CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

モーニング?

2006-03-31 08:39:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
今週も発売されておりましたモーニング
余談というか、個人的なことでありますが
モーニングを買って、友人に輸出するという事業(注:回覧)
していたのですが
その友人が転勤してしまい、渡す相手がいない
今、部屋に残っているモーニングを見るたびに
ああ、僕は一人になってしまったのだな
打ちひしがれてしまうのかしらとか
思ったりするような、読みきりのムエタイ漫画が面白かったですね(無茶)

読みきりで、なんか前にもこの絵柄は
読んだことがあるような気がと
個人的に思ったのですが、まあいいや
ともかく、ムエタイでひきこもりが外にでるまでと
別に驚くようなことも、盛り上がるようなことも、楽しいことも
ひとつとして描かれておりませんでしたが
そこそこ面白かったのかしらと思います
がんばってください

で、今週は大きな連載陣が
のきなみ掲載されてないという体たらくで
やっぱモーニングってこんなもんかと
前述の通り、個人的事情から買うのやめようかと
思ってしまうくらいだったのでありますが

大使閣下の料理人が、その中でもがんばっておりました
ステキ、ステキだわ
やっぱただもんじゃなかったんだなと思いつつ
豆腐を細く切ることを見せることがまたまた
あの外交問題については、本当
漫画のようにはいかない、様々な事情があるだろうなと
悲しくなってしまいますが、願わくば
よい結果にこの漫画だけは繋がって欲しいと思うのです
しかし、青柳が救援にくるかと思ったけど違うんだな
もう二人でいくのねと、思うところ考えるところであります

他は、本当なんもなかったな
ビーサンも、なんかうざったいこと書いてるだけやん自分と
ちょっとダメ出ししてしまいそうなぐらいで
全然サッカーと関係ないなと思うのですが
漫画雑誌のコラムだからあんなもんでもいいのかしら
偉そうなことを言う自分もどうかしらと
考えるわたくしでありますが、だって、そう思うんだものとしか

と、だんだん悪口大会みたいになってしまうので
このあたりにしておきますが、
次回から何が楽しみって、青春の門が東京編になることでありましょうか
先生とどぎゃんなるとな、それが楽しみ
クッキングパパの沖縄も楽しみであります

大相撲三月場所千秋楽

2006-03-30 12:35:56 | スポーツ
久しぶりに面白い場所だったように思われます
場所前の評判からして
栃東の横綱昇進
白鵬の大関昇進
朝青龍の不調
魁皇の角番

と、荒れるというか、面白い話題ばかりで
こりゃたまらんなという具合でありましたが
まぁ、栃東が早々に脱落したのは残念でありましたが
場所内は大きく盛り上がりました
特にあれだ、白鵬と朝青龍

本割りでは、白鵬が勝って先場所から連勝
これは、とうとう世代交代かと匂わせるような内容で
千秋楽、まさかの両者敗者になってからの優勝決定戦

正直なところ、この日の本割り魁皇戦と栃東戦は
なんか八百長くせぇなぁと思うような
描かれたとおりの展開になっておりましたが
ああいうことがあるから面白いなとつくづく思うところ
考えてみると魁皇が右上手を取ればまだまだ大関十分の相撲をとるし
栃東も意地があるという具合
栃東戦の朝青龍は、決定戦であえて白鵬を叩こうと思ったのかもと
ちょっと思いましたが、負けた後の様子見てると
やっちゃったて顔してたから違うのか

わかりませんが、ともかく優勝決定戦

個人的に、本割りで連勝しているというのは
すげぇ強みというか、わたしの浅い相撲歴では
曙貴乃花時代の幕開けの1番を思い出させていただいておりまして
あの、無敵をほこった曙を、とうとう貴乃花が破った
それと同じようなことで、白鵬が朝青龍をとか
期待しましたが、結果としてはまだまだ朝青龍十分
すげぇ面白かった場所であります

決定戦自体の相撲も秀逸で
白鵬有利の組み手になったときに
これはもう、朝青龍の時代は終わるかもわからんね
とかなめたこと抜かしていたわたくし
しかし、粘りに粘って、白鵬がまさに
出てはいけないところで出た
そこを朝青龍が逃すわけがない

美しい下手投げでありました

結局は右からの投げが決まったのですから
やっぱり朝青龍は強いんだなと印象的
完璧に出鼻で飛ばしてるから、綺麗に一回転してたし
思うに、白鵬が決めた瞬間のあの右足の1歩目で
勝敗がくっきりわかれたのでありました
あそこだけ、腰が高くなっておったのであります
もしかしたら、朝青龍が高くさせたのかもしれませんが
ともかく、横綱はまだまだ強い

今後、この二人が並びながら先を争っていったら
相撲がまた面白くなるなとほくほくでありました
今年は、デーモン小暮閣下が来場したり
なんというか、違う意味で面白い
拓けた具合が心地よくなってきておるのですが
日本の力士にもがんばって欲しいところです
でも、どう見てもモンゴル力士の方が強そうなんだよなぁ

日本力士で横綱が出て欲しいと思いますが
栃東よりも、もっと新しい力士でいないかと
ちょっと願ってしまいます
骨が太くて、小柄ながら強い
そういう力士の到来が待ち遠しいのでありました

しかし、白鵬については、場所後半に
明らかな変化といいますか、身体が一回り大きく見えるようになっておりました
私がそう感じただけなんでしょうけども
貴ノ浪を彷彿とさせるような大柄さが身についてきた気がします
横綱まではまだ遠いかもですが
がんばって欲しいものであります

あと、海鵬にもがんばって欲しいんだな

柳生十兵衛七番勝負 第五話

2006-03-29 08:50:36 | ドラマ映画テレビ感想
そして、わたくしが本放送の時
初めて見た回であります
NHK金曜時代劇柳生十兵衛七番勝負

本放送の時は、わたくし
後半しか見られてなかったので
あの宮本武蔵をちろっとしか見られなかったのですが

流石ソニーチバ

眼力鋭いといったらいいのか
あの眼光と、すげぇ物腰、かっこよすぎる
忍者みたいに跳びあがったところは
ちょっと驚きましたが、なんというかな
殺陣の時の迫力がこれまでの剣士とはまるで違っておりました
いや、贔屓目かもしれん
そう思ったりするほど、ニ天一流が決まっておりました

まずは、一本大きい方を抜いて
主に左手一本、右手は添えるだけという剣戟をいくつか
それをかわす十兵衛だが、必死感が伝わります
一本でも十分に強いらしい武蔵の剣
あの、両手を大きく広げて相手を威嚇するような
足はすり足で交差はしないように
常に相手に向かって正面を向けていられるようになってる
すげぇ足さばき、かっこよすぎる・・・

一瞬ではないけども、両者が向かい合って
横移動した後、申し合わせたようにまた打ち合い
いや、まだ十兵衛抜いてないから合いじゃないな
また仕損じたところで、いよいよ武蔵が小を抜く
ここが左抜きになっていて
考えてみると、後の伏線だったのかとも思うのですが
かっこよすぎる、するするっと現れてから
ニ天一流の上段の構え
圧倒的な迫力であります、ありゃ怖い、間違い無く

そして、いよいよというところで十兵衛が抜き打ちに弾く
さらに、数度のかけあい、ここが最高にかっこいい
二刀を交差して受けとめ、すぐ
横へと薙ぐ様やら、もう、武蔵かっこよすぎ
また、対峙した後、上段からやにわ、下段に構えを移すところも
すげぇかっこよかった、ニ天一流の下段て想像以上にかっこいいな
この交差した刀のかっこよさもさることながら
抜いて、少しの渡り合い後、ささっと武蔵が引く
ここからの一連の動作のかっこいいこといいこと

