CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集

2014-02-28 20:29:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
ユダヤ人の成功哲学「タルムード」金言集  著:石角 完爾

せっかくなのでと、
ここ最近ユダヤ教に関する本を読み続けたので
さらに深めてみようと手にとってみました
ユダヤ人の家庭の教えというか、掟というか、
ことわざみたいなものである「タルムード」を
その哲学とともに紹介する本でありました

著者がちょっと変わっているといっていいのでしょうか、
あれこれと思うところがあったらしく、
ユダヤ教に改宗したというか、入信したというか、
そういう人だそうでして、
いかにユダヤ人の教えが素晴らしいかと
そんなことをとうとうと語った内容であります
ちょっと、押し付けられすぎて怖いと
読み手として思ったわけですが
なかなか見たことあるタルムードもありながら
楽しめたのでありました

ユダヤ人の哲学に従っていれば、
自然とお金が貯まるといった具合でありまして、
しかししかし、お金をためるというのが目的ではなく、
節度あるユダヤ的な生活をしていると
結果として、お金が余ってくる
そんな按配に読めるような内容で、
なんのために生きるか、それは世界のために、
子々孫々のためにといった具合で
享楽に浸るような生き方を激しく非難する
そんな様相であります

常に悪いことを想定して準備を怠らず、
浮かれることなく、ただ、もくもくとしずしずと
行き続けるのがユダヤ的な生き方といった具合で
なんといったらいいのか、
その生き方はしんどすぎやしないかと
たずねたくなるほどでありますが、その気持ちが、
なんというかユダヤ的ではないのでありましょう
まぁ、そう説明されても、ちょっと理解というか
共感はできないといった感想でありました

このタルムードによって、ユダヤの家庭では
子供にナゼナニ分析的なことをさせるんだそうで、
このせいで理屈っぽく育ち、ディベートに強くなるのだそうです
ユダヤ人について誤解があると著者は述べていましたが、
なんというかな、そんなだから嫌われるんじゃないかと
正論をつきつづけることの恐ろしさを
なんとなし感じたりするのでありました
凄いなと思うが、友達になりたいとは思えない
そう感じてしまうのであります
なんというか、辛そうなんだもの

台湾ビール

2014-02-26 21:42:17 | 台湾
思い出したように台湾話であります

台湾でもビールは販売されていまして、
飲むことはできるのです
ただ、人づてに聞くと、台湾では「飲む」と「食べる」が
区別されているようでありまして、
いわゆる居酒屋めいたところで、
ビール片手につまむという、そんな店が
私には発見できなかった

実際には当然のようにあるんだそうで、
そりゃそうだ、あんだけ茶色い食べ物(煮物とかね)が
山ほど売られているのに、みんなビールなしで過ごすとか
ありえねぇだろうと
自分でもわかりつつ、そのお店が見つからないあたり
多分まわる街を間違えたんじゃないかなと
反省しきりであります
仕方なくというでもないですが、
台湾煮こみと呼ばれる、豚足をはじめ、
見たこともないような食べ物がとりあえず煮込んである
ステキな料理を出す店に入って

ヨーメイヨーピーチョウ

と聞いてみるのであります
ガイドブックによれば、これが、
「ビールは置いていますか?」という意味なんだそうだが、
実際のところ

私「ヨーメイヨーピーチョウ」
台「あ?ぴーちょう?」
私「ピーチョウ」
台「…ああ、ビール?ビールね!?」

と、最終的に台湾の人に日本語で尋ね返されるという
なかなか楽しいことを体験したのでありました
いいんだけどね、いちおう通じたみたいだしと
満足でありました
そして、煮物を選んでから、ビールを選ぶ段なんだが
せっかくだから台湾のそれを飲もうと頼む
店員さんが聞いてくる「生?」

