CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

真田丸  黄昏

2016-07-31 21:51:24 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
視聴完了しております
非常によい回だった、これは屈指のできばえじゃないか
そんな風に、感動を伴っている現在であります
黄昏って、ああいうことなんだなと
なんか、凄くぐっときたのである
年齢を重ねておいてよかった

序盤は、なかなかいいペースでコメディをはさみつつ
バテレン追放とかのイベントを盛り込んでいき、
それでありながら、秀吉の耄碌をこつこつと描いて
なんだろう、見ていてつまされるような所作の数々が
見事すぎて、涙を禁じえないほどでありました

特に、ここは笑うところでもあるんだが
哀しくて泣いてしまうという具合の
清正とのやりとり部分が、本当に秀逸で、
三成からの清正へのフリで、ああと思いつつも、
実際出てきた秀吉の弱りっぷりが、
もう、画面を通してこっちまで伝わってきてあっけにとられたというか
まさに、清正の気持ちになってしまった
さっきまで見てたから知ってたはずなのに、
あの老いたという演技、雰囲気は格別のできばえでありました
凄い、本当に老人だった、
おいたわしや…
また、結局泣いてしまう清正にも、笑いそうになるかと思うけど
あの演技の前ではもう、もらい泣きしてしまうわと
そんな具合でありました

そして、さらっと登場人物の整理とばかりに
矢沢があっさり死んでしまって、
まぁあのくだりが一番笑ったんだけども、
素晴らしい落差っぷりでありました
あんなに元気だったのにという言葉が、
あれほど似合う死に様はなかろう
見事でありました、好きだったなぁ矢沢

あとは、信繁と秀吉とのやりとりリフレインが、
べたなんだけども、いいところでもってきたなぁと、
やる秀吉が、少しだけ若返ってみえるというのも凄いし、
受ける信繁が、あの時よりも大人になっているというのも
本当、役者さんは凄いなと感心、いや、感動しきりだったのでありました

あとは、きりがまたトラブルを持ち込むために
キリシタンに興味を持ち始めたり、いい塩梅で
面白おかしいエピソードも盛り込まれて
次週、とうとう出浦殿がどうなってしまうのか
気がかりでならぬのでありました

お兄ちゃんもすっかり真田の当主だなぁと
あの三人の三様っぷりに、じんとくるのでありました

台灣縦断旅行記 02 西門町から故宮博物院

2016-07-30 20:34:18 | 台灣縦断旅行記(2016)

謎の鉄人、今回の旅のいたるところで見た
台灣鉄道のマスコットなんだろうか

台北駅でバスを下車、今回は奮発して
3泊4日の旅程で、台南、高雄のほうに行こうと
意気込んでいたわけであります
しかし、宿は台北で取っておりまして、
なんか無駄じゃね?と感じなくもなかったのですが、
この無理な旅程を助けてくれるのが、
台灣高鉄こと、台灣新幹線
外国人向けに3日間乗り放題チケットが販売されていて
これがまた安い、台北高雄往復料金とほぼ一緒ということで
大変助かったのであります
毎回、MRT乗り放題とか使ってきたわけでありますが
今回は新幹線乗り放題で、あっちこっちへと
鼻息荒く過ごしたのであります


というわけで、チケット売り場
台北駅の窓口にて、予約証を見せてチケットと交換、
おっかなびっくりというか、言葉は大丈夫かと
不安で仕方なかったけども、予約証でおおよそ伝わったようで
パスポートを見せて、しばらく待ったら手に入りました


こいつがチケットであります、パンフレットみたいだが違うのだ
新幹線駅でこのチケットを見せるだけで
乗ることができるし、予約もばんばん取れてしまう
とりあえず、翌朝の台南まで予約を入れておき完了

続いて、宿のある西門町へと移動しようと思うのでありますが、
その前に、MRT乗るために、悠遊カードを買うため、
台北駅内をうろうろ
前に買ったときは、自販機みたいなので買えたんだが、
どうもそういう仕組みはなくなってしまったらしく、
これもまた専用窓口で購入という段取りになりました


悠遊カードの販売窓口
郵便局の待ち合わせみたいに、順番待ち証をもらって待つこと数分、
無事獲得できたのでありました、500元なり
悠遊カードについては、今回も大活躍で、
台中、台南でバスや台灣鉄道で使えてすげぇ便利、
一人一枚持っておくべきだなと感じるところでありました


毎回写真は撮るけど中に入ったことない、西門紅楼
ホテル行く途中にさらっと写真だけ撮って終わり
宿に到着して17時半くらい、松山あたりに繰り出そうかと
考えてもいたのでありますが、
久しぶりに故宮博物院へ行くことにする


