CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

3年ぶりの高雄旅行 14 勞工公園假日花市

2023-03-31 20:55:11 | 3年ぶりの高雄旅行(2022)
2回に分けようかというくらい写真いっぱい撮ってたので
どうしたもんかという感じだが、話としてはこれで終わりなので
長々、最後の一回をやらせていただくのであります



獅甲の駅にやってまいりました
ここはMRTの停車駅サウンドがかっこよくて好きなところだったんだが、
まさか用事ができるとはと感慨深い




というわけで、最終日これが見たかったと休日の花市にやってきたのである
勞工公園假日花市というものでありまして、公園の沿道にテントがひしめきあって
あれやこれやと植物を販売しているのでありました、これはマニアにはたまらん
なんせ安い、ともかく安い
とりあえず山ほどのサボテン多肉たちだが、1個10元とかで販売しているので、植物検疫さえなければ
山ほど持って帰りたいと垂涎のそれこれでありました、見てるだけでも楽しすぎる





そして台湾といえば蘭、原種系から園芸品種まで、幅広く、多種多様な蘭を扱っていて
最高に楽しかったのである、観よ、この美しい花々を!
ガガイモの花まで咲いていたので、珍しさのあまり撮ってしまった
写真から臭いが漂ってきそうじゃないかえ





蘭の種類に詳しくないので、あれだ、これだと言えないのが歯がゆいところなんだが、
タケノコ状のやつとか、初めてみたんだが
蘭も本当に種類が多い、また、カトレアの系統が多くて最高に楽しいのでありました
こっちの花はともかくでかいというのがいいですな、感動的だわ





花市では、多肉の類も多く扱われていたけど、メダカや謎の魚なんかも売られていて、
結構なんでも市っぽい感じがまた、最高に楽しかったのでありました
そこそこの広さというか、店数ではあるんだが、それ以上にあれもこれもと観てしまうので
時間がいくらあっても足らないという感じでありました
そして、台湾の人もまた、花が好きとみえて、ばかすか買っていくというのがよかった
両手に抱えきれないほどの蘭鉢をもって歩く人とか、ほれぼれしてしまったのであった
日本でもこれくらい活気あるといいのになぁ




ついでにこの近くが普通の市場にもなっていたので、そちらもぐるぐる見回って、
目についた刈包をひとつ食べる、台湾でずっと食べたいと思ってたのに縁がなかったクーパオをついに食べられた
ありがたいというか、思ったよりも甘くておいしいと驚いたのであります、45元
角煮が挟んであるんだが、漬物みたいなのも一緒になってて、それがなんか癖になる味で実によかった
ちょい食べするのにもってこいの一品でありました



公園では、そのほか、鳳凰花やら、台湾リスやらがうろうろしていたり、
写真に撮れなかったけど、みたことない鳥がいっぱいいたりと、飽きない感じで
高雄の休日の朝をこんな使い方でいいのかと思ったりしながらも、
最高にテンションあげて過ごしたのでありました
そして、いよいよいい時間になったので空港へ移動




空港ではコロナの影響でお店がほとんどやってないというアクシデントに見舞われて、
昼食難民になってしまったんだが、まぁそこは仕方ないと
うろうろと土産物屋もあんまりやってないしと、楽しみ切れなかったのが残念なんだが
無事タイガーエアでまた、帰ってきたのでありました




チェジュタイガーという、韓国とも行き来する飛行機だったようで
台湾の空を眺めつつ、またすぐにでも来たいと思いながら
年末の空を飛んで帰国したのであります

長々、お付き合いありがとうございました。

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13 愛河を眺めつつの朝食

最初
01 セントレアからタイガーエアにて

【読書】くらやみガールズトーク

2023-03-29 20:55:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
くらやみガールズトーク  作:朱野帰子

なんとなく嫌な予感しながら読んでしまったんだが、
案の定というか、暗い気分になってしまう小説だった
ガールズトークという名とは裏腹というか、
実際ガールズトークってそういうものなのか、わからんけども、
「女」というものに対してのいかんともしがたい違和感、世の中の歪さを描きつつ、
そこへの憎悪というか、なんとも恨みつらみに近い感情をぶつけた内容で
極めて露悪的でもあり、嫌な気分になってしまう
そんな短編集でありました
まぁ、なんというか、やだなぁ

オカルトやホラーとも肉薄する感じの物語なんだが、
これって、昔からそう思われていて、
そういう思念、情念というものが幽霊のようなものとして認識されていて、
ある種、現代版の妖怪記録のようでもあるのかとも感じた
いずれにせよ、女性だからと言われてしまいがちな怨嗟というものが、
悪霊めいた何かと近しい、そんな気がしてしまうもので
男性という身分であると、これを読むのは、なかなかつらい体験になったのである
女房子供がいない身分にはわからんことが多いが、
世界観というか、30年くらい前の中島みゆき的な女性像がつまっていたとか思ったんだが
いや、それともまた、ちょっと違うのか

