと思うところ
そうなると、来週以降もまだ、出番がありそうで、
歴史ではこっから、何していたかもわからない感じのはずが、
思いのほか活躍がありそうだと楽しみなのである
自身でも、もう一度の大活躍と言っていたわけだしなぁ

激震が走る徳川方で、
割とあっさりと、上田合戦の負けをお出ししたり、
脚本が真田の役割にも苦慮しているような感じも受けるわけだが、
それはそれとして、あっちこっちを固めて
次は北条へというあたりが、楽しみなのである
もう9月だし、さくさく進めないと終わらないんじゃないかしらと心配である

岡本太郎式特撮活劇 帰ってくれタローマン&おやすみタローマン

2023-08-25 21:05:48 | ドラマ映画テレビ感想
TAROMANシリーズも、とうとう最終回だそうで、
というか、さらに続編作ったんだと驚いてしまったわけだけども、
これは、劇場版にするには頓智がききすぎているし、
税金対策とか、罵詈雑言をNHKが避けたのではとも思ったりしたわけだが
無事、やりきってしまったようで、
大変楽しんだのでありました

当然のごとく、番組としてちゃんとしてたのは
帰ってくれの方だったわけだけども、
なにげに、深夜に放送していた「おやすみ」の方が個人的には好きで、
録画して昼間に見るという荒行をなしたわけだが、
これは、深夜に、それも、大学生くらいの時分に体験したい番組だったなと
しみじみ思ったのである
いや、もしかすると、もっと仕事に疲れたりしていたら、
ただこの映像を見ているだけで、泣くなり、元気がでるなりの作用が出たのかもしれない
とってつけたような郷愁と、さして意味のない動きがえんえんと続くという
タイパがどうしたとかいっているこのご時世に1時間も何やってんだというのが
大変心地よかったのである、
個人的には、TAROMANシリーズで最高傑作だったように思う

と、まぁ、だいぶ頭がキとる感想になってしまうわけだけども、
帰ってくれの方がこれまた、大団円を目指して、それでいて岡本太郎らしくを
なんとか叶えようと精魂尽き果てた感じがよく
最終的に、結局爆発してしまうしかないよなというあたり、
安易なオチお断りのTAROMANあるまじきではないかと、
なんか意味のわからない、厳しい目線で視聴者として糾弾したくなるわけだが、
番組としては座りがよかった=心地よい=ダメだ
というわけで、最終回にぴったりだったのではないだろうか
もう何が正しいのかすらわからないのが、実にTAROMANだと思うのであった

この番組のせいで、休養をよぎなくされたと噂の
サカナクション山口氏も、最後にようやっと歌わせてもらったというか、
むしろ歌いたがったのか、もう何もわからないけども
これがまた、妙にクオリティが高くでよかった
これによって解放されて、本来の活動にちゃんと戻ってほしいと切に願うのである

特に正義の味方でもなければ、
むしろ、人類なのか、地球なのか、なんかわからんが敵なんじゃないかとすら思える
そんなTAROMANの自由さと、子供のような無邪気さ
そこにひそむある種の狂気というのが、実によかったなと
結局全編通じて、結局同じ感想になってしまうんだが、
この企画が予想外に当たったと思っているであろう外部と、
そういうの関係ないのか、あるのか、
わからない狂気にあてられて、制作に取り組んできたであろうスタッフに
感謝というか、拍手を送りたいと思う番組でありました
よかったよかった

【読書】農協のフィクサー

2023-08-23 20:56:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
農協のフィクサー  著:千本木啓文

京都JAの影の支配者と呼ばれる中川泰宏という男について糾弾した本
個人に対して、ここまで敵対した本を読むことはおおよそなかったと
衝撃的だったんだが、日本の地方政治史として
大変読み応えのある面白い内容でありました
特に半分くらいが、野中広務との対決に割かれていて、
正直、野中と肩を並べるほどだったかは疑わしいが、その泥臭い戦い方というか、
こと、局地戦で勝てるかもしれないという怪しさがあって、
また、時流が小泉改革の時で、その小泉チルドレンとなっていたというあたりからして
いかにも、日本の政治史に名を刻んだといえるような魑魅魍魎の蠢く姿というのが
まぁ、なかなか、読んでいて面白い
けど、本当にもう、この国の国政はどうなってんだと思わされるところだが
もろもろ、平成という時代が、日本がまさに変化していくその瞬間を捉えているようで
面白かったのでありました

