北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

刑務所の矯正展

2010-08-29 22:12:24 | Weblog



 釧路には刑務所があって、明治18年に釧路国川上郡熊牛村字標茶に釧路集治監として開設したのが始まり、とされていますが、そこがどこだったのかは私にはわかりません。

 最近までは「釧路刑務所」であったのですが、平成19年に組織を改正して帯広刑務所釧路支所として帯広刑務所の下部組織になり今日に至っています。

 その釧路刑務支所で今日は矯正展というイベントが開かれたので行ってみました。これは道内各地の刑務所への理解を深めるとともに、収監者たちの刑務作業によって作られた家具などの製品を宣伝・即売するイベントです。

 家具などは出来の良いものが格安とあって売却済みがたくさんありました。そういう耳寄り情報を知っている人も多いのかもしれませんが、売れるとやる気になることでしょう。







 現場に着いていろいろとお話を伺っていると、「後ほど中を見学するツアーがありますよ」とのこと。興味深いのでこちらにも参加してみました。

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 見学は整理券をもらって、時間までに大きな鉄扉の前に集合。結構な数の家族連れが集まっています。

 見学前には注意があって、携帯電話は電源を切りカメラによる撮影は禁止。刑務官の方に案内されて大きな鉄の扉から入ります。





 こちらに収監されているのは、26歳以上で懲役が10年未満の人たちで犯罪傾向が進んでいない人たちだそう。中には女性もいて、それには女性の刑務官が対応するそうです。

 見学対象は主に木工、金属加工、紙製品などの職業訓練と製品づくりをしている工場の現場で、更衣室にはドアが二つあって片方から入って服を着替えてもう一つのドアから出ることになっていて、そこで道具を持ち出したりしないかなどをチェックしているそう。

 なにしろ30~40人の作業者を刑務官一人で監視しているのですが、武器は携帯していないとのことで、なんだか不気味な感じがします。こちらで作業をすることで溶接などの資格を取ることもでき、社会復帰のための技術習得は大事な準備と言えるでしょう。

 狭いながら運動場もあってソフトボールをしたりしているようですが、来週は運動会があるそうで、グラウンドにはかけっこの円が描かれていました。

 何か質問はありますか、というので「刑期を終えた人たちは、大きな門から映画のように『お世話になりました』といって出てゆくのですか?」と訊いてみると、「そんなことはありません(笑)。我々も使う通用門から出ていきますよ」とのこと。

 重ねて「ちなみに脱獄はあるのですか?」とも訊いてみたところ、「二年前に試みたものが一人いましたが取り押さえました」とのことで、気の抜けない仕事は大変です。

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 こちらの場合、収容定員は300人なのだそうですが、全国的に収容オーバー気味でこちらでも321人(=107%)が入っているのだとか。

「これでも政府はさらに公務員を減らそうとしているので、また刑務官も減らされるかもしれません」と言われると胸が詰まります。危険と伴う職場の最前線を垣間見ました。


 帰り際に、刑務作業でできた製品の売り場を見ていると、帯広刑務所の農作業で取れたじゃがいもを安く売っていたので買ってきました。ビニール袋に詰めるだけ詰めて、約4kgほどのメークインが200円と格安でした。

 ちょっとお得な社会参加です。


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