やっぱりソニーは違う(ソニー言うな)

歌舞伎みたいな身の引き方で、おおっと思わせて
そこから、にやり笑い
「抜けたな」
なんだおまえ、そのかっこよさ
失禁するかというほどのかっこよさ
また、十兵衛村上も負けておりません、ああ、という感じで
その様子に驚くところ
というかこの両者の顔をアップで写すところが
役者の渋みが十二分に出てて満足でありました
どっちもかっこええ、武蔵と十兵衛はこうでないと・・・

そのあと、迎気の呼吸(違う)ぽいことをして
いわゆる、コォォォォォォ、というあの
北斗神拳くらいでしか聞かないような発生音を
武蔵が出して終了
面白かった、この殺陣

ま、話としてはそれで十兵衛パワーアップと
よくあるストーリー展開でありますが
そういうのが鉄板以上の力でやられるとたまらんな

でもって、私が前回感激のあまり
この時代劇にはまってしまった要因となる
居合剣士との勝負だったのでありますが

こちらも2度目、しかも、ビデヲで何回も見直したから
よりいっそう面白かったことが伺えました
セリフは前の時から、ちょっとアレだなと
思ってましたが、あの「抜け」という
間の抜けたような発声が、なぜか耳になついて離れない
恋?(違いますよ)
そんな風に思いつつ、その剣士と勝負

もう、この勝負はやっぱり
前回同様、左抜きのかっこよさに尽きるのであります
今回、新たに発見というか
別に発見でもないんだが
左抜きで止めた瞬間の、あの、十兵衛の剣が
鞘の中で踊るところ
かっこよすぎ、あの一瞬、何回くらい撮影したんだろうか
ベストショットだと思われます

左手で鯉口を切りながら、左で抜いているというのは
ちょっとありえねぇと思ったけども、それはそれ
スラッと抜かれた刀で一撃を受けとめた形
かっこよすぎるだろう、しかも、抜いた刀が
あまりの衝撃で1度大きく歪んで、踊るのであります
ああ、かっこいい、そうだ、日本刀は柔らかいからかっこいいんだ

改めて気づかされたところ
そして、十兵衛の上段は居合のそれを上回る剣速であったと
思ったのでありました
考えてみると、居合は抜き打ちの早さで
敵が抜く寸出のところを斬るのがよいらしいのだから
既に抜いて、なお、上段に整っている相手には
分が悪いんだなと、考えたら当たり前のことも学びました
それでも居合はかっこいいけどなぁ

というわけで、いよいよ今週最終回
勘解由との戦い、柳生ニ刀のおでましであります

功名が辻 信玄の影

2006-03-27 08:47:40 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ功名が辻
信長包囲網完成から崩壊まででありました

政治的な部分も面白かったですが
やっぱり、六平太vs一豊
ここが1番の見所だったでしょうか

殺陣といったらいいのか、喧嘩といったらいいのか
いや、喧嘩の殺陣だといえばいいのか
そんな具合で、白熱の戦い
どちらも実にかっこよくて
六平太の身のこなしの鋭さ、それを渾身の力で跳ね返す一豊
またセリフもいちいちかっこいい
「山内一豊、山内一豊、山内一豊!三度目だ」
このセリフのかっこよさは異常であります
あんなもんが暗がりから出てきたというか
うずくまっていた年寄りかと思うと
怖い話だと移入できましたがなかなか

小りんもぼちぼち活躍しておりますが
それはそれ
このドラマは、なにげにと言うまでもなく
六平太と一豊が主人公じゃねぇかと思うくらいでありました
ステキすぎる

で、政治のほうについては
信長がまたかっこいいなしかし、義昭の失脚ぶりも
すばらしいものでありましたが、なかなかどうして
信玄におびえる様がすげぇよく出ててステキでした
ちょっとおしかったのは、その強い武田と戦った
家康の姿がなかったことでしょうか
漏らしながら逃げ帰ったというあの逸話は
是非やって欲しかったのだが、それやると
もう功名が辻ではなくなるからいけないのかしら、いまさら

思ったりしつつ
明智のクローズアップもステキなところ
ここ数話で、秀吉と対比させることで
実にうまいこと売りこまれている感じが出ておりますが
ここから畿内統一、反乱まで楽しみが増え続けるのであります
そろそろ秀吉話が増えるだろうから
利休とか出てこないかとも思いつつ

やっぱり戦国時代ものは面白いなと
せつせつ思うところであります

満員電車論

2006-03-24 13:09:27 | 雑感
今朝、関西に来て2度目くらいの
大ラッシュに巻きこまれました、ステキ

まだ名古屋に居た頃はしょっちゅう
朝の地下鉄ラッシュに巻きこまれて過ごしておったですが
こちらに来てからはずいぶん久しいこと
あまり混んでいない路線と、混んでいる時間帯を避けての通勤なので
よしなに過ごしておったんですが
久しぶりに強烈でありました

わたくし駅に到着した時点で
まずホームに到達できないという大惨事
どうも、事故があったらしく既に一時間前から
電車が運休といった状況で、いやんばかんやめてん
これは尋常ではないと戦慄したのでありますが
やってくる電車もことごとくすし詰め
というか、上から見ていると妙な揺れ方をしている
絶対定員オーバーやんけ
そう想いながらも、サラリーマン達は会社へと向かわなくてはならず
先を争ってその電車に乗りこもうと努力というか吶喊

わたくし、既に3本はあきらめるべきだなと
静観しておったのですが
少しずつ減ってはまた補給される客達の流れを見ながら
怒号と発車ベルの鳴り響く駅内はカオス状態
サラリーマン達は、皆同じ顔をしているというのが
とても無機質で印象的、おお、これが日本の現状なのだと
思ったかどうかはともかく
疲れた大人達の子供みたいな攻防戦が面白かったのであります

見ておりますと
やはりなんとしても行かなくてはならない人が
どうしてもいるらしく、怒号をというか静かなる怒りが(このあたりが大人)
もう1歩ずつ詰めてください!
まるで駅員のようなセリフだと感心したのですが
そのむなしい声が電車の中に向けられるが当然のように
微動だにしない群衆、それに怒りをこめて、さらに冷たい口調で響く
もう1歩ずつ詰めてください!
この圧倒的な無力感とやるせない感情はなんだろうか
思ったりしつつ、電車の窓から見える中では
知らない顔をきめこんだ人々が一心不乱にケータイに視線を落としているのが
ああ、これが日本の現状(もういい)

ともあれ、そんなことをしつつ何本もの電車が行き過ぎ
わたくしもそろそろと乗りこみました
言うても、まだ相当混んでいたのでありますが
30分も待てば順番で、ホームギリギリまで近づけるのであります

で、そのホームギリギリなのだが
乗り過ごした電車の時に、乗れなかった人々が
いわゆる、白線の外側に溢れておるのだが
これはなんというか、次の電車来たら死人が出るんじゃないか?
思うくらいの接近というか、崖(注:ホーム際)に立ち並んでおります
しかし、情け容赦を知らないJR西日本、すげぇスピードで
駅に突入してきます、当然、離れていく電車も
すげぇスピードで出ていったんだが、またそんな殺伐というか
ちょっと尋常ではない状況でも対応してしまう人間というか大人達
ああ、サラリーマンはすげぇ
日本のサラリーマンの忍耐力は、他国のそれを
3倍ほどしのぐと常々思っていたのだがほぼ間違いないだろうと
この優秀な飼われた人々を見て思ったのであります(注:俺含む)

