この『空海』展を観ることができたのは私にとって今年の最大の出来事かもしれません。
空海ほどの人物がこの国に生まれたことに驚きました。驚愕したといっていいです。
新たな知識が五月雨のようにしみ込んできました。
今まで切れ切れに知ってきた空海の世界を、鳥の目と蟻の目で見ることができました。
ただし、この展覧会を経ても私の理解などほとんど無きに等しいものだとも思わざるを得ません。
司馬遼太郎氏の渾身の小説『空海の風景』の最後に、「この小説を書き終わって私は大師の袈裟の端にでも触れたでしょうか」との文章を
書かれていたことを覚えています。司馬氏の代表作といわれる伝記を書いてもこの思いだったのです。
空海の名前にふさわしく、海を渡り空を飛ばなければ、これだけのことは成し遂げられなかったのです。
空海は、真言密教の教えを中国から根こそぎ日本に伝え真言宗の開祖となった方です。
私たちは空海の遺蹟を京都、奈良、和歌山などで観ることができますが、それはほんの一部であり
まったく理解できていなかったのだと思いました。
例えば、立体曼荼羅と言われる京都・東寺の仏像群に圧倒されましたが、その仏像群や建物さえ空海の事業の一部(最も重要なものですが)なのだということです。
この展覧会のテーマである「密教のルーツとマンダラ世界」について、知らぬことばかりです。
密教がインド発祥ということくらいは視野に入っていましたが、中国に渡るのは西域経由かなと思っていました。
ところが南方経由もあったのですね。
インドネシアの遺跡で発見された銅製の仏像が多く展示されていました。もちろん日本や中国とは全く異なる仏のお顔でしたが。
時間がなくなりました。追って書いていこうと思います。
『空海』展は6月9日まであります。
展示件数:115件(うち国宝28件、重要文化財59件)って、驚きました。
ぜひご覧ください。
お読みいただきありがとうございました。
ガザとウクライナに平和を!