東大で初の女性教授になられた中根千枝先生という方があるとき、『ナポレオンと大石内蔵助の二人のうちどちらが指導者として上か』という問いを出されたのだそうです。
世界史に名を残した英雄ナポレオンと、日本の片隅で話題になる程度の人物でしかない大石内蔵助。たいていはナポレオンと答えるのではないでしょうか。
ところが中根先生は『リーダーとしては圧倒的に大石内蔵助のほうが上だ』と答えられたのだそう。
その訳は、大石内蔵助は47人もの人間を死の世界にまで引っ張っていったのに対して、ナポレオンがセントヘレナ島で死ぬ時は彼と死ぬというものは誰もいなかったというもの。
人間を死の世界まで引っ張る力、これ以上の統率力はないと言えるでしょう。
※ ※ ※ ※ ※
東京消防庁のハイパーレスキュー隊が放射能が出ている福島原発の使用済み燃料が置かれたプールを放水により冷却する過酷な使命を終えて都に帰還、石原都知事にその報告をしました。
石原都知事は涙で何度も言葉を詰まらせながら隊員に深く頭を下げ、何度も謝辞を述べてその献身的な使命感を讃えたと言います。
誰だって行きたくはない危険な場所に組織の命令とはいえ、行くことを命じるのは命じる側にも言葉にできない重圧があることでしょう。
そういう思いが強ければ強いほど、職務上の命令を無事達成して帰還した隊員たちとその家族に思いを寄せれば、万感の思いが湧き上がることも想像に難くありません。
それほど想像を絶するまさに過酷な死地であったことでしょう。
※ ※ ※ ※ ※
最近ネット上に現役自衛官を名乗る人が文章を寄せて話題になっています。
【JBpress 福島第一原発:報道をはるかに超える放射能~死を覚悟する自衛官、国のリーダーにその認識はあるか】
http://bit.ly/ekv31J
この中で文を寄せた藤井さんは、「兵を死地に向かわせるなら、指揮官陣頭であるべきだ」と語ります。隊員たちは死を覚悟して現場に赴いているのです。
---------------≪ ここから引用 ≫--------------
(…前部略…)
4 服務の宣誓と任務の完遂
自衛隊員になった者は、国家に対して服務の宣誓をして、特別権力関係を結びます。要するに、人権を制限し、国家が死を賭せと言えば黙々と命令に従うということです。
(…中略…)
確かに自衛隊員(自衛官や事務官など)は宣誓をしますが、今福島第一原子力発電所で作業している自衛官とて、人の子です。親があり、妻があり、子供がいます。被曝量によっては、もう家族や友人に会えないかもしれません。
ですから、どうか国民の皆様におかれましては、災害派遣は自衛隊の任務だからとか、服務の宣誓をしているのだから、自衛官が危険を顧みないのは当たり前だというふうには見ないで頂きたいのです。
死を賭して全国から集まっている原子力発電所職員、警察、消防職員同様、自衛官も英雄的精神をもって責務の完遂に邁進していることを理解して、支援して頂きたいと思います。
5 最後に
今さら装備品の追加は無理な要求ですから、今ある人員、器材で対処せねばならないとしても、隊員の士気を振作することは可能です。
隊員を喜んで死地に向かわせるのは、自衛隊最高指揮官である内閣総理大臣をはじめとする、防衛大臣などの各級指揮官の堅確な意志と熱誠を込めた言葉です。そして兵を死地に向かわせるなら、指揮官陣頭であるべきです。
本原発事象は長期化するでしょうから、是非、菅政権にあっては原子力災害派遣に従事する自衛官に対して、熱誠を込めた言葉で語りかけて頂きたいです。
---------------≪ 引用ここまで ≫--------------
部下を死地に追いやるときに上司はどのような態度を取るべきか。それは命令の一瞬のことだけではなく、普段からの信頼感の醸成こそがなせる業なのでしょう。
大石内蔵助の凄さが改めてよくわかりました。
現場で今も必死に戦っている皆さんのご無事をひたすら祈るばかりです。御武運を!