わずか30分ほどで故宮に到着、MRTからバスを乗り継いで
もうすっかり慣れたもんであります
夜料金なので150元と割安で入場、
まぁ正直なところ、いい加減飽きたかしらねなんて
嘗めてたので、さらっと流して、帰りに夜市でも寄ろうかなと
つらつら見物

あっという間に2時間くらい経ってしまった

今回は、青磁の展示が充実しておりまして、
かの汝窯青磁が山盛り飾ってあって大興奮、
相変わらず勉強不足で、まさか汝窯の水仙盆が4つも5つもあるなんて
そんなの聞いてなかったよ…
呆気にとられてというか、もう、穴があくほど
じっくり見てきたのでありました
まぁ、数はあるけど、真の優品は最も有名なあれ一品だけのようですが、
それにしたって、見事なコレクション展示でありました
眼福このうえない

ちょうど、南院オープン時期でもあったためか、
玉の展示で、白菜と豚肉が居なくなっていましたが、
そのおかげもあってか、随分空いていて
非常に快適に見ることができたのでありました
めでたしめでたし

なんて思っていたのでありますが、すっかり遅くなってしまい、
結局20時30分頃に故宮を後にしたのであります

夜の故宮博物院
これから、前回の強行夜市めぐりで見逃していた大龍夜市へと向かうのである

ETV特集 最強ソフトVS個性派棋士~激闘 電王戦二番勝負~

2016-07-29 17:57:34 | ドラマ映画テレビ感想
久しぶりの将棋系番組でありました
私も知識が足らないので、
電王戦に出ていた山崎八段については、
ああ、NHK将棋講座に出ている1分将棋の人
なんて認識しかなかったのでありますが
その、1分将棋でなぜあんなに強いかが
この番組によって理解できたのでありました
そして、といっていいのか
何人かの将棋好きの知り合いが言っていた
山崎は、PC戦には絶対向いてない
なんていう素人評が、あながち間違ってなかったんじゃないかと
思わされたのでありました

番組として、
コンピュータ将棋への取り組みという部分と、
山崎八段の人間部分を追ったドキュメンタリ部分と
2つ見所があったと、大変満足なのでありました
面白い、いい番組だった

コンピュータ将棋については、
その実力がすでに人間を越えているというのは
まぁ、わからんでもないところ
すでにあれだけの数の対局をこなしているというあたり、
ずっとずっと先を見てしまった
そんな印象を受けたのであります
まぁ、それで強くなったというのは、
ただ将棋を遊びつくしたというだけだよなと
感じてしまうので、それをもって、将棋を終了と考えるのは
若干違うなと思わされるところ
人間の手で、ちょっとずつ掘っていきながら
将棋が終わるときを見たいとも思うのであります

それはさておき、山崎八段の棋風について、
直観力による思いがけない手での逆転という話が出ていて
定石ではない部分からの勝負で勝つという
この手法はステキだなと思うわけですが、
これはこれで、現在の将棋における
勉強してきたほうが勝つというセオリーを
はなからはずしにいっている、
地力といっていいのか、研究ではないその場での判断で
勝負しようという気概なんかが見てとれて
それは面白いなと共感したのであります
いや、実際はそういう手を積極的に研究してたというべきか
なんといえばいいのかな、トリックスターではないんだが
かっこいいと感じたのである

が、そうなんだけども、その戦い方は
むしろコンピュータこそウエルカムなのではないか
そう思うような感じでありまして、
第一線の、あまりにもどうなんだという負け戦については
もうそれが完全によろしくなく出てた
そんな風に見えてしまった
むしろ、相手からそうやられて、受けなかったというか
反対に自分が定石に縛られたといったらいいのか
そういう印象に写ったのであります

その後、この敗戦について
なかなか辛らつな次回への期待が持ちかけられていたのは
ちょっと流石にかわいそうすぎるだろうと思ってしまったんだが
これはまぁ、仕方ないのだろうかな
考えさせられるところであります
プロはやっぱり、得しないからやりたがらないよなぁ
将棋の発展というために自分を犠牲とせねばならんと
そういう感じであるなと、改めて思い知らされたのであります

そして二戦目、ここで、糸谷前竜王からのアドバイスとか
頼もしい後輩たちの助言なんかもステキだと思ったわけでありますが
こっから、ドキュメンタリというか、山崎八段の人間味が見えて
これもまた、面白いというか興味深かったのでありました
最終的には、自分で勝手に負けていったと
そんな酷い言い方になってしまいそうな、
脆く崩れていくという感じが、痛々しいというか
見ていて切ないと思えた、これが人間だなぁなんて
勝手にこれまた感動したりといったわけなんだけども

