CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

年末台北台中高雄旅行 14 台中南天宮

2020-03-31 20:45:57 | 年末台北台中高雄旅行(2019)

さて、関羽のお宮ということで張り切って中へと入っていきます

せっかくなので、テケトーに調べた情報を並べておきますと、
この台中南天宮は、道教寺院だそうで、6階建て21柱の神様を祀っているとの由、
どっかで見た数値では、冒頭のでっかい関羽像の高さは140メートル越えるんだそうで、
こういう巨大聖像の中でも大きな部類でなかろうかと思う
関羽が学問や商売の神様ということもあって、
財神に関するものが多いというところで、金持ちになりたいという
浅ましい思いを抱いてくるには、うってつけの場所なのでありました


中から外を見ると、凄い雨なんだが、こういういい雰囲気


入って正面に、いきなり出てくるお宝と本尊(と呼ぶんだろうかね)

お宝はかなり大きく、貯金箱、ではなく賽銭箱になっています
ここに100元入れてお参りスタートというのが手順だとのこと
とりあえず撫で回して、正直、道教のスタイルをちゃんと知らないので
神様に供える線香はほどほどで、
圧倒されながら、展示物というか、様々なそれこれを見てまわります


少し進むと財宝を運ぶ牛の神像
ここは、赤兎馬じゃねぇのかよと思わなくもないが、
あくまで道教寺院であって、関羽の寺ではないのである



関羽以外にも、有名な文昌君だったか、勉強の神様も祀られていまして、
いずれにもあたりそうな、巨大そろばんやら、お祭りに使う指物、
写真ないけども、すずりと墨を模したものやら、巨大な筆やらと
面白いものがそれこれありました、
特にすずりと墨は、アトラクションでもないけど、ぐるぐる墨をする仕草ができまして、
おそらくはマニ車みたいなものなんだろうと思わされます

その他にも、道教寺院には必ずおわす月下老人
恋愛の神様であります、像の前には男女が出会う橋がかかっていまして、
おそらくカップルで来て、橋の中央で出会うという寸劇(失礼な)をすると
恋愛成就するというやつなんでありましょう、
老両親と何をすることもないものであった



お宝船やら、関羽やら、
大小さまざまな関羽が、もうごしゃまんとおわす


廟内いたるところにいる関羽の像
これが、歴代なのか、かなりの数おわしまして、
それぞれのディテールが少しずつ違って面白かったのである
作者の名前の記されていたので、もしかしたら
名だたる作家のものなのか、あるいは趣味人なのか
わからんが楽しい


外には財神のひとつに数えられる亀を模したものがいまして、
さらに、水槽内に凄いでかい亀がいました
角度が悪くて撮れなかったけども、石亀なのか、ゾウガメなのか
すごいでかいのがいます


外はこんな感じ、雨が強すぎて凄い残念






写真がトんでますが、十二支の生首がなぜか飾られていたので撮影
真っ暗で撮れなかったので露光いじったらこうなったんだが、
とりあえず、周り年である鼠と、自分の干支の馬を撮影しておいた

全6階なので、あれこれ見てまわっていくわけだけども、
エレベーターでとりあえず一番上まであがって、あとは
ゆっくり見物しながら降りてくるというルートを辿ったのである
順番におまいりしないといけない寺院だとわかってんだが
老人観光客には酷な話である

こんな按配で、ほかの階ももう一遍で紹介いたします
というか、台中関羽コレクションである

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【読書】セロトニン

2020-03-30 21:35:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
セロトニン  作:ミシェル・ウエルベック

定期的に海外作家ものを読むことにしてんだが、
またも、わけわからなかった、読むのに凄い時間かかったうえに
理解不能でありました、なんでいつもこうなるのに
やめないんだろうね私わ

さて、内容は、解説を読んでそういう物語だったのかと
受け売りのことしかかけないほどなのであるけども、
ある男が、両親の遺産を抱えつつも、その両親を失い鬱病にかかったところから、
処方箋をもらって服用しているところに始まる
その時に日本人女性と付き合っているんだが、
それを疎ましく思いつつあり、ついには、そこから逃げ出すために失踪し、
なんともいえない旅が始まり続いていく

と、そんなお話だったと書いてしまうと
なんか、いい感じの出だしだと思ったんだが
正直、文章を追っていくと、確かにそういうことなんだが、
何かにつけて、性的な不能を嘆きつつも、
そこへの執着とは異なる、必要以上の描写が続くあたりが
なんというかよくわからず、
また、過去の話とか、現在の話とか、性的な話とか、政治の話とか
そういうものがザッピングされていて、よりわかりづらくて、
自分には本当のところが、さっぱり理解できなかったのでありました