ともかく、ホラーテイストではあるんだが、
単純に幽なるものというわけではなく、強い怨念や情念のようなものを描いて、
そこから湧き上がってくるような不気味さが、ふんだんに書かれていて大変よかったのでありました
残酷な話といってしまっていいのだろう、容姿に恵まれなかったことによる、
日の当たる場所を避けねばならないという女の気持ち、その境遇と、
それをぶっちぎるように、そのタブーともいえる日の当たる場所へ踏み出す話とか、
一見、この物語の、まさにこのシーンだけは明るくきらびやかにすら見えてしまう内容が、
そのあととか、それまでとかを考えた時に
絶望的に残酷だなと、背筋が冷えるように読んだのでありました

面白くもあるが、怖いというか、悲しいというか、なんとも気持ちの沈む内容であった
でも、読んでしまうのが恐ろしい

3年ぶりの高雄旅行 13 愛河を眺めつつの朝食

2023-03-28 21:09:38 | 3年ぶりの高雄旅行(2022)


さて、最終日、帰るだけではあるんだが便が午後なので
午前中はちょっと遊んでいられるというわけで、とりあえずゆっくり朝食をとる
最終日はサンドイッチにダンピンをつけて、飲み物は新鮮な牛乳でありました、215元
味はまずまずというか、結構おいしかったんだが、特に牛乳が旨かった
新鮮だからなのか、高雄は牛乳が有名と聞いていたのを確かめたといってもいいくらい
濃厚でほのかに甘い、別に砂糖とか入ってないんだが、実にうまい牛乳を飲んだのでありました
朝から元気が出るぜ


朝食後、ちょっとぶらぶらとそこらを探索しようと歩いていくと
女神転生ifっぽい建物を発見、キリスト教系の教会だったんだが、
かなりモダンな作りで感心してしまった
玄関前に高そうなベンツが停まっていたのが印象的でありました



そして、その隣には小さな廟がある
中に入ってみると、なんかずいぶんありがたいというか





お金に関する神様と見えて、金銀財宝的なものが
山ほどお供えされていて、なんというか、撫でまわしたくなるようでありました
財神というやつなんだろう、ありがたい
父親と揃って、なんかよいことありますようにと、今までにないくらいお参りしたのでありました、拝拝



さらに歩いていくと、今度は映画に関する資料館みたいなのがあって外観を眺める
朝早いので当然開いていなかったんだが、どうやら高雄では映画撮影にも力を入れているようで
その発信基地のようなものだった様子、もうちょっと早く気づいていたら見に来てたのになと思いつつ
謎のマスコットを撮影したりして見て回ったのでありました



そして愛河、夜景は何度か見ていたけども朝に眺めるのもまた趣深い
やや靄がかかった先に高雄85も見れる
何年か前に登ったのも懐かしいことだが、現在閉鎖されていて登ることができないのに
時間の流れを感じるのでありました
と、まぁ、他愛のない感想を書きつつ、とりあえずいい写真が撮れたと満足したのでありました


高雄市立歴史博物館
これも遠巻きに見るだけなのだが、
結構あちこちに見るべき建造物が転がってるもんだなと思ったのでありました
旅行で、イベントこなすことばっかり考えていると
こういう、ちょっとした散歩みたいなのをおろそかにして、
街並みを楽しむということができていなかったと痛感しつつ
実によい、高雄の朝!というのを満喫したのでありました

さて、さらに最後の目的地へと移動しよう

つづき

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3年ぶりの高雄旅行 12 鴨肉珍と塩埕三山国王廟

【読書】13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海

2023-03-27 21:10:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
13歳からの地政学: カイゾクとの地球儀航海  著:田中孝幸

小説風ではあるけども、これは、そういう体をとった地政学の解説本
実際、地政学という言葉は出てこないし、
そんな難しい話をしているわけではないのがミソなんだが、
13歳くらいで、世界の成り立ちというものを伝える教材的なもので、
なかなか楽しく読めたのでありました

アンティークショップの謎の老人から、
扱っている面白い地球儀をかけて、7日間の授業を受けるというお話になってるのだが、
国とは何か、国同士ではどういうことが起きるか、
実際の国に置き換えて考えてみるとどうかと、
そんな感じで、だんだんと地球儀をめぐらせながら、ユーラシア大陸とアメリカ、
アフリカの貧困なんていう部分をクローズアップしていく内容で
なかなか楽しかったのでありました

遠い国とは仲良く、近い国とは争うという古くからの考えが、
最近では遠いことが遠くなくなってきていることや、
深海という原潜を隠しておける場所を持っている国が意外と少ないこと、
そしてそれが欲しいから、中国が南シナ海にしつこく出張っていることが書かれていて
なるほどなと感心してしまった
深海に原潜を隠すということが、核兵器の有効性を高めているというのは
正直考えてもみなかったのである
また、アフリカの貧困の仕組みというのを、だいぶざっくりだけども
大国による理不尽の結果であることや、指導者たちの動向というものがどういうものか、
何よりも民族という主体の考え方なんかも書かれていて、
丁寧に人間社会の問題点をあげ連ねていて面白い