話がそれましたが、ともかく
そんな状況でようやく自分の番がやってきていざ乗り込む
まず、先に下りる人が突撃してくるのだが
ここで、乗る側の先頭にいると
彼らと攻防をしなくてはならない
ここで、わたくし戦場を体験するのであります

一言で表すところの「やめろ押すなバカ」

後ろからくる味方(注:ある意味敵)に押されて、敵前に無理やり押し付けられ
そこと衝突、そして衝突してる間に私の脇から後続が
怒涛のごとく流れ込んでくる、ああ、まずい
こんな手前の方で止まってしまったら
また次の駅で無理やり下ろされてしまう
焦るわたくし、目の前でわたしにひっかかってしまったため
その後続連中に連れ去られるようにまた、下りようとした人が
引きずり戻されていく、ああ、可哀想に
その戻されていく人の悲痛な顔がステキ
誰か助けてください!
言わないまでも、サクちゃんのように叫ぶ声が聞こえてきます
哀れ、その後青年が降りれたのかはわかりません
私は、突撃を続けなんとか電車の奥まで入ったのでありました

その後、私の後続で、激しい攻防があった様子ですが
もはや、振りかえることすらできない混雑状況
わたくし真性のMなので、どんとこいな状況でありますが
流石に腰あたりに押しつけられたカバンが刺さって痛い
バカ、てめぇこういうときはカバンとか避けるもんだろう
ようやく動き出す電車のスローリーな具合が
戦闘の激しさを物語るようでありましたが、流れていく景色
まだ残っているホームの人々の表情
ステキな朝だわと、涙を禁じえないような感覚に襲われつつ
電車は次の駅へと向かうのであります

今度は移動する車内の攻防であります
ここでは自分がより確かな姿勢を保てるかどうか
そのスペースを確保するため、少しでも楽な姿勢で
フリーズするまでの戦いです
当然、周り全員がそう思っているので肩肘はってぶつかりあい
負けた方が罰ゲームのような格好で次の駅まで耐えないといけない
いや、勝ったほうがでるならいい、場合によってはどっちもしんどい
妥協という言葉は不快しか与えないという
人生の真理のひとつをここに知ることとなります
わたくし、既に戦闘本能が欠落していることと
力を抜いていると意外とよい結果に陥るという
流れるままに身を任せる戦法を経験上習得しておりますので
いかに、仕方なく他人にもたれかかるか、そんなことを考えつつ
ちゃっかり隣のおっさんによっかかって過ごしたのでありました
おっさんがみるみる赤らんでいくのがよくわかる
そんなにひっつかれて嬉しいかおっさん(違う)
我ながら酷いと思いつつも反省など戦場では無意味

かくして次の駅に到着したのでありました

わずか5分程度の休息のあと
次の戦いが幕を上げます
今度は、この駅で降りないといけない人が
俺よりも奥にいる場合であります
彼らも必死なので、まさに岩を砕いて先を目指した
ハンニバルの敢行軍の如く、奥から人がやってきます
ここでこの圧力に負けて少しでも引き下がったら最後
入り口付近で、また壁際の攻防戦を繰り広げなくては
ならなくなってしまうのだ
ここでのポイントは敵のために流しやすい方向を作ること
敵の目的は我々の殲滅ではなく、電車から下りることなのだ
だが、戦場では時折狂気こそが正義となる瞬間がある
彼らは降りるためなら、多少の犠牲はやむをえない
その犠牲を我々に強いてくるのだ
ここに屈服しては、大変なことになる
かつて、言いなりになったまま大成したものが居ただろうか
大坂城の外堀を埋めることを許した淀殿はどうなったか
わずかな妥協や、相手のわがままを許すことで身を滅ぼす事例は
枚挙に暇がないのであります(事例が間違っている)
ともあれ、彼らが我々を盾にして前へと進めば
道が開けると利用してくる、これをかわすためには一手
自分以外の盾役を与えてやればよい一瞬のひらめきが
行動を左右する、この短い時間だからこそ相手が
より流れやすい方向を作ってやるのがよいのだ
そしてなおかつ、敵が居た場所をわたしがのっとる必要があります

とりあえず敵が向かってくる、当然私にどけと言うばかりの視線
だが、どけるスペースはない、ならばと敵は私ごと押して出ようとする
ここで体勢が不利なため、ずるずる押されてしまう私だが
私は広い視野でもうひとつの動きを関知している
もう一方、別の方向から別の敵がやってくるのだ、
ここで初めて抵抗をする、少し押されることで自分の体勢を立て直し
踏ん張りがきくようになったら、この二方向の敵を
自分の横で激突させるのだ、ここで間違っていけないのは
自分の前ではいけない、自分の前では戦場が拡大した際に
巻きこまれる、挙句、二つの敵により押し出されることがある
敵同士を結びつけてはいけない、戦場では利害が一致することほど
共闘の意識が強まる事例はない、共闘を阻止し
この二つを激突させるのだ

今回はじつにうまいことこの二つがぶつかった
そしてどちらも前に出たがっている
どうやら、両者揃ってこいつより先に出ないとまずい
判断した様子だ、時間の経過に伴い
そういった強迫観念が彼らを支配していく
そしてその隙に、もっちゃりしている間に
片方が居たスペースが空いてくる、そこへ流れ込む私
完璧である、これが世に言う二虎競食の計である(違う)

実際はスペースがあくというよりも
私が無理やり、スペースを交換させたのだ
横に向かいつつあった敵の後方へ強引に身体を割りこませると
自然、相手は私の居た場所(前)に出られると思って移動
これで交換が完了する
その後はどうとでもなればいい、私はすぐに自分の場所を確保
陣地を得ればそこを治むるは必定
君主論にも孫子にも書かれたことであります

で、1度目の降車攻防をそつなくこなし
わたくし、また身を任せていたのでありますが
第2回の移動間争いにおいて、予期せぬ事態に見まわれます

なぜこのようなところにおるのだ

戦場にて武将がつぶやくセリフの上位50位に食いこめるであろう
予期せぬ来客へのはなむけ(違う)
目の前に女子高生がつぶされかけている
ここでわたしの脳裏に二つの危機が想定される
ひとつにこの小娘が苦しむところ
まわりはおっさんばかり、あきらかに湿気とおっさん臭が酷い
彼女にとってそこは地獄であろう、そして
その地獄の一端をわたしが担ってしまうのだ、勘弁してくれ
もうひとつに、痴漢と間違えられる
重要である、この身動きとれない状態
ヘタな格好でフリーズ状態に陥ってしまえば、気まずいだけでなく
小娘に生涯癒える事のない傷を負わせることになってしまう(言いすぎ)
しかも個人的嗜好から小娘にまったくそういう気分にならないのに
冤罪(まさに)をふっかけられた日には、私も深い傷を背負うことになる
これはいけない、これはまずい

が、しかしわたくし結局最悪の事態に陥る
正面でぶつかりあった上に小娘をつぶしている
そんなバカな
かつてチェーザレボルジアが教皇を選ぶ際に犯した
もっともいけない方法とおなじことをしたのだ
どちらの危機も避けられることができないなら
せめてどちらかだけでも避けるべきだったのだ
だのに