ただ、なんとなし、失踪の切欠となる日本人女性なるキャラクタ、ユズについて、
そんな女、AVの中にしかおらんだろうという
凄まじいエロ強豪っぷりで、この作者、日本人女性をエロサイトで知ったくちじゃないかと
心配になってしまうほどでありました
エキゾチックなのにエロいというのが、物凄くはまるんだろうが、
そういう楽しみを薬の影響で失った彼は
ようやく、性欲と愛情はイコールでないということに気付いたとか
いや、そんな話じゃなかったように思うが、なかなか酷いのである

さて、そうかと思うと、ちゃんと血の通ったというか、
センチメンタルな思い出語りもあり、過去に最初で最後ともいえる恋愛をした
カミーユという女性との過去が美しい記憶として描かれ、
そして、それが現代においてどうなっているかという部分で
かなり危険なことになったりするんだが、とりあえず何もなく終わるとか
まぁ、何か始まりそうで、何も起こらないということが
連綿と続く小説でありました

実際に起こったところでは、友人が政府の農業施策に怒り
とてつもないことを起こすという事件があるんだけども、
それすらも、彼にとってはすぎていく事象にすぎないような
割と淡白な感じでもあって、なんというか、
主人公の思いにどうしても寄り添えない、骨の折れる読書でありました

読み終わって何か思うところがあるかといえば、
解説の通り、西洋人、とりわけフランス人には思い当たる節のある
ある種の精神的な病を描いているんだろうということで、
自分には、近しいところがあるはずだが(独り身という部分)、
共感がないのは、西洋人でないからかなんて、
思ったりして読み終えたのでありました

ちゃんと読んだ人の感想を読んでこよう

麒麟がくる  将軍の涙

2020-03-29 21:11:18 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了であります
今週もなかなか面白かった、今川と織田の騒ぎを
将軍が鎮めるというお話でありましたが、
そうか、そこで、序盤の唐突な出会いが生きるのかと
今更ながら、なるほどと感心してしまったのであります
もっと後に生きてくる伏線だと思ってたんだが、
色々と使いでのある出会いだったんだな

そう思っていたら、その直前というか、
なんだかんだ、信長とうまいことやっている帰蝶の姿が
結構衝撃的でありまして、人質と口ではいっているものの
なんだかんだ、夫婦しているという姿は、
実際とかおいといて、いい塩梅だなと思ったのでありました
なんだかんだ、信長に引かれるという姿は、
講談ではないけども、信長お濃の間にあるべき、あって欲しい形だと
改めて思い知らされたところ

さて、相変わらず無茶ぶりしかしない道三と、
その仇にあたりそうな土岐との話がなかなか楽しく
絶対に金を出さないという男と、
それとは別で金を出すけどいやらしい男、
そこに対して、ふっかける光秀というのが斬新で
コミカルとシリアスと、ごたまぜ具合が
大変楽しかったと思ったのでありました
せしめた黄金、何に使ったんだろうかな、
あるいは、これから使うということなんだろうか

なんだかんだ、桶狭間が楽しみになってきたと
次回も楽しみなのである
そういや、オリンピックの影響がある分、
新たに撮るんだろうか、どうなんだろうな

【ドラマ】黄色い煉瓦〜フランク・ロイド・ライトを騙した男〜

2020-03-27 21:31:24 | ドラマ映画テレビ感想
個人的に思いいれの深い常滑を舞台にしたドラマでありました
まったく触れてなかったけど、あの伊那って人
イナックスの創始者だよなきっと
そう感じたりしつつ、正直そんな物語の筋がどうしたより
ヤスケンの熱演の凄まじさにあてられて
それだけで価値があると思えるほど
なかなか素晴らしいドラマでありました

地域ドラマだからか、ドキュメンタリ風にしていることもあって
途中出てくる人たちが明らかに現地の陶工とかだよなと
その、独特の雰囲気も含めて楽しめたのであります
ああやってみると、やっぱり、愛知の方言というか
イントネーションは独特だなぁと、
語尾というか、母音のゆれについて考えさせられたのであります
余談

さて、物語は、日本で始めて黄色いレンガを作ったというお話で、
まったく知らない衝撃的な内容でありました
ドキュメンタリの様相もあって、当初情報である、
片腕の詐欺師の真相が、実はそうではなかった、
尾ひれのついた誤った伝聞であったというのは、
なかなか衝撃的というか、そういうことあるのかな、
あるのかもと、思ったりしてしまう展開に釘付けであった

若干、レポート中に、遠い親族だという人に向って
その事実を問い詰めるシーンが、流石に失礼じゃないかと
思わなくもない展開があったんだが、
あれがまた、素人を使ってるからこその妙な緊迫感があったと
思えたりして、なんかスリリングで楽しかったのである