盤面と、それ以外も含めて、凄く面白いドラマがあったんだと
それを教えてもらえたようでもあり
なかなかステキな番組だったとしめておきたいのであります

【読書】ギケイキ ~千年の流転~

2016-07-28 20:35:14 | 読書感想文とか読み物レビウー
ギケイキ ~千年の流転~  作:町田 康

エンタメ小説と銘打ってあったとおり、と言っていいのか、
歴史を下地にして、現代アレンジで描いた、
コメディのような物語でありました
しかも、これ一冊で終わらないらしい
読む前に教えてくれよと感じてしまったんだが
まぁ、なかなか楽しめたのであります

義経記をカタカナで読んだ題名だと、
どっかで見かけて初めてわかったことだったのですが、
義経を主役にして、源平の頃を描いていく歴史小説であります
物語はおそらく、正しい歴史に沿っているのであろうけども、
登場人物が、まさにキャラクタという感じでデフォルメされていて、
しかも、地の文、台詞かまわず、
現代語というか、どっちかというと破綻している言語で構成されていて、
そのあたりが、笑いどころであります
完全に、ヤンキーの会話になっている部分が多々見られる
いいな、源平ヤンキー伝って

とりあえずこの一冊では、
義経の生い立ちから、平泉にいって、頼朝挙兵にはせ参じるところまで、
だーっといって、ぎゃーっとなって、どばーっと
みたいな感じで話が進むので、
確かに物語は過ぎていくんだけども、
違うヤンキーが出てきて、また、しょーもないことをやりあっていると
そんなイメージのまま進んでしまって、
なんだろうかな、面白いんだけども、なんも残らないというか、
残せない、区別がつかないといった具合でありました

台詞がまた、素晴らしいもので、
京都のヤンキーってこんな喋りかたするなぁと、
惚れ惚れするほど、発音までも理解できるように
見事な話言葉で描かれておりまして、
ある種、臨場感たっぷりなのでありました
ヤンキーっぽいと書いてみたけども、
どっちかというと、ネット住民ぽいのかもしれない、
なんだろうか、慇懃無礼と、なめた感じというか
どうとも、なんとも、とかく、
読みにくいんだけども楽しげであると
そんな会話劇でありました

この会話が、肝なので仕方ないのですけども、
もうちょっとはしょったら、もっと話がちゃんと進むんじゃねぇかと
感じなくもないところが多々みられましたが、
しょーもないやりとりを何度も見る小説なので、
これが正解なんだろうと思うのであります

【読書】これ、食べていいの?: ハンバーガーから森のなかまで 食を選ぶ力

2016-07-27 19:41:08 | 読書感想文とか読み物レビウー
これ、食べていいの?: ハンバーガーから森のなかまで 食を選ぶ力  
著:マイケル ポーラン

よくある環境破壊に警鐘系の本かと思いましたが、
確かにそうなんだけども、今まで読んだ
タカ派的な印象のそれとは一線を画する
この内容というか、この語り掛けだと、ついつい
そうかもしれないと、改心というか、
信じてしまいたくなる内容でありました
興味深い、面白い本であります

4つのタームに分かれていまして、
・工場生産のような野菜、というかコーンについて
・工場生産のような家禽、鶏について
・工場生産のような家畜、牛豚について
・そうではない生き生きとした肥育の家畜家禽たち
というような具合で、
まぁ、最終段のそれが、どれほどステキだろうかと
そこにいたるまで、
非人道的と歌う、農作物への仕打ちをこんこんと語り、
あるいは、経験してといった具合から、
そうではない、理想的な農業とは何か
それを体現しているところへと取材しといった具合で
読んでいると、スムースにそうかもねと思わされるできでありました

大量生産という手法のために、
どうにもこうにもという、家畜や農作物に対して
人道といったらいいのか、人格をあてはめるという手段は
どうも賛成しかねるので、大賛成とはいかないものの
効率を追求するために、相当の負荷を大地や自然にかけて、
製品を作り出すというプロダクトフローについての警鐘が
なかなか秀逸でありました

ロジックとして、
一見安くなっているように見えるけども、
環境破壊という形で、それを保障する税金が費やされていることをかんがみると
別で支払っているコストが発生しているから安くない
そんな話であります、これはなるほどとうなった
屁理屈にも見えないこともないけど
比較的、あれ?そうかも、なんて思わされたのであります

また、コーンに関しては、この大量生産が安価を呼び、
また大量生産するために、補助金が出ている
補助金をあらかじめ税金として払っているから
実は安くない、ハンバーガーや清涼飲料水というのも
なるほどなぁといったところで、
主題ではないからか、マクドナルドなどに対して、
その補助金による利ザヤをかすめとっていると、強く非難したりはしないのが
優しいというか、頭のよい本だと思われたのであります
まぁ、露骨じゃないけどそう言ってるという文章でありました

