CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ことり

2018-06-30 21:10:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
ことり  作:小川 洋子

また切ない小説を読んでしまった
この作者の小説はいつだってそうだとわかっているのに
読んでしまったのであります
今回は、いつにもましてしっとりとしていて、
箱庭的な趣がきわめて強い
外から見ると孤独でしかない状況を
とても魅力的に、豊かに描いている
そんな小説でありました

ある一人の男の一生といえばいいか、
兄と過ごした、そして小鳥を愛していた
そういう姿をこくこく描いて、
その都度、何か、ささやかな人生のイベントがあり
彩りを覚えるような気持ちの高揚があり、
ほのかな優しさ、喜びがありといった内容から
やがて、苦難というほどでもないが、
平穏、静かだった世界が少しずつうるさくなっていく
そんなことへの戸惑いと、逃げるように生きる様が
なんというか、胸に迫るといったらいいか
ぐっとこらえるような気持ちになるのでありました

平穏に生きていくことの喜び、
その平穏は自身が作るものだと
はたから見ていると、そうは思えない何かを
とても大切にして、自分だけがわかる世界を優しく慈しみ
それが冒されていくように、外界とのかかわりが
煩わしく、とても悲しいことのように思えて
それとはまったく別に
小鳥との生活がある、小鳥の成長がある
なんていう感じで
詩のような世界観だと思ったりしたのでありますが
ともかく、全体的にほのぐらいような
清清しいというのとは違う
とても繊細で、壊れやすい世界があったような
そういう気分になる小説でありました

【ドラマ】デイジー・ラック

2018-06-28 21:09:49 | ドラマ映画テレビ感想
NHKドラマ10であります
ちょっと、ふんわかしすぎだなと
思いながらも、ながら見を続けてしまった
まったく知らなかったのだけども
少女マンガの実写化だったようでありまして、
いわれてみれば、漫画っぽい展開というか、
やりとりも多かったなと思い当たるわけでありますが
モノローグというか、脳内台詞をすらすら入れるというのが
ある種斬新だなと感じながら
でも、女の人の会話というか、実際はあんな感じなんだろうかと
思ったり考えたりと、そんな見方をしたのであります

内容は、仲のよい女友達4人の
それぞれの人生というか、まぁ、なんだろう
ともかく、すったもんだ、惚れた晴れたと
そういうのがひっくるめて進むという内容で
パン屋になろうという主人公のほか、
かばんデザイナー、キャリアウーマン、専業主婦と
それぞれのパターンの友人たちが
それぞれにまた、すったもんだするというのが面白いというか
それぞれのどたばたを、お互いで共有したり
愚痴ったり、励ましたり、喧嘩はしないでというのが
女の友達付き合いというやつなんだろうかと
ぼけらったと見守った、そういう按配でありました

何が見所だったかといえば、
専業主婦の子の旦那が、浮気していたと思ったら
エアロビにはまっていたという話が
非常にツボに入って、笑いが止まらなかったところでありましょうか
なんだろう、凄い練習したんだろうなという
きびきびした動きがステキすぎて
腹を抱えて笑ってしまった

あとは、中川翔子のこじらせた女感が
迫真といったらいいか、凄い面白かったなと
なんだかんだ、笑いどころのあるほのぼのしたドラマだったと
思い返したりするのである
初めての経験における、物凄い鉄壁のマグロ感というのが
衝撃的に似合っていたというか、なんというか

なんとも、しょーもない感想ながら
メモっておこう

【読書】西遊記

2018-06-27 21:20:29 | 読書感想文とか読み物レビウー
西遊記  訳:中野 美代子

大シリーズであります
岩波文庫の西遊記全10巻をようやっと読破
御伽噺といってしまったら、あんまりだけども、
妖怪たちときったはったしながら、天竺目指して三蔵一行が旅をすると
そういう物語であります
その原本というか、古典に属してくる基本的なそれを読みました
なかなかに面白かったし、勉強というか、
色々思うところの多い読書となったのであります