結局、だからどうしたらいいかは、考えないといけない
そういうレッスンでしたという物語なんだが、
物語として、このカイゾクと呼ばれたアンティークディーラーが、結局のところ何者だったのか、
まったくわからん感じで終わっているのが、物語としてどうなんだと思ってしまったんだけども
そういう体はさておき、地政学という、国家がどこにあって、どういう成り立ちかにより
人間社会が大きくとらえられる、また、違う角度から見れるという話が
大変わかりやすく書かれていて、よかったと思うのでありました

でも、想定しているであろう子供が読んで楽しいかというと
そんなことないよなとも思ったりしてしまうんだが、
子供向けという体で、相当簡単に大人に向けて書いたものなのかとも思ったりしつつ
とりあえず、楽しんで読んだのでありましたとさ

どうする家康  氏真

2023-03-26 20:49:35 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「どうする家康」
視聴完了しました
これにて今川編終わりといった感じで、物語的には恩を返したという
家康の心残りを片付けた感じになってるから、これはこれでよかったんじゃないかしらと
三国志の関羽の話を思い出したりしたのでありました
とはいえ、三河衆からすると、あの今川贔屓というか、すったもんだは
許容できないんじゃないかとも思ったりするんだが、
まぁドラマだしなぁ

さておいて、楽しかった日々と、次々明かされる今川のお話で
初回に死んだとは思えないほど、新録が出てくる御屋形様にほれぼれするわけでありますが、
大切なことは先延ばしにせず、ちゃんと話しておきなさいと
そういう教訓ではないんだが、感じた次第でありました
まぁベタな展開だけども、色々とこじらせた氏真が結局悪いよなと
思ったりするんだが、それはそれである
人望ないのは、また、そういう話と別のところにあるからな

半蔵が何しに出てきたんだという感じで、
活躍らしい活躍がないという出オチを担当して、
今後もこういうのが続くんだろうかと思うと
伊賀越えが楽しみでならないわけだが、
そこまでは一つも役に立たない感じでいくんだろうか、
いや、今回はちゃんと話を持って帰ってきたから役立ったような気がするが、
なんか、軽んじられる役どころで、実に楽しい
伊賀越えも一波乱ふた波乱あるんだろう

次回から武田とのあれこれに突入するようだが、
そうかと思うと上洛するという話になったりと、
なんか、時間というか、イベントがよくわからんのだが
武田は武田で、そろそろ上杉とドンパチせにゃならんところか、
あるいは、村上あたりとなんかだったか、
風林火山を見返さないとなと思ったりしたのでありました

とりあえず氏真とはすっかり仲良しになったというイベントはこなしたので、
今後なぜか続くといわれている友情が、
そこかしこで発揮されるようになるのか、
また会える日をと思いつつ
信長到来が楽しみと、みもふたもない感想で〆ておく

3年ぶりの高雄旅行 12 鴨肉珍と塩埕三山国王廟

2023-03-25 20:55:12 | 3年ぶりの高雄旅行(2022)
さて、台南より電車に乗って高雄まで帰る


途中、謎の宗教施設が見えたんだが、なんだったのか
よくわからんが、ありがたそうな感じである
お坊さんの像がものすごいリアルで、現在もいる人なんじゃないかと思ったんだが
台湾の宗教事情はわからんのである



さて、せっかくなので違う夜市にいこうと
前から目を付けていた、凱旋夜市へと勇んで出かけてみたら、見事に空振り
金曜日はやるんじゃないのかと愕然としてしまったんだが、
情報が古かったようで、現在は六曜、日曜の週末だそうでがっくり
仕方ないのでまたライトレールに乗ってぐるっと回って
いわゆる観光地である、芸術特区の方へと移動


倉庫街も橋を渡って、出島みたいなところがありまして
物見遊山にうろうろ見てきたのでありました
何がというでもなく、たくさんショップがあって楽しかったんだが
まぁ、何か買うということもないので
ずらっと見てスルー、あとは、外の展示物を楽しんだりという感じであります





暗がりなので、ほとんど撮れてないんだが、
知り合いに台湾のスター俳優に関する何かを買ってきてほしいと言われたので
誠品書店にも寄ってみたんだが、さっぱりわからず断念
とりあえずアートなそれこれに触れてきただけで終わったのである
でもまぁ、見ているだけで楽しいのでよいことだ





