CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】片桐酒店の副業

2014-09-30 20:07:38 | 読書感想文とか読み物レビウー
片桐酒店の副業  作:徳永圭

さっぱり、あっさりした小説を読もう
そんな按配で手にとったはずが、
重たい、暗い、じめじめしてる
そういった感想を抱く内容で、
ちょっと面食らったのでありました
タイトルからして、
面白おかしい事件を解決する、ご近所推理ものをイメージしてたのに
全く、いや、全くでもないんだけど、違いました
便利屋稼業でなにかしらと、
そういう感じなんだが、全体的に重たい印象の小説でありました

昔、嫌なことがあった、
そんな書き方をすると、どうしようもないのですが、
ともかく、そういう主人公が、
その嫌なことから目を背けるような人生を送りつつ、
便利屋稼業を続けながら、少しずつそこに向かうというか
前を向くきっかけをつかむといった具合で
ハートフルといえば、ハートフルな
もうちょっとコメディ要素を入れてくれれば
もっと読みやすかったというか、気持ちよかったのにと
そんな感想なのでありました

特にこの描写がなど、そういう感じの楽しみはあんまりなくて、
さりとて、「悪意」というものをこしらえる話があって、
これは、非常によろしくない読書感ながらも、
なかなか面白いアプローチというか、
なるほどなと思わされるようで楽しめました

話はあっちこっちに移動するし、
一つずつ、真相ではないけども、
嫌な過去について、向き合っていく感じがするものの
なんとも、すっきりとまではいかない感じで
うやむや、だけど解決はしたかなと
思ったり思わされたりで
とりあえず読みましたというメモになってしまう
そんな小説でありました

杉谷とうがらし

2014-09-29 20:25:43 | 食べ物飲み物
もう旬が過ぎて、すっかり並ばなくなったのですが、
7月から8月くらいにかけて、
近所のスーパーでやたら安く売られておりました
「杉谷とうがらし」という食材についてであります

旬が過ぎて、店頭から消えてから書くのもアレですが、
これがまぁ、滅法美味しい、とんでもない食材だと
呆気にとられた今年の夏だったのであります

<杉谷とうがらし>
滋賀県は甲賀のあたりでとれるものだそうです
いわゆるエアルーム的なものなのか、
地の野菜と呼ばれる、その土地のものの様子
「とうがらし」という名前でありますが、
ししとうのように辛味のないタイプでありまして、
しかも、ししとうみたいに外れが出ない、
完全に辛味成分を失っているようであります
それだけでも凄いと思うところ
これってF1じゃないんだよな
裏とりなんざするつもりもありませんが、
実生選抜でこうなったのなら、大したものであります

と、そういう物体でありまして、
辛味がないなんていうことは当たり前のところ
生でも食べられるというのが凄いのでありました
実際、生で食べてはいないのですが、
さらっと炒めて食べたところ、
なんというかな、フレッシュな感じというのか
ししとうにしても、こう、青臭さがない、
凄い食べやすいというか、単体でおいしいと思った
こんな野菜初めて食べたと
結構真剣に驚いたのでありました

炒め物にして、さらっと醤油をかけただけですが、
醤油なくても、塩だけとかで十分美味しい
これそのものに、何か、特別な味というのは感じないけど、
かすかな香りといっていいのか、
本当、爽やかさ、そういう味があるとすればこれだと
そんな風に思うような、柔らかくて美味しい
驚きの食べ物なのでありました

来年も出回ることを祈りながら
なんだったら、自分で育てるために
タネが手にはいらんだろうかなどと
思ったりなんだったりしつつ、
滋賀県の特産野菜でありますメモ

軍師官兵衛  跡を継ぐもの

2014-09-28 20:53:23 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
視聴完了いたしました
もっと、ががっと行く感じの日かしらと
願っておりましたが、そういうわけでもなく
なんか、仲直りじゃないですが、
目先の危険が、簡単に去っていったようで
残念至極でありました
もっと、ひりひり緊迫したまま小田原だったらよかったのに