西遊記と、なんとなし知っているようなそうでもないようなと
そんな感じから入ったので、どこが知っている話か、
あるいは、どこでそもそも知ったのか
今となってはわからないのでありますけども、
天界で大暴れする孫悟空から、それを使役して三蔵法師が旅をして、
途中で、八戒と悟浄を弟子にしてという大枠の話に、
牛魔王との戦いや芭蕉扇の活躍、金角銀角との戦いだとか、
有名なそれこれを堪能しながらも、
そもそも、三蔵法師が仏教の経典を貰いにいくというお話なので、
ところどころ、仏教的な道徳エピソードが混じったりして
なかなか読みどころの多い内容なのでありました

まぁ、なにはともあれ、読んでみて一番驚いたのが、
三蔵法師が、全然立派じゃないというか、
むしろ、駄目人間なんじゃないかというくらい
常におろおろしているし、言うこときかないし、
トラブルばっかり招いてくるしと散々なところが新鮮というか
驚いたところなのであります
もっと、孫悟空の言うこと聞いておいたらすんなりいくのにというところが
物凄い難関になったりして、まぁ、終わってみると
その難関を潜り抜けたからこその
天竺での経典を手に入れるそれに繋がるという話なので
仕方ないとも思えるんだが、
流石に飽きるというくらい、何度も、騙されたりなんだったりして
窮地に陥るというのが衝撃でありました

八戒も相当のろくでなしであったりしつつ、
そんなとんでもない一行が、なんだかんだ
妖怪を倒して、だんだんと功徳を積んでいくというのがステキなのでありました
途中で、仏教をないがしろにしている国だとかで
仏教を示すため、活躍を披露したりというのも
味が変わって面白い内容だったのでありますが、
だんだんと、孫悟空が改心でもないけど、立派に成長していくようにも思えて
微笑ましく読めるのでありました

最終巻がこれまた衝撃的でありまして、
最後に天竺というか、天界にたどり着くといった段になって、
三蔵の肉体だけが川を流されていくというシーンが出てくる
これを見て、孫悟空や八戒なんかが、ようやく解脱した万歳なんていう
喜びを披露しているんだが、
この描写でもないけども、肉体が滅びて魂だけが残るというのが
いかにも仏教的ながら、恐ろしいものを見たようにも感じて
読んだのだけども、絵が浮かぶように衝撃を受けたのでありました

このほか、道教とのいざこざだとか、
唐や宋の時代に、あれこれと問答をしていたと思われる
宗教的な対決なんかも織り交ざっているので、
そっちに興味がある自分にとっては、非常に面白い読み物であったと
胸を張っていえるのでありました

ともかく、どういう物語だというと
荒唐無稽な冒険娯楽小説なんだが、
長い歴史で培われた物語の面白さと、そこに供えられた、
あるいは織り込まれた文化や機微みたいなのを堪能できて
非常に面白い読書をしたと、満足なのでありました
奇書とはよくいったもの、非常に面白い物語であった

【読書】影踏み鬼

2018-06-26 21:01:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
影踏み鬼  作:葉室 麟

新撰組の篠原泰之進を主人公にした小説でありました
御陵衛士の物語でもあるのだけども、
本当に、篠原を主役として、新撰組と幕末とを描いた
そういう内容で、なかなかに楽しく読み終えたのでありました

久しぶりに新撰組が悪いというスタンスの内容なので、
近藤や土方の嫌な奴というか、悪といえばいいのか、
どこか暗い恐ろしさみたいなのをまとった感じが
いまどき新鮮と感じるようでありまして、
少し綺麗に過ぎる伊東甲子太郎なんかも面白く、
そこまで純朴ではない、ややすれたところのある篠原という立ち位置が
なかなか面白いと、キャラクタと内容と
天下国家ではない幕末を十二分に楽しめるという内容であります