と、まぁそういう政治劇としての読み物だけならいいんだが、
実際のところ、凶悪といっても差し支えないほど
政治を利用しているというか、これこそが地方の政治家といわぬばかりの
老獪さというか、しぶとい強さというのがあって、
こんな感じなのに支持率が全然なくて、さらに、政治家をやめてからも、
JAの要職はずっと続けていられるという
これまた、地方政治とかと別の政治という競争に強いということが
ありあり伝わるような、凄まじさがあって驚きであった

組織をまさに牛耳っているというか、
ともかく凄い力が、どうやってでてくるのか、
それについてはよくわからないの一言なんだが、
ともかく、悪いことをしているのは間違いなさそうで、
この記者が、それこそ命をかけて調べている鬼気迫るものも感じられて
面白い読み物でありました
けど、やはり小泉狂騒の頃が面白すぎて、この男の悪い部分よりも、
そこの方が目立ってしまうというのが残念なようでもあるのだけども
ともかく京都にまだいて、そして影響力を持ち得ていそうだと思うと
なかなか恐ろしいことだと感じるばかりなのでありました
傑物というではなく、化け物というのがふさわしいだろうか
凄いのは確かだが、悪名であろう

そして、こういう輩をのさばらせてしまい、
なんなら税金を利用させる立場に食い込ませてしまうという
日本の政治システムの脆弱さというか、そういうのばっかりなんだなというのを
改めて思い知るのでありました
そういうのじゃないと、回せないという話もあろうが、
あまりにも、国政に向かない、地方政治に向かない、そういうことを無視しすぎではないかと
力なき正義の虚しさみたいな話になってしまうのであった

台湾行き当たり場当たり旅 01 数年ぶりの桃園着便にて

2023-08-22 22:38:08 | 台湾行き当たり場当たり旅(2023)
また、台湾行ってきた
8月11日~15日の予定だったのだが、
日本国内を騒がせた台風7号(2023年)が帰国便に直撃して、
台湾で路頭に迷うというか、まぁ行く前から、おろおろし通しで、
正直ちゃんと楽しめていなかったんだが、それなりに場当たりでやっつけた旅行であった





実家近くのセントレア発着でというわけだったんだが、
行きでは割と楽観していて、台風もまぁずれたら大丈夫でしょうなんて
時間と進路とが、結構ふわっとしていたのでぼちぼち行けそうだと嘗めていたのである
ようようと、セントレア駅から、特に使うまでもないのにターミナルバス使って、
セントレア島をムダにぐるっと回ったりしつつタイガーエア発着の安い方のターミナルへ
早めに到着したので、時間潰しにフライトオブドリームで、でっかいエンジンを眺めてから出発



この時、6号という台風が韓国あたりでうろうろしていた影響があってか、
初便が4時間程度遅れるというがっかりな出だしになったわけだが、
今思うと、飛ぶなら、さしたる問題はないといった感じで、窓から虹が見えるわと楽しんだりしていたのである




あっという間に台湾着、まさか台北直入りするようなことがあるとはと思っていたんだが、
とりあえず無事到着して、予定よりもかなり遅くなっていたので、なんとなし暗い空港にて
抽選で5000元があたるキャンペーンに応募するものの、物の見事に外して
がっかりしながら移動開始したのであった
3枚目の写真が抽選会場だったんだが、左のランタン釣り下がってるところにタブレットがあって、
ゲームめいた画面で当落チェックするんだが、一瞬ではずれになって、え、終わり!?みたいな感じだったのである
ちなみに、今回も年老いた父親を連れているのだが、父親も外れて、
当たるやついるんだろうかといぶかしんだりしていたのである
両替したけども、レートがとうとう5倍相当(1元=5円)になってて、さらに驚き、
もう全然安くないなと、ちょっとうろたえたのであった




