北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

【おまけ】かき揚げ蕎麦が食べたいったら食べたい!

2011-04-14 23:58:37 | Weblog
 知人のお蕎麦屋さんへ伺って釧路の蕎麦事情について聞かせていただきました。

 釧路は緑の麺で有名な東家さんが発祥の地で、市内には竹老園という有名なお店でたくさんのお客さんを集めています。

 この東家さんのお蕎麦は更級蕎麦という白い系統のお蕎麦ですが、私たちのような素人そば打ちが打って楽しむのは田舎蕎麦の類。

 お話を聞く限り、釧路では田舎蕎麦よりも更級蕎麦が好まれるようで、100円高い手打ちの田舎蕎麦よりも機械切りの安い更級蕎麦を注文するお客さんの方が多いのだそう。 
 
 地域の隣町の弟子屈町には摩周蕎麦と言うブランド蕎麦粉が売られていますが、この粉はたぶん道内でも最も美味しい蕎麦粉の一つなのに、なんだかもったいない気がします。

 今日お訪ねしていろいろと地域のお話を聞かせていただいた中で、蕎麦打ち愛好会があることも教えていただけたので、今度はそこに参加してまた腕を磨きたいものです。


    ※     ※     ※     ※     ※


 お話を聞いているうちにやたらに蕎麦が食べたくなって、今夜は大した道具も持ってきていないながらもらってあった摩周蕎麦粉を使ってなんとか自宅で蕎麦を打ってみました。

 おまけにやたらお腹がすいたのか揚げ物を食べたくなってかき揚げもつくり暖かいかき揚げ蕎麦にしてみました。

 まあぜいたくを言わなければ食べるだけの蕎麦は打てることが分かりました。

 は~、やっぱりお蕎麦は美味しいわ。



             【こね鉢がないのでボウルで代用、なんとかなる】



             【ほれ、ちゃんと玉になったでしょ】



             【長い蕎麦を食べたいので長い生地に伸すのです】



             【包丁さえよければちゃんと切れます】



             【やたらかき揚げが食べたくなった、なんでだろ】



             【ちぇっ、焦げちゃった】



             【打ち立て蕎麦によるかき揚げ蕎麦の出来上がり。うますぎるぜ!】
コメント (8)
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農業発工業の可能性

2011-04-14 23:57:39 | Weblog

             【頑張れ日本の農業】


 時事通信社が主催する勉強会の内外情勢調査会釧路支部懇談会に出席してきました。

 今日の講師は元日銀マンで現在は埼玉大学大学院の客員教授である田邊敏憲先生。お題は「TPPと地域経済~問われる活性化とビジネスチャンス」というもの。様々な国内素材を生かした活性化ビジネスの可能性について論じていただきました。

 
 田邊先生はまず開口一番「世の中は値段で見る!値段は需要と供給で決まるのだ」と言います。そのうえで、「日本はTPPに参加してもやっていける」というのが田邊先生の主張です。

 ではその前に世界の人口と食糧の伸びを考えてみます。



 この表で分かるように、これまでの50年間で世界の人口は2.5倍になったものの食糧としての穀物生産量は4倍になり世界人口の伸びを支えることができました。

 穀物とは米、小麦、トウモロコシ、大豆、その他雑穀というものですが、これまでの穀物生産の著しい伸びの背景にあったものは、
 ①土と水が十分にあったこと
 ②化学肥料・農薬・機械が安かったこと
③種子改良・品種改良が進んだこと
④人手があったこと、などです。

 世界の三大穀倉地帯、ウクライナ、満州、ミシシッピ(+アルゼンチンのパンパス)ということになっていますが、このうち中国の満州には戦前日本から肥沃な土地を求めて満蒙開拓団が入りました。

 満州の東北三省の魅力は土の厚さが1mあったことでしたが、これが今ではたった30センチしかなくなっており、しかも今でも年間1センチ減っているといいます。

 かつて満州では世界のトウモロコシの8割、大豆の6割を作っていましたがあと10年で供給力がなくなります。中国では大豆はもう輸入作物となっているのです。

 世界の25億トンの穀物の内訳は、米6 小麦6 トウモロコシ6 大豆2 雑穀4億トンというものですが、中国では黄河の水が海まで届かない断水が顕著になるなど使える水がもうありません。