倉庫見学をしてから、ずるずる歩いてホテル近くまで戻り、
夕飯どうしようかと悩んだ挙句、近くの有名店である鴨肉珍にいってみる
ここが名店と聞いてはいたものの、本当に大混雑で、
こんなに並んでる店、ティンタイフォン以来だなと衝撃を受けるほどだったのであります
鴨肉飯の専門店なんだが、店頭で店主なのか、若い衆なのかが、
さばさばと鴨を裁いているのが気持ちよく、それを見つつ頼んできたのが
鴨肉飯、鴨肉冬粉、総合下水湯 155元、安すぎる
これが流石名店、旨い美味いと、がつがつ食べてしまったのである
鴨肉が良いのか、ほどよい歯ごたえと、滋味豊かな味わいがたまらず
かみしめるほど味が出てくるのがたまらんのでありました
冬粉なのでヘルシーというのもあいまって、
結構なボリュームだったけど、するするっと食べられたのである
よかった
大満足で、店をあとにしつつ、腹ごなしにそのあたりをうろちょろ


からすみ売ってるところを眺めてみたり



塩埕三山国王廟だったか、このあたりの元締め的廟も見てきたのでありました
夜遅いのに人がいて、なんかわからんが、お水もらえたので
お礼でもないけどお布施を入れてきたのでありました
こういう時の値段感というのが、信心が薄い自分には難しいなと
しょーもないことを思ってしまうんだが
食事の安さを思うと、はたしていくらが適正なのか
凄い考えてしまうのである

貧乏くさいことはさておき、なんだかんだ夜遅くまでうろうろしたので
ようやっとホテルに戻って、翌日帰国へと備えるのでありました

つづく

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11 台南エビ飯と杏仁豆腐

どうする家康  信玄との密約

2023-03-24 21:17:12 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「どうする家康」
諸事情あって、ようやっと見終わりました
先週はなんだったんだというくらい悲しい話で圧してきた
ちょこちょこコメディを挟むのはいいんだが、
前作といい、こういうのが最近の流行なのかしら
見ていると辛い

さて、瀬名と田鶴のすれ違う文通といった感じで、
割と古典的な物語の作りだなと思うものの
それが、じわじわと悲壮感をあぶりながらで、
なんとなし映画みたいな作りで盛り上げてくれた、いや、ある意味下げてるのか
これ以上なく、悲しみを掘り下げている感じで素晴らしかったと思うところ
ちょっとベタにすぎるけども、これくらいの方が、
いっそ大河ドラマなのかもやもとか、わからんことを考えたんだが
来週、さらに氏真に向けても同じようにという感じで
今川崩壊を丹念に描いていくようで、なかなか楽しみであります

基本的に漫画っぽいというか、外連味のあるシーンの描き方が多いのが
魅力でもあるし、気に入らない人もいるだろうなと思うところで、
信玄の登場から談判は、個人的には好きだけど、
もうノリが完全にファンタジーだなというのが、少々難点といえば難点でありました
まぁ、歴代大河も似たような感じをやってたと思うんだが、
露骨すぎて、それで一種の笑いを誘おうとするような感じが
なんか、大河っぽくないという評判につながるんだろうなとか
素人なりに感じたのでありました
信玄のすごみみたいなのもあったけど、見ている徳川方の演技が完全にコメディだったのが
要因なんじゃなかろうかとも思ったりする
まぁ、信玄がそもそもローマ人っぽいところからして、もはや
どうしたってああなってしまうから、いっそ清々しいことなのかもしれんが

と、なんだかんだ、偉そうにのたまいつつ
楽しく見られたのでよかったし、信長との絶対そうだろうなという鷹狩シーンもすごくよくて、
信長の最高に冷たい対応というか、もう、ああいう笑い大好きだなと思わされてしまったわけだけども
だんだんと温度を下げていき、落城のあたりの悲壮感が大変よかったと
思うばかりでありましたとさ
ここで、瀬名が出しゃばりすぎていないのがまたいいなとも思うのである
あれで、家康に当たり散らしたりとか、そういう感じじゃないというところに
悲しみの深さが出てて、凄いよかった
楽しんだのでありました

【読書】中野のお父さんの快刀乱麻

2023-03-23 20:54:34 | 読書感想文とか読み物レビウー
中野のお父さんの快刀乱麻  作:北村薫

シリーズ3作目だとおもわれる
なんだかんだ、全部読んできた気がするけども、
最初のやつは、ここまで古い本のことを詳しく紹介してただろうかと
あやふやになってきてんだが、ともかく、中野のお父さんが、
古い本に書かれていたことをいくつかつなぎ合わせて、
ちょっとした謎を解いてしまうというお話で、
今回も、昭和初期、それよりも以前の作家についてのあれこれや
文化が描かれていて、なかなか面白かったのでありました

落語を何できいていたか、ラジオだよ
という話が出てくるのに、ものすごく時代を感じたわけだが、
落語を戦後聞いていたという話、そこにあった物語というのが面白くて、
これが、レコードの録音というところにつながるのは、
なかなか探偵もの(違う)として、飛躍しているようでいてそうではなく、
すごく面白かったし、感動的でありました
いわゆる演奏以外が入っている、ライブ盤みたいなのには、
そういう楽しみ方もあるんだなと、結構感動をしてしまったのであった
これとは関係ないけども、サッチモの盤に客と掛け合いしてるのがそのまま録音されてるのがあるけど、
ああいったものが、音楽の一部のようでもあるし、でも、当事者たちにとっては
その場面の記録であるというのが、凄いなと感心してしまった