新撰組という組織が、尊皇の志から徳川の配下へと
宗旨を変えたというのが、御陵衛士からの見方で
実際にそうであったのかもしれないし、
どちらの側の、どの理論も並び立つのだろうと
幕末の面白さがあるわけで、
さりとて、大きな政に特に関わるわけでもない
所詮は、人斬り集団だし、田舎の上がりだしということで、
武士ではないという出自が、何か暗いものを持ってきたり
そこに反目を覚えたりということがあって、
決して、幕末の英雄たりえない彼らの生き様が
非常に共感を覚えるでもないが、
面白く読めるのでありました

草莽の志士という生き方を主体にすえて、
結局は大きな藩、薩摩や長州、あるいは、徳川の代理戦争めいたことを
ずらずらやらされていた草莽の志士たちである彼らが、
本当の意味で、その何者でもないものから立ち上がり
名を上げていったのは、果たして新撰組でなかったかと
やや弱気になったりするあたりも面白くて、
尊皇攘夷という大きなそれこれではなく、
出自や、あり方というところから、誰が主役であったか、
主体であったのかというのが大きな思想として描かれていて
共感したのでありました
そうあってほしかったろうと思うし、でも、そうならなかったであろうとも思うのだ

斉藤一と、奇妙な友情を織り成したりしつつ
彼の生き方もまた、篠原にとって面白くありと
はたしてこんなことであったか、
それはわからないまでも、幕末の片隅といったところが
とても楽しめるよい小説でありました

【読書】投資家は何を目安にして投資信託を選んでいるのか

2018-06-25 21:20:42 | 読書感想文とか読み物レビウー
投資家は何を目安にして投資信託を選んでいるのか  著:山本 喜則

投資信託のなんたるかを教えてくれる本かと思ったけども、
なんといったらいいのか、学者先生が実地の経済動向について
指標とすべきものを相場や、相関関数といったものから
紐解いてみたというお話でありました
なんだろう、わかったような気分になれたようにも思うんだが
どうも、この先生の独り言に付き合っただけのような
そういう感触もある本である

最終的にはエクセルを使った実習が掲載されていまして、
その中で、ドル円の相関がどれほどかというのの調べ方
その一例を挙げつつ、もっといくつか見ておいたほうがよいですねと
さらっと課題を置いてあるのが
なかなかステキなところでありましたが
なんとも初心者にはよくわからん本でありました

表題の投資信託の選び方について、
いくつか指標が出てくるけども
どれを手本にするべきか、
それは人気のある投資信託から調べてみましょうといった感じで
トータルリターンと標準偏差や
リスクメジャーという指標はほぼ見られていないだとか
知っている人からすると、そりゃそうだといわれることなのか、
そのあたりもよくわからんままながら
あれやこれやを数字を使って説明している
そういう本なのでありました

特にこれで何かお金持ちに近づいたとは
なるはずもないのでありますが
こんなことを考えるというか、素地として
頭に入れておくことが大切なのかそうでもないのか
考えながら読んだのだが
身につかないのである

西郷どん  地の果てにて

2018-06-24 20:50:55 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
島流しの巻き再びでありまして、
ここでも、島の子供と女房が出てくるとは
ちょっと驚きだったのでありますが、ドラマ都合かと思えば
本当にあった話なんだそうで、
知らないことというか、なかなか考えさせられるところであります
そういう情報が、どういうルートでもたらされたんだろうか
不思議だと感じるんだが、意外と自身から手紙送ったりしたんだろうか
どうなのかな

ともあれ、衝撃の芋呼ばわりをされるというあたりが
なかなかの見所でありまして、
きっぷのいい江戸言葉というか、江戸っ子っぽい煽りが
見事に決まっていまして、また、それを受ける久光が
最高に田舎者くさくて、素晴らしい演技だなと
両者に拍手を送りたい気分でありました
本当にもう、凄いとしか言いようがないあの雰囲気
まさにという説得力が、画面から滲み出てくるようで
見入ってしまったのであります