そんなことを想いながら見ていたのですが、
よき忠臣としての官兵衛という、
なんか違うな、どちらかというと
この時点で見限ったという感じの、
予告でミスリードされた感じでやって欲しかったと
思わなくもないところ
諫言という形で強く出たという美談じゃなくて、
あれを影で、日向でつぶやいて
なんというかな、もうろくし始めた秀吉と
距離を置き始めるという感じ
そして、それを許さない秀吉みたいな
そんな具合であって欲しかったんだが
どうも、この秀吉は官兵衛への依存がすぎる
残念であります、
これはこれでいいんだけども、残念であります

で、まぁベタな茶々パートを眺めつつ、
もうちょっと長政と秀吉が近づいてもいいんじゃないか
むしろ、親父より扱いやすいみたいな感じで
するっと家督を譲るという感じで
見せてもらいたかったかなと思ったりしつつも、
おねさま相手に、かか様なんて呼んでしまうアレを
なんだろうか、光はどう思ってんのかしらと
余計なことを考えたりしたのでありました

豊臣を滅ぼすものたちとなる彼らが
なんというか、楽しげであるのがステキでありました
そんな、いつもといっていいか、
期待どおりの展開でありまして
次回小田原評定がちょっとだけ楽しみであります

【読書】おとうさんは同級生

2014-09-27 19:26:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
おとうさんは同級生  作:澤本嘉光

こういうジャンルをなんと呼ぶんだろうかしら
そういう感じの小説というか、物語でした
軽快というか、軽々しいというか、
漫画のようでもあるんだけども、漫画にするには
なんだろうパンチが足らないといったらいいか
しいていうと、ビッグコミックオリジナル系というか
いや、そうでもないな

ともかく、現代小説ながらもライトノベルとは違うけど
だいたいあれくらいの軽い感じの小説でありました
45歳のヤクザが、高校生になってすったもんだする
そういうお話であります
設定からして突拍子もないんだが、
悪人が出てこないといったらいいか、毒が非常に少なくて
さくさくと読める物語でありました

別段、教訓めいたところとか
何か凄い話しとか出てくるわけもなく
細かいギャグといったらいいか、
状況的な笑いといったらいいんだろうかしら
そういうものがさしはさまれていき、
益体もない文章が並ぶんだけども
テンポがよいといったらいいか、細かくくぎりがされていて、
読みやすいというのがステキでありました
これで冗長だと読んでられないかもしれない

コミカルというには、やぼったい感じでありましたが
バレバレの展開を堂々とやってのけて、
そして、それが妙に清清しい感じという
なんか、気合と勢いで乗り切ろうとしているかのような
主人公の生き方と、文章がステキだなと
ついつい読まされてしまったのであります

息抜きにさらりと読むには
非常によい、軽くて楽しいお話でありましたとさ

いつかの台湾旅行記録 16 牛肉湯榨菜肉糸麺と小酥餅

2014-09-26 22:54:57 | いつかの台湾旅行記録(2014)
いよいよ帰国のちょっと前、
残り少ない滞在時間で、なんとか食べつくそうと
あれこれ小吃をむさぼり歩いたのでありました
まずは、西門町にて



牛肉湯榨菜肉糸麺だと思います、60元
これとは別に朝飯も食べたというのに
とりあえずかきこんでみました
正直、台湾の麺料理はそんなにおいしくないと、
日本のラーメンに慣れすぎたせいか甘く見ていましたが
これは非常に食べやすかった、うどんに近いといっていいのか
あっさりさっぱり食べられて、それでいて、
出汁とまでは言わないけども、肉のスープが旨かった
いかにも台湾の朝食という感じで
地元の人に混じって食べるのも楽しかったのであります


帰りのバスから台北駅を写したりしながら
だらりだらり帰っていきます、途中寄ったところで
さりげなく買い食い



小酥餅という名前だったと思われるのでありますが
なんと12元という非常に安価で楽しめました
中はアズキのやつを食べたのですが、もちっとして
久しぶりに葱の入っていない、揚げた何かを食べたと
台湾に毒されつつあった胃袋を少しだけいたわったのであります
ま、油まみれなのは同じなのでありますけど


