北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

白糠の夜明けは近い

2011-03-02 23:41:24 | Weblog
 白糠町で行われた自衛隊協力の下でのエゾシカ駆除作戦、名付けて「白糠の夜明け作戦」のその後について触れておきたいと思います。

 2月8日(火)から10日(木)にかけて行われた駆除作戦では、私も初日に見学にゆきましたが成果は見事にゼロ頭。ヘリコプターによる空中からの威嚇だけではエゾシカは狙った方向に追い立てることが難しいということがよくわかりました。

【自衛隊協力によるシカの捕獲作戦】http://bit.ly/hv3gxg
 現場では、翌9日にヘリコプターに加えてハンター7人を勢子として地上からシカを追い立てるべく作戦変更。なんとか三頭を仕留めたものの、二頭は手負いで逃がしてしまったとか。

 シカも利口なので、いくらヘリが近寄ってきても直接的な危害がないと分かると逃げることはないのだそう。しかしハンターが勢子として追い立てて銃を一発ぶっ放すだけで一目散に逃げるというから、直接的な威嚇を行うことがとても大切なんですね。


    ※     ※     ※     ※     ※


 さて、いよいよ最終日の三日目は勢子の数をさらに倍の14人に増やしてハンターが待ち構える場所までシカを追い立てることで25頭を仕留めることに成功。やっと一定のスタイルが見えてきたようです。

 今回の「白糠の夜明け作戦」では目標頭数が100頭ということで、新聞には「三日間でわずか28頭」という見出しが出て、それほどの成果ではないという印象を醸し出していました。

 しかしこの目で現場を見れば、急峻な山の中を軽々と飛び回るシカを地上で待ち構えるハンターの元に追いやることがどれくらい難しいものか分かります。

 
 先日仕事で白糠町の棚野町長とお会いした時にエゾシカ駆除作戦への感想を伺いました。すると「いや、やってよかった。いろいろなことが分かりました」と手放しの喜びよう。

「自衛隊が協力してくださって良くわかったのは、ハンターは山の中まで追いかけてシカは撃たないということなんです。それは撃ったシカを後始末で自分の車まで引っ張って持って来るなんてことができないからです」
「なるほど、撃ったシカは相当重いでしょうからね」

「そうです。しかし自衛隊のご協力が得られれば、売った後のシカは自衛隊員の方が引っ張り出してくれる、これだったらハンターは安心して打てるんですよ」
「そうでしょうね、確かに心強いです」

「自衛隊幹部の方も、雪まつりに参加するよりもずっと良い雪中訓練になりましたと言っておられましたよ(笑)」


 実践をせずに批判をするのは簡単ですが、当事者たちの苦労が分かるとシンパシーも湧くものです。

 自衛隊法に抵触するとのことで、自衛隊の方がシカを撃つということは現段階ではできないのだそう。しかしこの活動を一つの成果として、少しずつ精度を高めたり新しい法制度が充実されることを祈ります。

 そしてまずは多くの方がエゾシカ問題に関心を持ってくれることが一番大事なことでしょう。

 北海道の自然や農作物が大変な被害にあっているという実態を北海道の社会問題として生涯学習していただきたいものです。

 白糠の夜明けは近い!
コメント
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