さっさと桃園メトロで移動して、あっという間に台北着
そして、今回は西門町にホテルをとったので、とりあえずそちらへ移動
抽選外れたこともあり、貧乏たらしく、台北駅から北門を経めぐって歩いていったのでありました
雨に浮かぶ北門は、なかなか趣深い
とりあえずホテルにチェックインだけして、夕飯と夜遊びかねて、西門町をうろうろと






10年くらい前に、ふらっと立ち寄った記憶のあった粽屋に入ったんだが、
屋号のところが雑にテープで補修というか消してあって、同じ店舗だけども
屋号だけ変わったのか、よくわからんが、とりあえず美味しくいただいたのである
あの頃は、わからんまま、「バージャン」とか叫んでいたのが懐かしい
今回は、ちゃんと「ロウツォウ」で注文したのである、ちなみに、肉入りと素食の二つ(75+55元)
さらにうろうろ歩いて、西門紅楼の裏あたりに屋台の小籠包屋があって、そこでもちょっとつまんで(80元)
夕飯に代えたのでありました

本格的に遊ぶのは翌日からと思いつつも、前回西門町のあたりはちゃんと遊べなかったので
なんとなし、目的もなく、うろうろとにぎやかな街を歩いて回ったのである
しかし、知らないうちにというか、ニュースで見たなというレベルで覚えていたんだが、
西門町は、今じゃすっかりLGBT的なシンボル街になっているようで、
小籠包食べた店のあたりとか、どう見てもゲイだよなという人たちが
やたらうろうろというか、親しげにしてんなと眺めていたんだけども、
裏手の方は、結構あっちこっちに虹色の旗が掲げられていて、そういう出会いの場にもなっていたようで
ちょっとおっかなかったのでありました

つづく
02 玉井でマンゴー三昧

【読書】赤い月の香り

2023-08-21 21:00:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
赤い月の香り  作:千早茜

天才的な調香師のもとで働くことになった男の話
というとなんか違うんだけども、
重い過去と苦しみを抱えた男が、香りによって救われると
そんな予感がする物語で、大変面白かった

事件や、大きな解決といったものが見られるわけでもないのだが、
香りを求める人、それを作る人、その交流とその下積みのような作業が
なんか新鮮に読めて面白かった
植物をちゃんと育てること、そこから得るものの良さというのが
押しつけがましくなく、それでいて強い印象をもって、
料理なり、お茶なりになって出てくるのがよい
読んでいて、どんな香りか、皆目見当もつかないけど
よい匂いなんだろうなと思わせる素敵さで、
美しい世界観が作られていくのが楽しかった

しかし、そこまで匂いをかぎ分けられてしまうというのが、
実際はさておき、嫌なことでもあるが、同時に執着であるというのも
とてもよくわかるなと思った次第
香りというファクターをきっかけにして、人間関係すらも左右されてしまう
結局、好きな人の匂いというものがあると、そんな話でもあったけど
体調やら、感情やらが、様々匂いに立つというのが
面白い描かれ方だと感心して読んだのでありました

過去と、感情とが香りによってリンクするという、
匂いが記憶を呼び起こすなんて、ありふれた話なんだが、
それが中核となって、物語の最後を彩るわけだけども、
それによって救われる主人公と、その場に立ち止まったままのような調香師の姿というのが
なんとなく、寂しいというか、切ないものだと思えるような
静かでよい物語だった
ハーブ育てたくなるな

どうする家康  小牧長久手の激闘

2023-08-20 21:09:18 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「どうする家康」
視聴完了しました
このドラマとしては、最大の戦になるかもしれんなと思いつつ見ていたんだが
徳川四天王の紹介PVみたいで、非常によい出来栄えだったと思うところ
別に戦の詳細とかうんぬんよりも、こういうのでもいいんだなと
見ていて、楽しかったらOKという気分になったので
個人的にはとても楽しかったのでありました
まぁ、賛否はあろうけども、これまでもなぞの忍者合戦とかやってたんだから、
これくらいの外連味がないと楽しみがないだろうと
思ったりするんだが、さて、世間の評判はどうであろうか
というか、当然といえば当然だけど、服部が全然出てこないのも
違う意味で面白かった