凄いな台湾、生ビール飲めるんだ
ちょっと期待してしまって頼んだところ
ラベルに「生」って書いてある瓶ビールが出てきました
まぁね、そりゃねぇ

気を取り直して飲んでみました
ガイドさんによれば、台湾には大きく2種類のビールがあるそうで、
この「生」という銘柄の瓶ビールは「台湾ビール」
緑のラベルが有名なようで、大半がこれであります
もう一つ、黄色いラベルの系統がありまして「竜泉ビール」
どちらも飲んだのでありますが
まぁ、なんだろうか、感想としては

たるい

飲みなれているせいか、やっぱり
ビールというと日本のあの、スカッとする感じ
あれを求めてしまうせいか、おいしくないわけじゃないが、
やっぱりこの濃いアテと一緒に食べるなら、
日本のビールがいいよなぁなどと、
けしからんことを考えたあげく、
3本目からは、キリンビールを飲んでいたのでありました
驚くことに、台湾のどの店にもというか
ビール出す店なら、日本のビールが山と入っております
すごい、住める、住んでしまえるわ

そんな感じで、台湾のビールはちょっと控えめで
まったりした味わいなのでありました
あと、マンゴーとかの味付けビールもあるようですが
それはまた、今度の楽しみにとっておこうとしつつ
台湾思い出話しでありました
また行きたいなぁ

牛肉の煮込み

2014-02-25 21:56:55 | 食べ物飲み物
シチューとか、スープとか以前であります
ポトフに近い、そういう物体を
この冬は精力的に作り続けました
オージービーフを安く仕入れてきて
それをただ煮込む
そういう食べ物であります

オージービーフ 300g
キャベツ 4分の1玉
エリンギ 2本
カボチャ 150g

キャベツは、4分の1をさらに半分に切って
大きめのままで、
エリンギは手で裂いて細くし、
カボチャはざく切りで一口サイズに
分量は目分量みたいなものであります
以上の材料を鍋に入れて、
昆布だしの素を投入
そして1時間煮つける

これだけで、驚くなかれ、なかなか美味しい
いやこれはもう、旨いといっていいと思う(自画自賛)
そんな食べ物になったのでありました

肉はやはり豚や鳥がよいなどと思ってましたが、
かたまり肉については牛、それも赤い肉が素晴らしい
煮込んで柔らかくさえなれば、あの独特といっていいのか
いわゆる肉を食べているという感激を味わえる
出汁とか要らないかしらと思ってましたが、
昆布だしが肉にも合うというか、まぁ当たり前ながら
野菜もおいしく食べられるようになるのでステキ
そんなわけで、こんならくらくでいいのかと
呆気にとられるほど簡単に作れて
とてつもなく美味しいという
コストパフォーマンス的に満足の一品でありました

まもなく冬も終わりますが
これはなかなか、続けたいと思うのでありました

【読書】聖書男(バイブルマン)  現代NYで 「聖書の教え」を忠実に守ってみた1年間日記

2014-02-24 20:27:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
聖書男(バイブルマン)  現代NYで 「聖書の教え」を忠実に守ってみた1年間日記  著:A.J.ジェイコブズ

相当に分厚い、この本自体が聖書なんじゃないか
そう思うほどの文量でありました
しかし、読んでみて非常に面白かった
この手の、ガイジンが書く随筆というか、体験記というか、
ルポ的な話しは、はずれがないといってもいいほど
過去にも、よい本を読んできました
多分にもれず、今回のこれもなかなかに面白かった

内容はまさに題名のとおりでありまして、
様々な聖書の教えを実践して一年過ごすという内容
実際は、1年とちょこっと延長といった具合でしたが
なかなか面白い話しがいっぱいでありました
日記の体なため、さほどに体系建てられているような
そういう印象はなく、淡々と、さりとて、
だんだんと信心を覚えていくといったらいいのか、
教化されるといったらいいのか、ものの考え方が変わってくる
その機微みたいなのも読み取れて
非常に興味深い、とても面白い本でありました