秘伝のところは、鬼気迫るところもあって、
最後のシーンは凄くよかったんだけど
毎回焼いてたときはどうしてたんだろうかしら、
あれだとすぐわかってしまうんじゃないか
とか思ったりしたんだが、あの蓋を閉めないというのが
本当のやり方だったのかしらとも思ったり
なんにせよ、燃え盛る窯をいきなり開けるのは危険極まりないだろうと
スカーレット見ていた身分としては
冷や冷やだったんだが、そういうところはうっちゃってしまい
鬼気迫るヤスケンを見るということが
ただただ幸せなドラマであったと思ったのでありました

凄い面白かったんだが、個人的な興味が強すぎて
面白いと感じているようで心配なところ
こういうドラマをもっと作ってほしいなぁと
素朴な感想をメモりつつ
レビウをつづっておくのである
面白かった、長いのに、長いと感じないできばえだったと思うのである

【映画】美術館を手玉にとった男

2020-03-26 21:05:32 | ドラマ映画テレビ感想
ドキュメンタリー映画というジャンルなんだろうか
初めて見たタイプの映画であります
出てきたのは俳優じゃなくて、実際の人を追ったもの、
NHKスペシャルのような見ごたえだと思いつつ、
贋作作家・マーク・ランディス氏をおっかけた
映像作品でありました

話の筋というか、実際何が描かれていたかというと
いまいちわからないというか、
盛り上がりもなければオチもないといった感じで、
淡々と、その事実を積み上げたというか、
そういう事件の当事者を追いかけていた
当たり前ながら、ドキュメンタリーまま、といった具合でありました

統合失調症の疑いもあるんだそうだが、
やりとりは割りと普通にできているように見える、
もっとも、字幕で見たから、実際は独特の発音だったり
なんか、喋り方でわかるものがあるのかとも思うんだが
見た感じではごく普通なのでありました
車の運転もできるし、しかも、キャデラックだし、
贋作作家なのはわかるんだが、
仕事は実際何していたんだろうか、そういう疑問はさっぱり解消されないのである

贋作作家として30数年を過ごしていたらしいんだが、
本業はなんなのか、その贋作で別に儲けていたわけではなく、
自身の贋作品を美術館に寄贈するという
不可解なことをし続けていたというお話なんだが、
贋作だと見抜けなかった美術館のキュレーターたちが怒るという、
まぁ、そりゃそうだというところ、
しかし、その贋作の多さと見事な手際が注目されて、
ドキュメンタリでは、その贋作個展が開かれたりしていて
なんとも不思議な気分で見続けたのであります

結局、何かあるでもなく、
彼がその後、捕まるわけでもなかったし、
そこそこ世間をにぎわせたのは確からしいとだけわかり、
その彼を追っかけていた男との邂逅は、
非常に気まずい感じが終始で、まぁ、そのあたりはリアルだなと
思ったりもするんだけども、なんといったらいいか
なんだかなぁと、ちゃんとした感想を抱けなかったのでありました

理解できていないということか
思ったりするんだが、新しい映像作品を見たと
メモっておこうと思うのである
こういうジャンルで人気のあるものも存在するんだろうな
不思議だ

【読書】日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義

2020-03-25 21:16:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
日本人の勝算: 人口減少×高齢化×資本主義  著:デービッド アトキンソン

先進国中でも突出して高齢化問題に悩まされそうな日本が、
どうしたらいいか、それは、実はチャンスじゃないかと
そんなお話を書いていると思っていたら、
だいたいの話は、最低賃金を上げることに終始されていて、
それによって、生産性をなんとかあげることと
解説されていました
どこから、どこまでをどう信じたらいいのか
さっぱりわからないんだが、
書かれていることは、凄く賛同したい内容が多かったように思うのである

最低賃金を上げるということについて、
それは、会社が不当に溜め込んでいる利益を大多数の人に配布しなおせと
そういうお話であるようでして、
このあたりは、なるほどなぁ、いいこと言うなぁなんて
思ったりしてしまっていたんだが、
それによって、やる気を取り戻して、
生産性をどんどんあげていけるだろうかというあたりは、
日本人というべきか、現在の働き盛りと呼ばれる人たちの
妙な疲弊っぷりから、無理じゃねぇかしらとも
思ったりしてしまったのである
自分がまさにそうなのだ、給料あがればラッキーだが、
その分だけ、ばりばり仕事しようなんて思うはずもない

個人の感想はさておき、
様々な国の事例なんかに基づきつつ
日本の何が問題かといえば、人口が減るということで
人間の数が多いから、それを集めると日本は金持ちっぽく見えているような
不可解な状況が見てとれたりして、興味深いわけでありました

あとは、よくよく日本のお家芸的にちやほやされる
下町の工場的な、中小企業が多いことに苦言を呈していまして、
人口が減ってるんだから、当然その分だけ
会社の数も減ってしかるべしだろうと
それも、その通りだなと思ったなが、
妙な浪花節というか、情緒から、そういうものを護送船団よろしく
守っていこうというのが、いわゆる保守なんだなとも
思い知らされて、自分もそうでないかと考えたりしたのでありました

