「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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H28.5.24ヘイトスピーチ対策法成立。中央区からもヘイトスピーチの根絶を!

2016-05-25 16:07:48 | シチズンシップ教育
 大事な法案が、5/24成立した。

 ヘイトスピーチ対策法。

 中央区も、銀座界隈を中心に、残念ながらヘイトスピーチデモが頻繁になされる地域です。

 ヘイトスピーチは、ひととして最も恥ずべき行動のひとつであり、かつ、憲法21条の表現の自由の保護に値しないものでもあり、毅然と対応していく必要があります。
 


 以下、成立翌日5/25の各紙が、本法案の問題点をどう取られているか、見てみます。

 朝日・毎日は差別的行為の及ばないひとが出ることの懸念に問題意識があり、読売は、行政の拡大解釈の余地を言い、問題意識が異なっています。
 


朝日新聞:在日外国人以外に対する差別的な行為が続かないか、しっかり見守る必要がある。

毎日新聞:だが、本来はどんな立場の滞在者であれ、差別的言動にさらされてはならない。その原則に立てば、法律で明確にうたうべきだった。

読売新聞:将来の法規制に含みを持たせたとも解釈できよう。安易な改正は避けなければならない。修正協議の結果、ヘイトスピーチの定義が、さらにあいまいになったことも懸念される。
     具体的にどんな言葉が、著しく侮蔑するものなのかは分かりにくい。行政に拡大解釈の余地を残したのではないか。



***********朝日新聞**************************

ヘイト対策法 差別を許さぬ意識こそ

2016年5月25日(水)付


 特定の人種や民族への差別をあおり、人としての尊厳を傷つける。そんなヘイトスピーチの解消をめざす法案がきのう、衆院本会議で可決、成立した。近く施行される。

 具体的な禁止規定や罰則のない理念法で、効果については意見が割れる。だが「不当な差別的言動は許されない」と明確に宣言する初めての法である。

 理念の重みをまず、社会全体で共有したい。日本が20年以上前に批准した人種差別撤廃条約の精神に立ち返り、国際社会とともに差別的な言動をなくしていく着実な一歩としたい。

 ヘイトスピーチ対策の立法をめぐっては、「表現の自由」とのかねあいから、慎重な対応を求める指摘があるのも事実だ。しかし、法務省の試算で、昨年1年間にあったヘイトスピーチのデモや街宣は約250件にのぼるなど、見過ごすわけにはいかない状況が続いている。

 今回のヘイト対策法は、その対象を、適法に国内に居住する「在日外国人やその子孫ら」とした。だが、これまで被害にあってきたアイヌ民族や難民認定申請者らが標的になるようなことがあってはならない

 与野党は「法が定義する以外、いかなる差別的言動も許されるとの理解は誤り」とする付帯決議を可決した。在日外国人以外に対する差別的な行為が続かないか、しっかり見守る必要がある

 残念なことに、これまで在日コリアンの排斥を求めて活動してきた団体が来月、川崎市内でデモをするとネット上で予告している。施設の使用などを認めなければ、団体側が反発を強める可能性もあるが、自治体や警察当局は法の趣旨に照らして、適切に対処すべきだ

 差別的な言動を容認しないという姿勢を鮮明にした法の施行を受け、政府や自治体は今後、教育や啓発活動を強めていくことになった。また、与野党は法の施行後も、差別的言動の実態を踏まえて検討を加える、との付則でも合意した。

 差別をなくす取り組みは、日ごろから不断に続く努力の積み重ねである。どうすればヘイトスピーチをなくせるか、だれもが差別におびえることなく暮らせる社会をどう築いていくか。

 肝心なのは法をつくることだけではなく、国民全体で常に考え、行動することだろう。

 「表現の自由」を守りながら、社会に潜む差別の構造に目を向け、「ヘイトスピーチは絶対に許さない」という強い意識をもたねば、身の回りから差別的な言動はなくならない。


*******毎日新聞*******

ヘイトスピーチ 新法生かし根絶しよう



毎日新聞2016年5月25日 東京朝刊



 特定の人種や民族に対する差別的言動を街頭などで繰り返す「ヘイトスピーチ」のない社会を実現させるきっかけとすべきである。


 ヘイトスピーチ対策法が衆院で可決し、成立した。個人の人権や尊厳を一方的に傷つけるヘイトスピーチが許されないのは当然だ。野党が昨年、人種差別撤廃法案を国会に提出していたが、今国会で与党が対案提出に踏み切り、与党案に沿って審議が急ピッチで進んだ。

 この法律は不当な差別的言動の解消をうたう理念法で、国や地方自治体に、必要な措置を講ずる責務を課す。罰則を伴わないため、ヘイトスピーチの解消には不十分だとの声もある。それでも人権侵害を止める一歩を踏み出したことを評価したい。

 ヘイトスピーチの主な攻撃対象は、在日韓国・朝鮮人の人々だ。歴史的経緯があって日本で生活しており、非難されるいわれはない。だが、執拗(しつよう)なヘイトスピーチにより、恐怖感さえ訴えている。この法律を生かし、警察や自治体には、差別的言動を伴う街頭行動などをさせないよう毅然(きぜん)とした対応を求めたい。