さておいて、史実でそうだったか、そのあたりは知らないけども、
見事「中入り」策破りが的中というお話で
見ていてこれはわかりやすいし、楽しかったと思えるところ
しかも、本多勢が秀吉の追っ手を追い返したというあたりが痛快で
凄くよかったと思うのである
あの鹿角の鎧も出てきたし、見得の切り方が、叔父上にどこか似た感じになってるのがまた
凄くよかったと思うのであった
大河ドラマで、ああいう演技の継承みたいなのがあると
個人的にテンションあがるので、今回の平八郎の所作は結構好きだと思うのである
もっと叔父上っぽく、なんだったら、酒かっくらってもよかったかもと思うのだ

そして、もう一方が井伊の赤鬼で、こっちもまた実にいい感じで出てきて
かなりかっこよく仕上がっていたのが素敵だったんだが、
組頭としての苦闘をさらっと見せた後にのこれが
またいい感じではあるなと感心したのである
というか、直政は顔枠というのが、母親お墨付きというのが面白かったんだけども
まぁ、それはそれ、いわれてみればと思ったんだが、
家康殺し未遂という意味で、腐ってる方の本多と同じだったんだなと
まぁ、因縁のつけかたがうまいというか、いい感じで対比になるなと
直政へのなみなみならぬ脚本の気の入れようが、気に入ったのでありました

まぁ、一回の戦を勝ったくらいというのは
まさにそういうことで、シニカルというか、ちゃんと現実見ている数正が
どうも埋伏っぽい感じというか、落としどころとして無理やり決着のため叛旗とか
そういう感じになりそうだなと思うのであった
それはそれでいいわけだが、なかなか興味深いところである
ちょっと唐突に数正が心配性になりすぎな気がせんでもないんだが
まぁ、そこらが落としどころであろう

どうする家康  史上最大の決戦

2023-08-19 19:52:51 | NHK大河ドラマ感想
諸事情あって、ようやっと今日見終わりました
見逃してた回に限って面白いなと
今回、大変よかったと思うのである
明日が楽しみだわ

小牧長久手の戦いに向けて、というか、すでに始まっている感じだけども
豊臣方とのあれこれが、唐突に始まったというか
このあたりスピード早すぎるんじゃないかと、
あれよあれよと敵対して、あれよあれよと決戦になってて、
もうちょっとゆっくりしてただろうと思うんだが、
信長死んで、明智が倒れてから流れるように豊臣対徳川になっているというのは
だいぶ違和感があるんだが、まぁ、ドラマ的に面白いからいいか

決戦に向けて、家康が各臣下を経めぐりながら、
その決意とかを訪ねていくというか、肌感覚を確かめているようなところが
なかなかかっこよくてよかった
四天王のそれぞれが見えたようでもあるし、なかなか面白い
もう酒井殿死ぬのかと思ったけども、そんなこともなく
なんだかんだ、酒井ってああいう感じで死なないんだなと、既視感を覚えつつも
頼もしく見たのである

そして、よいのか悪いのか、どういう心持からの変化かわからんが
数正の反転がどう描写されるか、なんか不気味に押し黙っている感じになっているのが
埋伏的なそれになるんだろうか、わからんが、
初花渡すところの顔つきとか、色々わからんところが多くて面白い
秀吉の芝居がかかったそれは、それでよいのだけども、
不気味さでは、数正の方が怪しくて楽しいのである

徳川方が総動員で闘っているというのがいい感じで、
実際この時は、相当の差があってのことだから、
豊臣包囲網みたいな話もさることながら、
次回の大決戦でどうやって引き分けまで持ち込めるか楽しみである