不勉強なため、ユダヤ教とキリスト教の区別も
よくよくついていない状態で読み始めたため、
このあたりの勉強をしておくと
より一層楽しめたんじゃないだろうか、そういった、
かなり細かなというか、原典とする聖書の数が多くて
なんとか伝とか、なんとか記とか、旧約聖書の様々なジャンルが
あれこれと出てきて、そしてそれらを守る人々というか
いわゆる、そういったコミュニティ、派閥といったグループについても
接近したり、説教を聴いたりと
精力的な内容となっておりまして、非常に面白い
単純に、現代のNYにおける宗教観を見て歩くといった
物見遊山的な遊び方も楽しめるのであります

それぞれの、主義思想といっていいのか、
聖書の読み解き方が、非常に丁寧に語られているので、
実践してみて、おかしいといったこともしばしば見られるけど、
それらには、独自の解釈や、現代の解釈というのが添えられて
なんかためになるというか、宗教の原理というのか、
聖書の教えにはおかしなところはないといっても
差し支えないんじゃないかしらと
思わされるほど見事であります

なぜそうなったのかという部分についても、
神が決めたのでといわれればそれまでながら、
決してテケトーに決められたり、
決められたことが間違っているというわけではないといった
そういう内容が、非常にこと細かく書かれていて
信憑性といったらいいのか、
信じるということを思い知らされるのでありました

しかし、存外生きていけるというか、
全てを常に守ることはできないにしても、
守ろうという気持ちが、道徳や広い心の発掘や生育に
一役かっていたように思える内容は
なかなか、目を見張ることがありまして
ちょっと、ユダヤ教の勉強しないとななどと
先日の、ダビデの本もよろしく思うのでありました

軍師官兵衛  秀吉という男

2014-02-23 20:41:32 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
視聴完了であります
序盤、完全に「秀吉」だったじゃん
そんな風に感じましたが、
私、あれを見てないので、今回披露された
「心配御無用」については初見というか、
むしろ、オリジナルをまねた、
龍馬伝のときの弥太郎版を彷彿というか
まあ、ともかく、楽しい一場面でありました

さて、いきなり天才ぶりを発揮する姿に
ちょっと違和感というか、話しの作り方があったろうにと
残念に思ってしまったのも事実ですが、
まぁ、それは些細なことで
ようやっと大河ドラマが始まったと
胸躍るような展開でステキであります
相当部分を秀吉にもってかれていたということでもありますが、
やっぱり、メインストリームに出てくると
大変面白くなるものだなんて
現金なことを感じたのでありました

御着のドタバタはさておき、
信長の見せ方、秀吉の見せ方
それぞれがステキで、ステレオ的でありながらも
十分に説明尽くされたようでよかった、
新たに会った人の、様々な語りが
「使えるか使えないか」といった具合に終始で、
旧来というか、律儀の中国者と対比させるんだろうと
今から楽しみになる展開ですばらしかった

人間臭さと、経済と打算と利益とが
まぁ、ごたまぜにされたという表現があたったような
秀吉邸の話しといい、信長の濃との会話といい
楽しめたように思うのであります

ドラマとしても、面白さを煽るように
半兵衛がここで活躍という引き
これは思わず声が出てしまうような面白さというか
わくわく加減に、ただただ楽しめたのでありますところ
素晴らしい、こういう楽しさを日曜日に求めていたのだ

そんなことを語りすぎながらも
今夜、十分に楽しんだと
そんなメモであります

【落語】紺屋高尾

2014-02-22 21:48:10 | ドラマ映画テレビ感想
割と好きでちょこちょこ読んでいます
「どうらく息子」という漫画で今回取り上げられていまして、
ついつい聞きたいと思って、
談志と圓生のを、そして、談春のをと
なんだかんだとずるずる聞いていた次第
いい話だ…

思わず涙を浮かべてしまいそうになりましたが、
これがまた、噺で聞くよりも筋だけ知って
自分で思い描いたほうが泣けるんじゃないかしらと
まぁ、落語なんで、泣いてばっかじゃどうだろうかと
思ったり思わなかったりするんですが
漫画のできばえが見事だったというか、
あのサゲは、絵だからやれるとはいえずるいほどステキでして、
日延べしたりのあたりも、よくできてて
なんというか感激したという話であります

