Kinoの自転車日記

自転車と共に過ごす日々

自転車のチェーンが外れる 修理完了

2019-09-09 20:00:05 | 自転車整備 その他 
通勤用自転車のチェーンが頻繁に外れるのでそれの修理を行っています 原因は概ね掴んでいますので
今回はその部分の整備を行い修理を完了させるつもりでいます 作業風景をご覧下さい





自転車のリアホイールを外し整備テーブルへ持って来ました 今回の修理依頼が有ってから
洗車をしてチェーン等の駆動部のオイルアップを済ませています




チェーンが外れるのはその時の状況で原因が想像できます
足を回している時なら前後のチェーンラインの通りの悪さや
変速機が正常な位置に留まっていない等が考えられ
足を止めている時に外れるのはこのフリーホイールの
回転が重い時に起こる事が良く有ります




今回は最初の洗車をした時にこのフリーの回転が重く
クランクの逆回転が出来ない事を確認しています
原因はこのフリーの重さに間違いは無いでしょう






これは 6速のボスフリーですが これから対処の仕方を
解説しながら見て頂きます フリーの蓋部分が汚れているので
綺麗に拭き取りました






フリーの蓋に Shimano シマノの刻印が有ります
ボスフリーの内部構造は基本的に他のメーカーも
同じです






この丸い窪みは蓋を開ける為の工具を引っ掛ける部分です
蓋を開けると 
1.ベアリングが使われています多くのスチールボールが入っています
2.その奥にラチェット機構が有り爪とバネが使われています 
3.ホイールに近い一番奥にまたスチールボールが入っています
これがボスフリーの内部構造です




蓋はフリー本体に切られたオスネジに フリーのメスネジが
締め込まれています、この部分に遊びは有りません
※ フリーの蓋は逆ネジです




この蓋の外周には隙間が有り、フリーの蓋の外側でギアが回転します




今回の修繕ですが フリーとチェーンを新しい物に交換する方法が
一番手っ取り早いのですが、自転車全体の状態を見るとそこまで
お金を掛ける状態では無いので このフリーを生かす事にします

用意したのは ヴィプロスの潤滑剤グレサージュです今回の方法では
やや粘度の低いオイルのスプレータイプが良いでしょう






フリーの蓋の外周の隙間から フリー内部にオイルをスプレーします
充分オイルが廻り内部の汚れを洗い流すくらいの気持ちで良いでしょう






充分オイルをスプレーし フリーを回転させてやります
先程書いた内部機構全体にオイルを行き渡らせる必要が
有ります






同じ事を行っています ボスフリーには防水対策はされていません
余剰なオイルはフリーの隙間から出て行きます 逆に雨天走行をすると
雨は内部に入り放題です




充分オイルが行き渡ったのではみ出したオイルは拭き取っておきます






ウエスにオイルを染み込ませギアの隙間も綺麗にしておきます





ボスフリーを分解してグリスアップと言う整備方法も有ります しかし雨天時でも使う通勤自転車
加えて保管も雨ざらしです その様な条件では直ぐにグリスも洗い流されてしまいます 
ホイールを外さなくても今回の隙間からオイルはスプレー出来ますから、適時にそうする方が日常整備として
現実的だと思い 今回はこの方法を選びました




これでフリーの回転の不具合の整備は完了しました
ホイールを自転車に装着してチェーンが外れないか
確認します






リアホイールの装着はする事が沢山有りコツも有ります
その辺もご覧下さい
洗車をしたと言ってもブラシが入らない所がまだ良く汚れています








汚いのを見て見ぬふりは出来ません 折角なので綺麗にしておきます






ホイールを装着します エンドは正爪です




そうそう変速機のマウント金物の取り付けネジの緩みを確認
しておきましょう ここが緩むと上手く変速しない事も有ります








外した時と逆の手順です 変速機側はハブを一番前まで
送ってからナットを締めておきます




左側にはブレーキも有ります




ブレーキ本体を固定するバンドにボルトナットを入れておきます
本締めはホイールのセンター調整をしてから行います






ブレーキワイヤーのアジャストボルトです






これは良く錆びて動かなくなります 一旦外してグリスを塗っておきます






ここはブレーキワイヤーの固定部 このネジにもグリスを塗ります
やはり錆びを防ぐのが目的です






ブレーキワイヤーをアジャストボルトに差し込みます




インナーワイヤーを仮固定します






スタンドです






泥除けのステーを入れてワッシャーとナットを取り付けます





自転車のホイールは後輪に限らずフレームの中心に取り付ける必要が有ります
ホイールのセンター出し等と呼ぶ作業です






一般的な方法として フレームのチェーンステーと
タイヤの隙間を左右同じにすると言う方法を取ります




今回の自転車は 変速機側のハブナットを一旦緩め
ハブシャフトを前方一杯まで送りナットを締めます




そして逆側のナットを締める際に チェーンステーと
タイヤの隙間を左右確認します 指先で調整すれば良いでしょう






作業手順は上記の通りですが 今回の自転車はホイールの振れが大きく
何処がセンターか分りません ニップルレンチを使いホイールの振れ取りも
行いました




ホイールのセンターが決まれば左右のハブナットを本締めします




ブレーキ本体の位置決め用のバンドのボルトナットを締めます






ブレーキのインナーワイヤーを固定します ブレーキレバーを握り
ブレーキの引き代を確認しながらの作業です




ただブレーキの引き代の微調整は最後にこのアジャストナットで
行えば結構です






これでリアホイールが装着出来ました 変速機は前回の作業で
オイルアップを行い、問題なく動く事を確認しています






自転車を預かった時にクランクを逆回転させるとフリーが廻らず
チェーンがこの様にたるむ症状が出ていました これが直っているでしょうか






クランクを手で逆回転させます ゆっくりと確認し 最終的にかなり
高回転させても大丈夫です フリーのラチェットが上手く機能しています 
これなら大丈夫でしょう





自転車小屋の周囲を変速しながら実走行してみましたが 足を回転させても足を止めても
チェーンが外れる事は有りませんでした これで相談を受けた、チェーンが外れると言う
修理は完了です 皆さんには 3回に分けて長くお付き合いを頂きましたが、作業としては
洗車も含めて半日程度の仕事です  
この後、洗車時に不具合を見つけたフロントブレーキのゴムを交換します これにも是非お付き合い下さい

前回の作業 【 自転車のチェーンが外れる オイルアップ 】

コメント (2)
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