北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

北海道の釣りの可能性

2013-12-21 23:45:25 | Weblog

 プライベートの釣り仲間で、"ZZアミーゴ"という会合の忘年会。
 
 普段はイベントやフェイスブック上でしか接点がないのですが、今日はじっくりと話し込むことができました。

 基本的には釣りの愛好者ということでの繋がりが原点ですが、最後はそういう空気が心地よいと思う人だけの集まりになっています。

 いくら趣味が同じだと言っても、気が合う人だけが集まっているので楽しく過ごせるのです。

 Sさんは十勝から駆けつけてくれた、道内指折りの釣りガイド。

 若い時は釣り道具のショップに努めていたといいますが、本当にやりたいのは道具を売ることではなく、道具を使って楽しむことだと思って、もう30年も前の時代に店を辞めて単身アメリカにわたり、ガイドの修行を積んだのだそう。

 アメリカでは、ガイドという職業に対するリスペクトと職業制が確立していました。

 「アメリカではガイドになるためにはまず師匠について下働きの時期があります。そこで修行をして、師匠から大丈夫だと思われたところで、一定のエリアを任されるという形なんですね。そうして、ガイド観光が地域の重要産業だという社会の認識ができあがっていますね」

 するとまた別な人が、「サクラマスは日本では川で釣ってはいけない魚なんですけど、場所によっては猟師さんが獲っても市場では数百円くらいにしかならないってことがあるんです。たとえばそれを、川を限定して有料で釣らせるなんてことができないかなあ、なんてね。そうしたら全国から釣りファンが押し寄せますよ。日本全体とか北海道全体でも無理だとは思うのですが、限定モデル的にどこかでやれれば良いのですが」という意見。

 世界で釣りの名所はたくさんありますが、中でも北海道は釣れる魚の種類が多いことでは比類がないのだそう。

 釣りという資源をもっと上手に使えれば、この大地はもっと魅力的になる可能性を秘めています。

 飲めば飲むほどにいろいろな考えが出てきて楽しい時間が過ぎてゆきました。

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褒める力と褒められる喜び

2013-12-20 23:45:26 | Weblog

 

 「信賞必罰」と言いますが、これがなかなか難しい。
 
 特に、"人を褒める"ということはタイミング、言い方など慣れないものです。

 しかし一たび人に褒められた時、褒められたものにとってはかけがえのない喜びに変るときがあります。

 致知12月号に、中村学園大学教授の占部賢志先生が、「心の闇にともる励まし ~ 褒める行為が感化に実を結ぶとき」という一文を寄せられていましたのでその一部をご紹介します。


  ----------------------

 …筆者(中村先生)の手元に古びた一冊の本があります。学生時代に先輩から紹介されて求めたもので、死刑囚島秋人(しまあきと)の『遺愛集』という歌集です。彼の名はペンネームですが、ここではこの名前を使うことにします。

 島は昭和九年に生まれました。満州で幼少期を過ごし、終戦後、両親と共に新潟県に引き揚げます。ところが母が結核で死去。本人も病弱で結核やカリエスをわずらい、七年間もギプスをはめて育ったと言います。小中学校での成績は最下位だったようです。

 そんな風でしたから、周囲からはうとんじられ、しだいに荒れが目立つようになり転落の一途を辿るのです。一時期は少年院に入れられたこともあると言います。

 その彼が昭和三十四年雨の夜、飢えに耐えかねて農家に押し入り二千円を奪い、争ってその家の人を殺し死刑囚となります。

 獄中で島は悔恨にさいなまれながら、みずからの薄幸の人生を振り返る毎日を送るのです。振り返れば振り返るほど、真っ暗だった人生に絶望感が募ります。

 そんな拘置所生活でのある日、記憶の彼方にたった一度だけ人からほめられたことがあるのを思い出すのです。それは中学時代の図工の授業中の事でした。級友の前で、先生から「君は絵は下手だが、構図がいい」とほめられたのです。

 先生の名は吉田好道(よしみち)先生、美術の先生でした。島は、そうか、こんな俺でもほめてくれた人がいたんだ、と心底嬉しくてたまりませんでした。こうして、彼は矢も盾もたまらず、吉田先生に手紙を書きます。