理想的な農場については、いいなぁと
まさに理想を見せてもらったようでもあるものの、
そこに確かにコストはかかる、というところと
なんともいえぬはざまといえばいいか、
こういうのが支持されてくるアメリカがあるとすれば、
変質、変革のときがきてるのかもと思わされた
賢い、弱者からの反撃本だったと思うのでありました

よかった

台灣縦断旅行記 01 全部一人で台北まで

2016-07-26 20:44:28 | 台灣縦断旅行記(2016)
さて、6度目の台灣旅行を敢行しました
今回は、一人ツアーすらもやめて、
飛行機チケット+ホテル予約のみで、
全て自由プランでやってみたのであります
今までなんだったんだと思うくらい、これがまぁ、
随分安価で済んだというか、
その分、旅の予算に振り分けられたので
今後もこうしたいと考えるところであります
ツアーの一人用追加料金がいらないというのがステキすぎる


とりあえず関空から、トランスアジア航空で桃園空港へ

前回までの旅ですっかり慣れたもので、
トランスアジア航空なら機内食がつくと、
しかもビールが飲めるなんて行きから盛り上がっておりました



ビーフ オア チキン?
ここでまぁ、「ジーロー(鶏肉)」などと
気取って応えたりして、もう一人で盛り上がっていた
恥ずかしいこと極まりない旅立ちだったわけであります
当然、CAのお姉さんも「啊?(あ?)」とか、
日本人が縮み上がる例の発音で聞き返してきて
もう、何が楽しいのか自分でも見失っているけども
チキンと応えて、親子丼を食べたのであります
多分親子丼である、甘い卵とじだった

ビールはもちろん台灣ビールで、
相変わらずのほわっとした味に満足して
朝早起きしたこともあって就寝、気づいたら桃園に到着と
それを見越したわけでありました

到着して、興奮のあまり鼻血が出るというアクシデントに見舞われましたが、
怪しい病気を疑われることもなく、さくさくと税関を抜ける
チェックに関しても、WEBで事前登録していたおかげで
すげぇあっさり進めるし超便利
とりあえず兌換屋さんにいって換金を行う
Change my moneyなどと、誤用英語で会話して無事ゲット
行ったときはちょうどレートが改善傾向だったおかげで
10000円=2888台灣元に、手数料30元でありました
台灣の空港レートが簡単で安心と聞いたのでこれにも満足であります

一人旅の利点というか、当初もくろんでいたのは待ち時間カット、
ツアーだと待合バスのために、ほかツアー客を待つという時間が
凄い長くて勿体無いと常々思っていたので、これがなくなるだろうと
見越しておったわけです
すいすいと勝手知ったるといった具合で、桃園空港を歩き回る、
前もってバス乗り場は調べておいたのであっさり到着であります


バスチケット売り場
私「リーホー(你好)」
などと、覚えたての台灣発音で近づいてみると
小姐「Where do you want to go?」
私「I want to go to TaipeiStation.」
などと、あっさり英語で返されて、中学生教科書みたいな受け答えをする
たぶんこう発音したんだが、合ってるのか、want to って
自分で言うものなのか、どうなんだ
「我要出台北站」とか発音したら通じただろうかなどと考えるのだが、
台北だけで通じてしまう気がするなぁ

嘘英語だろうとなんだろうと関係ない
当然、台北駅という地名さえわかれば通じるので
無事チケット購入125元なり

台北駅行きであります、到台北站(ダオタイペイヅァン)
ここまで空港到着からわずか15分ほど、早い、素晴らしい
この調子で台北入りしたら、夕方相当遊べるなと
ほくそ笑んだのであります

が、


とんでもない混雑のバス停
まさかの長蛇
そりゃそうかとも思うわけなんでありますが、
このバスがかなりの頻度でやってきてくれるので
ここで結局30分待ったものの、まずまずのスピードで
台北市内へ向かうことができたのでありました

結局、乗り合いバス待つのとあんまり変わらなかったなと
思わなくもないですが、一人旅という気分が盛り上がり
何せ楽しいので、かまわないのでありました
台灣旅行の始まりであります

【読書】小説・司法修習生 それぞれの人生

2016-07-25 20:55:16 | 読書感想文とか読み物レビウー
小説・司法修習生 それぞれの人生  作:霧山 昴

全共闘の翌年くらいの法曹界について、
司法修習というイベントをおった、日記めいた小説でした
いや、日記だったといっても過言でない

題名の通り、色々な修習生が主役でもないが、
何かしらの話をまわしていく群像劇なのでありますけども
なんだろうか、どうにも読みにくいというか、
起伏がなくて、辛かったのでありました
小説というよりも、本当に、
他人の日記を読んでいるといった具合で、
今まで読んだことない感触でありました

