北の心の開拓記  [小松正明ブログ]

 日々の暮らしの中には、きらりと輝く希望の物語があるはず。生涯学習的生き方の実践のつもりです。

目指せツェルマット、宗谷を一級の観光地にするために

2016-02-19 23:34:44 | Weblog

 

 昨年の秋に、先進観光地としてスイスのツェルマットを視察してきたグループの人たちが訪ねてきて、現地での感動をプレゼンテーションしてくれました。

 マッターホルンを間近に見る高原の町ツェルマットは、人口はわずか5800人なのに、年間で二百万泊の宿泊者が訪れるスイス有数の世界レベルの観光地です。

 ここは観光地で生きてゆく、という決意を住民が共有し、景観保全や環境保全、もてなしの高度化や顧客管理などがどれをとっても超一流のマネジメントをしています。

 人気があっても地域の価値を下げるような乱開発はせず、もっているキャパシティの中で世界から多くの観光客を迎えているのです。

 なにしろマッターホルンに近いというアルプスの山奥なので、空港やメイン道路からのアクセスが決して便利というわけではありません。

 ガソリン自動車は途中のティッシュという町で鉄道に乗り換えなくてはいけませんが、大きな荷物は安い金額での輸送サービスが充実していて、重たい思いをすることはないそう。なので、現地に到着するや否やすぐに観光を楽しむことができます。

 わざわざ遠くまで来るので、短期間の滞在では疲れてしまうため、多くの観光客は長期の滞在をしてくれます。町の方も小さいながら多くのレストランがあるほか、登山や冬期のスキーは言うまでもなく、山を下りるだけのダウンヒルサイクリングなど、多様な観光コンテンツが充実しています。

 そのうえ顧客のデータ管理にはものすごく力を入れていて、数多く訪れてくれるリピーターにはバッジが与えられて、サービスもより手厚くなるのだとか。そのためリピーター率は七割に達するのだとか。
 一度来た客が町のファンになり、なんども訪れてくれる仕掛けが観光産業を支えています。
 
 さすがに世界の先進観光地はそこまでやるのか、という驚きで、視察団の皆は目からうろこが落ちまくったそうです。


        ◆ 


 さて、そんなツェルマット観光ですが、視察団一行は、『こんなに不便なところでも観光コンテンツで人気になれる。しかも不便さを逆手に取ると、宗谷地域も不便ではあるけれど、宗谷エリアや特に利尻・礼文という離島の観光の魅力をもっともっと先鋭化すれば、地理的条件は似通ったところがあるのではないか、と感じたのだそう。

「ティッシュという車の乗り替え地が、離島に向かう中継地としての稚内の立ち位置なのかもしれない」という考えも頭をよぎったそう。

 問題は、利尻・礼文の観光資源がマッターホルンに匹敵するような世界レベルの魅力になるまで磨き上げることであり、それを補完する意味で町並みの景観保全だとか地域を挙げての環境対策、ガイドの育成などを稚内も含めた地域が一丸となって火の玉になって貫き通せるかどうかではないでしょうか。


       ◆


「とにかく一度でもツェルマットを自分の目で見ると、優れた観光地として将来に向けて生きて行くために何が足りないかに気が付きますし、そういう目を持った人が増えてほしい」と思ったと言うのが、視察団の皆さんの一致した意見。


 今日来た人たちの中には、「国や道の行政もリードしてほしい」という意見がありましたが、私は逆に「国や道なんて、担当者が次々に入れ替わるので継続性が保てませんよ。地元で情熱をもって走り回る人を仕立てて、その人を外部の機関が応援するという形でなくてはうまく行かないと思います」と言いました。

 そう言うと「では誰が…」ということになって、そこから先がなかなか進まないというのも今の現状ですが、やはりDMO(= Destination Marketing/Management Organization)のような地域の観光を総合的にマネジメントする組織を創り上げて、そこの活動で明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを進めてゆくべきでしょう。

 利尻・礼文との連携も欠かせませんし、少なくとも離島の観光関係者や行政の方にはツェルマットを見てもらえると良いのでしょうね。磨けば光る玉なんですが。


 それにしてもツェルマットかー、一度見てみたいものですねえ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