【読書】ぼんぼん彩句

2023-08-18 21:08:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
ぼんぼん彩句  作:宮部みゆき

ありそうでなかった形だと、読んでいて驚いたのでありました
一句あり、それが読まれた情景、背景を小説とする
そういう組み合わせの短編集で、これは短歌ではないし、俳句ともいいがたい、
何よりも、一句が、句の形ではあるものの、
いわゆる俳諧などに通じるものとは対極でもないが、まるで違う世界観の下読まれているという
ある種の下の句や上の句が、小説になっているという点が
秀逸というか、面白い試みだなと感心したのでありました

ほのぼのとしていたり、ほの寂しいといったり、
そういう穏やかとも違うが、切なさが句のいいところだと思っていたところ、
そうではない、ただの怨嗟や憎悪、あるいは、悲劇や危険をただ詠んだ
それが凄いなと、成り立ちからして違う句に引き寄せられたようでありました

と、まぁそう書いてしまうとアレだけども、
全体的に暗いというか、ちょっと悲惨といってもいいような話が多くて、
たいがいが人間の悪の部分とでもいったらいいか、
様々な形の悪が出てきて、それと遭遇して、救われることがない
と、言い切っていいかはさておき、やるせないものは
解消したりしなかったりが、結構中途半端なのが、なんというか
より心をえぐってくるなと、悲しい短編があったと思うと、
はた、それを総括するように、一見綺麗な句が〆るというのがクセになるでもないが
続いていくのがとても楽しかったのでありました

また、短編の方向性もみんな驚くほど違って、
共通といえるかどうか怪しいが、やっぱり、嫌な人、というののバリエーションが
ありとあらゆる形で出てくるのが見所といったらいいか、
クズ男だったり、毒親だったり、逆恨みや嫉妬だったりというのにかられた
ある種の化け物じみた人にまとわりつかれる、そういう悲劇があるのが
なんというか、後味最高に悪くて、素晴らしい小説だなと思うのでありました
前に読んだ、短編回廊の絵画に匹敵するものが句なんだなと感じて
凄く楽しんだのであります

全体的に救われない話ばっかりだけど、だからこそ、
救われる話の光が実に心地よく、悪いことの中で、それだけで救われるというか
少しだけ晴れるのがまた、いい読書体験になってよかったと思った
あとがきで、案の定、誰かが書いたまったく関係のない短歌から
短編をひねりだしたという作りになっているそうで、
こういう試みは大変よろしい、続編に期待したいと素直に思って読み終えたのでありました

【読書】息が詰まるようなこの場所で

2023-08-16 20:57:10 | 読書感想文とか読み物レビウー
息が詰まるようなこの場所で  作:外山薫

タワマンに住む人たちの悲喜こもごもを描いた物語というとアレだが、
割と普通というか、結構不穏かと思ったけども、穏やかに終わるもので、
まぁ、そういうこともあるんだろうなという感じで読み終わった

こういう人たちがいるんだろうなと思うような感じではあるし、
それぞれに人間臭さというか、タワマンの下層の住んでいることに
誇りとひけめを感じている家族が、背伸びというでもないが、
無理をしているかのような生活が、タイトルを示しているようでもあるけど、
割といい感じだったりして、そんな息が詰まるような生活にも見えなかったというか、
多分、悲惨になりきれないといった、作者の優しさみたいなのがあるんじゃと
思ったりしながら読んでしまった
なんというか、タワマン、格差、劣等感という要素はあるけど、
それぞれが弱いというか、あるあるに満たない感じで
スパイスが足らないような印象を受けてしまった

とはいえ、タワマンに住んでいるコミュニティにおける
中学校受験の話とか、そういうことを経ての大学生となる子供の進路とか、
そのあたりは、本当大変だなと思わされることばっかりなんだけども、
タワマンじゃなくても、昔からお受験というのは、
それなりにそういう話として伝わってたやつと、そんなに変わらなそうだなと思ったりしたのである
全員がこれなら、子供たち大変だなと思うんだが、あれもまた、
一部の人たちだけでというか、ひょっとすると、
そういう人たちが、現代ならタワマンに住んでいるというだけなのかもしれない
そう考えると、案外普遍的な物語なんだろうかしら