あのシーンだけで、西郷が危惧していたことが
こういうことだったのかと、ありあり伝わったというのが
本当に素晴らしいことだなと、映像と脚本とに
膝を打った次第なのでありますけども
やりすぎじゃないかと思うくらいが、ドラマは面白いと
しみじみかみ締めたのでありました

島では、安穏とした状況かと思えば
相当に過酷な試練が待っていて
あの状況で、実際に一蔵の何を信じたらいいのか
さっぱりわからんが、ただただ
その一念でという感じがステキでありまして
実際はどうだかわからんが、西郷さんというのも
大変な目に遭い続けたんだなと
改めて思い知らされるのであります
幕末で、大英雄なのは間違いないんだが、
その影でというか、結構重要な局面で
ただただ囚われて、酷い目にあっていたというのも
衝撃的であるなと思わされるのである
あれによって生かされたとも考えられるし、
さりとて、仕打ちが酷いとも感じるのでありました

次回、すっかり元気に動き回っている予告だったので
若干肩透かしでもないが、なんともなと思ったんだが
それ以上に、爆破シーンなんぞあったりしたので
何が始まるのか楽しみでならんのである

【読書】うどん キツネつきの

2018-06-23 21:28:17 | 読書感想文とか読み物レビウー
うどん キツネつきの  作:高山 羽根子

SF小説でありました
正直、オチが、いや全体的に理解できない
うまく消化し読書することができなかったと
読み手としての自分の能力不足を思うような内容でありました
多分、とても綺麗に、そしてSF的に物語が進み
つじつまがあったというか、オチたと思われるのだが
その意味するところといえばいいか、
どういう話だったかを掴みきれず終わってしまった
なんか、読んでいると凄い面白いのに、なぜなんだ

そんな感じなので、満足なレビウも書けないのだけども
表題作については、そういう意味かと
ちょっとずるいとすら思うようなオチで
なかなか楽しかったのであります
ネタバレになるので書けないが、その意味するところは
なるほどといえばいいのか、しょーもない駄洒落といえばいいのか
なかなかどうして

物語は、あっちこっちに移っていくものが結構多くて、
全体を把握というか、読んでいて、あれ?どういう意味というか
前ってどんな展開だったっけと、つながりを見失いがちになってしまう
だけど、最終的にはそれらがあわさって、大団円ではないが
ひとつのオチに向かっていると
そういう様子はわかるような気がするんだけども、
細かく、こうこうという話でしたなんて
いい得ない感じで、なんとも歯がゆいのであります

全体的に命といえばいいか、存在や生きるということについて、
SF的に見せながらも、考えさせられるような物語で
何か、大きな使命のようなものを
うっすらと意識させられるみたいな感じを受けたのでありますが
気が抜けたようでいて、真面目な、でもやっぱり
不思議によくわからんという
それこそがSFといわれればそれまでなんだけども、
コミカルであり、そこまでシリアス展開のない
でも、どきどきする不思議を味わえる
そんな小説でありました
気持ち悪い話ではなかったので、よかったのだと思うのである

田楽味噌

2018-06-21 21:31:15 | 食べ物飲み物
書くことがなくなったので
久しぶりに飯話でもというところ

さて、少し前に実家へ帰省した際、田楽味噌を土産に貰ったので
最近ちょいちょい使っていると
まぁ、そんなお話であります

これがまぁ、大変万能でありまして
先日は食うに困って食パンしかないところに塗ってみたら
思いのほかというか、当たり前のように非常に美味しかったと
もう、なんにだって使えるなというところが
ステキなお話であります
使っているのは、カクキューの八丁味噌ベースで、
ハチミツなんぞ入っているんだそうで、甘辛いというか
ほぼ甘いのみといっても過言ではない
独特の深みある味噌がたまらず、トーストだろうと、
野菜炒めだろうと、当然豆腐にだろうと
すべてにマッチするのでありました

これだけ旨いのだから、いっそ最近流行の五平餅でも作るかと
思わなくもないくらいの便利さなのでありますが、
温野菜に使うというのが、やはり最も素晴らしいところで
ただただ、野菜を茹でたものに、つけダレとして
田楽味噌を小皿にもっておくだけで
もう、一品どころか、メインのおかずとしても機能するという
素晴らしさに、最近ほれぼれしているのでありました