業界について、さっぱり知識がないので
その補填にと読み出したのが
そもそも私の間違いだったようにも思うのでありますが、
時代が随分前でありまして、その頃、
法曹界ではなかなか物議をかもしたのであろう
青法協という団体のお話であるとか、
共産主義やら、人権派やら、なかなか香ばしいというか
やはり、あの時代、60年代から70年代にかけての
いかんともしがたい思想百家時代のいいところ、悪いところが
あれこれと語られているというか、
そんなことがあったと綴られていて、
そのあたりは、なかなか読み応えがあったのでありました

おおよそ主役級が二人いたのですけども、
そのあたりの話はさほどに何ということもなく、
それよりは、途中で謎の自殺めいた不審死を遂げる東大卒の修習生の話が面白くて、
元反体制でうならせていたのを活動やめて、
検事を目指しているというところに、
昔の仲間がやってくるというなかなか、ダークでというか
そこ面白いから、もっと書いてほしかったななんて
思ったりしたのでありました
ほとんど、何も描かれないまま、死んでしまったのがもったいない

学閥の話なんかはほとんど出てこなかったのでありますが、
この頃はそうだったのか、東大、京大、中央大が占めていたとの話で
そういうもんなのか、業界地図がさっぱりわからないので
なんともいえないのでありますが、
それぞれのゼミから、何かしらの話があって、
学者だったり、裁判官だったり、検事だったりが、
それぞれ教官がいて思想があってと
不思議な集まりだなと
ぼんやり眺めて終わったのでありました

ともかく、長いんだが、なんだろうか
記録ばかりで、何を読んだといいがたい
そんな本でありました

真田丸  異変

2016-07-24 20:47:02 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
視聴完了であります
仕方ないとはいえ、ここから暗い話ばっかりになるなと
その嚆矢を見たように思うのでありました

前週とはまた別の、
今度は老いらくについて考えさせられるという
老醜、いや、痴呆のそれだろうという演技が
まぁ、なまなましくて、かなり抑えた脚本だったと
思ったりするにも関わらず、
ずっしりとのっかってくるようで、重く感じるのでした

とりあえず、変わった嫁については、
きりを通してもって、とんでもない女の太鼓判が押されたようで
なかなか頼もしく感じるばかりでありますが
彼女のコメディパートを心待ちとする展開が
今後繰り広げられていくかと思うと
なかなか、引き締まるものを感じるところ

着々と刑部の病状が悪化し、
知らないうちに、お兄ちゃんがリア充街道を
まっしぐらに走りだしたり
片桐殿がかわいそうで仕方なかったりと
先へと進むポイントが、いくつも置かれていて
見所多かったんだけども、
なんだろうか、
色々イベントがあるにも関わらず
ねね様のなさりようが
あまりにも愛おしくて仕方ないというか、
本当、三谷はねね様のこと好きすぎるなと
清洲会議とともに思い知らされるのでありました
最強だな、このねね様は

あとは徳川がどう関わってくるかも楽しみにしつつ
来週は、父上もちょっと活躍するようだし
楽しみにしたいところでありました

【読書】山怪 山人が語る不思議な話

2016-07-23 09:57:30 | 読書感想文とか読み物レビウー
山怪 山人が語る不思議な話  著:田中康弘

夏の日の電車通勤にぴったりな一冊でした
山里に伝わる伝承話といえばいいのか、
昔そういえば聞いたなという
キツネやタヌキに化かされたような話を
あれこれ集めたものであります

区分けがなかなか難しく、
いわゆる民間伝承で民話になっているのではない、
爺さんが昔聞いたとか、そういえばこんなことがあったとか
そんな話に限定して集めるのであります
不思議なことがあったけど、最終的には
キツネに化かされたという話になって終わった
そんなのばっかりである

とはいえ、これがなかなか面白いというか
こんなにバリエーションあるのかと、
同じような流れで、同じようなオチなのに
あれこれ工夫でもないが、事象があって楽しい
本書内でも結論というではないが、
理由がつけづらい、つかない話は
全て、キツネやタヌキ、はたまた天狗の仕業にしておけば
とりあえず納得できるかなと
強引にまとめて伝えてきたのではないかと
そういうところでありまして、
最近の猟師さんにおいては、そういうのは一切信じず
どれもこれも、何かを見間違えたり、
勘違いであったと、独自の見解を述べていて
これもまた楽しいのであります
ある、ない、そういうのを判断するのではなく
それぞれが、不思議に対して
思いを語っているところがよいのですね

あまり人死にが出る話はなくて、
数日行方不明になって、
ぼぅっとして、突然現れて
その前の記憶がなかったり、大変だったり、
遭難していたのがすぐ側の山中だったりと
普通なら大丈夫なのになという
当たり前のところで事故が起こりやすい
いや、不思議が起こりやすい
これらをまとめて、水木先生が妖怪と呼んだというあたりまで
なかなか魅力的な内容でありました