もうひとつ、本命はこちらを読みたかったという短編で
将棋を扱っているのが楽しかった
実際に小説に出てくる先崎九段が、ツイッターで宣伝してたのを見かけたので
是非読みたいと思ってたんだが、小説内でも先崎先生は先崎先生だなという感じで
すごくよかった、また、合い方がむろやんなのも、よくわかってるという感じで
実際に取材のときに、同じ質問をぶつけているんだろうか、
その生の声を小説にアレンジしてんだろうかと、
このあたり気になったんだけど、大変面白かったのである
ネタバレにならない程度に書いておくと、江戸時代のとある棋譜について尋ねて、
これは一方的な素人将棋と断じているところなんだけども、
なかなか興味深くてよかった、その謎の方は、実際どうだったのか
現在のプロが見てそうだとなると、この引用元となった棋譜というのははてさてと
思ったり考えたり、そもそも、これを書いた作家の腕前わ?とか
思いつつ楽しめたのでありました

近代文化史的な内容も多いのがよいところだなと
読んでいて、軽いタッチのキャラクタが、やんやしているというのも楽しいしと
ほのぼの読める小説でありました

【映画】湯道

2023-03-22 21:10:26 | ドラマ映画テレビ感想
普段だったら、見に行かないタイプの映画だったんだが、
自慢話でもないけど、エキストラで参加していたので
自分が銀幕デビューできているか確認も含めてみてきたのでありました
見てみたら、いい塩梅で面白かったというか、
結局何か?というと、なんでもない映画なんだが、
ほのぼの見られて、そして、お風呂入りたいと思わされたので
多分大成功だと思われる映画でありました

湯道という、茶道とか華道とかに並ぶものとして、
お風呂に入ることに道を見出したものが存在するという
変わったお話なわけなんだが、
湯道のお話かというと、そういうわけでも、あるような、ないような…
もう一本の話の筋として、銭湯を継いだ弟のところに、
東京でうまくいってない建築家の兄が、地上げのようにやってくるという話もあるんだが、
そっちが本道のような話で、銭湯をどうするかということになっていくんだけども、
それも結局どうなんだ、なんも解決してなくないかという話だし…

と、まぁ、なんだかんだしながら、結局「お風呂入るのいいよね」と、
そういうお話を終始していただけのようにも思えるわけで、
この企画よく通ったな、そして、なんとなく映画になってるの不思議だなと
自分の気持ちをうまく表現できないけども、とりあえず、面白かったからいいやという感じが
なんともよかった映画でありました
ともかく出演陣が豪華で、芝居がコメディ寄りでも破綻してないというか、
偏ったシリアスさはなく、さりとて、バカ騒ぎのような笑いにもふらないという
ゆらゆらした感じがほどよいと思えたのであります
俺は好きだけど、他の人はどうなんだろうか
テレビドラマでも成立しそうな感じだけど、テレビでやってたら絶対見ないから
やっぱり映画がよかったんだよなと思うのでありました

派手なやりとりも、物語の起伏もさして存在せず、
珍妙な湯道のやりとりが、小日向さんと窪田くんの演技でのみ成立しているのが面白かったり、
凄いキャラかと思わせぶりにでてきて、そのまま思わせぶりでいなくなる吉田鋼太郎が面白かったり、
クリスハートと天童よしみが親子で、一番風呂で歌いだすデュエット聞けたりと、
ポイントで面白いジャブが連打されるような感じで、
主役三人のやりとりも自然で嫌味ないのも含めて、
実にお風呂っぽいものだったのかもしれないと思ったりしたのでありました

自分も、なんだかんだ風呂好きなので
描かれていたほんわかとした風呂に関わるやりとり、
そして、そこに無理やり道としていることを否定もせず、
物語として下町人情話へと安易に落ち着かせたりもしない
説教臭さがまったくないところがよかったんじゃないかと
なんとも、しまらない感想だけども、とりあえずよかったなと書いておくのでありました

余談ながら、自分が写っているかについては、
自分じゃないと判別できない範囲で映っていたのだけ確認できたので
まぁ、よしとするのであった

3年ぶりの高雄旅行 11 台南エビ飯と杏仁豆腐

2023-03-21 21:16:14 | 3年ぶりの高雄旅行(2022)

藍晒図文創園区を見終えて、せっかくだからと三越へ
三光三越という名前だと思うんだが、これが、あの三越と同じなのか、
まったく違うものなのかは、さっぱりわからんのだが
高級デパートなのは間違いないようで、
ホテルような内装で、不思議な空間でありました