 すると先生ご夫妻から刑務所に返事が届いたのです。島の感激が目に見えるようです。実はこの時の経緯を先生の奥様が、昭和六十三年にNHK教育番組で放送された『こころの時代』のなかで回想されていますので、紹介しておきましょう。

     ◆   

 島からの手紙が届いたのは秋の彼岸の中日だったようです。吉田先生は部屋で手紙を読んでいましたが、奥様が覗くとだんだん頭が垂れ、背中を丸めたまま動かなくなってしまったといいます。

 奥様は心配になって何の手紙か訊ねたところ、先生は黙って教え子島の手紙を渡されたそうです。文面には自分の身の上とともに、かつて先生にほめられた思い出と、もう一度先生の絵が見たいとの願望が綴られていました。
 
 先生は大変胸を打たれた様子で、画材を持って海に絵を描きに出かけたそうです。こうして出来上がった絵と一緒に返信を出しています。

 この時、奥様も手紙を同封しましたが、結びに短歌を添えられたのです。獄中の島は感激に浸りますが、とりわけ、奥様の短歌に心がひかれ、自分でも作るようになり、新聞の歌壇欄に投稿するまでの身の入れようでした。

 新聞歌壇に彼の短歌が載るのをきっかけに、選者の窪田空穂(くぼたうつほ)氏から指導や助言を受けるようになりました。後には死刑囚ながら毎日歌壇賞を受賞する栄に浴しています。

 以下、日々の獄中生活の中で詠まれた彼の歌です。


 やさしき旧師の妻の便り得て
          看守に向くる顔の笑みたり

 日に二通厚き封書をたまはりて
          素直に昏(くれ)る灯の下に読む

 初夢に中学の師のあらはれて
          ホイッスル吹くにわれ走りたり


 
 決して洗練された巧みな歌ではありません。しかし、暗闇に生きる孤独な死刑囚にも、一条の光が射す様子が惻々(そくそく)として伝わってきます。
 彼はこうして犯した罪を悔い改め、昭和四十二年の晩秋、小菅刑務所にて処刑されます。享年三十三歳でした。

 人生を無軌道に突っ走り、挙句に死刑囚となり果てた男すら変えてしまう根源の力、- それが吉田先生が言った「君の絵は構図がいい」という千鈞の重みをもつ評言だったのです。

 この時、吉田先生は気休めに劣等生だった生徒を持ち上げたわけではないでしょう。

 吉田先生は図工の先生、絵や彫刻などの実物教育に毎日当たっていたのです。その鍛え抜かれた目が見逃さなかった。うむ、この絵は構図が良い。そう見て取ったのです。

 教育の場での「ほめる」とは、こうありたいと筆者は切望してやみません。


  ------------------------


 いかがでしょう。決してその場しのぎやごまかしの褒め言葉ではなく、心から良いと思ったその真の心からくる評価としての褒め言葉は、相手の心に深く深くささることがあるのです。

 信賞必罰などという大仰なことではなくても、日常の中で良き振る舞いや良き心根をちょっとした言葉でほめる、評価するということだけで人は変わるかもしれません。

 そういう言葉を大切にしたいものです。

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意味が分からない…

2013-12-19 23:17:56 | Weblog

 

 知人から「小松さん、いつもブログを読ませていただいていますが、ときどき"JIS+2D21"という記号が出てきて、意味が分からなかったんです」と言われました。

「ええ?そんな単語を打ち込んだ覚えはありませんよ」
「そうでしょう?それで"JIS+2D21"で検索をかけてみると、これがwindowsでの機種依存文字で数字を丸で囲んだ"マルイチ"なんだそうです。そして2D22なら"マルニ"、2D23なら"マルサン"…というわけです。どうやらパソコンで開けばちゃんと見られるのですが、私のAUのスマホならばJISのコード記号で表されてしまうみたいです」

「ははあ、なるほど。私はスマホを持っていないのでスマホで読んだことがありませんでした」
「ずっと(これって何なのかなあ)と思っていたのですが、同じ悩みをブログで書いている人もいて笑っちゃいました」