そして最期に、桃園空港にてトンポーローと思われる
いわゆる角煮ご飯セットを食べて台北を食べきった
いや、今回を食べきったのでありました
飛行機までの時間が近かったので、
出てきて10分もしないうちに食べ終わっていたんだが
まぁ、台湾いくと飯食うスピードが鍛えられてよいですね
みんな食べるの早いんだもの

と、そんなわけで、ぴたっとおさまる感じではないですが
これにて台湾2泊3日を終えたのでありました
実質1日しか観光できないわりには、
都合つければ、なにかれ遊べるというのがステキと
自分の秘められた力のようなものも感じられて
旅大好きなどと、世迷いごとを書きつつ
また行きたいとつづるのでありました

本当にまた、いきたいわん

前記事 15 早朝の西門町

【読書】財務省の階段

2014-09-25 21:08:19 | 読書感想文とか読み物レビウー
財務省の階段  作:幸田真音

まじめな現代経済小説だと思って読んだら、
オムニバス形式の実験的な経済ホラー小説でした、
それならそれで、財務省の怪談って、ちゃんと
わかりやすいタイトルにしておけよ
そう想いつつも、面白く読んだのでありました
気が抜けてというか、あまり考えずに読めました

短編がいくつか積み重なったものでありまして、
それぞれが、少しずつリンクしているけども
別段、繋がっていなくても問題ないという
そういった具合になっていまして、
どの章から読んでも、なるほどなと
そう思うような具合でありました

経済とホラーというのを
画期的に融合させた意欲作なわけでありますが、
まぁ、正直なところ、融合させる試みはステキだが
それがどういう結果となるか、補償はされない
そんな感想を抱くにいたったのであります
正直、もうちょっとホラーなりに、
経済に食い込んだ話しを書いて欲しかった
どっちかというと、経済に関係ある建物にある
怪談といった具合なので、
なんとも残念であります

とはいえ、ちょっとショートショートのような雰囲気もあり、
ところどころ、にやにやさせられるわけです
さくさくと読めるのもよいところでありまして、
あとは財務省庁やら、旧日本銀行やら、
そして得意の高橋是清だとかが、
見え隠れしながら、昔話だったり、不思議話しだったりと
語られていたのでありました

ホラーでありながら、怖いよりも
なるほどなぁというような具合だったり、
ちょっといい話っぽく終わったりと
スリルの面では、まったく満足しなかったのですが
何かしら、経済をキーワードにした
面白い変わった小説を読めたと
そういう意味では満足なのでありましたとさ

誰かが死ぬと下げ止まるというのは
なかなか、言い得て妙ではないかしら

【映画】柘榴坂の仇討

2014-09-24 22:05:07 | ドラマ映画テレビ感想
見てまいりました
るろ剣もよいけど、やっぱり、昔ながらの殺陣が見たい
そういう鍔競り合う内容のが見たいなんて思って
しれっと観賞でありました
が、まさかの片手剣に思いっきり裏切られたんですが
それはそれ、私の大好きなあだ討ち話だったので
とりあえずよいとするのであります

内容は、どうやら原作つきで、
しかも浅田次郎さんだというので、
これはもう、辛気臭いそれなんだろうなと思って
さほどに気にしないというか、
まぁ、そのあたりはどっちでもよいと、
割り切っていたのであります
壬生義士伝とか大好きだったので好きな作家さんでありますが、
まぁ、全面的に辛気臭いのでさほどに期待せず
そういう感じで、でも、陰惨とか暴力とか
ああいったのではない物として、安心して見られた
そういう感じであります