ジャンルとしては、人情噺ではなく、
郭噺になるんだとどっかで聞きましたが
個人的には、感動を呼んだといいますか
ああ、こういう夢はいいなぁと
なんというか、このよさに、じんと持ってかれた
そう感じたのでありました

人間が古びてきたのか、
最近はとんと、こういうのにどうにも持っていかれる
そんな風に感じるところ
「くんなまし」
これを生でききたいなぁなどと、
二次コンどころか、一次コンにふけるこのごろでありやんした

【読書】ガール

2014-02-19 20:12:51 | 読書感想文とか読み物レビウー
ガール  作:奥田 英朗

女性を扱った短編集でありました
女性といっても、初出から換算すると
2004、5年頃に30代だったそれらを描いております
今なら、アラフォーというくくりになるんでしょう
なんとなく、会社でも見かけるあの人やこの人といった
そういう女性たちだと思うと
なんだか、なるほどなと思わされるような
様々な「ガール」が出てくるのであります

この小説については、正直なところ
女性の感想を凄く読んでみたいと思わされる内容でして、
実際にあんな感じなんだろうかとか、
そう思わせる、想像させるような緻密といったらいいか、
機微をとらえた内面描写が素晴らしく、
なんとなし、そういう風に考えていそうだなと
それくらいの妙齢の女性生態について
考えさせられるようでありました
非常に面白かった

様々な女性が出てくるものの
大方が、独立心というか、一人立ったような女性
そういうのをテーマとしているようで、
二世代ほど前の、しなっとなよっとした女性像とは違う
働くの大変だけど嘗められてたまるか、
とまではいかないけど、反骨を抱いているといった
なかなか骨の太い女性が、いきいきしておりまして
読んでいる分には非常に頼もしくもあり、
楽しくもある、そんな具合

特に、題名にもなっている短編「ガール」については、
いつまでも女の子である「ガール」であることを
いろいろな角度というか、そこについて
不安を抱いたものから、そこを通り超えた人を見せることで、
変わらないものというか、根っこにある
その気持ちとか、生き様みたいなのが「ガール」という言葉で
見事に表現されているかのようでありまして
ちょっとこれについては、脱帽というか
いい短編を読んだなぁと素直に感心したのであります

どの話しも明るくたくましいといった様相なので、
読んでいて何かしら、元気というか
少なくとも落ち込むようなことはなく、
清清しく、読後感も非常によろしいということで
さして好きなジャンルではないと想いながらも
あれよあれよと読めたのでありました

非常に楽しく読めるので
こういうのは、春先によい本でありますね

【読書】あの日にドライブ

2014-02-17 20:38:52 | 読書感想文とか読み物レビウー
あの日にドライブ  作:荻原 浩

実家にあったので読みました
人生を落伍しかけた、本当にしょーもない男が、
タクシードライバーになって、
ああでもない、こうでもないと夢見て過ごして
情けなさをふりまく小説
と、そんな見も蓋もない話から、
少しずつ、仕事をしていくように、成長とは違う、
現実に気づいていくといったらいいのか
夢を見ることで、落伍から、しっかりとした道へと
戻っていくかのようなお話でありました
なかなか面白かった

銀行屋だったけども、
上司とそりがあわずに、それまで我慢してきてたことを
つい滑らせた挙句、会社を辞めるはめになった
そんな冴えない男が、世間体とかいろいろと気にしながら
人生に言い訳をたくさんして、
簡単そうだからとタクシードライバーをやりだして、
そこはかりそめであると信じたいがために
夢想を続ける、そんな物語であります
やがて、夢想だけに飽き足らず
自分の過去、輝かしかったいくつかの思い出とか
今思えば分岐点だったこととか
そういう思い出にかこつけて、その場所に行き
その途中途中で、夢から覚めるというか
まぁ、目が覚めたというような出来事にあいつつ
しっかりと、人生を踏みしめるかのようなオチに
つづいていく具合でありました