 
 私の場合は文章をテキストベースで打っているので、まさかwindowsの機種に依存する文字が使われているとは思いもしませんでした。

 指摘してくれる人がいたので初めて分かりましたが、ブログをスマホで読む人が増えている昨今、気をつけなくては。

 もし読めないおかしな記号があったら教えていただければ幸いです。


    ◆     


 意味がわからないというお話しでもうひとつ。

 先日、来月釧路で行われる"ふゆトピア・フェアin釧路"で開催されるパネルディスカッションの打ち合わせで、釧路公立大学地域経済研究センター長の佐野修久教授とお話をしたときのこと。

 事前に佐野先生に、「今度ふゆトピアのパネルディスカッションを行うのですが、座長をお願いできないものでしょうか。テーマは『道東の冬期観光の可能性を探る』というものです」とメールを送ったのですが、その返事が「はあ…、まずはご担当から話を伺うことにします」となんだか消極的にも読める怪訝そうな答えだったのです。

 会合で佐野先生を交えて打ち合わせを終えた後で一言、「小松さん、メールの後でご担当の方が来て説明してくれたから分かりましたけど、最初のメールの時に、"冬期観光"がセトモノの"陶器観光"になっていたんですよ(笑)。は~、最近は開発局もいろいろなことをやるんだなあ、と思いながら、私で良いのかなあ、と思ったのですが、やっぱり打ち間違いだったんですね(笑)」

 なんと!冬期観光を陶器観光を打ち間違えるとは我ながら情けない。

 ブログもそうですが、誤字脱字には改めて気をつけないと意味が分からなくなりますね。

 あ~、恥ずかしい。

 

 

 

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北大で学生さん相手に「緑」と「心構え」を語る

2013-12-18 23:21:26 | Weblog

 北大での学生さんたちへの講義を終えてきました。

 講義と言っても、パワポをネタにしながら公務員、社会人として世の中にどのように向き合うか、ということについての、半分は経験談です。

 基本的なテーマは、昨日も書いたように、『課題を探し出し、持っている財産を駆使して解決できる方法を提案し、社会を変えて行こう』ということです。

 それを踏まえたうえで、国土交通省の造園職であれば、世の中の様々な課題に対して、都市の中の緑やオープンスペースをフィールドとした解答を求められますよ、ということ。

 これが環境省であれば環境のための規制政策や、フィールドとしての国立公園などの自然公園ということですし、林野庁であれば森林をフィールドあるいは財産と捕えて、これらを使ってどのような回答をプレゼンテーションし、世間の共感を得られるか、ということになります。

 その本質さえぶれなければ、あとはどこへ行ったって当たる仕事は運と不運に左右されるもので、なんとかなると思って良いでしょう。

 
 そして、これまでの課題に答えてきた施策を踏まえて、これからの人たちはこれからの課題に答えなくてはならんのだ、と。

 そういう心構えができていれば、まあ何とかなる世界ですので恐れずに自分を広げてほしい、とまあそんなお話をしてきました。


 学生さんからの質問のなかには、「転勤はどのようなことになるのか」という、転勤を気にするものもありました。

 私からの答えは、「どんなに素晴らしい人でも同じところにいては限界が来るから、人を変えることでパフォーマンスをかえるべきだということでしょう」というもの。

 また、問題解決型思考でいられればどんな土地でどんな立場になっても課題は見つかるし、それを一生懸命解決しようと努力すれば、人はその姿を見てついてくるし、信頼を得ることもできるでしょう。

 いろいろな土地や立場を経験しますが、それは単に経験したから身につくというものではありません。

 その立場で最善を尽くして、課題解決に向けて頑張ることで様々な知識や経験や支援者を得ることに繋がるのです。

 就職希望の学生さんのなかには、国家公務員に受かっても、転勤のない地方自治体に合格すればそちらへ行くという傾向が見られますが、転勤を恐れて自分の今生の命を狭くすることはありません。