と後悔先に立たず、すげぇ気まずいまま
小娘はわたくしの正面で苦しそうにうつむくのである
しかもよくよく見ると手に包帯してるじゃないか
なぜ手負いの身で女身柄でこのような場所に
思うものの仕方なく、せめてものの抵抗として
小娘に体重をあずけないように
少々無理な体勢ながら、背中側のやや頭が寒そうなおじさまに向け
全体重をのしかけておいてみる、しかし雀の涙であります
ここで、体重をかけないようにしてくれるとか小娘理解して
わたくしに深い礼を述べるわけも、もしかしたら
ステキな関係に、そう出会いは満員電車でした的な何かとか
降ってわくわけもなく、
ああ、自分のブサイクさを呪うばかり(それも問題だが、本質が違う)

で、気まずいままもなんとか進み
次の駅に
そしてあろうことか、小娘が降りたがっている
冗談ではない、こんなところでもがくな、塞ぎたくて
塞いでおるわけではないわ
思うが伝わるわけもなく、なんとかしようと小さな身体を
もじもじとさせる小娘、仕方ない
ここでわたくしも策を講じるのであります

右に向かって押されたふりをして強引に身体をもっていく
ちょうど乗り降りの最中なので身動きがとれる
その体重を受けて右にいたおっさんは
わたしの圧力から逃れるため後退する
するとそのわずかにできた隙間にむかって
外から速くも入ってきた客が流れ込む、この客は勢いがある
そのまま、私と右側の人の間をさらに奥へと進む
ここだと、その背後にわたくしが入る
スペースがあいたところにまた別の外からの客が入る
外の客が入ったことで、扉側から押し出される人間が増えた
その隙間に小娘がもぐりこんで出ていった
入り口付近までいけば一人でもおろしたほうが
楽になると小娘の道が開く無事脱出
外からの客によってできる背後のスペースへ別の勢力を向けさせる
荀文若の策「駆虎呑狼の計」であります(だから違うよ)

と、そんなことに苦労しながら
いよいよわたくし降りる駅についたのでありますが
ここもまた戦場、先を行く人々が
傾れを打って駆けあがっていく、戦場で1番槍は
最高の武功でもありますが、その分リスクが高い
ここは少しやりすごしてから、やがて颯爽と上がる
そして最後の問題であります

これだけ数多い人間が移動するさなか、いかにして
改札口で手間取らないか、皆様知ってのとおり
朝の改札口は、ミスで止められる愚か者が多く
そのたびにその後続の流れがぴたりととまり
その溢れた人々によって、他の流れまで乱れる
ここは最速でつまづく人間のいないところに並ぶ必要がある

わたくしここは毎日の観察でなんとなくわかりました
ひとつ、あと三人くらいでのところなのにまだ手に定期がない人間
ひとつ、ロングコートのおっさん
ひとつ、ぶりぶり先を急ぎがちなおばさん
これらの後ろにいると、往々にしてひっかかる
しかも二つ前くらいでひっかかってくれれば
すぐに回避して隣のレーンに移動できるが
目の前でやられた日には後戻りもできないこととなる
わたくし詰まらないために、ICカード定期は絶対に持たないと
心にきめており、というか名古屋で使えないから
買うメリットがない(言いすぎ)のでありますが
すばやくつっこめるように、また
数少ない同士を探してその後ろにつく
そして運命の瞬間、わたくしの前の同士はスムースに
そして隣のレーンのICカード野郎が

ガゴッ

わたくし振りかえることなく、その場を後にしたのであります
彼がどうなったのかはわからない
わからないけども、戦場でのミスは命取りとなるのが自明の理
願わくば、彼の前途(改札)が開けますように
想い思いつつ、本日の朝、一時間の遅れをもって
出社したのでありましたとさ

長い割りにボケきれておりませんが
まぁ、二策のことが言いたかっただけであります
長々御愛読ありがとうございました

GORDON'S GIN

2006-03-23 08:40:53 | 食べ物飲み物
久しぶりに酒レビウであります

ウォツカを愛飲しておるのでありますが
目新しいウォツカの銘柄が見つけられなかったので
ここは新規開拓をしてみようと
4代スピリッツの一角、ジンに手を出してみました

しかも、超定番のイギリスドライジン

ちょっと調べてみますと、本場はオランダなのだそうですが
今後暇を見て他のジンを探そうと思うところ
さておき、今回選んだ、GORDON'Sの感想でありますが

初めて飲んだのに覚えがある・・・

別に郷愁に胸打つとか、そういう類の感動ではなく
飲み会とかでジンなんとかと、ジンの入ってるカクテル頼んだら
必ず覚えている、なんともいえない香り
これがとんでもなく強いのであります

製法を詳しく調べてないので早計ではあるのですけども
ウォツカと基本は一緒で、1点、この独特の香りだけ
違うような具合
まぁ、いける、いや、かなりいける
そんな具合で、飲んでいる最中はそんなに酔わないのですが
翌日ヘビーに残る、アルコールではない、ジン臭さ
これが、杜松の実というのだそうですが
この香り付けがポイントらしい

と、まぁ、どこにでも書いてあるような
何一つ面白くないレビウになってしまうのでありますが
このジンを飲んだ、わたくしの第一声が
あれ?このあいだ飲んだウォッカライムと同じ匂いがする
だったのでありまして、つまるところ
居酒屋でウォツカライムと偽って、ジンライムを飲まされていた疑いが
あるのでありますが、多分、居酒屋では
しょっちゅうこういうことがあるんだろうなとうすらぼんやり
杜松の実の香りをライムの香りと間違えていて
ああ、だから、自宅でウォツカライム(純正)を作ったとき
安居酒屋とは違うぜと思ったわけであります
そりゃそうだ、ウォツカじゃなくてジン入ってたんだものな・・・

物を知らないということはせつせつ
毎日恥じをたらすことなのだわと、改めて思った次第
しかし、このドライジンについては
ウォツカと並ぶ、むしろ、越えるほどの
すばらしい低価格がすばらしい
もう燃料として、これほど安価で楽しめるものは
そうそうないだろうと、やっぱオランダやロシアなんつー
もう、飲まなきゃやってられねぇとかそういう国では
作るものが違うなぁと、思うのであります
一杯800円の焼酎も決して嫌いじゃないですけどね
バカみたいに飲むときは、洋酒というか
この手のスピリッツに限りますです

と、まぁ、そんな具合で
今週のビックコミックスピリッツの美味しんぼにて
芋焼酎のすばらしい話をやっておって
これは買って、けんさんに送るべきじゃないかと
個人的に思ったくらいでありますが
それはそれ、酒は薀蓄で飲むものではないのよと
全てが台無しになる一言でしめておきます

ジン、香りが鼻ではなくて喉と舌に残る感じの
悪酔いするお酒でありますよ

柳生十兵衛七番勝負 第四話

2006-03-22 08:45:33 | ドラマ映画テレビ感想
結局毎週レビウになってしまっておりますが
さておき、話は着々と進んでおります

表向きはとある藩における
お家騒動に相違ないのですが、
そのお家騒動になんとか待ったをかけたい十兵衛に
無常の知らせとか、なんだ
そんなことはどうでもいいや

巌流 対 柳生

なにげに面白い勝負だと
にやにやして見ておったのでありますが
元来、巌流という流儀が長刀を用いるものなのか
私勉強不足でわからんのですが
それはそれとして、長刀を鉄扇ではじく十兵衛の
かっこいいことかっこいいこと

このドラマ、というか、ここ数話
あの腰に差した黒い鉄扇が大活躍ではないかと
芹沢鴨以来の感動であります
あの時代にはお武家さんはみんな使ってたんだろうかえ
俺も欲しい