夢見がちすぎて、ちょっと辟易というか
これは駄目だろうというのが十二分に伝わってきつつ、
そういうこともあるかなぁと
自分を見ているような、うすら恐ろしいことも覚えつつで、
非常に楽しく読めるのでありますが
たいていが、ろくなオチが待ってなくて、
かつての恋人を遠くで眺めているだけになんて思ってたら、
変わり果てたというか、その人間の暗いところを覗いたような
百年の恋も冷めるような展開になったりとか
面白いことこのうえないのでありますが
まぁ、なにせ、主人公がろくでもないといっていいのか
暴力を振るったりとか、そういったろくでなしではなく、
中途半端というか、なにかれ、誰かとか何かのせいにする
そういう生き方にイライラさせられる

されど、そのイライラが滑稽というか
面白みもあったりして、
そういう男も、運の良し悪しとかしょーもないことに逃げていたら
本当に運が向いてきて、向いてきてみれば
運は呼び込むもの、それぞれに意味があってその結果だと
教訓めいたことを覚えたりして
非常に面白いというか、本当、人生そういうものだよなと
ついついうなづいてしまうような展開でありました

大きな事件が起きるでもなく、
だけど成長のような物語が読めて
面白い小説でありました

軍師官兵衛  決断のとき

2014-02-16 20:50:58 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
視聴完了しました
いよいよ、本編に入ってきたといっていいのか
信長との邂逅を描きつつの内容でありました

見るべきところは、昔の相撲を再現してたところでありましょうか
関取が、どっちも貧相だというのが
少々残念でありましたが
何時だったか、現役力士が登場の迫力は期待できず
さりとて、なかなか面白かったように思うのであります
むしろ、あれくらいの体格のほうがリアルなのかもしれぬ

相変わらず織田パートにおいては
秀吉の大河ドラマを見ているかのようで
それはそれで楽しいものの、なんというか
早く一体感というか、官兵衛のそれを見たいと
思ったりなんだったりしてしまうところでありました
なんか、どうにもしゅっとしすぎというか
もっと、パンチがきいたキャラが欲しい

小寺の殿様の思案ぶりが
最近の見所でありましたが
今回は、えらいあっさりとひっくり返り
しかし、その後にやっぱり思案が始まるという
なかなかよろしい展開でありましたが
もう少し、小寺の領内というか派閥の意見を戦わせて欲しかった
というか、毛利一辺倒すぎて、当たり前の空気が
えらい雑に作られていたように感じて残念であります
もうちょっともむ感じが欲しい
そう願ってしまうのでありました

あとは、後藤又兵衛がなにげなく出てきてみたり
着々と後年のフラグも立てているようでありますが
いきなり刺客に襲われるところは
講談仕立てだから仕方ないとはいえ、
せめて、弓手をつれてこいよと
思わずつっこみを入れてしまった次第でありました
暗殺の予定なら、名乗りを確かめる必要もなかろうにな

【読書】原発ホワイトアウト

2014-02-15 20:58:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
原発ホワイトアウト  作:若杉 冽

話題作ということで読みました
なんか、思ったのと違ったという印象ですが
原発に関する内容を政治や、電力会社という視点を交えつつ
読んでいて、本当のことが書いてあるというか、
山崎豊子的な内容なのかとはらはら読んでいましたが
なんか、もうちょっと俗なというか
ファンタジー色も強いように感じる小説でありました
山崎豊子風を目指そうとしたというよりも、
その形をまねて整えたといいましょうか
そんな印象であります

電力会社が、いかに利権を守るためにあれこれ画策しているか
その様子や方法を描きながら、それにまつわる政治家の姿もあり、
そこに反発しようというジャーナリズムも見えるが、
それらもやがて、電力会社の力の前には…
そんな塩梅で話は進んでいくのでありますが
最終的には、なんか打ち切りにあったかのような具合で、
唐突な展開に、なんというかうやむやと落ちていき
大オチについては、落語を意識していたのでありましょう
くだらない笑話みたいで嫌いではなかったんですが、
なんか、小説全体がふまじめだったように感じて
もうひとつと思ったのであります