もっとも、書かれている通りに、すべてが大企業に集約されて
それでうまくまわるのだろうかというと
はなはだ疑問なわけなんだが、商店と、会社というのは
また別個のものだということなんだろうか
このあたりが、もうちょっとよくわかんなかったのであるけども
生産性をなんとかしないといけない、
仕事がなくなるのは、人口減ってるからしゃーないというのが
なんか、心に平穏をもたらしそうだと思ったりしたので
読んでよかったとメモっておく

いや、よくねぇだろ、ちゃんと働け俺

年末台北台中高雄旅行 13 三日目、台中へ

2020-03-24 21:06:33 | 年末台北台中高雄旅行(2019)
三日目であります、三泊四日なので
あと一日あるようにも思えるが、
朝早い便なので、実質今日が最終日、頑張っていこうと思うものの
あいにくの雨模様となってしまったのである
まぁ、高雄を歩き回れるくらい晴れていたからよしとしよう


新幹線のホームへ行く途中で見た写真と思ったら、
これ高雄の写真だった、前日の帰りに撮ったものですね
写真供養のため、このまま掲載しておきます
実際は、朝からさくさく高鐵で台中まで移動していきました

台北から台中まで新幹線で1時間少々、あっという間に到着しまして、
さっさと、台鐵台中へと移動しようと思っていたのでありますが、
この乗り換え途中にある、電車コーナーというか
鉄道グッズお土産コーナーで、両親が足止め
今回連れてこられなかった愚弟が鉄道マニアのため
何か面白いものでもないかと物色することに


歴代駅長、といっていいのかしらんが、
いかにも台湾という感じの鉄道職員人形が居並ぶ


なんかわからんが、日本の地名がやたら滅法並んでいまして、
日本統治時代となんか関係があるのか、ないのか
よくわからんが、JRと呼ぶではなく、国鉄と呼びたくなるそれこれが散見される


名古屋亀山とか、懐かしすぎるだろう


さらに京都行も発見する

両親が何を買ったかわからないが、ともかく、あれこれと物色して、
鉄道好きに相応なみやげ物があったらしく
弟へのみやげ物も無事購入完了となって移動再開
台鐵に乗り換えて、台中中心部へと移動していきます


台中でも、萌えキャラが居た


新烏日(シンウーリー)の看板
ここから鈍行で10分程度、少し電車を待ったのだけども
特に迷うこともなく、雨足強いなぁとそちらに気をとられつつ
無事、やってきた電車で移動していくのであります


鈍行の電車だ
車内は割りと空いていまして、両親のような年寄りは
優先座席を譲ってもらえたりしつつ、ほのぼのと移動していきます
特段に何か事件があるわけでもない


あっという間に、台鐵の台中駅へと到着
このあたりは、再開発が順調に進んでいるようで、
以前に私が来たときと駅舎が様変わりしていました、
古い駅はそのまま残っているようだが、新駅で運行しているらしく
ちょっと京都駅を思い起こさせるような、ほどよい大きさの駅であります

雨が凄いということもあって、降りてからタクシーを捕まえて移動を開始
台中は午前中だけなのであわただしい旅程となっているのだけども、
ややマニア向けの廟へと向う


台中南天宮
三国志の関羽を祀る廟であります

タクシーで、「ナンティンコン」と発音して、一瞬不可解そうな顔をされたんだが、
ぴんと来たらしく「パイパイ?パイパイ?」と何度か聞き返される
なんだ、ピンクのお店の紹介か?とか失礼なことを思ってしまったんだが
「拝拝」のパイパイだったようであります
手をあわせる仕草を見せられて、こちらもようやく理解して
是是~とか、とりあえずあわせる感じにて無事移動


街中に聳え立つ関羽の像
すげぇ大きさ、そして、物凄い雨


廟の隣には、わかりやすく桃園三兄弟の碑もあったりする

うちの父親も三国志は好きなので
これにはいたく感激して、やたら滅法写真を撮っていましたが
それなりに撮影した後、いよいよ中へと入っていきます
これがまた、予想以上に大きなお寺というか、廟でありました

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【読書】父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。

2020-03-23 20:54:06 | 読書感想文とか読み物レビウー
父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。  
著:ヤニス・バルファキス

タイトルの通り、経済学者でありギリシャ経済を担った父親が
娘に向けてあてた経済とは何かという
一種の哲学書でありました
経済学書というよりは、もっと哲学的で、世界の成り立ちわと
そんな大きな話題に通ずるものが描かれていて
なかなか面白い一冊でありました

タイトルの通りわかりやすいかといわれると
ちょっと難しいよなとも思ってしまうんだが、
学術書よりはずっと平たく書かれていて
非常に読みやすい本であります
なぜ世界から貧困や格差がなくならないのか
そのあたりについて、古代農耕が始まった頃まで遡りつつ
様々に解説という具合でありまして
ここのところ読んできた、簿記の歴史系の本と
一致するというか、つまりはそういうことだと
現在、世の中の流れとして
こういう考え方があるんだな、もしかすると、
この本がきっかけなのかもしれないなと思わされた内容でありました