だからどうした、
そんな感じでもあるのだが、世間的に田楽味噌が常備されている家庭というのは
なかなか少ないであろうと考えると、たまに手に入れたら
驚くほど汎用的に使えることに気付いて欲しいとか
思ったりなんだったりのメモを書いておくのであります
しかしまぁ、本当、なんにでもあうのは
ずるいとすら思うほどである

【読書】飛将軍 李広

2018-06-20 21:25:39 | 読書感想文とか読み物レビウー
飛将軍 李広  作:塚本 青史

思ったのと違った
中国は漢の時代のお話であります
遠くは、秦の時代に活躍した李信の子孫にあたるという男の物語なんだが
三国時代に呂布を見て、飛将軍と呼んだ
その語源にあたるというから、物凄い大活躍のお話だと思ったら
案外というか、まったくそうでもなく
なかなか衝撃的でありました
若い頃は確かに凄かったようでありますが、
新しい時代に埋もれていったような英雄でもあったようで
なんというか、戦場で死ねない将軍というのは
こうも、悲しいものかと思わされるような
非常に考えさせられた小説でありました

結局、時代的にどのあたりなのか、
劉邦から数えて近い年代のようだから前漢なんだろうが
ともかく、匈奴との戦いで酷い目にあいまくる漢において
そこで活躍できたというのが凄いところなんだけど
その華々しさに、ある日突然かげりが見えると
そこから転がるように悪くなっていくというか
まぁ、それをあえて、李広という人物の限界として描いていて
こういうのは、読み物として斬新だなと
結構楽しく読めたのであります
主人公が、尻すぼみで駄目になっていく話しと
平たくいえばそういう感じなんだが、
それを生々しく、それでいて、受け入れていくような
受け入れられないようなという歴史が詰まれていくと
なんというかな、今の自分には
大変面白い物語だと思えてならなかったのでありました

実際どうだったか、こんな古くのことがわかるはずもないのだけど
凄い将軍であったのも確かであろうけども、
そのあと、もっと凄いのが出てきてつぼんでしまうというのは
悲しいことだが、彼が祖先に強い思いを持って
彼の活躍をして、李信が見直されたなんていう
劇中劇がまた、いかす展開だと思いながら読んだのでありました

すかっともしないし、歴史物語としても、
大舞台ではない部分の話なので、あんまりなんだけど
ただただ、物語が面白かった
そんな風に思えた、小説でありました

【読書】マネーという名の犬

2018-06-19 21:44:50 | 読書感想文とか読み物レビウー
マネーという名の犬  著:ボード・シェーファー

子供の頃からお金との付き合い方について学んでおきましょう
そういうことを実践させるための本でした
子供読み聞かせられるようなわかりやすい内容ながら、
お金とどう付き合うべきか、
もっと平たくいうと、どのように資産を運用すべきかと
そういうことについてヒントを置いてくれる本でありました
かなり古い内容なんだそうだが、
おそらく、これらのことは普遍なのでありましょう
今もって使えると思うのだが、
なかなかどうして、頼もしい一冊でありました

お金を分配して、投資などにまわすということの大切さ
そして、時間というものが、それらを増やしてくれるという
乗り込むなら早いにこしたことはないという話なのでありますけども
お金をどう効率よく働かせるか、
それを考えるのが大切だというお話や、
自分でできないことは人にやってもらうことで
効率よく物事がすすむだとか、ごく当たり前のことなんだが
なかなかできないそれこれが書かれているのであります
読んでいると、なんか簡単すぎやしないかと思うんだが
実際、これを実行できるかどうかが、
お金持ちになれるかどうかとの分水嶺であろうなと
読みながら感じるところでありました

