北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

釧路にとっての石炭の意味

2011-03-24 23:28:12 | Weblog
 石炭産業をめぐる懇談会の二回目を行いました。

 釧路の採炭事業は、現在(株)釧路コールマイン(通称『KCM』)が平成13年に太平洋炭鉱の施設を引き継いで、新しい採炭会社として事業を継続して今日に至っています。

 KCMでは事実上坑内掘りの最後の生き山として年間約60万トンの石炭を掘り出しています。(空知地区では坑内掘りではなく露頭掘りとして年間約70万トンを採掘している)

 これは北海道が火力発電などで使う年間900万トンの石炭のうち約6%で、坑内掘り技術の継承のみならず、『産炭国石炭産業高度化事業』という研修事業を国から受けて、中国とベトナムから技術者を受け入れて実際の坑内で研修事業を行っています。

 そしてそのことは、国の経済発展に伴って石炭を使う量が年々増えている中・越両国からも石炭を輸入する関係をバックアップする力の源泉となっています。

 しかし経済産業省からは来年で五年目を迎える高度化事業について、「国が丸抱えで再来年以降も継続することは難しく、地元経済を支えるという観点から地元でも何らかの経済的な支援なり経済振興策を考えろ」と強く言われています。

 そうした声を受けて地元の関係者を集めての懇談会ではあるのですが、釧路としては「石炭産業は一地方都市の一企業による経済活動ではなく、エネルギー調達と言うエネルギー関係の国策なのではないか」という思いを強く持っています。

 
 今般の東北関東大震災とそれによる福島原発の事故を受けて、原発による電力供給量が大幅に低下するという事態になり、原発を代替できる電力供給の手段として石炭がどのように見直されるのか、が気になるところです。

 また逆に、これまで認められていた事業についても震災復興の名のもとに減額されるのではないか、という思いもあって、原発事故を複雑な思いで眺めているところです。

 
 ただ、こちらも漫然と同じ事業で同じ額の補助金をお願いしたいと言ったところで相手にされないでしょうから、KCMによる採炭技術の安全性保持技術を国際移転するような新たな展開も模索中。

 地域エゴにならずに、国にとって採炭技術と言うものを国内の技術資産として持ち続ける方が良いのではないか。エネルギー調達先を特定のものに偏らせるよりは常にリスクヘッジのために代替的に分散的に考える方が良いのではないか、と言う提案なのですが、現在の大変な状況の政府の中でそのように受け入れられるでしょうか。

 釧路にとって日本中でたった一つの稼行炭鉱であるKCMを市民はどの程度財産だと考えているのでしょうか。 

 年度がかわればすぐにさ来年度の概算要求が始まります。我々のプレゼンテーション能力も問われています。


    ※     ※     ※     ※     ※


 東北関東大震災へ支援派遣されている応援給水班から現地報告がありました。装備が十分ではないなかで高い士気で任務に励んでくれているようです。

---------------≪ ここから引用 ≫--------------

3月24日(木)
  8時50分 定期連絡

 昨日の給水作業は20時終了。
 組合員6名は宿泊所へ戻り、水道職員3名は水道局へ終了報告。

 21時に全員が宿泊所に揃い食事。(局から支給された弁当と持参したレトルト品使用)

 5時30分起床、6時の気温-3度、はれ。水道職員3名は6時30分に水道局で打合せ。昨日と同じ場所で給水作業。(タンクに注水する班が新潟市から旭川市に変更)

・給水所状況
 昨日は朝の時点で50~60人が給水待ちで並んでいたが、今日は10名程度が並んでいる状況。

---------------≪ 引用ここまで ≫--------------


 隊員たちの無事と任務を全うして帰還することを心から祈っています。
コメント (1)
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