なぜかデパート内で車が売られていて、個人的にびっくりしたので
ついつい写真撮ってしまったんだが、ベントレーのオープンとアストンマーチンのSUVである
どこの金持ちが買うんだろうかと垂涎のそれでありました、いいなー
台湾と全然関係ないことを楽しみつつ、さて、ちょっと歩いて
台湾メシを食べに行こうと移動であります



ちょっとした路地裏みたいなところを歩いていくと、
やはり台南、あっちこっちに廟が点在しておりまして、なかなか雰囲気あってよろしいと
うろうろ眺めやりながら歩く、飽きないのでいいですね
大通りに面しているところは、こういう感じではないので、できるだけ路地裏を歩いた方がいいなと思うところ



そして、たどり着いたのが矮仔成蝦仁飯
台南でエビ飯といえばと名前が挙がる店であります
立ち寄ったのが、2時くらいだったか、えらい中途半端な時間だったのに
席が満員に近くて、台湾人は何時に飯を食べるものなんだろうと
ちょっと不思議に思ったのであります、しかも平日なのに
まぁ、気にしても仕方ないので、さっそくやってきたエビ飯を食べる65元也

食べてみての感想としては、そんなに旨いもんではないのでは?という感じで
このあたり味覚が違うということなのかもなと感じたんだが、
ごはんにエビが混ぜてあって、チャーハンみたいな感じかと思ったら
結構汁気が多い感じなのに意表を突かれたのでありました
あんまりおなか減ってなかったのもあると思うが、
凄い美味しい!なんて感じではなかったのである、でも、名物なので食べておいて正解である



さらにうろうろと歩いていくと、今度は大き目の廟を発見
なんか、祭りの準備ではないが、あれこれ展示されているように見えたので
せっかくだからと中に入ってみる





南廠保安宮というらしいのだが、どうやら祭りに出陣する神様の人形というか、
多分、中に人が入って動く感じなんだろうなというものがおいてあった
派手派手な旗がかっこいいと、バックショットを撮ってきたわけだけども、
このあたりが、京劇っぽくて好きなのである

そして、この界隈が小吃ストリートのようなので、
せっかくだからとうろうろ歩いて、できれば、牛肉湯を食べたかったんだが
目指していた店が閉まっていて断念、当たり前といえば当たり前なんだけども、
朝食ものらしいので、こんな夕方近くにやっているはずもないのである
代わりに甘いものをと



多分、那个年代杏仁豆腐という店だったと思われるが、
杏仁豆腐のお店のようで、おすすめだという総合盛を頼んでみたのでありました90元
相変わらず食事より甘い物の方が高いのは御愛嬌としつつ、
これがなかなか美味しくて、ありがたくいただいてきたのでありました
杏仁ベースに、あんこ、ハト麦、タロイモ、タピオカも入ってたと思うんだが
甘すぎずの優しい味がとても染みてよかったのでありました
割と遊んだので、とりあえず満足したのと
年老いた父親の体力が限界近いということで、タクシーで駅へと戻ることに

まだまだ旅は続くのであるが、台南はここまでである

前の
10 藍晒図文創園区

【読書】将棋・棋士の素顔 知られざる千駄ヶ谷の魔境

2023-03-20 21:05:17 | 読書感想文とか読み物レビウー
将棋・棋士の素顔 知られざる千駄ヶ谷の魔境  著:青野照市

将棋の周辺についてつづった実録記、いや、よもやま話というか、
昭和将棋列伝的な内容で、大変面白かった
にわか将棋好きとしては、正直、ここ数年の話くらいしかわかっていなかったので、
読んだ本でも羽生世代からといった、そういう感じだったが
その前の世代の当事者であった青野先生の実録というのが面白くて、
さらにいえば、大山先生の時代をよりはっきりと生きていたというのが
これはもう、伝説だなという感じで、わくわくと読めたのでありました

個人的に、羽生先生が出てくる前のことというのが、
中原、米長、加藤といったところがしのぎを削っていたと思ってしまうんだが、
そこの少し下くらい、谷川先生のあたりまでというあたりにいらしたということで、
今お話を伺えるのが、大変ありがたいというべきか、
面白すぎる昭和の将棋棋士のあれこれが実感を伴って書かれているのが白眉でありました

青野先生にとって、凄いとなると、
大山先生でもあるんだろうが、その兄弟子である升田先生になるのか、
升田先生に関する記述が多くて興味深かった
また、正直、あげられている名前のうち、知らない方も多かったりしたんだが
いずれも早世されているというのが、結構衝撃で、
将棋棋士って、早死にする人も多いんだろうかなんて考えたりしたのである
世間の母集団に対するそれよりも、明らかに早死にする人が多いんじゃないかと
200人ちょっとしかいない組織に対して思わされたのである
でも、天才って早死にしそうだから、つまりそういうことなんだろうかと
余計なことを考えてしまった、いかん本は面白いのに感想がつまらん