ともあれ、切りたくない十兵衛が
刀を抜かず、長刀をいなすために鉄扇を使う
また、あの鉄扇を構えながらも
腰の落とし方、足の運び方
これが剣の時のそれと一緒でかっこいい
巌流の長さと対比したのか、鉄扇の短さ
しかし短いながらも、隙がない感じが出ててあーた・・・

やはり村上先生はすげぇんだなと
改めて感じ入ってしまった次第であります
なんだろうね、あの鉄扇の似合いっぷりは本当
佐藤浩一が1番だと思ってましたが、いやはや
村上先生もなかなか
どうせなら同心の時にも使って欲しいわいと
思ったりもするのでありますが、それは余談

さて、巌流につきましては
長い刀を器用に降りまわされる様が素直にすげぇなと
感心しましたが、もうひとつ剣としての恐ろしさは
感じられなかったのが残念でありました
いや、あれで切られたらとんでもねぇだろうし
十兵衛があれだけ間合い外してんだから
相当だろうとは思うのです
しかしな、なんだろうかやっぱり時代劇の殺陣においては
長いとかいう効果よりも、速いという効果の方が
かっこいいのかなと思うところです

実際のところ、本気で抜いた居合とかそういう剣速は
テレビカメラじゃ追いきれないらしいので
時代劇の時は、ゆっくり抜かせているという話らしいが
今作品でもっとも多い、横様に切り抜ける具合が
スピードを感じさせてステキと思うのですが
今回もそれでフィニッシュ

巌流の長さの間合いを消して
踏み込んだところから、とうとう一撃
そして振り向いてから切り落とす
やばい夢にまで見た時代劇の殺陣だわ

個人的に大好きな、横なぎですれ違った後
刀は横から上への軌道を描いて
振り向いたところ、相手がまた最後の一撃を繰ろうとする刹那に
正面から一刀両断
横なぎの後から身体が流れるようにこの一撃に伝わるのが
ガキの頃から大好きなフィニッシュモーションであります
それが見事に、巌流の長さが死んだ瞬間にそれが決まるのも
またかっこいいなと惚れ惚れしました

眼福眼福と一人納得しつつ
ちゃくちゃくと悪巧みは進行しているし
面白いわねと、話の本筋も楽しみつつ
次回は、いよいよ、本放送の時に惚れた
居合の段であります
もう1度見て、感動しよう、夢にまで見る
左抜きが楽しみ

剣速に対して、左抜きという一手
多分、脚本の人も作者の人も
いやそんなこと考えてこのモーション入れてねぇよとか
言われてしまいそうですが、いいのだ
私が思うだけで楽しい
それが正しいとかじゃなくて、ともかく
楽しいからいいのだと

なんだかわけわからないお話ですが、これまで

功名が辻 仏法の敵

2006-03-20 08:44:00 | NHK大河ドラマ感想
いやー、今回面白かった

そんなおっさんみたいな感想を抱くくらい
かなり面白かったと思われるのであります
NHK大河ドラマ功名が辻
叡山焼き討ちの巻でありました

だんだんと、神々しさというか
迫力をまとってきたというか
役者に年齢が追いついてきたというか
信長が俄然かっこよくて仕方ありません
今回は、本当、わたくしの少ない経験の中でも
随一の、いさめるキンカンと怒る殿でありました
ステキすぎる

某所で、歌舞伎界のプリンスをヤンキー上がりが蹴倒したとか
酷い話になってましたが、それはそれ
あの蹴りの後、回転しながら投げ捨てるあたり
そしてあの台詞回し、あれはすげぇ
今回のドラマの中でも、おそらく屈指の名シーンになるんじゃないか
そんな具合でありました、っつうか楽しい
面白いぜ、功名が辻

そんなところばかりではなく
今回は、見所たっぷりで本当
名場面というか、かっこいいところ多すぎるのだが
秀吉の表裏についても、また、秀吉が
叡山では敢えて全てのことを守らずを通した傍ら
反対した光秀が容赦なく過ごしたところ
その褒賞の差
このあたりからして、信長の卓越した何かが
感じ取れたのでありますが
何が凄いって、今回合戦にはせ参じた武将全てが
やるせないという気分を
これでもかと、視聴者側に伝えてくれたのがよかった
なんか、こっちまで、やるせねぇ・・・とかいう気分になるような
そういう表情と態度
ステキ、ステキすぎる
また、それによって、信長だけが違うというところも
浮き掘りというか、よく出ていたのがまたもう、たまらん

あれこれと、戦のありかたや
それぞれの人物の考えかたが出てきたのが
ステキすぎるのでありました

このまま、こういう調子で
どんどんやってほしいなぁと、なんか
一豊の話というよりは、信長の話みたくなってますが
それはそれ、その後秀吉、家康と見ていく
一豊という生き方を描いて欲しいと
せつせつ願うところであります

1点、気になったことがあるのでありますが

今回、夏の戦のおり、セミのアップがあったと思うのですが
あのセミが、ミンミンゼミだったよな?
詳しく分布とか歴史を私裏とっていないのでわからないのですが
ミンミンゼミがあの時代に、大津にいたのか?
さらに
ミンミンゼミの姿だったのに、BGMは
アブラゼミのそれじゃなかったか?
と、まったくどうでもいいところに
すげぇ気を取られておったのですが
どうなんだろう、なんかとてつもなく気になるのでありますが
それを言い出すと、とまっていた桜がどう見ても染井吉野で
あれ撮影したの多分関東なんだろうなとか
まったくもう、ああ、俺台無し

と、思ったりしながら
関係のないことに気を取られずに視聴したいと
思うこのごろであります
しかし、面白い、そしてこりんの
なんというか、サドっぷりがステキだわねと
思うのでした

来週はわたくし大好きな具合の殺陣がある様子だし
あの、脇差か匕首を抜いて、下段をかわす一豊
あれを見るために来週絶対見逃さないと誓ったのでありました

いかん、面白すぎるよ大河ドラマ

柳生十兵衛七番勝負 第3話

2006-03-16 08:49:17 | ドラマ映画テレビ感想
副題失念であります

で、ビデヲに録画しておいてまで見たのでありますが
ああ、ダンカンだ、ダンカンが出てるわ
一時期ダンカンとベンガルの区別がついていなかった時期が
わたくしあったのでありますが
それはそれ、ダンカンの体当たりな感じがステキでありました

さて、話としてはありていな具合でしたが
やはり映像的な試みが面白いというか
暗がりでの剣戟ってのも面白いんだなと
思わずぐっと見つめてしまいました
無拍子については、いまさらではありますが
なかなかどうして、新陰流にとって優れた技法のひとつなんでそう
前回の予告で「よくぞこの技を隠してきた」だとかなんとか
村上さんが言う場面が出ていて
ダンカンじゃなくて、忍の甥っ子の方がてっきり
敵と通じてんだと思ってたんだが
いやはや

今回は突きにこだわった殺陣だった様子で
ダンカンの殺陣がよいかどうかはわからんが
平突きを見せていたのは意外でありました
ステキ、それをかわす十兵衛もステキ
隻眼でそれは無理だろうと
ちょっと思わないでもありませんが
するりとかわしてから、暗がりで一閃
かっこいい
あの抜いて、すれ違いざまに斬りぬけるという画面
あれについて、毎回毎回
並々ならぬ想いをこの作品はぶつけてくれます
あんなにすれ違いに力入れてる作品はあんまり無いというか
おいらが見たことないだけかもだけどすばらしい

戸田先生の方も、すばらしい殺陣で
柳生でもかなりの使い手である男をあっさり
切り殺してしまうあたりもすげぇな
役者が揃ってきたわと
今後にとても期待ができるのであります

