北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

市場原理主義とグローバル経済と

2008-03-19 23:41:17 | Weblog
 久しぶりに本屋さんへ行きました。知的うっ憤がたまっていたのか、思いの外本を買い込んでしまいました。

 今の興味は「市場原理主義とは何か」ということと、「グローバル経済とは何か」ということで、これらに関する書物を買い込みました。なかでも東大経済学部教授の神内直彦さんは今の政府の市場原理主義経済に行き過ぎたところがあるというスタンスで、「経済学は国民を幸せにしなくてはならない」という論調を貫いています。

 経済学とは少し違うけれど、神内先生の財政学の本を読んで、やはり市場原理主義をあらゆる領域で推し進めることには間違いがあると思い始めています。

 たとえたくさんの敗者を生み出したとしても、一部の勝者がいれば、その数少ない勝者に社会をリードしてもらうというのは聞こえが良いのですが、結局そこで得た富を再配分する機能が弱まってしまったのでは、単に勝ち組を潤すだけに終わってしまっているだけです。

 市場原理を推し進めたのはレーガン時代のアメリカと、サッチャー時代のイギリスであり、それらがいっときでも経済的に成功をしたかのように見えたことで日本も遅れてその方向に舵を切りました。

 しかし例によって単に熱くなってヒステリックに市場原理主義を推し進めすぎて、その弊害が出始めていると言うことに対して冷静な議論が必要なところまで来ているのではないでしょうか。

 一部の金持ちの陰に累々たる貧困という経済格差を放置していては社会の安定を欠くことになります。その貧困という結果を個人の努力と才能のせいにして、自己責任という単語を都合よく使いすぎているのではないでしょうか。

 経済格差に学力格差など世の中は格差ブームですが、格差を語る人たちは勝者の側に立っている人たちが多くて、「ブーム」などと、あたかもいっときの現象であるかのように語りすぎています。
 
 ブームが去った後には取り返しのつかない社会が広がることになるのではないか、という不安と懸念が日々増しています。

 そしてそうしたことに正しい理解を持とうと思ったら、まずはその現象について勉強をしてみなくてはなりません。そんな書物を買い込んだので、これらを読み込んでこれからの処方箋を識者たちがどのように描いているのかを学んでみようと思います。

 本を買いすぎて私の財布も少し貧困に陥っていますが…。

コメント
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