よくわからんが、そういうことが起きたら、
振り向いてはいけない、しゃがんでやり過ごす、
返事をしないなどなど、よくわからないのに対処法が続いていたり
これもまた、面白いところでありました

本内で、最近の子供はこんな話聞かないと
言っていたのでありますけども、
こういう時分に、怖い話として伝えたら
絶対聞くと思うんだがなと思ったりしつつ
それもまた、私の考えが古いだけなんだろうかとも
感じるところだったのでありました

滅び行く、日本のお話という感じであった

【映画】帰ってきたヒトラー

2016-07-22 22:46:13 | ドラマ映画テレビ感想
撮ってだしというでもないですが、
ついさっき見てきたのであります
ようやく見られたといっても過言ではない
気になってたけども、いかんせんいつも使う映画館がやってくれないから
遠出して見てきたのでありました

話題作といっていいのか、
いまさら日本上映かよと、ちょっとずっこけた感じでもあるんだけども
ドイツでは、なかなか不気味なヒットとなったらしい
風刺コメディ映画でありました
原作は、それこそ2年前に読んでいるので
なかなか楽しみにしていたのであります

内容は、方々で歌われていますとおり
ヒトラーが現代に蘇って、そっくりさんと間違えられて
テレビで演説を打ったら大うけして
なんだかんだ、スターダムになっていくと
そういうお話なんでありますけども
そこに、現代風刺をふんだんに織り交ぜていると
ここがなかなかステキな見所であります

映画については、風刺に相当舵を切っているというか
原作ほど軽薄に笑えるようにはできておらず、
できるだけ映像作品、それも世に問うといった体裁というか
テンションを保とうとした工夫といえばいいか、
演出が見られまして、
実際に市井で撮った映像をそのままふんだんに使ってあるようで、
時折、道行く人の顔にモザイクがかかっていたりして
なんか、妙なリアル感があったのでありました
まぁ、でも、
今まさにヒトラーが、そこらへんを歩いてたら
思わずスマホで撮るだろうし、笑ってしまうよなぁ
その映像を微笑ましく見ているというのが
この映像というか、物語の本質だと
歌われている部分であります

そんなわけで、結構な笑顔が見えて、
ヒトラーとはなんだったのかと
問いかけてくるようでもあり、また、
現在の軟弱な民主主義について異議を唱えるというか
そこに価値はあるのかと、たたきまくるというのは
痛快でもあって、やがて扇動に似てくると
まぁそんなところでありましたが、
そこまで含めても、映画体験として面白いんだなぁと
ほんわか思ったのであります
やはり、私にしても、ヒトラーをその当時と違うかたちでしか
認識していないと感じるのでありました

見所のひとつというか、コメディたらしめるためであろう
ヒトラー最後の12日間のパロディ部分が
いきなりぶっこまれてきたあたりは
思わず笑ってしまったのでありますけども
全体的に、ヨーロッパ人、とりわけドイツ人ではない自分には
面白く見られたように感じたのでありました

ユダヤの問題はほとんど扱えない、という形で、
たちの悪いブラックジョークを交えただけで終わったのですが
その代わりというほどでもないが、移民の問題をちらつかせていて
ふと、ユダヤ人は賢いから、情勢があの頃と似てきた今、
ユダヤ人ではないスケープゴートを用意するため
移民という何かを作り出したんじゃなかろうかなんて
思わされたりしたんだが、これはさすがに
考えすぎですな、笑えないことを考えつつ
なんとも不思議な気分で見終わったのでありましたとさ

【読書】蔡英文 新時代の台湾へ

2016-07-21 17:58:40 | 読書感想文とか読み物レビウー
蔡英文 新時代の台湾へ  著:蔡英文

あまり政治家の本というのは
読んだことがなかったのでありますが、
一念発起して読んでみました
非常に面白かったというか、わかりやすかった

ニュースでしか知らないわけなので、
実際どうなのか、書かれていることの真偽については
当然わからないのでありますが、
2008年の総統選で負けてから、下野し、実地で努力を重ねてきた
その痕跡というか、実績をたどるといった内容で
非常に興味深かったのであります
まぁ、差し引いて考えないといけないんだろうが
それにしても、地に足ついた政治努力をされたんだろうな
なんて、感動すら覚えてしまうのである

考え方と、問題のとらえ方は
読んでいると、日本と同じじゃないかと
感じなくもないところがあって、
政治情勢については、民進党が期待を裏切ったと
民衆からの支持を失った
このあたりが生々しい、そして民衆の動向が、
なんとなく親近感といったらいいのか、わかる気がしてしまう

