岩清水日記

「あしひきの岩間をつたふ苔水のかすかにわれはすみわたるかも」良寛

映画『ゲッベルスと私』観ました。ドイツの1930~40年代を描きます。

2018-07-29 22:21:27 | 映画・DVD 

重い映画だった。

103歳の女性へのインタビュー。

ナチスの宣伝大臣ゲッベルズの秘書だったブルンヒルデ・ポムゼル。

生涯初めてのインタビューだという。

映像は高精度カメラで全編モノクロ。

当時の記録映像が挿入される。

年齢にしては驚くほど記憶力がいい。

どこまで本当のことかわからない。

ゲッベルズは、敗戦直前に自裁している。

すでに闇に葬られて世紀をまたいだ。

彼女がゲッベルスの秘書を務めたのは3年間に及ぶ。

彼が家族を道ずれにして自殺したとの報も身近で聞いた。

しかし、彼女がどのような業務をしたのか、語らない。

ホロコーストに関しては、何も知らないという。

私に罪があるというなら、ドイツ人全員がある。

ナチスに抵抗することなどできなかった。

殺される。

という。

これは日本の戦時中ではないかと思うほど似ている。

彼女は、ドイツの教育(ナチスではない)は、従順を求め暴力的でもあったという。

一言でいえば、全体主義国家であり、その国民である。

全体主義国家では国民の自由な意思は否定されるべきことだった。

この映画を観て、今の日本の政治状況が本当に心配になった。

映画の製作者は、70年前の暴力の嵐を、もう一度思い出せと言っている。

制作は、オーストリアとなっている。

EUは、国境も低くなり人も資本も行きかうように思われる。

このような、「まことに地味で労苦を伴う映画」を創ろうとする人々に敬意を表します。

ありがとうございました。


最新の画像もっと見る