 自分はいったいどこまで広がるものか、を試してみればよいのに、とも思います。

 私の話が少しは役に立ったでしょうか。


   ◆   


 また変わったところでは、「女性が働くということをどう考えますか」という質問もありました。

 安倍政権は女性の登用については積極的で、、来年度の国家公務員の三割は女性を採用するようにという強い方向性が示されました。

 このことで女性に対して可能性が大きく広がったことでしょう。

 質問者の趣旨の奥底には、「転勤や結婚、子育てなど女性には厳しい職場環境に置かれるのではないか」という不安があるようにもうかがえました。

 しかしそれに対しての私の答えは、「女性が多く採用され登用されるようになれば、自ずから今迄通りのような仕事のやり方ではやっていけない環境になるということ。
 今はまだ具体的にイメージされていませんが、女性が体も家庭も子育ても大事にしながら仕事を続けられかどうか不安だ、というのであれば、それ自身が『社会の課題』ということです。
 だから誰かが『現状をこう変えましょう』と提案して職場環境を変えることも社会を変えることになるわけです。多くの女性にはそこを逃げずに立ち向かってほしいと思います」というもの。

 
 女性の発想と参加がなければ、次の時代は成り立たないと思いますので勇気を持って社会に立ち向かえば良いと思います。

 
 自分の子供よりも若い学生さんたちを相手にして、言いたいことを言うというのは気持ちが良いものです。

 さて、少しでも優秀な若者が次の世代を、自覚を持って支えてくれることを願います。

 君たちの未来は君たちが拓くのです。

 

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仕事は社会の問題解決だ

2013-12-17 23:45:45 | Weblog

 明日北大農学部で、学生さんたちを相手に国交省の緑地関係政策についてお話をしてきます。

 その趣旨は、国家公務員を目指す学生さんたちに対して国土交通省のやってきたことを説明して就職のための参考にしてもらおうというもの。

 就職のための情報提供ですから、単に今やっている行政上の制度の説明だけではなく、公務員になることの意味やその可能性、そして仕事の心構えなど少し幅広に話をしてくる予定です。

 自分自身も学生の時には、社会人になってからの仕事に対する考え方などまったく聞いたこともなかったので、そうした経験談も踏まえながら意見交換ができることを期待しています。


   ◆   


 ところで、「公務員(社会人)になってからの仕事って一体何をどうするのか」と聞かれたらどう答えるでしょう。

 その問いに対する答えを一応作ってみました。それは、

 ①社会の課題は何かを考える 
   
 ②ではどうすればその課題は解決されるのかを考える

 ③課題解決のために使える資源・資産は何かを考える

 ④いくつかの解決方法を提案し、利害関係者と調整をする

 ⑤制度設計、予算確保を行う

 ⑥世間へ向かって宣伝・プレゼンテーションを行う
 
 ⑦制度を運用する

 ⑧課題が解決されたかフォローアップして、制度は時代の要請に基づいて改正・改定を行う

 ⑨①へ戻る


 …ということ。

 これらは民間企業にいても同じようなもので、企業活動で社会の抱える悩みが解決して欲望が満たされるのであれば、モノとしての商品やサービスとして対価を得て供給し、ビジネスになればよいのです。

 ①~⑧は、全ての工程を一人で行うことはなく、どこかの部分だけを担当するということも多いでしょう。

 しかしこうして制度や予算が出来上がって、次の時代の課題解決に向けて常に社会を動かしていかなくてはなりません。

 そしてわれわれも一国民、一市民として課題解決に参加し貢献できることも多いはず。

 
 …とまあ、こんなお話ですが、学生のときに聞いていたなら何か人生が変わったでしょうか。

 とにかく明日は若い人たちと交流をして来たいと思います。最近の若者がどういう意識でいるのかには興味がありますぞ。

  

 

 

 