 今後の世界では使える水がもう限られていること、肥料・農薬の効果増進や種子改良による大幅な伸びもそれほど期待できないでしょう。

 トウモロコシはアメリカではもうエタノールの原料化しています。しかしそのおかげで、穀物として売る分は半分になったが価格が二倍になったので農家は全く損をしていないのだとか。今後畜産のための飼料の値段はますます高騰する事が予想されます。


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 中国も豊かになると海のタンパク質を求めるようになるでしょう。世界の魚蛋白で獲れるのは8千万トンですが需要は1億トンだと言います。

 FAOでは2050年には魚需要は1.5億トンと予想しており、海で獲れる8千万トンに加えて7千万トン分の養殖が必要だと見込んでいます。
 
 日本では養殖よりも天然の魚が珍重されますが、今後は何を食べているか分からない天然の魚よりもしっかり管理された養殖の魚の方が重宝される時代になると考えられます。

 人口減少によって日本の国内需要はどんどん減りますが、海外では中国富裕層の台頭や途上国の収入増加に伴って食料需要はどんどん増えると考えられます。

 魚を養殖しようと思うと必要になってくるのが餌です。ところが先のチリ地震津波によってチリの餌工場が壊滅していて供給が怪しくなっているとのこと。
 ここで大事になってくるのが農水産業と工業との連携なんだそう。日本の工業力を組み合わせると農水産業にもっと付加価値をつけることができるのだ、と田邊先生は言うのです。


「たとえばカンパチと言う魚だけれど、スーパーへ行ってフィレにしても魚全体重量の6~7割はアラとして捨ててしまっています。ところがこのアラを真空セパレーターという機械で固形化するとDHAが出てきます。

 そしてさらにこれを遠心分離器で分けると、魚粉という魚の餌とDHA入りの脂に分けることができます。つまりこれまでお金をかけて捨てていたものが価値ある成分と養殖用の餌に早変わりするというわけ。こうした工業力は日本が得意とするところのはずなのです」


    ※     ※     ※     ※     ※


 これと似たような付加価値の付け方として、例えば滴下して捨てていた青いミカンからオレンジオイルが抽出できてこれが発泡スチロールを溶かす油として利用される。

 山形の渋柿からは干し柿を作る際に捨てていた皮から真空セパレーターによってカテキンたっぷりの機能性食品が取れたりする。

 このように産物の成分に注目して、農水産業に工業力を使って成分を徹底的に使いまくりできるだけ高い商品にできるような知恵を使いたいものです。

 医薬品は大変ですがサプリメントならできるのではないか、そして国内を相手にするのではなくこれから豊かになる中国やロシアを相手にする戦略をとりましょう。要は農工商連携で市場を見つけることなのです。


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 田邊先生は、こうした背景を理解したうえで、「これからは人口増大と食糧の増産の限界が見えてきて食料が高くなる時代であり、品質の高さをブランドとした日本の農産物は必ず世界的視野で見た時に需要が増えてくる。しかも生産量だけではなく、工業力を背景に成分に注目することで買いたたかれるのではなく付加価値を付けた原料や製品とすることで日本の農水産業は必ずもうかる商売になる」と言います。

 したがってTPPに参加したところで一部の砂糖などを除いては日本に安い作物が入ってきて日本農業が壊滅するようなことはないだろうとおっしゃるのです。

 さらには3.11震災後のエネルギー問題を考えても、バイオマスなどによるエネルギーの自給自足度の向上も議論になることでしょう。
 
 田邊先生が注目している作物の一つがコウリャン。これは成長が早くて収量が多く見込めることからバイオ素材や燃料素材としての可能性が高いとみています。


 どうやらこれからのカギは、広いところで機械化をするような技術を技術ごとパッケージで売り、そしてできたものをその近くの富裕層をターゲットにした農業ビジネスとして展開するというビジネスモデル。

 一次産業発の二次産業と言えるでしょうか。


 日本の農水産業の明日はどっちだ!?
コメント (2)
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