さて、結構下品なネタを交えながら、
露骨な収賄や、懐柔といった内容が描かれていますが、
割とステレオな感じというか、ありそうな
そういう具合で書かれていて、はらはらするんだけども
わかり易すぎてもうちょっと引っ張ってほしいということもあり
なんだかんだ、全体的にはもう一歩ほしかったと
そんな風に感じたのでありました

思想や、政治批判めいた内容については
それぞれ考え方、思うところもあるので
なるほどなと思うにとどめるのでありますけども
かなり実名に近い登場人物が
言ったか言わないか、やったかやらないか
わからないものを描かれて
勉強というか、時事についてもちゃんと知ってないと
どこまでが嘘で、もっともらしい内容なのか
それがわからないので注意が必要だとか
いつもの反省を抱くばかりなのでありました

本に、フィクションともノンフィクションとも書いてないのは
いかがなものかなと、首をかしげてしまったのでありますが
とりあえず、読んだのでありましたとさ

【読書】辛酸なめ子の現代社会学

2014-02-13 21:41:10 | 読書感想文とか読み物レビウー
辛酸なめ子の現代社会学  著:辛酸なめ子

本というか、ほとんど漫画のようなものでした
連載をまとめたもののようでありまして、
少しばかりのコラムと、それにまつわる漫画が
つらつらと描かれているといった内容で
現代社会学という難しそうな名前の割りには、
当時流行っていたものとか、そういうのを追いかけた
つまりそれは、現代社会を学んでいたということか
だから、現代社会学といった
肩の力の抜けた本でありました

当時流行していたという内容は、
主に女性の間といったらいいのか、
正直、そんなの流行ってたか?と
思わなくもないようなことも含まれておりまして、
メジャーなところでは、
スローライフとか、オーラとか、
そんな按配の内容について、もう一つそこを楽しみきれていない
なんか、ボタンを掛け違ったような滑稽さを
ひもじく描いているのが
なんとも好感でありますところ

衝撃といっていいのか、物凄く記憶に残ったのは
「スローライフは、それによって長生きすることで
時間を長く使えるからゆっくり生きられる」
という指摘でありました
凄い、そうなのかもしれないと思わせるだけの
面白さがそこにはある
これだけで、読んだ甲斐があったかもしれないなどと
思わされたのでありました

まぁ、2時間もあればささっと読めてしまうという
非常にライトな感じだったので
暇つぶしというか、あまり考えずに
そういうこともあるかもねーと
すらすら目を滑らせていくのにもよく
それでいて、所々に目を見張るというか
萌えに関する指摘だとか、なんか
深いのか深くないのかわからない事象なんかを楽しめる
なかなかあっさり読めた本でありましたとさ

【読書】天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債

2014-02-12 19:58:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債  作:幸田真音

高橋是清の生涯を扱った小説でした
恥ずかしながら、勉強不足もいいところで、
日露戦争の国債奮闘と、226事件で死んだと
まぁ、その程度の知識しかなかったのですが
驚いた、とんでもない、
そんなところの話しではなかった
猛省といいますか、高橋是清を
今まで知らずに生きてきたということが恥ずかしい
そう思うほど、堂々の、そして波乱の生涯でありました

幼少の頃にまかり間違って
外国で売られたという話しは、どっかで聞きかじってましたが、
そのくだりから始まって、いや、そもそも
百姓だか、足軽だかわからないような身分で、
それほどの教育を受ける機会がなかったはずなのに
独学というか、たまたま置かれた状況がよかったというか
外国語、主に英語を覚えることができてから
がらりと様相が変わり
艱難辛苦に耐えながら、アメリカでの生活を潜り抜け
帰国すれば、賊藩のものとさげすまれ
それを隠すためにの苦労を重ねてと
散々だった様子