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29回目の結婚記念日

2013-12-16 23:25:28 | Weblog

 今日は29回目の結婚記念日。

 妻と食事に出かけましたが、まずは釧路でよく通ったバーで紹介された、札幌でのバー巡り。

 今日はススキノビル8Fにある「パブリックバーKOH」さんを訪ねて一杯いただきました。

 こちらのバーは今年で創業40年。札幌でも老舗の部類に入るお店です。

 飛び込みでお店との出会いを楽しむのも結構ですが、どうせいなら信頼できる人から紹介されて行けば安心です。

 今日は行く時間が早すぎて、ご紹介されたオーナーには会えませんでしたが、またいつか来い、ということなのでしょう。

 美味しいカクテルをありがとうございました。


   ◆   


 バーの後は、スペイン料理のお店で食事をいただきました。

 私たちの結婚式は29年前に札幌市内のあるホテルで行いましたが、そこのホテルで披露宴を行うとその日の夜は豪華ディナーつきで宿泊が無料になるというサービスがありました。

 それを使って豪華ディナーを楽しんだのですが、もうコース料理も終わりだと思って席を立ったところ、「お客様、まだメイン料理とデザートが残っております」と言われて恥ずかしかった記憶は今でもついこの間のようです。

 当時は豪華ディナーなんて食べたことがなかったので、コース料理がどういう順番で出てくるかなんて分からなかったのです(笑)。

 そんなドタバタで始まった夫婦生活ですが、二人の娘にも恵まれ昨年には初孫の顔も見られました。

 29年の間にはいろいろな事があったようでもあり、さほどの事もなかったようでもあり、なんだか不思議な思い出です。

 まだまだ未熟な二人ですが、末永くどうぞよろしくお願いします。

 気分は結婚式直後です。 

 

 

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最高級の旅「ワンダーアース」…北海道ならどうする?

2013-12-15 21:39:27 | Weblog

 ANAが企画販売する"ワンダーアース"という海外旅行ブランドをご存知でしょうか。

 世界中の「これこそ!」という最高レベルの観光地、観光アクティビティを、最高級のホテルやクルーズ、船などで楽しめる、高い付加価値をもった旅行商品がワンダーアースです。

 "地球はますます面白い"というのがコンセプトで、海外旅行の経験が豊富な人たちにも十分に満足されるように、およそ地球上すべての魅力あるスポットを旅行先としています。

 さらに、それぞれの目的地のすべての名所を、一年の中でベストなシーズン限定で企画したものというのがウリ。

 アラスカでのオーロラやデナリ国立公園でのグリズリーにガラパゴス諸島を巡るチャータークルーズ。

 ミャンマーの仏教遺跡にインドのタージマハルや、北欧バルト海とエルミタージュ美術館。

 およそ紹介しきれるものではありませんが、多くの世界文化遺産や世界自然遺産などを最高のガイドで巡りながら、存分に旅を味わえる趣向になっています。

【ANAワンダーアース】  http://www.ana.co.jp/inttour/wonder/

 この"ANAワンダーアース"という商品は、去る9月に「旅博2013」で行われた「ツアーグランプリ2013」において、「観光庁長官賞」と「海外旅行パッケージ部門グランプリ」を、ダブル受賞したとのこと。

 人数はごく少数限定で、数日間で数十万円から200万円というコースもあるなど料金も別格。とにかくお金は出すから最高の旅をしたいというニーズを最高度に受け止める覚悟のあるツアーです。

 小人数限定だけに人気も高いようで、それくらいなら購入する層はきっといるのでしょう。

 このツアー、これまではもっぱら海外旅行でのワンダーアースでしたが、今回からは国内旅行が登場。

 その第一弾は、"10名様限定 人間国宝に学ぶ有田焼の世界とクルーズトレイン「ななつ星 in 九州」の旅"ということです。

 具体的なツアーの中身は、例えば有田焼の真髄を陶芸家で人間国宝の井上萬二(いのうえまんじ)氏所有の窯で、ご本人から直接レクチャーを受けて学びます。

 さらに白磁の制作体験を行って、焼きあがった作品は後日、井上萬二氏のサインを入れて、お客様の自宅に送られてくるという趣向です。

 移動も大人気のクルーズトレイン「ななつ星」ということですし、これ以外にも食事や宿泊も最高級で、豊かな旅の時間になることでしょう。
 
 なるほど、九州だったらそうきましたか。京都だったらまた歴史と伝統をとことんまで追求するような濃い旅ができそうです。


    ◆   


 さてでは本題。これが北海道ならばどのような旅が考えられるでしょうか。

 他には絶対ないオンリーワンのコンテンツを、一年中でこの日しかない、というピンポイントで案内して最高級のもてなしで楽しんでもらう旅だとしたら、どうでしょう。

 知床でヒグマを見る? 旅館でシマフクロウを見る? 流氷の下で生のクリオネを見る? 釧路湿原上空をウルトラライトプレーンで遊覧飛行する?