世界の経済は単純なようでいて、
でも、思い通りになるはずもない、机上空論では
決してうまくその動作を言い当てることはできない
そんなことを書いていて、ややもすると、経済学者の愚痴にも読めてしまうんだが
クレジット(信用)の考え方をかなり端的に
それでも必要十分な説明で解説していて
これが、結局お金と呼ぶものだし経済の源流だよなぁと
改めて思い知らされるのでありました

流動性の問題やら、その源泉はどこにあるのか、
なんで、突然にお金は沸いてくるのかのからくりなんかも説明していて
それがうまくまわっているときしか、結局はつじつまがあわない
やわなものであるところと、それを上手にコントロールすることが
いかに難しいか、誰かが得をしようと考えたときに
とたん、破綻してしまう仕組みについて
かなり解説が割かれていて非常に面白いのであります

最終的には、お金をどうこうするということは
目的ではなく手段だと、全人類が気付かないと
幸せはやってこないんだろうと思わされる
きわめて普通の結論なんだけども、
そのあたりの解説が面白くて
読み応えというか、読みやすく楽しめる一冊でありました

まぁ、最終的に何か答えがでるはずもない話題だから仕方ないが
さらっと読んで、オチは自分で考えないといけない
そういう本であります

麒麟がくる  ひとりぼっちの若君

2020-03-22 20:45:07 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
今回も面白かった、というか、この信長
すごい気に入ってしまった
突然怒り出しそうな、不気味さというか、情緒不安定さというか
うちの元上司にそっくりだとか
いらぬことを考えたりしてしまうのである
くわばらくわばら

さて、タイトルが誰のことかと思えば
二人のことであったかと、信長、竹千代二人のありどころが
凄くわかりやすく解説されていてよかった
この二人は通ずるものがあったというのが
今回の筋書きのようで、それを傍目で見る光秀というのは
運命めいたものすら感じられるようで
説明回なのに、そうと思われない内容ですごくよかったのであります

もう隠すこともなく忍として働く菊丸もよいなと思うんだが
序盤で、駒ちゃんの扱いが終わったのか
新しい門出となったのか、よくわからんが
まぁ、そうであろうという、美濃の関係がわかって
今後どうなるやら、稲葉山城に入って
落ちるときに死ぬんじゃないかしらと心配になってきたのである

光秀が、相変わらずお使いしかさせてもらえてなくて
ちょっと可哀想だなと思うんだが、
そのあたり、自覚があるようで、道三のことを
やっぱり嫌いだとはっきりしているのも
なかなか面白いところでありました
主家を裏切るというイメージにはならないが、
このあたり不思議な生き方を説明できそうな雰囲気で
楽しみなのであります

しかし、竹千代が利発すぎるだろうかなというのと、
一瞬にして、美濃に情報を送るものとして
光秀を使えると思って、あの場に居合わせさせたという
機転がすばらしくてよかったのでありました

次回、久しく離れていた将軍様が出てこられるので
こっちのほうも楽しみで、だんだんと戦国時代の輪郭が見えてきて
ドラマとしても凄い面白くなってきたのでありました
楽しみで仕方ないわい

【ドラマ】グッド・ファイト

2020-03-19 20:49:22 | ドラマ映画テレビ感想
NHK海外ドラマ枠でした
凄いいいところで終わりやがって、続きやってくれんだろうな
海外ドラマのつづきをやってないシリーズが
結構たまっているNHKだけに、気が気でないというか
しばらく経ったら忘れてしまうなと
寂しいことも覚えるんだが
法廷モノの非常に面白いドラマでありました

もともと別のドラマがあって、
そのスピンオフ作品なんだそうだが、
そんなこと知るはずもなく、
なんかわからんが、白人の弁護士が黒人事務所で働かざるをえなくなって
そこで仲良くやっていくというお話だと
理解してみていたのであります
当然ドラマなので、滑稽に、大仰に描いているんだろうと思いつつも、
トランプに対する話や、民主党派の人々といったものが
なんか、こういう感じなのかなと
わかった気にさせてくれて凄い面白かったのでありました
トランプ嫌われすぎだろう

癖が強いというか、様々に問題となった下地を題材にして
それぞれの物語が作られていたんだそうで、
いかにもありそうな話だと、ネット上での誹謗中傷問題とか
ああいった輩というものの存在、
それをどう扱うかは別にして、それを描き出していたのが
すこぶる面白く見えたのでありました
実際にいるんだろうけど、目の前にいたら
相当むかつくんだろうな、あれはあかんわ