静岡愛の話が出てきていたんだが、将棋と地方というテーマは考えるところが多くて、
棋戦を支える新聞社のこともクロスして、
そういったことが将棋をとりまく様々なものを支えてるんだなと
改めて思い知ったのでありました
スポンサーに新聞社が前提であるというのは、時代とこれまでのことを思えば
その通りではあるし、その恩ともいうべきことは、
青野先生の赤貧時代(失礼)を思えば、そりゃ蔑ろにできるはずもないし
これからも大事にしていかないとという人情を催すに十分であるなと感じた

でも、そういうことがあるからなのか、米長先生が会長時代に
様々な手をつけて、電王戦の発足につながったというのは、
これまた、経営という大きな盤上でのそれだったようにも思えて
凄いことだと感動したのでありました
これを佐藤会長が今に続けているし、それぞれの棋士がみんな
真剣にそういったことを考えつつ、それでいて、あの勝負を繰り広げてんだろうと思うと
新たな感動を覚えるばかりだったのでありました

見る将には、すごくいい本だったと
感激したとメモっておくのである

【読書】まれびとパレード

2023-03-18 21:02:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
まれびとパレード  作:越谷オサム

妖怪のようなものをまれびととして扱った小説でした

おとぎ話の現代版といった印象で、
やや子供向けとも思えるような内容なんだが、
まぁほのぼのとそういうことがあったらいいねという話が
のらりくらり短編で読めるといったもので
まずまず楽しく、微笑ましい感じで気持ちよく読み終えたのでありました

もとになった妖怪のネタをちゃんと知っていると
現代ナイズされた感じが、より楽しめたのかもしれないと思うのだが、
泥田坊とか、そういう感じの妖怪だったんだと
本当かどうかわからんが、なかなか楽しいキャラクタで、
読んでいてほのぼのとできたのであります

おとぎ話なんかの伝承となった話も、
実際のところここに書かれていた現代版の当節のものだったと考えると
人間あんまり変わらないんだろうなという印象にもなるんだが
多分、そういう難しいことを考えるのではなく、
妖怪を現代に出して、ほのぼのおかしく描いてみましょうという
ちょっとした大喜利っぽい内容だったようにも読めたのでありました

毒も何もないので、すんなり読めるんだが
それがゆえに、やや退屈なという感じもあって、
軽いやりとりをさらさらっと読み流すみたいな感じになってしまったけども、
まぁ、まずまずこんなことがあったら楽しかろうか、どうだろうかと
童心にかえった気分で読んで楽しんだのでありました

3年ぶりの高雄旅行 10 藍晒図文創園区

2023-03-17 20:53:03 | 3年ぶりの高雄旅行(2022)


バスにのって15分ほど、三光三越前で下車して到着したのが、
藍晒図文創園区
台南でリノベされた街並みの中でも、芸術にかなり舵を切った地区であります
最初、バスから降りて、三越の前というあいまいな情報で、
こんな派手な場所なのに、まったく気づかずに右往左往してしまったんだが
とりあえず到着して、喜び勇んで中を見学



藍色を基調にした不思議な空間で、
このあたりは夜にきてライトアップしていると、よりかっこよく面白いようなんだが
残念ながら真昼間で、あんまり雰囲気ないんだが、まぁ、綺麗だねなんて思いつつうろうろ
写真で見て気づいたんだが、写真にすると漫画みたいな感じになるんですな
平面的になって、白い線が集中線みたいなのになって、なかなか面白いわ




中には、おしゃれ雑貨ショップみたいなのがいっぱいありまして、
竹の根っこを使った鳥のオブジェとか、なかなかかっこいいなと感心しきり
流石に買って帰るには大きすぎると思いつつも、デザインと遊び心の入った雑貨が
あちこちで売られていてかなり面白かったのであります
普通にビカクシダが軒先につるされているのも流石熱帯(違う)

そして、何よりも芸術特区といっても過言ではない
壁画の数々が区域を彩っておりまして






多分これで全部だろうか、
最後のはガジュマルが壁面をつたっているところとうまいこと取り込んでいて
なんかわからんが、凄いかっこいい、幻想的なのからポップなのまで、
家屋というか、お店の壁面全体に描かれていて楽しい
最初のイラストっぽいのも、8m四方くらい、いや、もっと大きいのか?
二階建てくらいの家屋の北面壁面にみっしり書かれている感じで、
おしゃれでかっこいいものばっかりでありました
若者いっぱいなのに、日本からきた老人とその介護者で歩くのはなかなか恥ずかしいものがあるわい



と、まぁ、なんやかんやと土産物見たりとかして、結構楽しんだのであります
ちょろちょろ見るというつもりだったのに、あっという間に1時間くらい過ぎてて驚いたのである
面白い場所でありました
牽著你的手做你的牽手ってのは、グーグル先生によるとよくわからんが、
歌詞とかなんだろうか、手をつなぐっぽいそれなのはわかるんだが
ニュアンスがよくわからんな
あと、腐りかけたベスパが居た、台湾でも人気なんだな