 食事だったらどうでしょう、ミシュランガイドの星付きレストラン? 自信のある食材と料理は何でしょう? 豪勢な移動は可能でしょうか? 

 ワンダーアースに耐えられるような、最高級の北海道ツアーを想像を巡らせて考えるのも面白そうですが、考えるだけじゃなくて実現したいと思いませんか。

 阿寒湖のマリモだって、ごくごく限定でガッチリ対価をもらって見せることなんてできないものでしょうかねえ(笑…いや夢ですが)

 

 

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釧路動物園でキリンのスカイ君を見る

2013-12-14 23:45:14 | Weblog

 

 夕方の会合まで間があるので、バスで釧路動物園へ行ってみました。帯広動物園から来てくれたキリンのスカイ君を何としても見ておきたかったのです。

 釧路にいた時分には、なんだかんだで誰かに送ってもらえたので、外からの観光客気分になってバスで移動するというのは初めてです。

 事前にネットでバスの時間を調べて、念のために駅の中の観光案内所でも確認し、駅前を9時15分発のバスに乗りました。

 バスの中で、「動物園まで行きたいのですが、料金はいくらでしょか」と訊くと、「850円ですね、遠いですよ(笑)」という返事。

 このバスは空港を経由してから動物園へ行くので、動物園の到着予定時刻は10時25分。なんと1時間と10分かかるということで、千歳から羽田へ飛行機で行く時間とほぼ同じです。笑っちゃいますね。


 バスは釧路駅の北側を西へ向かって走り、途中で大規模ショッピングセンターのイオンにも立ち寄り、大楽毛を過ぎてからは原野の中をひた走ります。

 面白いと思ったのは、空港の手前で電光の料金表示板を見ると"910円"になっていて、(ああ、運転手さんは850円といったけれど間違ったのかな」と)思っていたのが、空港を出発して過ぎたところで動物園へ向かう途中で料金表が安い表示に変わったこと。

 動物園についたときには、始発からの料金はちゃんと850円になっていました。交通確保のための補助金をもらっているせいなのか、不思議な料金表示です。


   ◆   


 動物園ではお金を払って入園したところで、釣り仲間だった動物園長さんに連絡。「こりゃこりゃお久しぶりですね」ということで、園内を少し案内してもらいました。

 今年はライオンやアルパカに子供が誕生したとのことで、園長さんはベビーラッシュに大喜び。

 ライオン舎では、それまで母親と子供二頭で生活していたケージへ最近お父さんライオンを
入れてみたそうですが、初めて雄が入ってきたときは気の強いお母さんライオンに強烈な猫パンチを一発お見舞いされてしょげていたのだとか。

「ようやく最近子供たちもなついてじゃれつきはじめました」とのことで、来園者に人気者のファミリーになってほしいものです。


    ◆  


 この日は雪が降って寒かったためにお目当てのアミメキリンのスカイ君は11時からの登場。

 ライオンやホッキョクグマなどを見て歩いているうちにちょうど時間となり、キリン舎へ移動。

 寒くても大丈夫なようなキリンハウスも出来上がっていて、寒い冬でも暖房の入って小屋でキリンをじっくり見ることができます。

 スカイ君は今の状態で身長3.5メートルですが、これが成長して大人になると5~6メートルになることもあるそうで、移動できるのは今のサイズがほぼ限度なんだそう。

 キリンはほとんど寝ない動物なのだそうで、ぐっすり寝ることがほとんどなく、立ったままで動かそうとすると道路規制に引っ掛かるので無理。

 麻酔で寝かせるというのも目が覚めないリスクがありますし、そんなわけでとにかく小さいうちに運ばなくてはいけないのがキリンの難しい一つの理由でもあります。

 せっかく運ばれてきたスカイ君はとってもハンサム。次はお嫁さん探しですね。

 
 スカイ君が来てくれたことが大きく貢献して、来園者も昨年に比べると1.5倍~2倍になる勢いなんだそう。

 動物園の環境や飼っている動物の希少さでは他の動物園に負けない釧路動物園。

 その良さを磨いて、もっと魅力を向上させましょう…って、これでは全く機能と同じ議論になってしまいそうです(笑)。

 持っている魅力を磨いて発信する。要はこれしか発展の道はないのです。

 釧路動物園のこれからに期待しています。
 

 