迷い道はプチ冒険

2016-02-18 23:03:43 | Weblog

 

 知らない道に出会った時の態度は二通り。

 一つは引き返して知っている道を探すという態度で、もう一つはその知らない道を突き進むというものです。

 前者は遠回りでも安心できる道をみつけてゴールを目指します。それに対して後者は、不安にさいなまれながらも自分の力を信じてゴールを目指す生き方です。

 常に前者の安全な道を歩む人と、常に後者を選択する人との間には、長い年月を経ると大きな違いが現れるものです。

 安全な道ばかり歩いていると大きな成長は望めません。それに対して新しいことに挑戦する生き方は、「知らなかったこと」を「知っていること」に変えるという作業を繰り返し続けてゆくもので、ある時に来た道を振り返ると随分と成長してきた跡をみることができるでしょう。

 知らないことを減らして知っていることを増やす生き方は、豊かな人生に繋がります。

 大きすぎる冒険はしなくても良いけれど、さてどっちの道を行こうかと悩んだ時に知らない道を選ぶくらいのちょっとした挑戦である"プチ冒険"は、自分自身の人生を深みと幅のあるものに変えてゆくことでしょう。

 言葉を替えれば、読書も旅も、知らないことを知るためのプチ冒険と同じです。

 知らないことを知るって楽しいですよ。
 
 ドキドキしてワクワクするような冒険をしていきましょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宗谷へ海外インバウンドを呼び込むには

2016-02-17 23:45:58 | Weblog

 宗谷総合振興局が主催する観光セミナーを聞いてきました。

 今日の海外からの観光客、いわゆるインバウンドを宗谷地域でどう呼び込めばよいか、というもので、講師は阪急交通社でインバウンド誘致一筋にお仕事をしてこられたという、後藤和稔さん。

 インバウンドというと、最近では中国からの大量の観光客が頭に浮かびますが、後藤さんが担当してきたのは欧米と豪州だそうで、いわゆる白人層に対する日本の旅の提案で、これまでとはちょっと趣が違います。

 インバウンド観光に関しては、阪急交通社でも自分たちの事を昔はランドオペレーターと言っていたのだそう。

 これは海外からのツアーの申し込みを受けて、国内で宿やバス、食事処などを手配するのが主な仕事でしたが、十年ほど前から、これをDMC(= destination management companyの略)と言い始めてきたのだとか。

「地域の資源を上手に扱う会社」といったようなイメージですが、ただの旅の手筈の下請けという立場から、日本の地域の観光資源をより魅力的にすることに役割が変わってきたようです。


       ◆ 


 後藤さんは、全国及び道内におけるインバウンドの状況や傾向として、『定番から新コースの開拓ステージになりつつある』と言います。

 そしてそれは道内も同じで、道央を定番とすれば、新地域の開拓が進むだろうし「大都市+周辺の魅力」という旅が作られるのではないか。

 アジアからのインバウンドは、道央、道南が中心で、それに対して欧米系の白人はバードウォッチングのための道東が多い傾向があります。

 旅行形態はグループ旅行から個人旅行(FIT)へという流れがあり、またツアー内容は一般的観光からスペシャル・インタレスト・ツアー、つまり特定のテーマを持った旅行が好まれるステージになりつつあるのだと。

 アジア人はショッピングと遊園地が入っていれば良いのですが、欧米系は寺社仏閣とか庭園とか植物など、特定の趣味の世界が好まれます。


 しかしその一方で、インバウンド人数が爆発的に増えている今日、宿泊料金が法外に高騰する傾向にあって、「これでは不満が募って、リピーターが減ってしまう」と後藤さんは危惧します。


 阪急交通社として今後の事業展開は、在外駐在員設置や外国人スタッフを強化しようかと考えていて、それは、日本人だから気づかない魅力の発掘が必要であり、また外国人同士という同朋同士だと理解が早いのだと。

 
       ◆  


 現状で客観的に評価する宗谷地域のインバウンドの状況と関係する取り組みを伺いました。

 そこでの提案は、「自分の自治体だけのため」という狭い料簡ではだめだろうということ。道内他地域との連携は不可欠で、点を線につないで、「うちはこれがある」をつなげる連携のツアーが必要だろう