 対策法をめぐって、与野党は主に二つの点で意見が対立した。

 一つはヘイトスピーチの定義だ。与党案は当初、「生命、身体、自由、名誉または財産に危害を加える旨を告知する」としていた。

 ヘイトスピーチは「殺せ」「死ね」などの暴力的な言葉だけでなく「ゴキブリ」などと侮辱的な言葉を投げつけるのが特徴だ。こうした言葉が対象外になってしまうとの野党側の意見を与党は取り入れ、法律には「著しく侮辱する」行為を加えた。

 もう一つが、ヘイトスピーチを受ける対象だ。与党案では「本邦外出身者」として、在日外国人とその家族に限定した。野党側は「アイヌ民族や難民申請者、不法滞在者への差別が許されてしまう」と主張し、修正を求めたが与党は応じなかった。

 妥協の末、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」以外の差別的言動が許されるとの理解は誤りだ、との付帯決議が可決された。

 だが、本来はどんな立場の滞在者であれ、差別的言動にさらされてはならない。その原則に立てば、法律で明確にうたうべきだった

 ヘイトスピーチをめぐっては、国連人種差別撤廃委員会などが法規制を日本政府に働きかけてきた。こうした動きも踏まえ、地方議会でも法規制を求める意見が相次いだ。

 市民一人一人がヘイトスピーチを許さないことが大切だ。学校教育などを通じた啓発も重要になる。国民の大切な権利である「表現の自由」に留意しながら、ヘイトスピーチの根絶を目指したい。


**********読売新聞*********
ヘイトスピーチ 対策法を解消への足がかりに


2016年05月25日 06時07分

 新たな法律を足がかりに、社会から差別的言動を排除していきたい。



 ヘイトスピーチ(憎悪表現)対策法が、衆院本会議で可決、成立した。近く施行される。

 対策法は、特定の民族や人種を標的に差別をあおり立てる言動は許さないと宣言した。在日韓国・朝鮮人らへの差別的言動を念頭に置いている。国に対し、解消に向けた措置を講ずるよう求め、自治体にも努力義務を課した。

 近年、街頭で「朝鮮人を日本からたたき出せ」などと連呼するデモが繰り返されている。成熟した民主主義国家として、残念な光景と言うほかない。

 悪質なヘイトスピーチに毅然きぜんとして対処する姿勢を、法律で明確に示した意義は小さくない。

 対策法の特徴は、「規制」ではなく、「理念」を掲げることで、差別の抑止を目指した点だ。

 いかなる形にせよ、法律で言論を規制すると、公権力の判断いかんで、正当な表現活動にまで制限が及ぶ恐れがある。憲法が保障する「表現の自由」に配慮し、対策法に罰則や禁止規定が盛り込まれなかったのは、妥当である。

 民進党など野党は「法律に実効性がない」と批判し、明確な禁止規定を設けるよう求めた。その結果、「法施行後の実態を勘案して、必要に応じて検討を加える」ことが付則に追加された。

 将来の法規制に含みを持たせたとも解釈できよう。安易な改正は避けなければならない

 修正協議の結果、ヘイトスピーチの定義が、さらにあいまいになったことも懸念される

 「他国出身者の生命、身体、自由、名誉、財産に危害を加えることを、公然と告知するなどの不当な差別的言動」と記した条文に、野党の要求に応じて「著しく侮蔑する」との文言が加えられた。

 確かに、他国出身であるだけの理由で、「ゴキブリ」などと誹謗ひぼう中傷する言葉を浴びせるのは許されまい。だが、具体的にどんな言葉が、著しく侮蔑するものなのかは分かりにくい。行政に拡大解釈の余地を残したのではないか。

 今後、重要なのは、法の趣旨への理解を浸透させることだ。

 対策法は、ヘイトスピーチに関する相談体制の整備や、人権教育の充実を基本的施策に挙げた。中でも、学校の道徳の授業などを活用し、差別は許されないという意識を高めることが欠かせない。

 国民一人ひとりがヘイトスピーチに厳しく目を光らせる。それが根絶に向けた一歩となろう。


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日本の経済状況、G7の比較において

2016-05-25 10:46:36 | 社会問題

日本の経済状況

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病気になった事実を変えることはできないが、病気になった意味を変えることはできる

2016-05-25 09:29:56 | 医療
 本日5/25、朝日新聞のことば。

 病気になった意味を変えていくお手伝いをすることが、治療をする医師の最も重要な仕事のひとつ。




*******朝日新聞******* 


人生において、病気になったという事実を変えることはできませんが、病気になった意味を変えることはできると信じています。

 (宮本直治)

     ◇

 がんを患うといやでも「死」を意識する。人生を終局の方から見ると、一人では担いきれない問いをどんと抱え込む。が、「死」について語れる場所は少ない。家族とは互いを気遣って語りにくい。胃がんになって得度した薬剤師は、患者の語らいの場を開き続ける。仏教ホスピスの活動をするビハーラ医療団の「他力の『ビハーラ』」から。
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