昨日から道東の町へ来ております。
仕事の内容は、道路舗装の修繕を行う試験施工の立ち合い。
北海道の冬の寒さはアスファルト舗装にとっては非常に厳しい環境条件で、割れたりひびが入ったりして傷んでゆきます。
早めに修繕ができればよいのですが、それがついつい遅くなると傷みは進行して自動車での走行中に段差での衝撃や振動、揺れなどが発生してドライバーの疲れや不快な思いにつながることでしょう。
本来ならば表面の数センチを剥がして、そこに新しいアスファルト舗装をすることで新設時に近い走行感を取り戻すこともできるのですが、それには非常にお金もかかるという事で、傷んだところを中心にした部分補修で済ませることの方が多くなります。
その部分補修も、より長くもつ方が良いし、施工が簡単な方が良いし、費用が安い方が良い、ということでいろいろな要望が寄せられるところでもあります。
民間の舗装会社では修繕のためのいろいろな素材や製品を作って、より良い道路の路面を守りたいと思っていますが、実験室でのデータは実際の現場ではどうなるのかを試すために実際の道路お借りして試験施工を行うことがあります。
今回もその一環で、新しい製品が北海道の実際の道路で段差の補修や割れ目の補修に使えるのかどうか、また施工の効率はどのような感じかなども実際にやってみることで分かることは多いのです。
今回は天気にも恵まれて、順調な進行で、今後の様子をフォローアップして見守ってゆこうと思います。
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今回の試験施工をお手伝いしていただいた地元の維持業者さんと道路維持に関する苦労話を聞きました。
そんな話題の一つは車が動物とぶつかること。
アニマルアタックと呼ばれますが、道東ではエゾシカや熊との接触事故も多く、今日も現場へ行く途中で狸が一匹倒れていたのを目にしました。
シカなどは図体が大きく、運ぶのも大変ならば処分するもの大変です。
シカが車と接触して道路で死んでいたりすると、ドライバーから道路管理者へ連絡が行き、そこから指示を受けた道路維持業者さんが回収に走るということになります。
呼ばれるのは日中に限られることはなくて、深夜でも平気で電話がかかってきます。
「ところが、そうやって呼ばれて行ってみるとあるはずのシカの死骸がない、ということがあるんです」
「へえ、それは死んだと思ったのが実は生きていた…とか?」
「まあそういうこともあるかもしれませんが、案外あるのが、シカを欲しい人が持ち去っているじゃないか、ということです」
「持ち去る!? なんでまたそんなことを?」
「シカって欲しい人にはありがたいものですよ。特にペットを飼っているような人たちは、シカの肉や骨は最高の餌になりますからね。それを缶詰でも骨でも買おうと思うと結構お金がかかりますから」
「はあ~、確かに肉や骨はペットの餌と思うとありがたいのかもしれませんが…、ふうん」
実は車にぶつかって死んだエゾシカなども欲しい人がいるというのは驚きでした。
また道路管理者の方でも、「誰かが引き取ってくれるなら、こちらも処分費用が掛からないので助かりますね」というスタンスだそう。
欲しい人がいてあげたい人がいる、ということは双方にとってwin-winなわけですから、もしかしたらビジネスにもなるかもしれませんね。
欲しい人は事前に登録をしておいて、手に入ったら連絡が行き早い者勝ちとか、あるいはオークションにしても良いのかもしれません。
北海道ならではの新しいビジネス、「エゾシカ取引」、いかがでしょうか。
夜は久しぶりの味を堪能です。
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