 


 

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オンリーワンの魅力づくり

2013-12-13 23:25:51 | Weblog

 

 来年一月に釧路で開催される「ふゆトピア」の打ち合わせのために釧路出張。

 札幌も朝雪が積もっていましたが、釧路も朝から雪が降り始めたそうで、釧路には珍しい雪化粧が出迎えてくれました。

 今日はふゆトピアのプログラムの中で行われるパネルディスカッションの打ち合わせで、パネラーの皆さんと初めての顔合わせ。

 テーマは「道東エリアの冬期観光の展望について~観光資源の掘り起こし」というもので、パネラーには釧路をはじめとした道東地域の第一線で活躍している人たちに集まっていただきました。

 ふゆトピアそのものは、雪や氷をなんとかしようということだけではなく、冬の文化や遊びまで含めた冬のライフスタイル提案がもともとの始まりでした。

 そこで今回は、道東の冬期観光の振興についてをパネルディスカッションのテーマにしたのでした。

 パネラーの一人は、根室でバードウォッチングで海外から多くの観光客を呼び込んでいる新谷さん。新谷さんは、元はANAに勤務していたことがあって、その時には旅の提案という仕事もしていたのだとか。

 そこで感じたことは、「道東にはいくつもナンバーワンになれる要素がある」ということでした。「最も東の岬」、「日本で最も早い日の出がみられる」…などなど。

 「しかし、ナンバーワンはしばしばナンバーツーで代用が効くんですね。ノシャップ岬で初日の出を見なくても、銚子の犬吠埼でも同じような初日の出は見られるんです。でもオンリーワンだったら代替はできません。ここへ来なくてはできないこと、見られないものがあれば、それはきっと立派な観光の資源になると思うんです。その一つが鳥の世界なので、私は根室でしか見られない鳥のガイドで地域にお客さんを呼び込もうと思っているんです」

 オンリーワンの資源に磨きをかければかけるほど、遠くからでもお金をかけてでも行きたいというお客さんが現れてくれることでしょう。

 その先鋭的な価値に気が付くかどうか、磨きをかけられるかどうかなのでしょうね。

 

    ◆    ◆    ◆

 
 
 そしてその一方でもう一つは、障害を排除することで可能となる旅のお話。

 もう20年以上も前のこと、羽田からの札幌便は冬はガラガラで、どうやったらお客さんに乗ってもらえるかというので会議が開かれました。

 そこでスキー客をターゲットにしたらどうか、というアイディアが出されたのですが、当時は若者中心のスキー客は長野や新潟に行くのが当たり前で、「北海道まで高いお金をかけてスキーへ行く客なんかいない、ダメダメ」と極めてネガティブな反応だったそう。

 ところがその会議のメンバーをよく見ると、その中には一人もスキーをするメンバーがいなかった(笑)。

 改めてパイロットやCAなど、スキーをするメンバーにそのあたりを聞いてみると、「行きたいけど、子供がいるからねえ」という反応。

 そこでまずは到着地に託児所付きのスキーツアーを提案しこれを初めてみたそう。

 ある程度の反応があったので、次はスキー場に託児所をつくってそこで子供を預かりながら両親にスキーを楽しんでもらうツアーを実施。

 最後には、子供をスキースクールに入れて、その間に両親がスキーを楽しむというツアーにまで発展したのだそう。

 要は、駄目だといわれたことでも突き詰めて障害を取り除いてみると、資源性が浮き彫りになって魅力的な旅にすることができるという例でした。


 
    ◆   


 道東はまだ高規格道路がつながっていないために、距離が遠いというハンデを背負っています。こうした障害を取り除いたときに、地域にはどのような可能性が広がってくるでしょうか。