自信を身につけるために、自分がなんでもいいから
成功したことを書き連ねていこうというのが
ひとつ切欠としてあったり、
目標を置いて、そこにたどり着いていくためにこつこつと貯めるというか
稼いでいこうというのが大切であるとこれまた
当たり前のお話がこんこんと語られるのでありました

最終的にはというか、内容では
投資信託が長期運用にはとても向いているんですよと
手垢がついたようなお話だったりしたわけですが、
これもまた、ちゃんとやってみないとわからんことだよなと
改めて思い知るのでありました
書かれていたとおり、ちゃんとお金と向き合っていないのは確かで
そこを乗り越えた、あるいは、ちゃんとした人から
順番にお金持ちになっていくのかしらとも
感じたりするのでありましたとさ

お金持ちになりたいのかというと
そういうわけでもないんだが、働かないで済んだらいいなぁと
考えたりしているわけで、
さりとて、それはこの本が目指すところとは別の願望というか
それは阿呆の何かだと思わされたりもするのであります
楽しいことが仕事になり、お金を自然と運んでくると
そんなことが、人生の成功ではないかと
そういうことなのでありました
働かないで済むという考え方が、まず間違っていると
そう思ったりもしつつ
少しずつ、こつこつと何か始めなくてはと思うのでありました

【読書】泣きたくなるような青空

2018-06-18 21:20:55 | 読書感想文とか読み物レビウー
泣きたくなるような青空  著:吉田 修一

エッセー集でした
以前に読んだ「空の冒険」の続編にあたるようで、
旅エッセーめいた内容がつらつらしたためられていたのであります
相変わらず、読みやすく、それでいて、短い文章ですっと
感動する読書体験があると、どの言葉がとかではなくて
読み終わって、全編から、ふわっとそういう気持ちになれる
読み心地すばらしい一冊でありました

故郷長崎での思い出話や、そこを起点とした、
様々な土地での、ふとした感動なんかが
とても丁寧に、押し付けがましくもなく、清清しく書かれているので
読んでいて、いいなぁとぼんやり眺められるようでステキなのである

今回は台湾に関する内容も多くて、
「路」を書いたときの話なんかが非常に興味深くて、
現地でのサイン会は、それはそれは楽しかったんだろうなと
物凄く羨ましいというか、その楽しさが伝わってくるかのような
素晴らしくみずみずしい感動があってステキなのである
また、本人が、水というものが好きだという
結構抽象的な話だったけども、
なんか理解できるような不思議な感覚もあって、
外国で川に流される遊びをした話なんかも、
以前に読んだ短編の下地となった経験が、
かくも楽しげなのかと、別視線というか、もう一度追体験できたようで
楽しいのでありました

長崎の派手な精霊流しの様とか、
青春時代の思い出語りなんかが、世代として近いとは思うけど
まったく別物のようでいて、でも、共感できてしまう
この切ないような感動が、いいエッセーだなと
感激を呼ぶようであったと思うのでありました

若さへの羨ましがり方の見本みたいなのを読んだ
そうともとれる、若いということをどう捉えるか
それを指南してくれたようでもある一冊でありました
人は老いるが、若い頃は誰にでもあったんだと
そういう感覚の持ち方を教えてくれるようである

西郷どん  寺田屋騒動

2018-06-17 20:47:17 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「西郷どん」
視聴完了であります
薩摩を描かないと出てこない、もうひとつの寺田屋事件でありますね
恥ずかしくも、よく知らなかったのでありますが、
薩摩藩内のいざこざが行われたというお話
有馬が、どっかで、自分ごと刺せといったという
話だけは知っていたんだが、それがこれだったのかと
そういう感じで見守ったのであります

ドラマとしては、非常に面白いというか、
思い出を作って、それが敗れていくという感じが
凄くよい物語だとほれぼれ見守った次第なのでありますけども
京都にあんなうなぎを取れるような川がどこに、
いや、もうあれ、鴨川なんだろうかしらねと
思ったり考えたりしながら、いやいや、でも伏見だから
もっと違うところじゃねぇかなと思ったりもしたり
ともあれ、薩摩の頃を思い出すシーンが
まんま薩摩に見えてしまったのだけども
よい青春であるなと、役者がおっさんなのでそう思えないけど
実年齢を考えると青春で正しいのでないかと
感じるのであります