そこから、復活のため全国行脚をされたわけで、
その先々で、いろいろな人と出会って、
基金を立ち上げて、地方からの活力復帰を目指していったという具合で
このあたり、台湾特有といってしまっていいのか、
現在、台北に集中している力を地方へ振り分けよう
ここで、高雄、台南といった、旧都心が浮上するというのが
いい感じに見える、これはとてもよい政策じゃないのかしらなどと感じる
素人目ですが、
日本に置き換えると、福岡の力を熊本鹿児島に移動するみたいな
そんな感じかしら、あれ、そう置き換えるとうまくいく気がしない、なぜだ
などと、素人がよけいなことを考えてしまうのは余談

それとは別で、外交についての姿勢、また
実際どうなのかわかりませんが、ブレーンたちとの距離や
実務に携わる人数が、ほどよいといっていいのか、
その手でなんとかしていってるという感じが、
実務者懇談みたいなのをかまさない規模感にまた
なんか、がんばれなんて思わされてしまったのでありました

今後、どうなっていくのか、そもそも本当はどんな人なのか
そのあたりはニュースでまた見守っていくべきだろうと思いつつ
少なくともここに書かれている内容について、
実行を期待したいなんて、台湾の人みたいなことを
つぶやいてしまうのでありました

読み終えて、政治に対する姿勢と距離みたいなのが
日本より近い感じがするな、
学生たちの行動力や、意識がまた違うのかもななんて
芝生が青く見えたのでありました
このあたりも、日本で同じようなところに当てはめたら
それは張り子だよという話なのかもしれないけども
なかなか、深く考えるきっかけとなったのであります

古代史ミステリー 「御柱」 ~最後の“縄文王国”の謎~

2016-07-20 18:05:10 | ドラマ映画テレビ感想
ちょっと前のNHKスペシャルであります
なんだろう、凄い面白い!と驚嘆するほどでもなかったのに
なぜか、録画して3回ほど見返してしまった
やっぱり面白かったんだよ

そんなわけで、諏訪湖の御柱についてのドキュメンタリでありました

相当に凄いお祭りだと、
話には聞いたことがあったわけですが、
実際にそれをおっかけつつ、
さらに、古代史と絡めて解説してくれるという
至れり尽くせりの素晴らしい番組でありまして、
そうか、縄文時代とかそういう話になるのかと
ちょっと慄いてしまったのであります
そういう土偶だとか、なんだとかがからみそうなのは
東北の専売特許だと思ってたら、
最後まで残ってたのは、長野だったのか
知らないとは恥ずかしいお話であります

さて、古事記の伝説もなぞりつつということで、
これがまた、非常に面白かったのでありますけども
何よりも、あの土地全体で盛り上がっている
まさに祭という雰囲気がうらやましくありという具合で
見とれてしまったのであります
京都の祇園祭りとは、また違う意味で
地域にどっしりと根ざしたものなんでありましょう
すげぇなぁ

諏訪湖は遠くから眺めたくらいで
実際に諏訪大社にはいったことがないので
あの御柱というものが、どれくらいのなんなのか
それはテレビで見るしかわからなかったわけでありますが
それにしても、勇壮な姿でありました
祝詞というか、掛け声だとか、それぞれの所作が
いちいちかっこいいなぁと
惚れ惚れしてしまったのでありますけども
最近、ああいった、土着の何かというのに
強く引かれるところがあって
なんだかんだ、興奮して見守ったと
まぁ、そういう番組でありましたとさ

ミシャクジ様だとか、メガテンで見かけた話が
ちらほら出てきたのでそのあたりも含めて
満足だったのであります
古代史面白いなぁ

【読書】ハーバードの人生が変わる東洋哲学 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義

2016-07-19 20:28:09 | 読書感想文とか読み物レビウー
ハーバードの人生が変わる東洋哲学 悩めるエリートを熱狂させた超人気講義  
著:マイケル ピュエット

これまた面白い本でありました
うわさにたがわぬといっていいのか、
話題になってるんじゃないかと期待してしまう内容でありました
哲学書は、だいたい何を読んでも面白いなぁと
最近のトレンドであります

ハーバード大学の講義がもとになっているそうで、
東洋哲学の考え方、その哲学が新しいといったらいいか、
西洋人には新鮮と写った、いや、写したというのが正解でありましょう
孔子、孟子、荘子、荀子、老子、墨子と、
それなりに聞いたことのある中国古代の思想を
わかりやすく解説した、今風に解釈した内容でありました
すげぇ面白かった、西洋人じゃないのに感激してしまった
古代思想はえらいなぁ