そんな風に考えていると、結局ここに出てくる家族の
どれにもあったこともなければ、自分も違うとなってしまって、
どうも感情移入できないというか、もう一つ乗り切れないで終わってしまった
そんな印象になってしまうのも仕方ないのか、
ともあれ、思ったよりも幸せというのも語弊があるが、死をほのめかすようなこともなく
穏やかに日常を描いた現代劇だったように思うのである

【ドラマ】褒めるひと褒められるひと

2023-08-15 21:05:43 | ドラマ映画テレビ感想

NHKよるドラ枠でした
はずれだ、と失礼なことを思いながらも、二週くらい回って楽しくなってきて、
ずっと見続けてしまった、なんというか、茶番とも違う、なんと形容するかわからない物語を
のんべんだらりと続けるといった感じで、正直なところ、
褒めることも、褒められることも、とりあえず的外れなそれを映像化するだけ、
ただその一点を、だいぶクオリティ低くこなすのが目的みたいな、
コントでもない、異空間を見たような気分になったのでありました

そのクオリティの低いたとえ話が笑いどころだとしたら、
失笑しかなかったわけだが、それを延々と続けられると、
なんか、それがクセになるといったらよいか、失笑のままだが、そういうお約束と
受け入れて観続けてしまうというのが、俺がえらいのか、
見てた人みんなそうなのか、
途中で挟まる阿佐ヶ谷姉妹が、あの役どころなら、そのまま阿佐ヶ谷姉妹でよかったんじゃないかとか
まぁ、色々とつっこみどころ多く楽しんだのでありました
特に意味もなくフランス語というのも、妙な味わいがあったな、
トレビア~ンは、伊武さんだからこその味が出てて、すこぶるよかったと思うのである

内容いかんを論ずるようなドラマではなかったし、
出ていた俳優さんが、はたしてどういう精神状態で演じていたのか、
そっちの方が気になったりしたんだが、笑わせようでもなく、笑うでもなく、
戸惑いは隠して、真摯に演技していたんだと思うんだが、
そのシュールさが、もしかしたら、面白さの源泉になっていたのではないかと
考えすぎて、面白いと思い込もうとしつつある、自分を見つけるのであった

最終的にはというか、ピーターパンとか、メロスのあたりとか、
もはやたとえ話としてもどうなんだというあたりを、ちゃんとミュージカル風というか、
演劇風の演技でやっていたあたりがピークというか、
これはこれでいいんだなと思ったりしながら、結局くっつかないところとかも含めて、
起伏のないドラマをやりきったという、ある種の畏敬を覚えたのでありました

こういうのやっちゃえるところが、NHKの凄いところだな
前にもなんかで同じような感想を持った気がするが、時折こういうのをやらないといけない
そんな空気がNHKにはあるのかもしれん


【読書】機嫌のデザイン まわりに左右されないシンプルな考え方

2023-08-14 21:05:13 | 読書感想文とか読み物レビウー
機嫌のデザイン まわりに左右されないシンプルな考え方  著:秋田道夫  

70歳くらいになるそうだが、デザイナーである著者が、
ぽつぽつツイート(X’s!)してたらバズってたという体験から、
対談風の本ができあがったというもので、
まぁ、ぱらっと読んで、あっという間に終わっちゃう感じの
確かにシンプルで、真意をつかんでいる言葉を紡ぐ人なんだろうなと思うのだが
これは、受け取り手にずいぶんレベルを要求するでもないけど、
色々と難題のある言葉を出すなという印象を受けたのでありました