しかし、殺陣シーンというか、
薩摩の侍が、全員トンボで構えるというのは壮観だなと
示現流の凄まじさが出ていて楽しかったのであります
あのあたりは、講談よろしく、しっかりと一番面白いエピソードを使っていたようで、
最初に一人脳天をかち割られるというところから始まっての
怒涛のチャンバラがよかったのでありました
でも、よくよく考えてみると薩摩でチャンバラって
みんな、死ぬか生きるかの一撃しかないから
あんまり、チャンチャンしないのだなとも感じたりして
難しいと思ったりもするのであります
実際、あんな風だったわけがなかろうけども
よかったとしみじみ楽しんだのでありましたとさ

しかし、真木和泉とか出てきてもよさそうなのに
残念である

【読書】三国志激戦録

2018-06-16 21:53:02 | 読書感想文とか読み物レビウー
三国志激戦録  著:三好 徹

三国志を正史に近い部分から解説した本でした
三国志演義ではなく、いわゆる「三国志」から物語と
歴史を語っている内容でありまして、
曹操、劉備、孫権といった英雄たちの生き様と道程が
大変わかりやすく勉強できてよい一冊でありました

最近は、三国志のどのエピソードがどっからもってこられたのか
さっぱりわからないので、なんとなく知っている話というのが
果たして、史実なのかどうなのか、
そもそも、そういうことを区別する必要があるのかないのかと
あれこれ考えさせられてしまうのが、
この歴史物語だと思うのでありますけども
曹操がいかに優秀であったかというところと
袁紹も一人、大きな英雄であったことなんかが
よくよくわかって面白いのでありました
序盤においては、袁紹と呂布の重要度が非常に高くて
彼らと戦ってきた曹操という物語が多く
まぁ、考えてみれば、三国志という書物自体が魏の後裔に編まれたと考えれば
そうなるのは当たり前なんだけども、
その中で、幾多の英雄たちがいたというのがステキでありながら、
その端々に、劉備が出てくるというのも
なんとも面白いのでありました

最終的には、呉が滅ぶところで終わるという感じなんだけども
曹操と劉備は同年代ということもあるからか、
ひとつ繋がりをもった英雄譚として読めるのだけども
孫権だけ、若造と侮られていた感じが、
なんとなく、わかるような気もして、三国志という歴史であるものの
曹操と劉備という二大英雄の物語であるといったほうが
すっきりするようでもあって不思議でありました
懐古主義というか、往年のスタープレイヤーに夢を見るような感じが
この歴史のなかにすら感じられるのでありますな

面白いというか、興味深かったところでは
蜀の北伐失敗で最も印象的な、馬謖の失態について、
これが敗戦だけではなく、敵前逃亡や呉への亡命なんかもあったんじゃないかと
一緒に何人かの将軍も処罰されているところから推測されているのが面白かった
そうなのかもしれないなと思うと、
なかなかどうして、孔明は本当に見る目がなかったのかも
そして、それを本当に悔いたのだろうなとも
思ったり感じたりしたのであります

激戦録という名前の本なんだけども、
そんな血わき肉おどるようなシーンが出てくる本ではなく
たんたんと、正史でどう語られていたかを説明しているだけで
三国志を勉強する本といったような内容でありましたが
非常に満足したのでありましたとさ

年末台南高雄旅行 22 旧高雄站、そして帰国

2018-06-14 21:43:04 | 年末台南高雄旅行(2017)
この旅も最後であります
三日間でありましたが、なかなか充実して過ごせたのではないか
もうちょっと時間を融通できたかなと思うところもあるが、
旅はいつだって満足できないものなのだ(したり顔)

