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画期的、歴史的な最高裁大法廷判決、旧優生保護法違憲判決 翌日の各紙の主張。

2024-07-04 18:46:19 | 医療

 画期的、歴史的な判決が出された翌日、各紙の社説を見てみた。

 当然に原告を救ってくださるだろうとは期待はしていたけれど、どのような法理で、「除斥期間」を覆すのか、自分も注目をしていました。

 また、明らかに違憲な法律が、当時作られてしまったことを、どのように抗えたのか、同じことが現在では決しておきないように、どのように立法と向き合うべきか、自身も大いに反省をしていく所存です。


*****朝日新聞 2024.7.4******


*****毎日新聞 2024.7.4******




*****東京新聞 2024.7.4******



*****日経新聞 2024.7.4******





******読売新聞 2024.7.4*******
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20240703-OYT1T50184/

強制不妊判決 「時の壁」越え救済命じた司法

 人の命に優劣をつけるような制度が許されるはずはない。国は、被害者を広く救済する制度を早急に講じるべきだ。

 旧優生保護法に基づき不妊手術を強制された被害者らが国に損害賠償を求めた5件の訴訟の上告審で、最高裁大法廷は旧法を違憲だと判断し、国の賠償責任を認める判決を言い渡した。

 国に最大1650万円の賠償を命じた高裁判決が、それぞれ確定した。旧法について、判決は「個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反する」と指摘した。

 1948年に施行された旧法は「不良な子孫の出生防止」を目的に障害者らの不妊手術を認めた。これに基づいて2万5000人が手術を受けた。本人の同意がないまま行われた手術もあった。

 これほど差別的な法律が戦後につくられ、96年まで存続していたとは、残念というほかない。最高裁の判断は当然である。

 訴訟の最大の争点は、不法行為から20年で賠償を求める権利が消滅する民法(当時)の「除斥期間」が適用されるかどうかだった。

 強制不妊手術を巡る訴訟は2018年以降、全国12の地裁・支部に起こされた。その時点で被害者はすでに、手術から数十年が経過していた。そのため、1、2審判決で除斥期間を理由に請求を棄却するケースもあった。

 だが、最高裁は「除斥期間の経過で国が賠償責任を免れることは著しく正義・公平の理念に反し、到底容認できない」と述べた。

 被害者は、意に反した手術で心身が深く傷つけられ、子供を持てなくなった。回復できない人権侵害の深刻さを重視し、全員を救済すべきだと考えたのだろう。

 国会では19年、各被害者に320万円の一時金を支給する救済法が成立した。ただ、最高裁が認めた賠償額は1000万円を超えており、両者の隔たりは大きい。

 最高裁判決は、今回の5件以外の訴訟にも影響を与える。国は、現在も続く他の訴訟の結論を待たずに、新しい救済策をつくり、補償額を見直すことが急務だ。

 一時金の支給認定を受けた人はこれまで1000人余りにとどまる。自分が手術を受けたと知らないままの被害者も多いという。

 手術から長い歳月がたち、被害者は高齢化している。障害を抱える人々が、補償の手続きを自分で進めるのは容易ではなかろう。

 被害者は、国が責任を認め、謝罪することも望んでいる。国には、被害者の思いを酌み取り、手厚く支援する責務がある。

******産経新聞 2024.7.4******
(産経新聞のみ異なったテーマの社説)

<主張>年金財政が改善 改革の手綱を緩めるな 負担の議論逃げずに深めたい


→社説のテーマがすべて揃うのもどうかということもあるけれど、今回は、産経新聞も揃って欲しかった。明日に期待か。
    ↓
追記:産経新聞 社説 2024.7.5
<主張>旧優生法は違憲 全ての被害者救済を急げ 

旧優生保護法(昭和23年~平成8年)下で遺伝性疾患や障害を理由に不妊手術を強いられた被害者らが国に損害賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁は「旧法は憲法違反」として国の賠償責任を認める判断を示した。

「不良な子孫の出生防止」を目的とした旧優生保護法は、憲法が掲げた個人の尊重(13条)、法の下の平等(14条)の精神に著しく反する。法の下で行われた「戦後最大の人権侵害」の重大性を鑑(かんが)みれば、民法(当時)の除斥期間=不法行為から20年で損害賠償請求権が消滅する=を理由に国が責任を免れることは正義・公正の理念に反する。当然の判断だ。

旧優生保護法のもとで不妊手術を受けた人は約2万5千人で、このうち1万6500人は本人の同意がなかったとされる。政府は同意の有無、裁判の原告か否かにかかわらず、全ての被害者に対して真摯(しんし)に謝罪し、早急に救済措置を講じなければならない。

平成30年に宮城県の女性が仙台地裁に国家賠償を求めて初めて提訴し、各地に広がった。翌年4月に被害者に一時金(320万円)を支給する特別法が成立し当時の安倍晋三首相が「おわび」の談話を発表したが、謝罪も補償も不十分である。

国は除斥期間を理由に「補償はしない」という立場をとり続けた。法の下で人権を侵害された被害者に対し、除斥期間の例外とすると法秩序を著しく不安定にする―と国は主張した。被害者の苦痛、悲しみから目を背けた国の姿勢に対し、最高裁が「信義則に反し、権利の乱用として許されない」としたのは、もっともである。

旧優生保護法は終戦直後から半世紀近くも存続した。平成8年に現行の母体保護法に改正された後も、優生思想に根ざした障害者に対する差別と偏見は払拭されてはいない。

最も凶悪なかたちで表面化したのが、平成28年7月に起きた「相模原事件」である。重度障害者ら45人を殺傷した加害者の「障害者は不幸しか生まない」という思想にネット上では共感や同意の声もあった。差別に向き合い決別する勇気と覚悟が、国民一人一人に求められる。

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