そんなわけで、主たるところは儒学なのでありますけども、
礼や仁といった概念を教えつつ、そこにあるもの、
その根底にたわる何かを掴むために、
かなり噛み砕いて説明していました
内容にもありましたが、観念的といっていいのか、
その場によって答えが異なる、その姿勢や、思考が
この哲学の肝であるという、
それはもう詭弁というんじゃないかと、西洋人が大憤慨しそうなそれを
なるほど、非常にわかりやすく、理解できたと思わせるように
丁寧な解説で彩っておりました

かなり感心したというか、前になんかの本でも示唆されてたなと
いまさら気付いた事項も多々見られたのでありますが、
礼というのは、形骸化していることは問題ではない、
それをまとうことによって、それを演じて、それになりきることで
気付くこと、築かれるものがあるという
この考え方、その先にあるものが仁であるというのが
なんだろう、凄い納得できたのでありました

いつも失敗してしまうとしょげる人は、
そういうパターンに陥っているだけである
そういう自分を演じようとしている、礼を行っていると
まぁ解釈できるんじゃございませんかというのは
目からうろこでありましたね、素晴らしい
同じことをしがちというのは、礼であるが、
そこに固執するのはいただけないのであるか

もう少し、法家、特に韓非子あたりを扱ってほしかったなと
思わなくもなかったのでありますが、
天の概念や、他人とのあり方についての思想については
改めて、解説されて、やっぱり自分も東洋人なんだなと
しっくりくるような気持ちになって
心地よかったのでありました
解説本じゃなくて、原本を読むべきじゃないかなとも思うんだが
これはこれ、楽しんで読めたのであります

【読書】神社仏閣は宝の山

2016-07-18 17:10:12 | 読書感想文とか読み物レビウー
神社仏閣は宝の山  著:桜井 識子

てっきり、寺社仏閣指南の本だと思ってたら、
スピリチュアル本でありました
残念だ、なぜ、こういう本を引き当ててしまうんだろうか
反省しつつも、手に取ったら読むというわけで、
深遠なるというか、自分には理解が届かない世界を
垣間見たような読書でありました

内容は、関西在住の作者が、
関東の寺社仏閣をめぐるという
旅ブログめいた本でありました
ただし、スピリチュアルに相当ふっているというか、
なんだろう、神との対話などと書くと違うんだが、
どうにも、あれこれ神秘的に解釈した
様々な見方、楽しみ方を記していて
ちょっと私の楽しみ方とは違う、
というかそれは無理だ、なんて思って、感じてしまったと
そんな具合でありました

というわけで、その部分については
私からはなんとも書きようがないのでありますが、
関東や、東北の名所は非常に楽しそうでもありまして、
やっぱり、どこの神社も山のうえにあるものだなと
いってみたいリストというか、
近くなら行くなぁというところが
色々と出てきて楽しかったのであります
イタコがいる山とか、お寺のジャンルだと思うんだが
なかなか登ってみたい山ではあります

滝や、山を堪能したり、
神社でも奥宮なんかを探してみたりと、
たどる場所のディープ、いや、物理的に深い場所に
あれこれと近づいていっているのがステキで、
もしかすると、隠れでもないが、
地味すぎて素通りされるような場所も
見ているんじゃないかしらと思えば、
なかなか羨ましい参拝をあれこれしているようでありました
時間をやりくりしつつ、
現地の人とも交流しつつと、旅行は楽しそうなので
いいなぁと眺めるといった
そんな読み方をして終えたのでありました

真田丸  受難

2016-07-17 20:48:14 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
視聴完了であります
薄暗い話だった、そして、なかなか衝撃的だった
明日が休みでよかったな
そんな感想であります

まさかの、職場鬱を悪化させて自死なんていう、
すさまじいオチになるとは夢にも思いませんでしたが、
一連の出来事が生々しすぎて笑えない
そら恐ろしい回であったと思うのであります
これはちょっと、
この内容に引っ張られて、同じことする人が
出てしまうんじゃないか
不安を覚えてしまうような、見事すぎる出来栄えに
戦慄でありました、やだなぁ

とはいえ、全編それではまずいと、
ちゃんといらん小話もいくつかはさんでいて、
母上の出自に関するところやら、
兄上の身の上話だとか、
きり大活躍だったりと、まぁ、
笑いもはさめたんだけども、
やっぱり全体的にきつい、黄金の日々が見られたにしたって
なかなかしんどい内容でありました

まぁ、さまざまな伏線をはる回でもあったようで、
あれこれ、今後にばらまかれた勢いのあるところで
楽しくもあったんだが、
なんとも、悲しく見てしまったのでありました
とりあえず、大谷の娘がどうなってしまうのか
あれは、イルカを育てたりするんだろうかなどと
いらぬ心配をしつつ、楽しんでいきたいのであります