そんな面白おかしいことも思いつつ、
主人公の頼りない弁護士見習いが、最終話で突然覚醒するというのが
お決まりというか、唐突な展開だけど
それまでのまったりした展開とあいまって凄くすっきりした
いい感じだったと思えてならなかったのでありました
なんだかんだ、ドラマを見ていい気分になれるというのは
ステキなことだと思い知らされたように思うのであります

まぁ、その裏でもないが、ずっとくすぶっている
家族との問題というか、何を優先すべきかという部分が
非常に面白く描かれていて、考えるところもあるし
なんとも、久しぶりに次週はまだかと待ち構えるドラマのひとつだったと
思うのであります

調査員の仕事というのも興味深いところがあったけど、
全体的に、結局は人とのつながりというか、
頭の回転の速さも必要だが、人間のつながりを構築できるか、
誰を信じて、誰を騙すのか、
そういうことが理解、かぎわけられる、
そんな能力がないと、アメリカで生きていくのは大変なんだろうかねと
思わされたりして、ちょっぴりしんみりもした
非常に面白い時間を過ごさせてくれたドラマでありました

【ドラマ】ハムラアキラ~世界で最も不運な探偵~

2020-03-18 21:25:20 | ドラマ映画テレビ感想
NHKドラマ10枠でありました
ここは、高打率のドラマ枠だと
今回も堪能したのであります
しかも、ここのところはずれのないNHK名古屋制作だし
期待をこめて見終えたのでありました

結構独特なドラマだったように思うところ、
とらえどころがないというか、事件を解決していくストーリーは面白いんだけど、
このドラマ全体に共通するというか、底流みたいなものが
掴みきれなかったのに、なんだかんだ、面白かったと
もっていかれた感じのあるドラマでありました
序盤の事件と、最終話関係の事件で、
まるで展開というか、別のドラマ見てたんじゃないかと思うような
ドラスティックな展開が続いて
不思議な感想を抱いている次第であります
本当、違うドラマを何本か見たような手ごたえである

主演のシシドカフカさんが、完全にひよっこのときと一緒だと
思ったりもするんだけど、あのさばさばとしたかんじで、
見事に説得力を持たせられるのが凄いなぁ
そして美人だなぁと感心して見入ってしまったんだけども、
話数の割りに登場人物多いし、
ごちゃっとしそうな部分が、かなりすっきりしてて不思議と
何人かは、一人にまとめてもよかったんじゃないかと
思ってしまいそうなのに、
終わってみると、誰も彼もよかった、
みんないないといけないと、キャラクタが死んでることもなくて
脚本家の腕がいいのか、役者の演技が頭抜けていたのか
どちらもなのか、よいドラマを見たという感想にいたる次第でありました

事件が繋がっていたわけではないし、
押し付けがましく、最終話に向けて、それぞれのキャラの内面が
暴かれていくという感じでもなく、
それぞれが当たり前に抱えているものが、
低温で長く煮込んでいくみたいに、少しずつ浸透していて
気付いたら、そういうことになるなと
妙な納得を得て終わったりしたのでありました

あんまり話題になってなかったようで残念なんだが
かなり面白い凝ったドラマだと思うのである
続きに含みをもたせた感じだけど
続かないんだろうな

年末台北台中高雄旅行 12 紅陶上海湯包 高雄漢來大飯店

2020-03-17 21:10:27 | 年末台北台中高雄旅行(2019)

さて、二日目もまもなく終わりであります
英国領事館から、そろそろ食事のため移動を開始
だいぶ暗くなってきていい雰囲気になっております


スワインホー氏や

イングリッシュガーデン

領事館前の喧騒

領事のお仕事

まぁ、このあたりは前回きたときとなんら変化はなく、
夜は結構雰囲気があっていいね、と思ったりして過ごしたわけでありました
相変わらず急な坂道だったが無事降りてきて、トイレを借りつつ
タクシーにのって夕飯の場所へと向います
場所へと、といいつつもとりたてて予約なんざしていないので
ぶっつけなんだが、まぁ、なんとかなるだろうと
適当このうえない感じで移動、目指すは、紅陶上海湯包 高雄漢來大飯店であります


母親のリクエストで小籠包を食べたいという話だったため、
高雄でどこがよいのかと探してたどり着いた場所でありました
もっと海鮮とか食べろよと思わなくもないんだが、
高雄漢來大飯店という、豪華ホテルに入っている名店であります
シェフはどうやら、鼎泰豐で修行した人なんだそうで
薄皮のそれが期待できる
とりあえず、ホテルに入って、古めかしいエレベーターで移動していきます


店構え、高級そうな雰囲気に正直びびる

エレベーターが凄い混雑っぷりで、ちっともあがってこれなかったんだが、
なんとか無事入店成功、構えとは裏腹にリーズナブルと聞いていたので
どきどきしながらも、あれこれ頼むことに
もっとも、あちこち歩いて疲れているものの
そんなに食べられないという雰囲気だったので控えめにします