とはいえ、端的にかっこいい言葉というのを記したことが何度かあったそうで、
「機能を増やすには技術がいるが、機能を減らすには哲学がいる」というのが
かなり大きな反響を生んだそうで、なるほどというか、
かっこいいなと思う言葉であって、そして、これは危険な言葉というか、
わかってる側のレベルがそのまま言葉の強さに反映されるというべきか、
いや、凄いなという感じであるわけだが、なんというか、
そういうのだけで走ってしまうのではなく、
シンプルさが機能というものの最善だというデザインポリシーを
違う言葉で語っただけっぽく、あんまりこのつぶやき自体には意味というか、
思いがなさそうなところがよいなと感じたのでありました

とはいえ、つぶやきは反響を見たり、自分が言った言葉がどういう影響を与えたか
しっかり調べて、よいことよくないことを反省しているというのは
大変立派なことだなというか、もはや、デザイナーというか、
その部分だけはマーケターだなと思ってしまったんだけども
まぁ、そういう趣味が実益と、絶妙にマッチングした人なんだろうと
思うのでありました

言葉がどうしたというところは、まぁ物珍しく読むところではあったものの
デザインの仕事として、交通系ICカードリーダーがなぜ斜めになってるのか、
券売機のコイン投入口が大きいにはなぜなのか、
そういったところを実はこの人がデザインしていたというのが衝撃的で
そういう仕事をしている人だからこそなんだなと、
改めて、言葉の派手さは関係なく、その仕事で語っている部分が大だなと思ったのでありました

使いやすいということ、誰かの便利をどうさりげなくというか、
違和感なく機能とできるかは、極めて汎用的な思想だなと
よい話を聞いたみたいな気分になって、さらっと読んだ割りには
ずいぶん楽しんだように思うのである

【読書】くもをさがす

2023-08-12 21:05:28 | 読書感想文とか読み物レビウー
くもをさがす  作:西加奈子

話題作なので読んだ、という感じで手に取ったんだが
まさか、ドキュメンタリというか、自身の闘病記とは知らず
軽い気持ちで読み始めて戸惑ってしまったのであった
しかも、「くも」ってそっちの蜘蛛かよ

さておいて、カナダ在住といっていいのか、短年のステイの予定だったのか
このあたりはわからないけども、そこで乳がんであることがわかり、
そこから抗がん治療を受けるという日々、その時々の言葉であったり、
思ったり感じたりしたことを、とても素直に記していった日記でありました
出版を念頭におかなかったとのことなので、
散文めいているところが、逆によいなという感じで
真に迫る文章だなどと感じつつ読んだのだが、やっぱり作家だから、
自分のための文章でも、なんだかんだ、書いてしまっているんだろうと
ちょっと思ってしまうのであった、読みやすいし、響くものな

乳がんの知らせをよこしたのが「クモ」に噛まれたことだった、
そのクモはおばあちゃんの化身に違いないという
まるで、そういう小説かのような出だしから始まるのだが、
タイトルのように、どこかでこのくもを探すようなことになるかと思えば、
そんなこともなく、それを必要としなくなる
その変遷が描かれていくようでよかったのである
かなり苦しかったであろう記述と、その間にどれほど助けられたかということ、
そして、自分を強く持つということへの再度の気づき、
これまでの違和感等々も整えられていきつつ
がん闘病の話だけではなく、人生としてのあれこれをつまびらかにしていて
色々な方面で、刺さる人がいるんだろうと思ったのである

正直であるというのとも異なるが、何かに許されているようなこと、
誰かに期待されていないこと、言葉にしづらい、あるいはできない重荷のようなものからの解放というのは、
誰にでもある話だと、親近感を覚えて読んでいたのだが、
それを得るためでもないが、その気安さが故のカナダの生活だったところへ、
日本だったらという医療への不安も覚えるが、そこは、海外だからどうした
というよりも、むしろカナダでよかったということもいっぱいあったり、
当然、行き違いや、自分の言葉が通じないことによる弊害なんかもあったりして、
うまくいっていないのだけども、それを乗り越えて、とても強い肯定感といってもいい
心地よさがありそうで、がんだけではない、病と読んでもよいかもしれない何かを
解消していっているようでよかったのでありました

年齢が近いこともあるので、色々と感じるところも多い内容だったが
読んで、よかったと思って終えられたのでありました