内容は、明治に復讐を禁ずるそれが布かれたその日に、
桜田門の仇を見つけた男と、見つけられた男
その邂逅を描いたものでありました

茶化す必要はまったくないのですが、
まぁ、なんというか、凄く丁寧に作られていて驚き、
ともかく静かに、そして事件は起きるべくして起き、
流されるべくして流されていき、
何もかも失われるようでもあり、
生きている姿は確かでありと、
人情とかよりも、生き様、だけど
そんな厳しい何を描いたというのではない
朴訥な作品であったように感じたのでありました

描きたいテーマみたいなのは、うっすら見えたのですが
それがいくつもあるように見えて、
肝心の敵討ちというそこがどうであるか、
その命題には答えてくれなかったのでありまして、
私の好きな仇討ち話とは違うものだなと
少々がっかりだったわけですが、
まぁ、それはそれ、最後の仇討ちシーンは見事でありました

石榴坂なる坂を登らせてからのというあたりは、
ちょっと考えさせられてしまったのでありますが、
本当、物語の最後の最後に、仇討邂逅が設けられていまして、
この出会ってからの、上滑りではないけども、
含み、暗闇のある、影をまとった会話
だんだんと、仇討ちの準備みたいなのが整っていく、
準備というのは心のそれであります
そして、最初の立会いとのトレースから…

そんなわけで、殺陣としては、
ちょっと残念なできというか、脇差と戦うというそれで、
何か違う、せっかくだから、もっとよい殺陣が見たかったと
重ね重ね残念に感じたのでありますが、
雰囲気と、仇討ちの決闘が始まるところ、そして終わるまでは
見ごたえがあって、堪能できたのでありました

まぁ、辛気臭いのにはかわりませんが、
真面目で、丁寧な映画でありました

【読書】大学生のためのコーチングとファシリテーションの心理学

2014-09-23 23:09:02 | 読書感想文とか読み物レビウー
大学生のためのコーチングとファシリテーションの心理学  著:本山雅英

読んだというか、目を通したといったほうが適切な
よろしくない読書経験でありました
全然面白くないうえに、頭に入ってこなかった
どうも、こういうタイプの本は自分にあわないのか
全部がそういうものなのか、わからんけども
何も残らず過ぎていくというか
明日の朝には、何を読んだリストから
消え去っているだろうと
そういう予感を伴う、教科書のような物体
でありました、残念だ

さて、そうはいっても、
読んだすぐなので、何かしら感想をメモっておこうと
とりあえずここを手繰っているわけでありまして、
ファシリテーションという、
いわゆる会議進行役(すでに間違っている)の方法というか、
心得と技術を簡単に書いた本でありました
コーチングの部分も最初に触れるんだが
ようは、人の話はちゃんと聞こう、
そして聞くというのは、ただ聞くんじゃなくて
聞いているよというのを伝えるコミュニケーションだと
まぁ、どっかで読んだ本にあったことが
ここにもあったと、そんな感想になってしまう
そういったものでありました
ろくでもない読み方だな、
ちゃんと読んでないな俺

自分が、現在どういう気分で相手の話を聞いているか、
または、どういう気分で話しているかというのを
なんとかして数値化じゃないが、理解することで、
その会話というか、コミュニケーションを
より伸びやかにするため、こういう気持ちで喋ろうとか
そういうことをやりましょう
まあ、そういったことが書かれていたように
読んだわけですが、
そんなもん、会話のさなかにささっと対応できるようなら
今頃、すらすら喋っとるわいと、
よくある、人と喋ることができる本系と同じく、
わかってんだが、それができないという
ジレンマに陥ってしまう、そういうものでありました
私には合わないわけである

とはいえ、会議の進め方が
物凄く綺麗にまとめてあるページというか部分もありまして、
杓子にあてる部分としては、これは
よい定規でありますなと、そこだけひっそり受け取っておき
あとは、たらりと流した
まぁ、会議なんて、所詮そんなもんよね
でも、相手の話はちゃんと聞いておこうと
思ったり考えたり、感じたりのことだったのであります