 障害を取り除いたときには、地域の魅力合戦になるに違いありません。

 道東にはオンリーワンは多いのです。その日のために、地域のオンリーワンの魅力を探して磨きをかけておきましょう。

 自分の目が曇っているならば、よそ者の目と感性を借りましょう。

 道東のポテンシャル、まずは自分の目で見て楽しむことじゃないでしょうか。

 自分が楽しんでこその魅力ですしね。

 パネルディスカッションが楽しみになりました。

 

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「勝つ」ということ~塩野七生さんより

2013-12-12 23:25:23 | Weblog

 

 名著『ローマ人の物語』の著者である塩野七生さんは何冊もエッセイ集があります。

 『ローマ人の物語』を書かれた経験から、ローマ人と比較した日本人論、あるいはローマを中心とした海外から見た日本論は国内で一生懸命過ごしているつもりでもどうしても視野が狭くなってしまう私たちに鋭い視点を与えてくれます。

 特に文芸春秋新書で『日本人へ』とされたシリーズがあります。

 このうち『日本人へ~危機からの脱出編』に"世界中が「中世」"というエッセイがあります。

 この中で塩野さんは、G20が開催されている姿を見て、会議を前進させるためには、ということについて語っています。

 会議を前進させるためにはリード役が必要で、しかしそのリード役には条件があって、それは"参加国のどこよりも強力でなければならない"ということだと言うのです。

 なぜなら、他の参加国全員がリードされることに納得しなければならず、またリード役は他に率先して譲歩することが求められるが、それはそうすることによって始めて他国の同意を取り付けられるから。

 そのうえで塩野さんはこう続けます。

 …『ローマ人の物語』を書き続けている間頭を離れなかった想いは、「勝って譲る」という、あの人々に一貫していた哲学だった。勝ちつづけながらも、一方では譲りつづけたのである。ローマが主導して成り立った国際秩序でもある「パクス・ロマーナ(ローマの平和)」とは、この哲学の成果であった。
 結局は譲るのだったら、始めから勝つこともないのに、と思われるかもしれない。だが、勝つことは必要なのだ。なぜなら、他の国々に、主導されることを納得させるためである。 


  --------------

 
 ローマ人は、勝つことで統治のための正統性を手に入れました。しかし統治する際には決して勝者が敗者から搾取をするばかりではありませんでした。

 敗者の中からも優秀な者は社会に貢献する者として何人もが高位に登用されましたが、そのことが何の不思議もないのがローマ帝国の凄さの一つだったでしょう。


    ◆   


 ローマはそうやって勝ちつづけましたが、一対一で勝つことは良しとして、冒頭のG20のような多くの参加者がいる中で勝つということはどういうことになるでしょう。

 マキャベリの言葉を借りればそれは、「いかなる事業といえどもその成否は、参加する全員が利益を得るシステムを、つくれたか否かにかかっている」ということで、今日いうところの"win-win"。互いに利益を得るということにほかなりません。

 また、勝つことへの執着はどうでしょうか。

 『日本人へ~リーダー編』という本の中では、「若き外務官僚に」というエッセイの中で、マキャベリの言葉を引用して、「常に勝ちつづける秘訣とは、中ぐらいの勝者でいつづけることにある」とありました。

 勝つにしても勝ちすぎないというのは日本人の感性に合いそうです。

 しかし日本人には、こころのどこかで「大義にさえ叶っていれば勝ち負けなど問題ではない。美しく死のう」という考えがあるのではないか、と思っています。

 武士道の影響でしょうか、勝ち負けにこだわることも美しくないという価値観に繋がるのではありませんか。 

 TPP問題にせよ捕鯨問題にせよ、日本としては世界中の国のなかで国益を保ちながら勝ちつづける必要があります。

 そんなときには、win-winと、主導権を取れないくらいの中くらいに勝つのが良いようですが、さてこれからの日本はどうなるでしょう。

 勝ちにはこだわりたいところですがね。

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