つづく

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09 遺構を見てから炒飯と珍珠奶茶

【ドラマ】DOC あすへのカルテ

2023-03-16 20:54:27 | ドラマ映画テレビ感想
NHK海外ドラマ枠でありました
イタリアのドラマって、多分人生で初めて見たと思うんだが
医療ドラマなので、イタリアっぽさはあんまりなくて
普通に病院で奮闘するお話を楽しめた

本筋というか、医療ドラマでありながらも、
主人公が記憶を失って、それを取り戻すことによって、
その過去やら、また、そもそも原因となった謎を解いていくという
ミステリ部分もスリリングで面白かったんだけど、
それはそれとして、しっかりと医療ドラマ部分ががっつり入ってきて
正直、最初の3回くらいまで、このドラマの作りというか、
なんか、入り込めないで見ていたんだが、毎回難しい症例が出てきて、
それが二つか三つくらい絡み合いつつ、最終的にそれらが、
良い方向に解決するものと、ビターになるものに分かれて
いずれにせよ決着するという繰り返しが、
かなり癖になるというか、いい塩梅で、楽しかったのでありました

医療そのものもあるんだが、そこに関わる人たちの人間関係も結構入り組んでいるというか、
がっつり恋愛事情が入ってるのが、そもそもお国柄っぽいところだろうかと、
イケメン医師がいっぱいでてきて、惚れた晴れたをしていくのが
違和感ないというか、あんまり恋愛ものって得意じゃなかったんだけど、
そういうのと違う、いや、違わないんだが、
人間模様として面白いなと、くぎ付けになってしまったのでありました

かなり面白かったので当然のようにまた、続きが作られているようで
それも放映が約束されているので、アストリッドとラファエルに続く楽しみが増えたわけだが、
とりあえず、今作で、医師チームの何人かがいなくなるのが確定しているのが少々残念なんだが、
その二人のそれぞれの重石も見所で、かなりよかったと思うのでありました
人生の選択を迫られるというのと、
それを支える環境で、医長とは何か、そのリーダーシップが発揮されている姿みたいなのが
最高にかっこいいなと描かれているものに感心してしまったんだけど、
そうなればなるほど、撃たれる前の人格はどうだったのか、
もう一回、一話を見たいと思わされたのでありました
正直、その時のDOCの印象が、いまいち残ってないので
過去回じゃないが、ひどかった頃の話とかを次のシーズンでは見たいなと思うのである

それはそれとして、医療の見立てってのは大変なんだなと
なんの病気あるいは、けがなのかというのを推理するのは
素人目で相当に面白かったので、これもまた見所であるとしみじみ感じるのであった

【読書】劇場

2023-03-15 20:55:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
劇場  作:又吉直樹

小規模劇団の劇作家を主人公にした
鬱屈とした創作活動と、そこにおける人間性や哲学、
情感の揺れを描いた小説でありました

結構難しい内容の字面で埋められているような印象で、
哲学的な、演劇とは何か、そこに関わる感動や感情はどこからくるか、
そういうことに関する演劇論とも違うそれこれが、
突然連綿と書き連ねられていて、そのくせ、そこに意味がないという作りなのだろうか
いいことや、考えてみるとそうかもと思うことが多いけども
理解と感動は一致しない体験を読み手として受け取るものだったよう

とはいえ、そういう鬱屈としたものを抱えている脚本家が、
劇団を喧嘩で失ったり、表現をちゃんとできなかったりする絶望感、
そういう毎日に、見掛けた綺麗な女の子をナンパするくだりが、
もはや精神破綻者ではないかと思ったりする出だしだったけど、
それがなぜだか受け入れられて、
また、このナンパというか、変質者が言葉で襲うみたいなそれが
成功といっていいのか、彼女を手に入れることとなって、
やがて、いかにもありそうなヒモ生活っぽいものに突入し、
でも、当然のようにその関係にじわじわしわが寄ってきて
収拾がつかなくなる様をじっと見守る
そういう物語で、結構息苦しい内容でありました

それでも読めてしまうのは、このちょっと頭おかしいのでは?という主人公が、
なんとなし面白いというか、不条理喜劇の主人公めいてるところもあって、
なんだかんだと読まされてしまうというところで、
このあたり、流石だなと演劇というよりも、
コントの台本を見ているような感じで、感心してしまうのでありました

結局恋愛小説だったんだろうかと、首をかしげるような感じだけども、
シーンはともかく、描いていたことは割と普通に、
男と女が出会って別れる話、別れ方は一緒に暮らして合わなかったから
と、まぁそういう身もふたもないそれだったんだが、
その間間、そして、結末で取り返せそうな雰囲気だけで、
何一つ改善も、いいこともないのに、よかった気がしてしまうラストに盛り上げていくのがうまくて、
これは、主人公の気持ちもまさにそうで、
そこが人生として、自分が受け入れられる落としどころという敗北だなと
偉そうなことを考えつつ読み終えたのでありました
面白かったけど、なかなか疲れた