 今が旬の函館だったら青森と繋がるツアー商品があるべきだろう。


 スペインとイタリアの旅行博では、「北海道」は認識されていても「宗谷」は誰も分からなかった。

 またヨーロッパ人にとっては、「北海道って(風景も雰囲気も)ヨーロッパと一緒だよね」というイメージを持たれている。

あるスイス人、インセンティブツアーで日本を半年に一度、日本大好き、 北海道は自然しかなくてヨーロッパと一緒だね、というイメージだった。先入観だとは思うが、逆に自然を生かすのはありかな、とも思う。

 

 後藤さんからいくつかの提案がありました。

 食で言うと、ホンモノ志向が強くなっていて、外国でも食べられるにある和食はホンモノではない。それは輸入規制があって日本と同じ原材料が使えないから。
 だから日本へ行ったら本物のラーメンが食べられる、というのは楽しみの一つになる。

 また「地域と時期の分散」をすべきだ。地域の分散がないと、大都市だけがぎゅうぎゅうに混雑するだけだ。

 訪日旅行でリピート率が高いのは実は日系人のツアーというものがあって、先祖の生まれ故郷を見てみたいという旅は一定の人気がある。

 こうした旅をつみ重ねてみてはどうだろうか。
 
 
       ◆ 


 DMCとしては、海外から求められる旅を国内でアレンジすることが中心ですが、売れる企画をしっかり作れるかどうかが、ポイントです。

 しかし実際のことを考えると、宗谷地域のように札幌など大都市から離れたところへの旅を作るのは苦労するだろうな、と思いました。

 時間もお金も手間もかかるところまで行きたいという要素を発掘して磨かないといけませんね。インバウンド観光の相手は国籍も文化も宗教も多様です。

 いろいろなアプローチがありそうなので、いろいろと挑戦してみるべきでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北海道の冬の道路はホワイトアウトが怖い

2016-02-16 23:48:41 | Weblog

 稚内からは約100km離れた枝幸町で親類の通夜がありました。

 レンタカーを借りてひとっ走り行ってきましたが、通夜振る舞いで遅くなり家に着いたのは夜の11時過ぎになりました。何はともあれ無事に帰ってこられてよかったです。


 枝幸町までの往復の途中路ではところどころで断続的に雪が降っていて怖い思いも一度や二度ではありません。

 自分の車だけで走っている分にはまだ良いのですが、道路に雪が積もった状態で対向車とすれ違うと、舞い上げられた雪で一瞬視界が効かなくなります。

 対向車とすれ違う瞬間の動画を撮影しました。50秒過ぎに大型車とすれ違いますが、柔らかい雪が舞い上げられるのが分かります。

 


【冬の北海道のホワイトアウト】
https://youtu.be/WzB3Zg-e7tA

 動画だと「ホワイトアウトもこんな程度か」と思うかもしれませんが、肉眼ではもっと一面真っ白になる感じです。

 冬の北海道の道路は怖いです。

 そして同時に、道路の幅を知らせる自発行式の矢羽根(やばね)のありがたみがわかります。

 冬の道路の事故がないよう、安全を祈ります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

流氷情報はどこに?~伝えるのって難しいなあ

2016-02-15 23:08:02 | Weblog

 先週末に紋別まで行った流氷観光で、ちょっとした戸惑いと気付いたことがあったので書き留めておくことにします。

 流氷観光は約十年ほど前に網走へ行って、オーロラ号に乗ったことがあるのですが、このときも流氷は接岸していなくて空振り。オーロラ号に乗って、晴れ渡った凪の海面を海上観光したことを思い出します。

 今回の紋別でも流氷は空振りでしたが、そのことは気象条件の結果なので運がなかったと諦めもつきます。

 ただ残念だったのは、流氷を楽しみに思う『今流氷はどのあたりにいるのか』という、最も興味のある情報になかなかたどりつけなかったことでした。
 
 ネット検索には日頃からある程度自信のある私でしたが、流氷の現在位置をどのサイトで見れば良いのか、様々なキーワードで検索しても、流氷情報にたどり着きませんでした。

 紋別の流氷観光では、大抵の人がガリンコ号で船上流氷観光をするので、まずは『ガリンコ号公式ホームページ』を見に行くはずです。なので、ここをポータルサイトにして流氷の現在の位置情報がリンクされていれば良いのですが、それがないのです。