というか、司会進行役なんだから、
なんか発露するという技術ではないというあたりに、
何か、こういう仕事が必要とされるよりは
勝手にでてきて、ひっかきまわしてるだけじゃないかと
思わなくもないんだけども、
これの高等なやつは、本当に当たるんだろうなと
個人スキルとして考えさせられるのでありました

軍師官兵衛  追い込まれる軍師

2014-09-22 21:12:07 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
録画視聴完了であります
あれこれ事情がありまして、今見終わったわけであります
いい回だった、本放送で見たかった
そんな感想を抱いた次第であります

序盤の長政おお張り切りの巻後編が、
思ったよりも陰惨というか、凄惨な感じで終わって
凄く満足でありました、
そうだ、あれでいい、欲をかくとちょっと弱いというか、
鶴姫までばっさりでよかったかなと
思わなくもなかったですが、
官兵衛が手ずから殺ったのはよかったのであります
しかも、息子が親父をやった後に、
親父が息子をやるというこの物語が
なんとも、凄くよかった
感激でありました
そう書いてしまうと、私は大丈夫かと思ってしまいますが、
まずまず黒田というものに期待した何かが
晴れ晴れ、できたようでうれしいのが確かなのでありました

さて、そんななか、
ごりごりと世代交代というか、豊臣を支える若武者が
それぞれ大名となりつつありステキでありました
利休なり、三成なりに
あれこれと悪いフラグもたっているし
大変楽しいというか、盛り上がりに加えて、
種まきまですんだという感じで
大変楽しく見終えたのでありました

で、秀吉がもうろくしているかというと、
そうではなくて、焦りというか、次の段階に移ったと見える、
この感じがステキでありまして、
起こっていることが悪いというのではなく、
そういうもので、そこをどう泳いだかというところが
結構丁寧に描かれているので
まぁ、好感触はなはだしい、天晴れと楽しくて仕方ない
つまるところべた褒めになってしまう
これでありました
家康との、丁々発止とまでもいかない、
ゆるりとかまをかけあい、すかしあうといった具合も
重たい雰囲気ですばらしかったと思うのであります
というか、あれは三国志的なアレなのか、
いや凄いいいシーンだったし、
持ち上がり方、絡むのが秀吉、家康という、
官兵衛にとって、物語上最高のそこでというのが
抜群でありましたね

本能寺回もよかったが、これもまたまた
凄くいいなと、終盤を楽しみにしたく、
次回予告の隠居話が、スムースにつながって
喜ばしいかぎりでありましたとさ

【読書】これはペンです

2014-09-20 15:57:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
これはペンです  作:円城塔

純文学なんでありましょうか、
えらい難しい中篇というか、短編小説を読みました
これではない作品で、芥川賞をとったそうなので
たぶん、そういう感じなんだろう
けども、私が知ってる芥川賞的な、
なんというか、高尚に暗いといったそれではなく、
もっと不思議というか、不可解というか、
理解が遠い感じの不気味とも思える文章でありました
でも、面白かった

二編収録されていまして、
一本目が書題でもあります「これはペンです」
文章を書くという道程というか、
行為のようなそれを分解して再構築する
いや、揶揄したような、皮肉ったような
なんだろうか、言葉遊びというには
非常に手の込んだ話で、
数学的やら、物理的やらの要素をにおわせながら、
文章について語り続ける哲学めいた装いの
不可思議極まりない文章でありました
でも、面白かった

示唆でもないんだが、語られていく内容が
推理小説っぽい感じで、その実、
ぜんぜん推理とかと関係ない話なんだけども
まだとっつきやすいというか、読みやすくてよかった
普通のことを難しく考えすぎて、こじらせた
そういう症状を説明されるみたいで
いたく気に入って読んだのであります

一方、「良い夜を持っている」といういっぺんが
これがまぁ難解というか、私にはわからない
そういう感じで、やってることは
先のと似た話なんだけども
より鬱蒼としているというか、こっちの方が、
芥川賞ぽいにおいがする、たぶん、純文学というやつなんだろうか
そういう感じだと思えたのであります

