9/20(土)、早稲田大学政治経済学術院教授 坪井善明先生のゼミがあった。一ヶ月に一度ぐらいの頻度で開催され、自分にとって、とっても楽しみな時間だ。
お題は、坪井教授ご自身が出版された『ベトナム新時代ー「豊かさ」への模索』。
坪井教授が出版された意図は、ベトナムの将来の方向性を示す指南書として、ベトナム人に読んでほしいということとともに、日本の再生、日本の将来を考える一つの視点を提供するという日本人自身へのメッセージが込められていたと私は理解している。
ゼミの中で、いろいろな話題がディスカッションされた。
*自国で通貨を印刷する技術をもつことと、偽札を検知する技術をもつことの大切さ。(偽札を検知して除いた後に、相当分を補充する作業がなされている。)
紙幣という点では、日本の紙の技術は、非常に高い。和紙は、1000年以上もっている。古文書の修理は、和紙が使われる。
*理念で生きる国と、関係の中で生きる国(タテマエとホンネ)
*弱いものが、さらに弱いものを叩く構造
*「こう書いているから、こう学ぼうね」という教育では、身につかない。
*憂愁という語があるが、今の日本人は、「愁」しか考えない。「愁」とは、内向きで自分のこと。「憂」は、「憂国」という字があるように、他人や国を憂う思い。
明るい未来を描けないから、内向きにしか考えられないのであろう。
*金融危機が到来した場合、越僑は、ベトナムを助けるか?
*2007年9月26日施工中のカントー橋崩落事故はなぜ起きたのか?
*日本の国のビジョンが描けていない。
経済発展が阻害されても平等がよいのか、平等より発展がよいのか。
*日本のODAの問題点、その一つは、「遅い」ということ。
日本のODAの問題点を、坪井教授自身は、自書の中で、以下のように述べている。
「日本のODAは主としてベトナムの産業インフラの改善に使われているが、実は施行主体は日本のコンサルティング会社、設計会社、建設会社が受注することが大半である。つまり、日本国内では大幅に減少した公共事業の埋め合わせを海外の途上国で行っている構図になっている。すなわち、ODA予算の多くは日本の土木建築関連の会社に還流するシステムが完成しているのである。工事途中で工事費が増額することが大半であり、工事費の水増し請求が行われているではないか、また規定の資材を使用せずに、他のより安い代替物を使った手抜き工事があるのではないか、という疑いが持たれているケースもある。日本の公共事業の汚職の構造までも一緒に輸出しているのではないか、という側面もあることを忘れてはならない。」
『ベトナム新時代ー「豊かさ」への模索』(215-216ページ)
などなどが、話題に出た。
ゼミを終え、学んだことは、
今の日本は、思考が内向きになり、モラルハザードさえ起こっている。その本質には、国の将来のビジョンが描かれていないため、明るい将来の提示がなされていないことがある。
坪井氏は、その書の中で、2007年7月30日逝去された小田実氏のメッセージを引用している。
「日本は民主主義と自由に平和主義を加えた。産業の中心に軍需産業がなくて平和産業を基本としてこれだけ発展した国はない。平和と反戦が一番大事だ」
自由と民主主義そして、平和を尊ぶ国として、ベトナムをはじめアジアの発展に寄与することが、日本の世界での存在価値でないだろうかと私も同感である。
アジアとの相互理解、相互依存関係を構築することを鍵に、日本の少子高齢化、ニート、環境などの問題を解決していけないものであろうか。
例えば、
*介護事業のヘルパー不足に、ベトナムの人材を採用。
*日本のニートが、それぞれの専門を生かしてアジアで貢献活動。方向性が見出せないというニートにアジアを見る機会を与える。
*日本の環境技術面で、アジアに協力。
*日本の先端医療分野、小児白血病治療のセンターをアジアにつくりアジアの医療技術の向上を目指す。
などなど。
国のビジョンを描く切り口にならないかと今後も頭に置いて、現場にいる人たちのお話を聞き、勉強していきたい。