そっから、いろいろとあって、放蕩三昧やらの
人間味に溢れた生活を若くして行いながらも
それでは駄目になると、人生一週回ったみたいな回天
これがまた、10代そこそこでというのが凄い
どんな麒麟児だったんだろうか
その後も、20歳にかかるかどうかくらいで
英語の語学師範めいた仕事を行い、
あまつ、学校を立ち上げる事業までやってのける

そして、あれこれと立ち上げては取り上げられ、
昇っては、転げ落ちてを繰り返しながら
ついに事業家に転進
そして、これもまた、酷い失敗を繰り返しながらも
その撤退の手際や、責任の取り方
そういった努力というか、もう生活の一部だったであろう
苦労の連続を駆け抜けて
気づいたら、随一のバンカーになっていた

と、そんな具合でもなかったのですが
ともかく、私では到底こなしきれるわけもない
その途方もないほど大きな使命と責任をまっとうするため、
罵詈雑言を浴びながらも、飄々とこなしていったと
とんでもない経済人であった様子は
本当、もう、尊敬と畏敬、
なんと唱えたらいいかわからないほどの
圧倒的なものを覚えたのでありました
近代の日本を作った一人に間違いがない
維新の英傑よりも、むしろ立ち上げたこの事業のほうが
大きいのかもしれないと思うほどでありました

その後、軍部と、あるいは政治家とといったところ
このあたりは、より詳しい人たちによれば
書き方がなまちょろいというか、少し政治向きと違うと
そんなことのようでありますが、
原敬という人も、立派であったと描かれるくらい
高橋是清よりだったのかとか
いくつかの勉強をさせてもらい
なんとも、非常によい本を読んだと大満足なのでありました

ただただ、高橋是清という人物の凄さ
その事業の大きさに、頭が下るというか
目が覚めるような気分なのでありました

【読書】超バカの壁

2014-02-11 12:51:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
超バカの壁  著:養老 孟司

珍しく新書を読みました
しかも、相当に古い
新書は時代に乗った読み物だから、
出たすぐに読まないといけないと
誰かに教えてもらったような気がします、が、
まぁ、今時分に読んでもなかなか面白い本でありました

内容は、どうやら、壁シリーズという本の第三弾ということで、
前段の本を読んでいないと、いくつかわからないというか
前提の思想展開みたいなのがありまして、
ちょっとこれだけで読むと不親切と感じるところがあるものの
おおむね、理解に関する壁といいますか、
なぜ他人に理解されないか、理解しようとしないのか、できないのか
そんなお話が書いてありました

特にこれがすごいとかいうこともなく、
なるほどねぇと、ぱらぱらめくって読むといった様相で、
とてつもなく面白いとか、シニカルな笑いが痛快とか
そんなことは一切なく、この著者の生き方というものが
つらつらと書かれている、そんな具合でありました
ただ、読んでいてふと思ったのが、
先日読んだ「君に友だちはいらない」の作者と
考え方がよく似ているというか、そっくりというか、
つまり、東大を出て、何かしらこういった思想と呼んでいいのか、
講釈の本を出す人は、あんな考え方をしているのではないか
そう思ったりしたのであります

他人について、必要以上に期待しないというか、
あまり気にしても仕方ないといった具合でありまして
最終的には、間違ったことをいわれても訂正することすらない
面倒だもの、それで損をするのは相手だもの
なんてことに帰結しておりましたが
ちょっとさすがに、そこまでやってしまうと
どこかしら損を蒙るのではないかなと
不安になったりしたのであります

ま、とはいえ、高等遊民的なすごし方というか
生き方ができる、それは自分がどうなっても
何かしら食えるという自信があるからなんだろうか、
なんか、わからんが、ともかく
立派なようにも思う考え方ながら、
真似は難しいなぁなんて、ありていな感想を抱いたのであります

軍師官兵衛  信長の賭け

2014-02-09 20:03:57 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」
ようやく官兵衛が表舞台に近づいてきた
そんな感じがいたしますところ
しかし、信長を描かないといけないのはわかるんだが
あまりにも中途半端な描き方すぎて
大丈夫なのかと不安を覚えてしまった次第
あれだと、信玄がどこいったかわからないじゃないか
なんというか、変に雑だな