下地にいくつかの文章というか、
読書が必要だと思われる要素が散見できまして、
夢十夜は、かなりいろいろとポイントになる一冊ではないか、
そんなことを思わされたのでありますけども、
どこがそうだったか、どれが何だったかは、
指摘できない有様なので、
なんとも、読んで楽しみきれなかった
そういう感じであります

理解を拒むような、わけのわからない道理が
たくさん出てくるというのが素敵で、
これがまた、拒むようで、突き放すでもないといった
手心が垣間見られるので、まだなんとか
読もうと思えたという感じでありました

ま、読み終えて、何一つわからなかったので
なんだろうかなというところでありますが、
なかなか、こういうのは10冊に1冊くらいでいいかなと
ちょっと、おなか一杯といった具合なのでありました

【読書】ウイスキー アンド シネマ

2014-09-19 21:33:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
ウイスキー アンド シネマ  著:武部 好伸

いつぞやの、恋愛映画本に懲りず
また映画本を読んでしまいました
しかも、ウイスキーも飲みつけないというのに
と、そんな素養だから当たり前という結末といいますか
さっぱりわからない
そういう感じで終わってしまった
非常に残念な読後であります
なんだろう、どっちかについて詳しいと
だいぶ違うんだろうかな
はたして、そういう薀蓄がないと、どうにも楽しくない
そう感じてしまったのであります

内容は、タイトルの通りで、
映画に登場するウイスキーから、さまざま読み解くというか、
そのシーンに、どんなお酒が使われたか、
その味はどうであるかというのを解説説明される
そういった本でありました
結構な量といいますか、かなりの本数が紹介されている
しかも、古今東西といいますか、
洋画邦画、古い、新しい問わずにセレクトしてるので
どれか一本くらい知ってるだろうと
思わされるのにも関わらず、
私は一本も知らなかったという、ぐうの音もという具合であります
そもそも、映画見てないんだよ俺

じゃぁ、というわけでもないが、
ウイスキーのほうはどうかといいますと、
これは、なかなか薀蓄が深く、
スコッチとバーボンがどれほど違うか、
ジェームズボンドはバーボンなんて絶対飲まねぇよとか、
そのあたりが軽快で面白く読めたのであります
私も、かじった程度というか
嘗めた程度にしか飲んでないので
何彼と言えませんけども、
確かに、スモーキーといったらいいのか、
焦げ臭いとは違うんだが、ともかく、
凄い香ばしい種類があった、私の場合はそれはラフロイグだったと
思ったりするんだが、残念ながら
ラフロイグは出てこなかったように思う
くそう、読んでるのにわかりゃしない

そんなわけで、お酒あるいは映画のどちらかに
フィーリングがあった人に向く本なんだろうと
身もふたもないことを書き連ねておきつつ
読んだというメモを置くのであります

いつかの台湾旅行記録 15 早朝の西門町

2014-09-18 19:43:55 | いつかの台湾旅行記録(2014)
そして旅行も三日目、帰国の日であります
しかし、比較的ゆったりな8時30分頃ホテルを出発のため、
朝6時起床なら、2時間は遊べる
というわけで、早朝のホテル周辺、西門町界隈を
うろうろしたのであります



台北天后宮、町中にある廟といったらいいのか、
お寺さんであります
お地蔵さんだとか、弘法大師だとかおわしまして、
きらびやかでありました


続いて、中山堂
早朝だから中には入りませんでしたが、
昭和の日本統治時代を思わせる建造物であります


台北図書館、結構でっかい図書館でありますが
当然入るわけもなく、素通り


入ることは叶いませんでしたが、
三回目にしてやっとお目にかかりました総統府
朝早くなので、堂々と道の真ん中から撮影
もっと近づいてみたかったのでありますが、
あっちこっち回ってたら時間がなく
なくなく、遠景で我慢でありました
平日に遊びにいけないから、なかなか入れません