個人的にステキと思ったのは
あまり本筋と関係がないが
男の生き様としてひとつ、武芸者の本懐について
あれこれと語られていたのも興味深かった
もっとそこに対して十兵衛がどう思ってるかとか
入ったらステキ
あくまで為政者ではなく、剣客としての十兵衛が見たいとか
もう、俺十兵衛像を押しつけてしまいたくなるのでありました

今週も楽しみであります

輸入禁止

2006-03-15 08:47:11 | 雑感
フォアグラが輸入禁止になってしまいましたね

ちょっと前のことでしたが
かなりショックでありました
これで、世界三大珍味である
キャビア、フォアグラ、ちりめんじゃこの三点のうち
二つまでもが食べられなくなるとは・・・
というわけで、その二大珍味についてであります

わたくし、食にも暮らしにも衣装にすらお金をかけず
ただ、ぐへへお金お金、とお金に囲まれることを
最上の喜びとしている暗い青春を送っておるのですが
そんな私でも、なんか本物嗜好というのがありまして
何かを嗜むなら、1度はその最上に近いどれかを
味わっておきたいと思うのであります

先日来、ロシアづいていたというか
多分、俺はロシア人の血が流れてるんだ
信じてやまないのでありますが(父方が石川県なのでなんとかならんだろうか)
もう、チェーホフとブルガーコフを愛でながら
ウォツカ傾けて、冷たい水とともに
キャビアをたしなむ

これがしたい、とてもしたい、すげぇしたい
先日読んだ巨匠とマルガリータにも登場してましたが
ロシアというかウォツカにはキャビアが
すげぇあう気がする、やったことないから
わかんねぇけども、きっとそうだろう
クラッカーに載せるのが適当なのか
パンに載せるのが適当なのかはわかりませんが
ともかく、そうやって極上と呼ばれるものを
嗜んでみてぇと、そんな気分がマックスになりました

で、現在、上記の通り守銭奴とののしられながら
今日まで社会人を続けておりますので
多分、キャビアくらいなんとかなるだろうと
へこへこ調べてみたのでありますが、驚いたことに

キャビア捕獲禁止

禁止というか規制だった気がしますが
おいらにとっては同じことであります
最高級だと噂の、ほら、大使閣下の料理人でもやってた
イラン産キャビアが、すっかり禁止になっておりました
そんなバカな、そしてまた分が悪いことに
その見つけたキャビア専門サイトにて
レモンとかで割るのは安いキャビアを嗜む方法です
みたいなことが書いてあって、さらに驚き
あぶねー、そんな風に食べるもんだと思ってた俺
と、そんなもん読んでしまったが故に
5000円で手を打とうと思ってたキャビアは
さらなる遠くへと、ああ、なんだよ一口3万とかじゃねぇかおい
しかも手に入らないってことは5万はくだらねぇんじゃねぇのか
なんで食い物に(注:根っからの貧乏人)

とまぁ、本物を味わいたいとか
一人前のことをぬかしつつ、本当の本物を目の前にすると
気圧されてしまったのでありますが
ともかく、キャビアが禁止で手に入らなくなったのでありました
ああ、これでウォツカを嗜む優れた嗜好品がなくなった
天を仰いでしまいましたが、仕方ないからと
ワインにフォアグラでもと思っていた矢先
フォアグラ輸入禁止、ガッデム、ジーザス、悪魔のみぞ知るだ(使い方違う)

かくして世界の珍味をわたしは失い
さらに、ペルツォフカの輸入再開のめどは当然立っておらず
ぼんやりと、ウクライナ産の蜂蜜ウォツカになびいてしまおうかと
考えたりしているこのごろでありました

高い食べ物ってのを、家で
映画の向こう側みたく楽しみたい
そう思うのです、例えば、朝
卵をスプーンで割って掬って食べるとか、そういうのね

思いつつも、紅茶とかも嗜みたいものだと
せつせつ願ったりする、煩悩にまみれたこのごろであります
上流の気分くらい味わいたいものです

死んだふり虫

2006-03-14 08:55:46 | 昆虫学
Yahooニュースにちらりと掲載されておりましたが
先般、動物生態学会で、死んだふりをする虫が
長生きするとかいう論文が発表されたそうであります

内容見てみると、まぁ個体選別して
死んだふりしたがりと
そうでもないほうとに分けて
天敵と一緒にして、どっちの生存確率が高いかという
そんな実験だったそうで
実験頭数を見たら、15分間を14回とか
おまえそれ、卒論にもならねぇ実験じゃね?と
個人的に思ったのですがどうなのかしら

もっともこの実験のキモは、実験そのものよりも
多分個体選抜に十代かけて、気の遠くなるような選抜試験を
行いまくったのかしらとちょっとだけ思いましたが
それもなんだかよくわかりません
なんとなく複合要因で、その選抜方法により
別の要因が検出されてんじゃねぇかと
だんだん疑い出したらきりがないのでありますが

とまれ、その結果を見てますと
どうやら死んだふりするほうが長生きするそうで
それも一理というか、かなりありそうな話だなと思うところ
わたくしも、生態学研究のはしくれの先端あたりで
へらへらしていただけありまして(注:別に偉くない)
そのなんといいますか、昆虫の生態については
プログラム理論とか言う(注:俺命名)
ステキなことを思い出してしまいます

奴らは、神経球と呼ばれる脳みそのかわりにある
神経の束が、まぁ、脳みそのかわりをしておるのでありますが
そこから一定の指令が出てそれを行動にうつすと
そういう単純な行き様をしております
プログラム理論というのは、ある反応を目の前にすると
その時に走らせないといけないプログラムを
もう何があってもひとつのスイッチで行うという
優れているのかそうでもないのか
判りやすく言うと、格闘ゲームの必殺技みたいなもので
波動拳出そうとしたら、誤って昇竜拳が出たみたいな(注:違う)
そういうものであります

一定のスイッチみたいなものが
どういう基準でやってくるのかわかりゃしないんですが
わたくしが扱っていた虫は確かに
その虫とよく似た何かを見つけると間合いをはかって捕獲捕食と
そんな具合だったのですが、そいつら、死骸でも
脱皮ガラでも無作為にその行動をおこしておりました
とか、なんだ

結局何が言いたかったか全然わかんなくなりましたが
とりあえず、実験の際、捕食する側の何かと
天敵方で、どれだけが動いている相手に興味を持つ回路を持つか
そんなことを調べたらいいんじゃない?(注:何度も言うが偉くない)
と上からの物言いを覚えたのでありましたとさ
いけませんね
今回のボケどころが、昇竜拳のあたりということがまた
しょっぱいね

せつせつ

功名が辻 戦場に消えた夫

2006-03-13 08:47:25 | NHK大河ドラマ感想
今週もステキに放映
かつてここまで所帯じみた大河ドラマがあったろうか
そんなことを歴の浅いわたくしは
思ってしまうわけでありますが
功名が辻 夫婦喧嘩の巻であります

双方の言い分というか
一豊の気持ちがわからんのだが
それはそれとして、この1話で
やっぱりヨメちゃんのこと大好きなのねと
そんなことは伝わった気がします
ことあるごとに、吉兵衛やら新右衛門やら秀吉やらが
ヨメのことばかりと、よってたかって言ってましたが
実際そんな場面がなく不自然だと思っておりましたが
今回の件で、確かにそうだわねと
説得力もつようになってしまいましたわさ