ま、そんなことを思いつつも
収穫であったというか、いいなと思ったのは
荒木村重でありまして、これはずいぶんとよかった
前回の出会い方に、ものすごい不安を覚えていたものの
今回ので、あれよあれよと出世したところは
違和感というか、説明不足を思いましたが、
饅頭食わすくだりからのやりとり、
そして、官兵衛へのもてなしのあたりは
なかなかどうして、いい塩梅で今後のブラックさと
対比というか、官兵衛が説得にいく動機になってて
すばらしいと喜んだのでありました

ただ、あの茶碗がなんというか頂けなかった、
まずNHKともあろうものが、荒木高麗をあんな茶碗で済ますとは、
せめてちゃんと染付けにしておけよと
こんこんとしかりつけたいところであります
一瞬、あれでテケトーに褒めてる官兵衛に、
それは偽者だとか出すんじゃないかと思うほどでありました
その前に飲ませていたのも井戸茶碗だったし
なんというかな、もうちょっとあるだろうにな
NHK美術班に猛省を促したいところであります

あと、官兵衛に素養がないというくだりかなと思って、
茶碗をあんな高く、しかも、片手で持たすという部分については
目を瞑ろうかと思いましたが、
それをされて、さほどに驚かない荒木は駄目じゃないかしらと
なんというかな、細かいところが偉い目についてしまったのでありました
残念至極

そんなところがありながら、
さりげなく、太兵衛の酒自慢が盛り込まれたりして
半年くらいしたら、利いてくる複線だといいなぁと
楽しみも増やされたりして
なんだかんだ、楽しめたのであります
しかし、どうにも信長シーンがしっくりきてないので
早いところ本能寺を迎えてもらって、
秀吉時代に入ってほしいかなと
思ったり願ったりするのでありました

そういえば、餅焼いてた半兵衛のくだりは
ひとつコントみたいにしてもよかったんじゃないかなと
ちょっと思ったりしたのであります

【追記訂正】
今調べたら、荒木高麗で、利休から荒木に渡ったのは「大井戸」だったようで、
あれで合っていたようであります、猛省は私のほうであります、恥ずかしい。
ごめんなさいNHK美術班ならびに、考証の皆様。
染付けの荒木高麗は、荒木から利休に渡ったということだそうで、
大井戸茶碗なら、あれでよかったのでありました

あおさのり

2014-02-06 20:27:59 | 食べ物飲み物
郷土のというほど土地性があるわけではない、
海岸沿いというか、海がそばにある地域なら
多分どこでも売ってんじゃなかろうか
そう思うものであります

あおさのり

ただ単に「あおさ」とも呼ぶと思いますが、
これがまた滅法旨い、大好きなのでありますと
まぁ、そんなお話を少々

知り合いの奈良人によれば、聞いたことはあるが何か知らないと
そんな具合だということで、驚いたというか
こんな旨いものを知らないのかとバカにしたものでありますが、
いわゆる「海苔」の仲間なんだろうと思います
語りながらも、その実態、
これが何者なのかは全く知らないのでありまして
海藻を乾燥させたものには違いがなく、
感触というか、食べ応えは海苔のそれに近い
そういう物体であります

これを赤だしに入れると、まぁ旨い
とてつもなく旨い
すうっと磯の香りが立って、格段に美味しくなるのであります
うどんなんかに入れても抜群でありまして、
これはもう、とろろ昆布を超えるね
なんて思ったりするのです
また、値段も恐ろしく安く、価格との味パフォーマンスは
納豆を並ぶそれではないか
などと思ったり感じたり

そんなわけで、郷土といえば郷土
常滑から知多にかけてのどこでも売っている
あおさのりを、最近懐かしくなって
帰郷するたびに買っては食べておると
まあ、そんなお話でありましたとさ

なんだかな