糸瓜の小籠包

ノーマル小籠包

ニラ餃子

謎のスープ、美味かったけど忘れてしまった
それぞれいくらずつだったか忘れてしまったんだが、〆て902元、
これで、ウーロン茶代も入っているというんだから安い!驚きの安さに、
もう一品、二品くらい頼めばよかったとやや後悔
さりとて、これらを楽しくほおばるのでありました

味は、さすがというか、以前高雄で小籠包といって食べさせられた、
小型肉まんみたいなそれとはまったく異なる、
日本人がよくよく想像する、薄皮のアレでありました
ジューシーな肉汁と、ほどよい皮の感触が凄まじく美味しい
特に、糸瓜のほうはあっさりさっぱりで、両親も食べやすいと大喜び
なんだかんだ、最近は糸瓜をメインで食べてしまうなと思うところ
スープと餃子も、これまた大変おいしくて、
控えめの味付けというか、濃くて、こってりお腹にたまるというのではなく
さっぱりと、でも大変美味しく食べ終えることができたのでありました

我が家、食べだすとあっという間に食べてしまうので
賞味30分くらいしか滞在してなかったんじゃねぇかと思うんだが、
帰りに、店員が、あまりのスピードに驚いていたように見えたのである
本当、食べるだけ食べて出ていくというのはいかがかと思うが
飲まないし、そういう家族だから許せ

無事、食事も済んだので、あとは帰るばかりと
タクシーで中央公園MRT駅まで移動し、新左営まで


初音ミクコラボっぽいの

謎のいか焼押し、日本語でシュールこの上ないと思うんだが、不思議と違和感がない
って、いま気付いたが、左のやつ新キャラじゃないか?見たことないぞ、
たかめガールズも見納めであるなと、豪華なそれこれを撮っておくのでありました


新幹線が、なんかご機嫌なペイントのやつで、

中身もこんな感じ

新幹線の中では流石に駅弁食べる余力もないというわけで、
ゆるり、一番時間の短いやつに乗って無事台北まで戻ったのでありました


ホテル前で、また違うにゃんこに遭遇しつつ
二日目を終えたのであります
今回の高雄は、かなり満喫できたのではないかと、
自画自賛というか、満足度高く過ごしたのでありました

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【読書】会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ 500年の物語

2020-03-16 21:03:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
会計の世界史 イタリア、イギリス、アメリカ 500年の物語  
著:田中 靖浩

最近、似たような本ばっかり読んでしまって、
知識補完が強化されたような、
本の感想としては、ごっちゃになってしまって、
この本の感想であってるかしらと
心配になりながらでありますが、
会計の歴史をまとめた本でありました
以前は、経済が世界史に与えた影響をというものであったが、
今回のこれは、本当に、会計がどのような歴史を辿ったかというお話で
これまた興味深い内容でありました

会計の概念というか、帳簿をつけるということが習慣づけられ
それが便利だから、様々な方法で管理するということが発見されてきた
産業革命なんかとも、足並みをそろえつつ、
経済規模が大きくなるにつれて
新しい会計概念が発生し、それが培われていくというのが
全体の流れでありましたけども、非常に面白かった
正直、初期会計ですらマスターできていないなと
改めて思い知ったわけでありますけども
宗教との関係がとりわけ興味深いところでありました
利子という概念の発生と、それを卑しいとした感覚、
それによっての、様々な差別や弊害というのが
大変興味深い
最終的には、それを言葉遊びめいて打破したというのが
メディチふくめ、新興の銀行屋のすごいところだったんだな

メディチ銀行の話なんかもあれば、イギリスに渡り、
産業革命に伴う、鉄道会社の隆盛、そこを管理するために必要な新しい会計ルール
そのあたりもドラマチックでありまして、
必要に迫られて、また、世界が求めて会計というものが
透明性を増してきたというのは驚愕の事実だと思えるのであります
ちゃんと読めれば、世の中に隠し事というか、
そういうものはないのかもしれんと思ったんだが、
まぁ、そんなわけないな、わからんように書いているという
ずるさが残っているのかもしれぬ

思いつつも、アメリカにわたり、今度は音楽業界の歩みと
産業の歩みをクロスリンクさせて語っていたのでありますが
このあたりは、著者の趣味が出すぎじゃねぇかなと
ちょっと思ってしまったんだが、いわんとするところはごもっともで、
このあたりから、未来にどれくらいキャッシュフローを生み出すか
価値算出をするというフェーズになってきたというのが
現代であり、さらにいうと、それをもう少し前に進めたものに
そろそろ気付かないと人類ダメじゃないかなと
そんなお話でありました

ためになるというか、知識としてただ面白いと
さらっと読み終えてしまったんだけども、
まっとうに、会計の勉強をしたほうが時間的には潤ったのではないかと
反省もしつつ、こういう面白さを浪費する
会計とは程遠い生活もまた、人間ぽいだろうと
自身を擁護するのでありました