世界史に名を残した英雄ナポレオンと、日本の片隅で話題になる程度の人物でしかない大石内蔵助。たいていはナポレオンと答えるのではないでしょうか。
ところが中根先生は『リーダーとしては圧倒的に大石内蔵助のほうが上だ』と答えられたのだそう。
その訳は、大石内蔵助は47人もの人間を死の世界にまで引っ張っていったのに対して、ナポレオンがセントヘレナ島で死ぬ時は彼と死ぬというものは誰もいなかったというもの。
人間を死の世界まで引っ張る力、これ以上の統率力はないと言えるでしょう。
※ ※ ※ ※ ※
東京消防庁のハイパーレスキュー隊が放射能が出ている福島原発の使用済み燃料が置かれたプールを放水により冷却する過酷な使命を終えて都に帰還、石原都知事にその報告をしました。
石原都知事は涙で何度も言葉を詰まらせながら隊員に深く頭を下げ、何度も謝辞を述べてその献身的な使命感を讃えたと言います。
誰だって行きたくはない危険な場所に組織の命令とはいえ、行くことを命じるのは命じる側にも言葉にできない重圧があることでしょう。
そういう思いが強ければ強いほど、職務上の命令を無事達成して帰還した隊員たちとその家族に思いを寄せれば、万感の思いが湧き上がることも想像に難くありません。
それほど想像を絶するまさに過酷な死地であったことでしょう。
※ ※ ※ ※ ※
最近ネット上に現役自衛官を名乗る人が文章を寄せて話題になっています。
【JBpress 福島第一原発:報道をはるかに超える放射能~死を覚悟する自衛官、国のリーダーにその認識はあるか】
http://bit.ly/ekv31J
この中で文を寄せた藤井さんは、「兵を死地に向かわせるなら、指揮官陣頭であるべきだ」と語ります。隊員たちは死を覚悟して現場に赴いているのです。
---------------≪ ここから引用 ≫--------------
(…前部略…)
4 服務の宣誓と任務の完遂
自衛隊員になった者は、国家に対して服務の宣誓をして、特別権力関係を結びます。要するに、人権を制限し、国家が死を賭せと言えば黙々と命令に従うということです。
(…中略…)
確かに自衛隊員(自衛官や事務官など)は宣誓をしますが、今福島第一原子力発電所で作業している自衛官とて、人の子です。親があり、妻があり、子供がいます。被曝量によっては、もう家族や友人に会えないかもしれません。
ですから、どうか国民の皆様におかれましては、災害派遣は自衛隊の任務だからとか、服務の宣誓をしているのだから、自衛官が危険を顧みないのは当たり前だというふうには見ないで頂きたいのです。
死を賭して全国から集まっている原子力発電所職員、警察、消防職員同様、自衛官も英雄的精神をもって責務の完遂に邁進していることを理解して、支援して頂きたいと思います。
5 最後に
今さら装備品の追加は無理な要求ですから、今ある人員、器材で対処せねばならないとしても、隊員の士気を振作することは可能です。
隊員を喜んで死地に向かわせるのは、自衛隊最高指揮官である内閣総理大臣をはじめとする、防衛大臣などの各級指揮官の堅確な意志と熱誠を込めた言葉です。そして兵を死地に向かわせるなら、指揮官陣頭であるべきです。
本原発事象は長期化するでしょうから、是非、菅政権にあっては原子力災害派遣に従事する自衛官に対して、熱誠を込めた言葉で語りかけて頂きたいです。
---------------≪ 引用ここまで ≫--------------
部下を死地に追いやるときに上司はどのような態度を取るべきか。それは命令の一瞬のことだけではなく、普段からの信頼感の醸成こそがなせる業なのでしょう。
大石内蔵助の凄さが改めてよくわかりました。
現場で今も必死に戦っている皆さんのご無事をひたすら祈るばかりです。御武運を!