北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

リダンダンシーとは何か

2011-03-27 23:18:41 | Weblog
 3月14日に入籍を済ませて同居を始めた娘夫婦の家を訪ねました。

 「新生活はどう?」と訊いてみると、「東北関東大震災の影響で注文した家具の到着が遅れています」とのこと。やはりいろいろなところで多かれ少なかれ、影響は広がっているのが分かります。

 新しい息子に「会社の方に被害や影響はなかったのかい?」と訊いてみると「幸いにして直接の被害はなかったのですが、山梨の工場を宮城県に移そうという動きがあったのが白紙に戻りました」とのこと。

 もしそちらに動かしていたら、と思うと被害を受けた方々には申し訳ありませんが、助かった思わざるを得ません。

 こうしてみると、特にインフラ系の仕事に携わる者は、津波など自然災害に対する備えを今一度考えなくてはなりません。


      ※     ※     ※     ※     ※


 静岡県の静岡市と富士市の間に「由比ヶ浜(ゆいがはま)」という地名の場所があります。

 ここは、地図で見ると分かるように、東海道新幹線と東海道線、国道1号線、東名高速道路という日本の東西の大動脈の幹線交通が幅わずか500mの間に集積している場所です。

 もしここが今回のような地震や大津波に襲われてダメージを受けると、被災地への救援はもちろん、それ以外の地域への物流が一気に途絶えることになり大変不安を感じています。


                 【静岡県由比ヶ浜はこのあたり】


                 【由比ヶ浜の近景】

 国土計画では、よく「リダンダンシー」という単語を使いますが、これは「余裕」とか「ゆとり」といったことを表します。

 そして、特に国土計画上では、自然災害等による障害発生時に一部の区間の途絶や一部施設の破壊が全体の機能不全に繋がらないように,予め交通ネットワークやライフライン施設を多重化したり,予備の手段が用意するという意味で使われます。

 そういう意味では由比ヶ浜地区の災害あるいはともすると敵国によるミサイル攻撃などへの国防上の意味も含めて、リダンダンシー確保は非常に重大です。

 そしてそういう意味も込めて第二東名高速道路が計画され現在鋭意工事中なのですが、費用対効果の議論や高速道路を取り巻く様々な議論の中で完成年次が後ろ後ろへとずれているのが現状です。


 私がいた掛川でも、天竜浜名湖鉄道という第三セクターによる単線の鉄道が走っていますが、これも国防上東海道線を破壊されたときの代替輸送路として終点駅を変えたという歴史を持っています。

 昔の人もそれなりにリダンダンシーを考えてはいたのですが、安全な日々が長続きする中で効率化が優先されがちになっています。

 効率化を優先すると、どうしてもいざというときの補助的な役割は軽視されがちです。経費の負担といざというときの安全性をどう考えるか。

 平時にこそ議論が求められます。 

 
コメント
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