 流氷がどんなものか、ということよりは、今流氷がどの辺にいるのかを知りたいのですが、どうも的外れ。

 ちなみに『流氷』だけで検索すると、流氷観光ツアーが上位に登場してしまいますし、『流氷サイト』というホームページでは、流氷の位置がちょっと漫画チックで、どこまで信用できるのか不安になってしまいます。

『紋別市の観光情報』サイトからは、流氷観光という階層を深く入って行くことで、海上保安部や気象庁など他の情報にリンクが貼ってあることがわかりましたが、ここを一発で探り当てるのが多分大変。

 「流氷に関しては、まずはここを見てください」というポータルサイトをしっかりと確立させることって大事ですね。


           ◆ 


 私なりには調べてゆくうちに、第一管区海上保安部のホームページに『海氷情報センター』があるのを知って、ここが最も信頼できる流氷情報のように思いました。


  【最新の海氷速報】 http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KAN1/drift_ice/ice_chart/ice_calendar.html

 

 しかし、"流氷"ではなく、"海氷"で検索しないとたどりつかないというのもこれまたわかりにくいものです。


「探せないあなたが悪い」と言われればそれまでですが、ことほど左様に分からない人に情報を伝達することは難しいというお話しでした。

   
 改めて感じた教訓ですが、情報提供の際は、まず『ゲストがどんな情報を知りたがっているか』を想定して、その答えをポータルサイトになりうるサイトに分かりやすく貼れているかどうかをチェックしましょう。

 情報が洪水のように溢れている今日、知りたい情報に短時間で的確にたどりつかせるためには、分かっている人だけでなく分かっていない人の意見もちゃんと聞きましょう。

 自戒を込めて自分が関わっている事柄では、改善に努めようと思います。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北防波堤ドームの中で、キャンドルイベント~彩北わっキャナイト

2016-02-14 22:10:17 | Weblog

 昨日開催された、稚内の冬を彩るキャンドルイベント「彩北わっキャナイト」。今年で13回目のイベントです。

 昨日は暖気が入って、小雨が降る悪天候でしたが、いくつかの会場でスノーキャンドルが作られてロウソクに火がともされました。

 最初に向かったのは図書館ですが、ここの前庭に作られた小山を数多くのキャンドルが照らしています。

 高さ10メートルほどの雪の山を数多くの火屋(ホヤ)が飾り、その中でキャンドルがゆらゆらと灯っている姿はちょっと幻想的。

 バケツで作られる火屋はこちら図書館では氷でできています。氷を透けてゆらめくキャンドルは寒い外でも暖かさを感じさせます。

      ◆ 


 次に向かった北防波堤ドーム会場では、ドームの中に雪製火屋のキャンドルが並べられています。

 こちらは雪で作られているので白く明るく見えて、氷のキャンドルとはまた趣きが少し違います。

 例年は寒い時期のため、雪をバケツに入れながら水を吹きかけて作るのだそうですが、今年は暖気が入っていたために雪が湿っていてとても効率的に作ることができたのだとか。

 今年は、かつて樺太航路のフェリーターミナルだった北防波堤ドームが完成から80周年を迎えるということで、配置のデザインは、数字の8と0から丸い円を採用。全部で約600個のスノーキャンドルを作ってドームの中を照らしました。


 北防波堤ドームの中って、屋外のようで屋内でもあるような不思議な空間です。

 北風から多くのフェリー乗船客を守ってきた北防波堤ドームですが、長年の海との戦いでちょっと痛みが激しくなりました。

 予算が成立すれば、修繕に向けた準備を進めることにしています。そろそろ春が待ち遠しくなってきました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

流氷オンザロックは一度だけ?~流氷は見るのが一番

2016-02-13 23:34:45 | Weblog

 昨夜は紋別に泊まって、今日は朝から流氷観光の予定…でしたが、朝九時に予約したガリンコ号の乗り場へ行くと、「今日は流氷は見られません」という無念の看板が。

「船に乗れば、遠くに肉眼で見れるなんてことはありませんか」
「残念ですが見られません」

 必死で食い下がってみたものの自然の現象には勝てません。

 今日の流氷は岸から20kmほど沖合にあるのだそうで、朝六時の便だけは航行時間を延長してなんとか流氷までたどりついたようでしたが、二便以降は流氷までたどりつけないんだそう。