あとは、台北憲兵隊の本部なのかなんのか、
庁舎の前をさらっと通ってきたのでありました

とりあえず1時間半くらいで、ばばっと歩きとおして
あっちこっちを見て回るだけの
いかにも日本人らしい、ランドマーク狩りを楽しんだので
ありましたとさ

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【映画】るろうに剣心 伝説の最期編

2014-09-16 20:53:12 | ドラマ映画テレビ感想
ここのところ映画づいております、
あと、石榴坂と舞妓も見たい、蜩はどうしようかしら
そんな中、とりあえず、これは絶対というラインで、
見てまいりました、前作から一ヶ月
待ちに待った、るろうに剣心であります

いやぁ、ちょっとやりすぎだろう

面白楽しく見終わったのでありますけども、
なんだろう、これはもう監督の性癖でありましょう
全体的にやりすぎ、盛りすぎでありました
これでもかと披露されるアクションの数々、
ともかく凄い、速い、手が多い、
もう追っかけるだけでも大変、
これはお年寄りでは目を回してしまうんじゃないか
新しいチャンバラを啓いたといわれたら
そのとおりなんだろうと思うのですが、
なんだろうかな、もうちょっと落ち着いた殺陣というか、
せっかくいい殺陣いっぱいあるんだから、
全部使うとか、そういうんじゃなくて、
もうちょっと選ぶというか、いや、なんだろう
いいんだけどさぁ(なんだかな)

そんなわけで、ただただ、物凄い量のアクションに
慄いたというか、もうおなか一杯だったのでありました
満足といえばそうなんだが、
なんだろう、脂っこいといったらいいのか、
ちょっと、たまにはさっぱりしたものが食べたい
そういう感じになるほど、
てんこ盛りだったのであります

話しの筋については、無きに等しいというか、
よく考えたら、少年漫画だからそりゃそうだよなと
薫の意味とか、あれこれ思わされましたが
考えるだけ意味がない、それよりは、
今回というか、もう、ただ、アクションのためだけに撮った
そういう心意気が伝わってきた数々について

一番よかったのが、最終決戦でありました
一対四、これで敵が一というのが斬新だよなと
改めて思ったわけですが、空撮といったらいいか
上から見せる殺陣というのが凄く新鮮でかっこよかった
一斉に襲い掛かる四人の動きもよかったし、
次々と、襲い掛かっては跳ね返される、
さらに、敵のほうが強すぎて反撃しまくるとか、
実に面白く見えたのであります

これに限らずでありますが、
今回は、刀殺陣よりも体術といいますか
投げ技があれこれ見えたのも新鮮でありました
柔術というよりは、柔道っぽい投げばっかりでしたが
それはそれ、足払いめいたそれも含めて、
見ていてインパクトがあってステキでありました
というか、師匠が綺麗に投げてたと想いますところ

そのほか、蒼紫との戦いについても、
よかったんだけど、小太刀二刀が一刀を完全に圧倒してしまう、
そう、今回物凄く気になったんだが、
みんな片手剣になっているから、どうにも
刀殺陣が軽いという印象でありました
まぁ、逆刃だから、何度もたたくという戦法だと
わかってはいるんですが、
片手剣が、なんだろうパンチの延長みたいに見えて
もうひとつ、こう、違うと感じてしまったのであります

その点、志々雄については、エフェクトで炎が出るので
片手というのを有り余る迫力が出てて、
よかったなぁと感激したりでもありました
最近のCGは凄い、本当にかっこいい、というか
完全に格闘ゲームの再現でありましたね

感想が散発になってしまいますが、
ともかく、殺陣を見に行って、宗二郎戦と志々雄戦に満足し、
物語の三分の二はアクションだったなと
思い返したりしながら、もう一度くらい見ないと
アクションを覚えてられないというか、
ちゃんと見られないと感じるのでありました

思い返せば、師匠との稽古が凄いよかったように
印象残っているのは、序盤で疲れてなかったからかも
そういう風に思うほど
たくさんのアクションというか、殺陣でありました

【読書】カフーを待ちわびて

2014-09-15 17:03:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
カフーを待ちわびて  作:原田マハ

ささっと読めそうな一冊と思って手に取ったのであります
先日読んだ楽園のカンヴァスが思った以上に面白かったので
ひそかに期待して読んだというわけでありますが、

あれ、これ同じ作者?本当に?