お題は、坪井教授ご自身が出版された『ベトナム新時代ー「豊かさ」への模索』。
坪井教授が出版された意図は、ベトナムの将来の方向性を示す指南書として、ベトナム人に読んでほしいということとともに、日本の再生、日本の将来を考える一つの視点を提供するという日本人自身へのメッセージが込められていたと私は理解している。
ゼミの中で、いろいろな話題がディスカッションされた。
*自国で通貨を印刷する技術をもつことと、偽札を検知する技術をもつことの大切さ。(偽札を検知して除いた後に、相当分を補充する作業がなされている。)
紙幣という点では、日本の紙の技術は、非常に高い。和紙は、1000年以上もっている。古文書の修理は、和紙が使われる。
*理念で生きる国と、関係の中で生きる国(タテマエとホンネ)
*弱いものが、さらに弱いものを叩く構造
*「こう書いているから、こう学ぼうね」という教育では、身につかない。
*憂愁という語があるが、今の日本人は、「愁」しか考えない。「愁」とは、内向きで自分のこと。「憂」は、「憂国」という字があるように、他人や国を憂う思い。
明るい未来を描けないから、内向きにしか考えられないのであろう。
*金融危機が到来した場合、越僑は、ベトナムを助けるか?
*2007年9月26日施工中のカントー橋崩落事故はなぜ起きたのか?
*日本の国のビジョンが描けていない。
経済発展が阻害されても平等がよいのか、平等より発展がよいのか。
*日本のODAの問題点、その一つは、「遅い」ということ。
日本のODAの問題点を、坪井教授自身は、自書の中で、以下のように述べている。
「日本のODAは主としてベトナムの産業インフラの改善に使われているが、実は施行主体は日本のコンサルティング会社、設計会社、建設会社が受注することが大半である。つまり、日本国内では大幅に減少した公共事業の埋め合わせを海外の途上国で行っている構図になっている。すなわち、ODA予算の多くは日本の土木建築関連の会社に還流するシステムが完成しているのである。工事途中で工事費が増額することが大半であり、工事費の水増し請求が行われているではないか、また規定の資材を使用せずに、他のより安い代替物を使った手抜き工事があるのではないか、という疑いが持たれているケースもある。日本の公共事業の汚職の構造までも一緒に輸出しているのではないか、という側面もあることを忘れてはならない。」
『ベトナム新時代ー「豊かさ」への模索』(215-216ページ)
などなどが、話題に出た。
ゼミを終え、学んだことは、
今の日本は、思考が内向きになり、モラルハザードさえ起こっている。その本質には、国の将来のビジョンが描かれていないため、明るい将来の提示がなされていないことがある。
坪井氏は、その書の中で、2007年7月30日逝去された小田実氏のメッセージを引用している。
「日本は民主主義と自由に平和主義を加えた。産業の中心に軍需産業がなくて平和産業を基本としてこれだけ発展した国はない。平和と反戦が一番大事だ」
自由と民主主義そして、平和を尊ぶ国として、ベトナムをはじめアジアの発展に寄与することが、日本の世界での存在価値でないだろうかと私も同感である。
アジアとの相互理解、相互依存関係を構築することを鍵に、日本の少子高齢化、ニート、環境などの問題を解決していけないものであろうか。
例えば、
*介護事業のヘルパー不足に、ベトナムの人材を採用。
*日本のニートが、それぞれの専門を生かしてアジアで貢献活動。方向性が見出せないというニートにアジアを見る機会を与える。
*日本の環境技術面で、アジアに協力。
*日本の先端医療分野、小児白血病治療のセンターをアジアにつくりアジアの医療技術の向上を目指す。
などなど。
国のビジョンを描く切り口にならないかと今後も頭に置いて、現場にいる人たちのお話を聞き、勉強していきたい。
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