さて、朝市めぐりから今の高雄站に戻って、せっかくだからと
旧高雄站を見に行くことにします
前回訪問時は休みで見られなかったので、結構楽しみでありました


旧高雄駅
あえて站ではなくて、駅のほうが雰囲気がでるのかもと思ったりもしますが、
古い駅舎の残りであります、中は博物館的な内容になっていまして、
今後の高雄がどのように発展していくか説明されていたり
なかなか楽しかったのであります


特に意味があるわけではないが、高雄站の天井
結構高いのであります


実際に使われていたのであろう大きな時計
無造作に置かれているあたり、ちゃんと展示しようよと思わなくもないが、
逆にこれがいいのかもしれない
これもまた、写真だとわからないが、かなり大きいのである

高雄も未来なんかも見つつ、
変貌した高雄にまたやってくるかと感慨にふけりながら
帰国便にあわせて、最後になんか食べていこうとぶらりと歩く


ほどよいところに粽屋さんを発見し入店

高雄最後の食事であります、肉粽(バーヅァン) 35元
ピーナッツの粉がかかっていて、いかにも高雄といった感じでありました
ほどよく旨く、しかもかなりボリューミーなので満足して食べ終えたのであります


うろうろとしていて、商店街のアーケード的なものを発見し撮影
しかし、ここがまた、廃れているというか、昼間だから空いているのか
まったく寂れて見えたんだが、再開発の影響なんだろうか
本当に大丈夫なのか高雄市、などといらん心配をする

いよいよ様々に見終わったので空港に移動

いかにも南国という樹木を見つつ、高雄空港に到着


以前にも見たがにぎやかな空港の待合室を撮影したり
あとは、ほとんど土産を買うという行為をしていなかったので
いそいそと、それこれ買出したりしながらあっという間に時間が過ぎたのでありました
最後に、なんか食べようかと思ったけどもその時間がなかった、残念


美しい空を見つつ関空まで戻り、
今回の旅も終わったのであります
年末のことでありましたので、戻ってから寒いのなんのって
大変でありましたが、愉快に過ごせた、素晴らしい旅行であった
また行ける日を楽しみにしつつ
これにて、高雄旅行が終わったのでありました

次は久しぶりに台北でも行こうかと思うのである

【読書】山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた

2018-06-13 21:24:20 | 読書感想文とか読み物レビウー
山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた  著:山中 伸弥

実際には、山中先生に聞いたこと
インタビューをまとめた内容だそうなので
著者ではないかなとも思うんだが、先生の人となりが
物凄くよくわかって、凄いいい本でありました
子供向けなのか、懇切丁寧に振り仮名がついていたので
まぁ、大人になると逆に読みにくいんだなと驚いたんだが
それはそれ
ともかく、非常に面白い内容でした

iPS細胞とは何か、それがどうやて生まれたかというところが
物凄くわかりやすく書かれていまして、
謙遜も多く含まれているのはわかるけども、
本当に幸運でもあったんだろうと思しき記述に
大発見とはそういうものなんだろうなと納得したりであります
読んでいて、冒険しているような気分になれるほど
先生の生涯、その生き様が面白く読めたのでありました
苦労は当然のようにされているし、
実力も凄いのだけども、それとは関係なく
試練や、壁のようなものは現れるのだなと
自分とはレベルの違うそれながら、思い知ったりするのでありました
本当に凄い先生だなと尊敬してしまう

本の中では語られなかった
もっと大変なこともあっただろうにと思いつつも、
そういうことにかかずらあっている暇があったら
研究、あるいは、ハードワークと
それを課しているのか、その原動力がどこから沸いてくるのか
患者さんのためにというのが、物凄く強い動機ではあるのだけども
それとはもっと別の、根源的に責任が発生しているというか
どうしてそこまでとすら思うような、
何か別個の強い力を感じたのでありました
人間、こうあるべきであろうが、
非常に難しい、とても凄いことだ

そんなわけで、ただただ尊敬の念を深めた
そういう一冊でありました
基礎研究の面白さもよく伝わるし、生き方、そして山中先生について
大変よくわかる一冊であります、よかった