釧路市こども遊学館に「はやぶさ帰還カプセル」巡回展がやってきました。
はやぶさのカプセル公開は全国から119団体もの応募がありましたが当選したのはわずかに16カ所。その中の一つが我がこども遊学館というわけです。
今日は午前中に市長出席のもとでオープニングセレモニーが開かれましたが、展示期間は今日から20日の日曜日まで。
私は午後の仕事の合間に遊学館を訪ねましたが、JAXA関連のスペシャリストである学芸員の多胡さんの手がちょうど空いていて、いろいろと解説をしてくれました。
カプセル展示までの廊下にははやぶさの偉業を紹介するパネルが何枚も張ってはありますが、やはり質問に的確に応えてくれてさらになかなか知りえないような情報まで教えてくれるのは、最良のガイドツアーでした。
※ ※ ※ ※ ※
はやぶさはX軸、Y軸、Z軸方向で姿勢を制御するためのリアクション・ホイールと言うジャイロが三つついているのですが、それがなんと三つのうち二つまで故障。
小惑星イトカワからのサンプル採取を終えてイトカワから離れている最中に燃料が漏れ、姿勢を喪失して通信途絶の上に、くるくる回り続ける状態になったのだそう。
通信途絶状態がなんとか復旧したあとの姿勢制御には、一つ残ったジャイロは良いとして、残りの二方向の制御のために、ひとつはイオンエンジンを使って動かし、最後の軸は太陽からわずかな力で吹き付ける太陽光圧を使って動かしたのだとか。実にすごい執念です。
また、本来は4年間のミッションだったものが、トラブル続出でなんと7年もかかった地球帰還。最後の決め手になったのは、川口チーフプロデューサーの「燃料は許される限界まで積んでおこう」という判断でした。結果としてそれが7年間の旅路を最後に支えたのです。
さらに、最後のハヤブサから離れたカプセルは、スペースシャトルなどよりはるかに速いスピードで大気圏に突入します。そのスピードは秒速12kmという速さ。
カプセルの底の方は一分間にわたって大気との摩擦熱で3千度以上の高熱になりますが、カプセルの前面ヒートシールドにはその熱がサンプルの入った採取のカプセルに届かないように超高性能の耐熱性能が求められます。
ヒートシールドはアブレータと呼ばれる炭素繊維で強化されたプラスチックで覆われています。いまだにこれだけの高熱に耐えられる素材は開発されていないので、高温下で耐えるのではなく熱分解で融けてそのときに周囲の熱を吸収してくれるという発想で生まれた素材なのだそうです。これまた日本ならではの特殊技術です。
まさに日本の神技術と不屈の技術者魂の結晶ですね。
※ ※ ※ ※ ※
展示されている品はまさにほとんどが本物なのですが、様々な機密素材や秘密技術も多いので写真撮影は厳禁です。
その代わりに4階には同サイズのレプリカがあって、これなら実際に手にとって写真撮影も可能。
はやぶさ模型を背負って、イトカワのかぶりものまで用意されています。
一階には記念の顔ハメもあったり、タミヤ模型さんによる精密スケールのプラモデルの販売もあり、はやぶさ祭り状態です。
【この中で展示中。顔ハメもあるよ】
【本物そっくりのレプリカに、イトカワのかぶりもの】
【はやぶさのプラモ。太陽光パネルを塗るのはテクが要る】
今日はまだ平日だったのでじっくり見られましたが、週末は大変な混雑になることでしょう。
プラネタリウムも遊学館特別プログラムで「祈り~小惑星探査機はやぶさ物語」をお送りしています。観ていると感情移入してしまい、泣けて泣けてたまりませんでした。
どんなに混んでも、人類の歴史上一番遠くまで行って帰ってきたはやぶさカプセルの現物を市民全員に来てほしいものです。
日本人でいることがこんなに誇らしいことはありません。
魂が揺さぶられます。
はやぶさのカプセル公開は全国から119団体もの応募がありましたが当選したのはわずかに16カ所。その中の一つが我がこども遊学館というわけです。
今日は午前中に市長出席のもとでオープニングセレモニーが開かれましたが、展示期間は今日から20日の日曜日まで。
私は午後の仕事の合間に遊学館を訪ねましたが、JAXA関連のスペシャリストである学芸員の多胡さんの手がちょうど空いていて、いろいろと解説をしてくれました。
カプセル展示までの廊下にははやぶさの偉業を紹介するパネルが何枚も張ってはありますが、やはり質問に的確に応えてくれてさらになかなか知りえないような情報まで教えてくれるのは、最良のガイドツアーでした。
※ ※ ※ ※ ※
はやぶさはX軸、Y軸、Z軸方向で姿勢を制御するためのリアクション・ホイールと言うジャイロが三つついているのですが、それがなんと三つのうち二つまで故障。
小惑星イトカワからのサンプル採取を終えてイトカワから離れている最中に燃料が漏れ、姿勢を喪失して通信途絶の上に、くるくる回り続ける状態になったのだそう。
通信途絶状態がなんとか復旧したあとの姿勢制御には、一つ残ったジャイロは良いとして、残りの二方向の制御のために、ひとつはイオンエンジンを使って動かし、最後の軸は太陽からわずかな力で吹き付ける太陽光圧を使って動かしたのだとか。実にすごい執念です。
また、本来は4年間のミッションだったものが、トラブル続出でなんと7年もかかった地球帰還。最後の決め手になったのは、川口チーフプロデューサーの「燃料は許される限界まで積んでおこう」という判断でした。結果としてそれが7年間の旅路を最後に支えたのです。
さらに、最後のハヤブサから離れたカプセルは、スペースシャトルなどよりはるかに速いスピードで大気圏に突入します。そのスピードは秒速12kmという速さ。
カプセルの底の方は一分間にわたって大気との摩擦熱で3千度以上の高熱になりますが、カプセルの前面ヒートシールドにはその熱がサンプルの入った採取のカプセルに届かないように超高性能の耐熱性能が求められます。
ヒートシールドはアブレータと呼ばれる炭素繊維で強化されたプラスチックで覆われています。いまだにこれだけの高熱に耐えられる素材は開発されていないので、高温下で耐えるのではなく熱分解で融けてそのときに周囲の熱を吸収してくれるという発想で生まれた素材なのだそうです。これまた日本ならではの特殊技術です。
まさに日本の神技術と不屈の技術者魂の結晶ですね。
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展示されている品はまさにほとんどが本物なのですが、様々な機密素材や秘密技術も多いので写真撮影は厳禁です。
その代わりに4階には同サイズのレプリカがあって、これなら実際に手にとって写真撮影も可能。
はやぶさ模型を背負って、イトカワのかぶりものまで用意されています。
一階には記念の顔ハメもあったり、タミヤ模型さんによる精密スケールのプラモデルの販売もあり、はやぶさ祭り状態です。
【この中で展示中。顔ハメもあるよ】
【本物そっくりのレプリカに、イトカワのかぶりもの】
【はやぶさのプラモ。太陽光パネルを塗るのはテクが要る】
今日はまだ平日だったのでじっくり見られましたが、週末は大変な混雑になることでしょう。
プラネタリウムも遊学館特別プログラムで「祈り~小惑星探査機はやぶさ物語」をお送りしています。観ていると感情移入してしまい、泣けて泣けてたまりませんでした。
どんなに混んでも、人類の歴史上一番遠くまで行って帰ってきたはやぶさカプセルの現物を市民全員に来てほしいものです。
日本人でいることがこんなに誇らしいことはありません。
魂が揺さぶられます。