あそこまでおたおたする旦那様も
かわいらしい気がするが
男としてはちと情けないと
当時なら考えるところであろうが、それはそれ
平成版なのでよしなに過ごすとして

今回のでうらなり瓢箪様が
さばさばとまた、人たらしでありながら
さっさと一豊を切った感じが出ててよかった
あのあと同僚達のかわいがっていたに関しては
あくまで護衛としてということが
彼ら二人(中村は気づいてる気がするけども)には言わず
というか知られずであったのだなとわかったうえで
役が終わればさっさと斬る的なところも見られ
今後、いや、先の結果につながる
すばらしい伏線になったんじゃねぇかと思うところ
今後の関係が楽しみであります

で、合戦風景ですが、おいら1度借りて読んだだけなので
覚えてないんだが、一豊が溺れるところが
どの戦だったか定かでないけど、その戦で
新右衛門か吉兵衛か、どっちかが死んだ気がするんだが
はてさてどうだったか
ひょっとしてどさくさで死ぬのかとか
今回の件でちょっと驚いたのでありますが
いや、とりあえず死ななくてよかった
千代が怒ったからってみんなが死んだみたいな話になっては
さすがに重すぎる、危うい
そんな具合ではらはらでしたがみんな元気でよかったです

次回はいよいよ、大変なことになる様子でありますが
キンカンが怒鳴られるシーンとか見所たっぷりの模様
功名が辻自体がそんなにエピソードがある話でもないだろうから
信長時代が6月くらいまで続かないかと
願いつつ、今後を楽しみにしていきますとさ

また小りんが出るのね、変な名前ってところの
泣き喚く千代が、実際泣けてなかったのは
ちょっと残念ですが、流石にあの場面で
あの内容と言いざまで泣くのは無理だよなと思ったのであります

芋焼酎三昧紀

2006-03-09 08:52:09 | 食べ物飲み物
友人であり、重度の焼酎ドランカー(注:酔っ払い)でもある
けんさんにつれられて、先日、焼酎を飲みにいってきました
その時に飲んだ焼酎の感想でもここに

いっぱい目「山猫」
「百年の孤独」を作っている酒造の芋焼酎
実家で飼ってたネコが急逝したので、その弔いに名前だけで選んだので
ありますが、寒かったのでお湯割で飲みました
どうってこたぁない焼酎で、お湯割にしたせいか
思った以上にアルコール臭がきつくなり、あまり
お湯割にはあわないなという印象
それでも、するする飲めるので癖も無いので飲みやすい
多分、焼酎好きには好まれないのではなかろうか

というわけで、ただ私の目の前にボトルがあったので
頼んでみただけで、今思えば
ヘビードランカー(注:酔っ払い)のけんさんおすすめを
飲んでおくべきだったとか思うのだが、次

にはい目「宝山芋麹全量」
多分これだと思う
途中で泥酔というか、眠りに落ちていたせいで
全然銘柄に自信がないのだが、ともかく
宝山シリーズの聞きなれない芋だった
けんさんお奨めの一杯で、ロックでおいしくいただいたのでありますが

口の中に落とし込むと、ざらめを溶かした水のような
形ある細かい砂状の何かが舌の上を滑ってくような感触があった
ざらめと表現しましたが、別に甘いわけではなく、そんな
ドロリではない、ざらりとかさらりという具合の飲みごこち
ちなみに粒状のものは当然入ってないし、炭酸でもない
俺の舌がおかしいだけなんだろうが気にしないで
覚えてない中で鮮明に、それと、そのあと登ってくる
独特の香りだけは覚えているのであります
芋臭いといったらよいのか、飲んだ後に鼻とのどの間あたりに
とっぷりとたまるフレーバーが嫌味でもなく
また異臭でもなく、沈殿するような具合でありました

けんさん曰く、芋の香りの良さが抜群なんですよ
などと言っていたのだが、なるほど確かにそうなんだろう
既に脳が酩酊状態に陥っていたわたくしには
けんさんの細い目が、さらに細くなっていたことしか
わからなかったのだけども、渾身の一滴でありました

ロックで飲んだので、当然アルコール臭が登ることもなかったのですが
意外と強かったのか、よくわからんけども
一緒に食べた鳥料理とほどよくあってよかったのです

さんばい目「宝山白豊」
で、今度はあっさり系という具合で、またまた、
けんさんお奨めの西酒造の名品
どうやら宝山三姉妹(俺命名)というのがあるらしく
それのひとつに数えられるのだそうで
他の芋臭が強いものに比べると、格段にそれが洗練されて
すっきりと飲みやすく、まさに「白い」という印象
と、けんさんが言っていた(受け売りかよ)

これもロックで頂いたのでありますが、
確かに言われるとおり、白い印象で、
芋臭さが極端に少なく、ロックだからというではなく
冷たいという印象があった
良く冷えたとろみのある水という具合で
口に含んで熱を帯びると、ようやく微かな香りを放つような
そんな感じ、でも、いつまでも冷たい液体(形而上)
アルコール特有の飲んだ後に、口全体に
ぼんやりとその名残が残るという現象が
一枚の冷たい膜みたくなって、嫌味なところが無かった
その味は残るがねっとりするようなのではなく
言葉ならすっきり、それが適当な印象

ただ、それだけに飲みやすく
これを飲んだ後、わたくし前後不覚に陥った
おかしい、いいちこやGREENあたりなら
一本あけても翌日までは平気なのに(一緒にするな)

そんな3杯を楽しんで参りました
焼酎は飲みつけないので、どこを誉めたらよいのか
全然わからんのでありますが、とりあえずそんなところ
次回は、宝山三姉妹の姉二人(注:俺基準)を
賞味させていただけるところにつれていってもらおうと
こんなところからプレッシャーかけておきます

芋焼酎は、翌日に残らないからステキ
そんな、お酒をのみつけない人の感想文でありました

間違いなどありましたら、ご指摘くださいまし

Jリーグ開幕

2006-03-08 08:44:14 | スポーツ
俺いつからこんなにサッカー好きになったんだろうか・・・

自分でもびっくりなところでありますが
いよいよJリーグの新シーズンが開幕
わたくし、産まれて初めて、Jリーグの試合を
まともに見てしまいました、テレビですけどね

なんか酔っ払った勢いで1度
グランパスサンガの試合を見たこたぁあるんですが
テレビで、わざわざサッカーを見ようと思う日が
いや、サッカーとかじゃない
Jリーグを見ようという日がくるとは夢にも思わず

個人的に去年からは考えられないことであります
いつもスーパーサッカーとかで済ませていたのにねぇ

と、この心境変化にもまぁ、ちょっと
サッカーにわか度が上がってきたという背景があるのですが
代表戦やらをよく見るようになったおかげで
スポーツニュースではしょられた話じゃ全然試合をつかめない
ということに気づいたのが1番であります
惜しいシュートとか、すばらしいけど得点には繋がらなかったパスとか、
地味ながら確実に敵の攻撃を止めている守備だとか
そんなのは試合見てないとわかんねぇんだもんなと
スコアだけで、どうだったとかそういう見方を
改めようとそんな次第であります

で、まぁ、早速開幕戦ということで
わたくしJリーグ創設当初サポーターというか
ファンとして応援していたのがエスパルス
よし勝ってる
で、地元のグランパス
よし勝ってる
そして、1度だけ試合を見たことがあるパープルサンガ
ああ、負けてる

そんなことで一喜一憂してしまいました
まぁ、試合として見られたのは
NHKでやってたグランパス戦と、
びわこ放送でやってたパープルサンガ戦だけなんですが
まずまずの様子
とりあえずエスパルスとグランパスについては
補強がそこそこ当たっている感じに見えました
いや、気のせいかもしれない、でも勝ったんだからいいじゃない