麒麟がくる  信長の失敗

2020-03-15 20:46:43 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「麒麟がくる」
視聴完了しました
信長パートが思いのほか面白かった
というか、一瞬で松平のお父さんが死んだのが衝撃だわ
さらに、その首をにこやかにもってきた信長も衝撃だわ
身が引き締まるではないけども、
ちょっと、信長を嘗めていた自分に気付かされた
そんな回でありました

序盤、とうとう菊丸の謎が解けつつでありましたが、
やっぱり三河というキーワードはそのままだったようで、
竹千代つきの何かということがわかり、
今後、どんな感じで付き合っていくことになるのか
なんだか楽しみであります
最終的に、明智死ぬ際にどうするんだろうか、
いや、伊賀越えで死ぬとかあるのかしらね

信長が、見た目が柔らかいということもあって、
あんまり怖そうというか、よくある信長像と違うかなと
思っていたんだが、そんなことあるはずもなく、
まさかの笑顔で殺してくる男だとは、
その柔和さとあいまって、なかなか面白かった
さらに、機嫌悪くなってからの感じも
非常に信長っぽい、二重人格じゃねぇかというそれは
まさに、体現されていたように思えて
楽しくて仕方ないのであります

そんな、信長のほうをもっと見ていたいと思っていたところ
唐突に明智の話に戻って、あれよあれよと
嫁さん探しが進んだりするのが楽しいところ
ぽっと出のヒロインなのに、
もう、なんというか、完全にヒロインだわと
そういう説得力があるかのような振る舞いに
なかなかあてられたというか、
実に物語っぽいと楽しくなったのでありますけども、
ささやかながら、幸せな家庭を築くことができる
数少ない機会であろうと
今はただ、おめでとうの気分である
まぁ、何が進んだということもまったくなさそうな話だったが
とんとん拍子で進むんだろう

次回から、今川まで巻き込んでの大騒動なようで
なかなか楽しみが続く感じ、
結構スピーディーに進んでいるから
そろそろ信長の親父のほうも死ぬのかしらと思いつつ
先にマムシのほうが死ぬんだったか
覚えてないんだが、ともかく楽しんでいきたいと
思わされたのでありました

そういや、終わってからの紀行にて、
美濃焼というか、志野が凄いクローズアップされてて
なんとも眼福でありました
黒織部で〆ていたが、時代的にまだ早いよなぁと
思わなくもないんだが、とりあえずよしとする
名物あれこれ、出てくるといいなぁ

【映画】きっと、うまくいく

2020-03-12 21:16:14 | ドラマ映画テレビ感想
結構長い映画だったけど、
なんだかんだすっかり見入ってあっという間に見終えてしまった
インド映画にしては短いほうでもあるんだろうけど、
唐突なミュージカルシーンというか、踊りのシーンを挟みつつ
コメディテイストで、名門学校内での悲喜こもごもを描いた
非常に面白い映画でありました
何よりも、ハッピーで終わるのが本当によい
つくづく、自分は歳を食ったと思ってならないと、
いたらせてくれるような幸せな映画でありました

学生時代、物凄い秀才だった男が、実は本人ではなく替え玉だった、
その男を捜して、過去と今を行きつ戻りつしながら
探していく元同級生たちのやりとりが
面白おかしくて凄くよかったのであります
その影でもないが、悲しいところも描かれていて、
秀才がいるから、その周りが楽しくあるのだけども
それだけでは救われず、学校の仕組みや、
世の中の仕組みとも言い換えられるような
俗物的な悪意みたいなものに
押し潰されていってしまう事件もままありつつ、
乗り越えたこともあり、乗り越えられなかったこともあり
でも、最終的には、みんなが笑って出会える
そういう物語で
すこぶる気持ちがよいのでありました

特に白眉だなと思うところで、その秀才と張り合っていた金持ちのボンボンが、
凄い嫌なやつで、そのいやらしさを隠すこともなく描いているのに
なんか憎めないという部分でありました
彼の滑稽さと、たくましさみたいなのが
いかにもインドという風なんだろうかと思わされるような
楽しい気分を増幅させてくれていて
面白おかしいのであります

コメディといいつつも、お国柄なのか、腹を抱えて笑うような感じでもなく、
シリアスというか、嫌なことがあったら、それを覆すような
小気味のよいやり返しがあるというものの繰り返しで、
勧善懲悪とは違うけど、見ている側がすかっとすることの多い
ある種わかりやすい物語であったのも
楽しかったゆえんでなかろうかと思うのである

実際に、あんな秀才と一緒に学生時代を過ごせたら
楽しいんだろうか、いや、彼が見出してくれるほど
自分に、別の楽しさがあるだろうかなんて
考えたりしたんだが、
まぁあんまり深く考えるようなものでもないなと
楽しく長い映画を見たとメモっておくに
留めるのである