北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

二宮尊徳を思い出す

2011-02-03 23:50:25 | Weblog
 風邪が治りかけの時の薬って副作用の方が大きいみたい。今日の午後は風ではなくて薬のせいでふらふらしていました。

 さて、いよいよ新年度から始まる財政健全化プランの市民説明会が2月1日から始まりました。

 旧釧路市では三か所、それに合併した阿寒地区と音別地区の全部で五カ所で開催予定の今日は三日目。音別地区での説明会です。


                 【もっとたくさん来てほしかったです】



 土地開発公社と振興公社という、市が保証する二つの第三セクターはこれまで先行取得した土地などの資産価値が下落したことによって借り入れた負債が減らずこのままでは返済できないという状態に陥りました。

 これを「三セク債」という起債制度を使って処理しようというのですが、それを認めてもらえる前提は、自治体経営が赤字体質ではないことが要求されていて、起債を起こすためになお一層年間の財政を絞り込まなくてはならないという状態になっているのです。

 そのため、①毎年の事務事業の見直しや、②利用料金の改定、③公共施設も統廃合などの見直しが必要、④借り入れる公債を機械的に抑制するといった方策で財政のスリム化を進めます。

 これに加えて市議会でも改革を行い健全化にご協力をいただいていますが、その結果は定数の削減や議長専用公用車の廃止などを提案していただいています。

 しかしそれでもなお不足が見込まれるため、職員数の削減や特別職をはじめとする職員の給与削減も行われます。

 こうした取り組みを進めることで、今から16年にわたる壮大な財政健全化を行おうというのです。かなり大胆な取り組み計画ですが、市民への負担も増えることから、その内容について地区での説明会を行っているのです。

     ※     ※     ※     ※     ※

 今日の音別地区では、約30人ほどの市民の皆さんが集まってくださって熱心に市長の説明に耳を傾けてくださいました。

 なかには「仕方がないけれど、一生懸命やってほしい」というありがたい意見も。総じて穏やかな形で説明会を終えることができました。

 一見先人たちが作った借金を子孫が返すことへのやるせなさや不条理を感じる方もいるかもしれませんが、逆に言えば今ある繁栄も先人たちの労苦のおかげと言えるでしょう。

 私はすぐに報徳訓を思い出しました。 

 報徳訓とは二宮尊徳が自身の哲学を108文字の漢文調で表したものですが、これが実に深いのです。


     報徳訓(原文は漢文調)

   父母の根元は天地の令命にあり
   身体の根元は父母の生育にあり
   子孫の相続は夫婦の丹精にあり

   父母の富貴は祖先の勤功にあり
   吾身の富貴は父母の積善にあり
   子孫の富貴は自己の勤労にあり

   身命の長養は衣食住の三つにあり
   衣食住の三つは田畑山林にあり
   田畑山林は人民の勤耕にあり

   今年の衣食は昨年の産業にあり
   来年の衣食は今年の艱難にあり
   年年歳歳報徳を忘るべからず


 2段目に「父母の風紀は祖先の勤功にあり」とありますが、まさにこれこそ時代を超えて連綿と続く社会を言い表したものにほかなりません。

 私たちが今得ている富貴は祖先のおかげであり、私たちは子孫に富貴を遺す祖先であらねばならないのです。子孫である我々がいつしか艱難辛苦を乗り越えながら祖先になってゆく。この真実から目を背けることはできません。
 
 祖先が推譲(ゆずって)してくれたものを、我々は子孫に推譲してゆくそんな人生を全うしたいものです。

 さて、気持ちをしっかりと持って明日へと進みましょう。
 
コメント (1)
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