そんな具合で、しばらくは楽しみなのだわと思って
ぼやぼや観戦していこうと思うのでありました

代表戦をしっかりと見るというか
日本の代表戦をちゃんと見るようになってから
ようやく選手の名前を覚えてこられたのでありますが
Jリーグで見てると、やっぱり代表に入っている人は
凄いんだなと改めて感じました
パープルサンガにマリノスはきつい
それはとてもよくわかりましたが
J2後半戦くらいの頃のサンガとマリノスなら
サンガ勝ってんじゃねぇかなとか、なめたこと思ってましたけど
やっぱり違うなとか

まぁ、酔っ払ってみてるのでなんてこたぁないのですが
とりあえずガンバの加地選手を応援しつつ
エスパルス、グランパス、サンガが
残留争いしないことを祈り続ける今シーズンになりそうであります

西京極に小野を見にいこうかと思いましたが
多分席とれねぇだろうから、地味なチームが来た時に
ひっそり見にいこうかと思います
ミーハーな見方はいけないけども、そういう性格なので
しかたないよね

サッカーは楽しくみましょう

巨匠とマルガリータ

2006-03-07 08:54:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
やっとこのレビウを書ける
読み終えたのは、相当前なのでありますが
なんか毎日違うことを書いてしまってたので
全然レビウできなかったのでありますが
とうとう読みました
以前にコメント頂いたときおすすめとして紹介されました

巨匠とマルガリータ
作:ミヒャエル・ブルガーコフ
訳:法木綾子

これは面白い
もともとおすすめされていたことで、面白いんだろうなと
期待して読んだせいもあるのですが、実際面白かった
というか驚きました
これが書かれたのが、ブルガーコフ晩年なので
1950年前後かしらというところでありますが
そんな2次大戦の紛争やまぬ時期に、これだけ優れた
なんというかな、ファンタジー小説が描かれていたというのが
驚愕に値するのでありました

わたくしファンタジーにとんと無縁で、素養がない上に
少々なめていたところがあったのですが
巨匠とブルガーコフを読んで改めました
ああ、すげぇ、本気のファンタジーはマジですげぇ
またこのジャンルで、名作として世界の名著のひとつに
数えられるほどになるんだから、世の中の本読み達の
鋭い感性にも喫驚するばかりでありました

能書きはさておき、この社会主義体勢の下で
もだえ苦しみながらブルガーコフが己の信じる愛と
せつないまでの訴えを描いたすげぇ作品について

全体的な説明をすると
究極の愛の物語でいいんじゃねぇかと
思ってしまくらい、ラブ度もたかく、それでいて
切なくていとおしい作品であります
何言ってるかさっぱりわかりませんが、
ともかくそんな具合

巨匠と呼ばれるある小説家が
キリストについての小説を書いたのでありますが
どうもその当時のロシア文壇においてはタブーだったらしく
そんなものを書いた巨匠を
社会的に、また、文壇的に追い込んでいき
彼は精神を患って、病院行きとなってしまう

その傍ら、巨匠を精神病院に追いこんだ
様々な文壇関係者が、次々と不思議な事件に巻き込まれて
死んだりいなくなったり、首がもげたり、電車にひかれたり
消えていく、その陰にいるのが
Wで名が始まる外国人の教授と呼ばれる男
ヴォラントと呼ばれる彼は、実は悪魔なのである

と、まぁそんなところから(だいぶ違う)
悪魔の彼がモスクワなどで文壇の偽善者というか
うそつき達を次々と血祭りにあげつつ、モスクワの愚民を
面白おかしく踊らされていく
それが前編にわたって書かれておるのでありました
なお、主軸となるのは、巨匠が書いたキリストの小説ですが
彼の妄想ともいうべきその小説は
かつて悪魔が見てきた、キリストの最後と合致する
悪魔はその才能に惚れるではなく、目を見張り喜ぶ
そんな具合であります

その小説の内容であるキリストの最後の時代と
現代(当時のね)の不可解な事件とをいったりきたりしながら
物語は進んでいくのでありますが、
後編になって、いよいよモスクワが世界に誇るラブが発揮される

マルガリータという女性がとうとつに現れる
彼女はいいとこのお嬢さんで、もう歳はいくつか経てしまっているが
未だ清純な心と、切ない胸のうちを秘めて
何一つ不自由することのない生活を約束された
ステキな旦那様と暮らしている

ところが、彼女はかつて、その生活に身を置きながら
巨匠と出会ってしまう
恋に落ちてしまう
初めて恋愛をしてしまう

そのあたりが切な過ぎて半端ないのでありますが
彼女のそのひたむきな一生懸命さと
巨匠の描いた小説を読んで、それがどれほどすばらしいかを
文壇、世界は全て否定したその小説を
彼女だけがすばらしいと誉めるのだ
ああ、愛だ、愛、愛以外のものでもない

巨匠もそれに励まされつつがんばっていたのだが
冒頭の通り精神病になってしまい、マルガリータとは
離れ離れに、このくだりも、絶妙というか
壮絶に切ないのでたまらんのでありますが
そんなうれうべき毎日を過ごしていた目の前に
悪魔が現れる

そしてマルガリータは魔女になり
その悪魔とある契約をかわし
悪魔との仕事をこなす、このあたりも
相当面白いのだが、何がいいって純粋無垢な女という
このなんともいえないステキな人物が
悪魔に魂を売るとはどういうことかとは決して言わないけども
そういうことをしていく様がああ、すげぇ

そして悪魔の力で復讐をするのだが
その復讐自体は些細なことで、彼女の真の願いは
巨匠と本当の愛の生活をこれからも続けること

悪魔はその後、神の使いと出会い
巨匠について言葉をかわす
「彼は光を得ず、安らぎを得た」

神がそばに巨匠を置いてもかまわない
それほどの作品を作ったが神は巨匠を悪魔にまかせた
それを使いは言うのだが、上記の言葉
光の世界にて真実と肉薄する小説を書くよりも
悪魔の力によってでも、愛するマルガリータと二人で
永遠になることがよかろうと
そういうことなんだろうか

そんな具合で終幕をむかえるのですが
文壇の唯一といっていい生き残り
詩人と呼ばれる男がいるのですが
彼も紆余曲折というか悪魔のせいで精神病院に入ってしまうのだが
その精神病院先で巨匠と出会っており
その最後、どうなったかを彼は知る
ただ彼は「精神病」なのでその言葉は
誰にも届かない、そんな具合でありました

長くなりすぎてわけわからんちんなので
このくらいにしておきますが、
途中の描写も相当面白くて
この詩人が精神病になっていくというか、そんな描写が
見たことはないけど、すげぇリアルだと思わせるような
ステキすぎるそれ、何かを説明しようとすれば
それを説明する言葉を説明しないといけないとか
ぐるぐる文章を追っていくのだが、そのあまりにも必死なのにこっけいなところが
病気だなと思わせるのでありました

ともあれ、すげぇ面白かったし
ロシア文学ってのは難しいが面白いと結論づけて
わたくし、これからもステキに生きていこうと
思ったのでありました

名前が長いのとやたらあだ名というか
別名が出てくるのが難しいが、それだけクリアできれば
ロシア文学はすこぶる面白いのでありました
チェーホフの時とも同じ空気があるなと
思ったのですが、これがロシア風の文体なんだろうと
訳者の人をさしおいて思うのでした

良作、読むべし