そんな驚きをもって読み終えたのでありました
なんだろうかな、そうか、こういう作風なのかもともと
そういう、ラブストーリー大賞なるそれだと聞いたのですが、
そんなにラブストーリーか?と、素養がない私には
なんとも、こう、全体的にしっくりこなかった
感想を抱いたわけでありました

沖縄の離島を舞台にしたお話で、
別段社会派のそれとかでもなく、
さりとて、若者、いや、さして若くないんだが
ともかくそういった青年というか、壮年を描いたとしても
重くもなければ、悲しくもないといったらいいか、
なんだろうかな、さらっとしていた
そういう感じであります
人間ドラマとか、そんな壮大なものでもなくて、
だけど手のひら大の物語かというと、
なんかそうでもない、遠い、私からはただ遠い
そういう感想でありました

で、面白くなかったとかそういうわけではなく、
間違いなく、私には流れていない何かだと
そこで繰り広げられているなにかれは、
遠い情景であると、なんとなし醒めてではないが、
そう読んだのでありました

正直なところ、予想できる範囲の事件と
いえなくもない流れだったのでありますが、
そこで迎えたオチというのが、
そこから、何を思ったかによって、
その人の状態が占えるんじゃないかと
かんぐってしまうようなオチでありまして

個人的には、これはなんだろうかな
バッドエンドじゃないのか、もう、輝かしい何彼は
待っていないんじゃないかなと、
暗く悲しいことを思ってしまったのであります
たぶん、あのエンドに綺麗な希望なりを描ける
そういう人が、楽しく、いや、楽しめる
そんなものだったんじゃないかろうか
よくわからんが、そう、遠い情景を見て
思ったのでありました

面白かったけども、なんだろうか
しっくりはこない小説でありました

軍師官兵衛  城井谷の悲劇

2014-09-14 20:55:42 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
視聴完了であります
久しぶりにすごく楽しんだというか、
面白かったという素直な感想であります
戦シーンもあって、しかもロケでというあたりの満足度、
加えて、悪い話というのが素敵でありましたね
なにわともあれ、安国寺坊主大活躍というのもよい

序盤の長政大敗退については、もうちょっと
脱出までの道程を描いてほしかったようにも
思わなくもなかったですが、
それでも十分に素敵な負け戦っぷり、
さりげなく、水牛の兜が出てきたと
それに驚いていたのでありますけども、
あれは、長政が被るんじゃなかったのかと
思ったりなんだったりであります

宇都宮とのあれこれは、ふんわりとした決着に
ちょっと残念と思っていたら、
あれがフリという具合に、凄惨な悲劇がこしらえられて
見事といったらいいか、いい塩梅で、
久しぶりにひどい感じでよろしい限りでありました
全部、長政が悪いみたいな論調は
いかがなものかなとも思うけど、
まぁ、官兵衛のドラマとしては、これでよいというか
むしろ、長政が悪くなれるだけ
ドラマ全体が締まるようにも感じられるので
どんどんこの方向でやってほしいのであります

さて、そういう感じから、秀吉の怖いところを描きつつも、
しれっと、利休とのあれこれも含まれてきていて、
結構短時間に、あれこれ放り込んできたなと
見ていて飽きがない感じで楽しかったわけですが、
公卿説という、怪しい話をしゃべる秀吉が、
まぁ楽しそうに見えて仕方なかったのでありますけども
まだまだ、目が離せないというか、
秀吉がいるだけで面白いなぁと
思い知らされたのであります

とりあえず長政が、これからもどんどんと悪い感じで、
そしてその悪い感じが、政治的に利用されていくというか、
秀吉に、家康にと籠絡されていけば
ますます楽しかろうと、左手事件に続くロードが見えてきて
頼もしいかぎりであります