 せっかく便の予約までしましたが、今回は乗船をキャンセルして(いつになるかわからない)次のリベンジを期すことにしました。

 港から出てゆくガリンコ号を見送る空しさよ。


       ◆  


 流氷を生で見られなかった代わりに、紋別港近くにある観光施設として、『紋別オホーツクタワー』と『オホーツク流氷科学センター』を見学して、流氷を思い切り勉強してきました。

 流氷の始まりから成長、終焉という一連の変化や周辺の生き物情報など、ただ流氷を見るだけよりもずっと勉強にはなったかもしれません。

 流氷の姿は、オホーツクタワーの望遠鏡で水平線近くの白い筋をわずかに見ておしまい。いつかこの目でみてやるぞ。


       ◆  


 夜に北防波堤ドーム近くで開催されている「最北わっきゃないと」を見にまちなかまで出てきて、ついでに近くのバーで一杯。

「昨日は紋別まで流氷を見に行ったんですけど空振りでした」というと、バーのマスターが、「流氷ですか、昔はこのあたりもたくさん来ましたけどねえ」と懐かしそうに言いました。

「流氷が来ますと、そのまえに船が稚内港へ避難して来たり、その次には稚内の船も抜海へ避難するという船の移動が起きたんです。そんなこともまちのにぎわいになりましたがね」
「へえ、流氷にまつわる経済効果も様々ですね」

「そういえば、流氷をもらったときなんか、それを削って形にして"流氷オンザロック"なんてやって喜んでいましたね」
「ああ、それはうらやましいなあ」

「ところがそれは一回こっきりでしたね」
「どうしてです?売れそうですけど」

「流氷の氷って決してきれいじゃないんですよ。藻だとか海の中のゴミなんかも混じっているんです。だから流氷の氷が融けていくとグラスの中がゴミだらけで、二度とやりませんでした。ロマンはありましたけどねえ(笑)」


 流氷は見て楽しむのが一番なのかもしれませんね。よし、リベンジだー!

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中頓別町の氷の鍾乳洞探検~スノーシューで回ろう

2016-02-12 22:35:06 | Weblog

 今日は休暇を取って、中頓別町の鍾乳洞へスノーシューツアーをしてきました。

 鍾乳洞では外部の気温が下がるにつれて内部の水滴が垂れてつららができてきています。

 そしてそれとともに、それが滴り落ちたところで凍って、タケノコのように下から上へ伸びる氷筍ができており、それをライトアップしているというので一度見てみたかったのです。

 夏は管理所からすぐに歩いて行ける鍾乳洞ですが、冬は管理棟までの道路除雪を行わないので、遠くからスノーシューで雪をこいで近づかなくてはいけません。

 スノーシューのガイドは、宗谷自然学校の上杉さんと中頓別町役場の三浦さんのお二人で、まずは履き方の指導から。

 スノーシューはかかとが上がるので、上り斜面でも雪に沈まずに登ってゆくことができます。これを履くと、鍾乳洞の対岸の尾根筋めがけてえっちらおっちらと登ってゆきます。

 積雪量は1メートル50センチくらいだそうで、明るい林の中をどんどん歩いてゆくと、樹木や雪など、夏には見られないものが見られる不思議なツアーになります。

 灰色の樹木の中で、明るい白のドレスを着たようなダケカンバの姿はとても気高く見えます。

 また、枝が落ちた後のクルミの枝にはお猿さんの顔が残ります。

 風で雪の塊が斜面に落ちると、くるくると雪をめくりあげながら転がり落ちてゆきます。落ちた様子はまるでロールケーキのようで、自然が作り上げる雪だるまともいえるでしょう。

 まさに冬ならではの風景です。

       ◆ 


 不思議な冬の風景を楽しんだ後は、いよいよ内部が凍った鍾乳洞の探検です。

 二月に入って気温が下がると、気温がゼロ度以上のところから垂れた水滴がつららになり、かつ氷点下の地面付近で凍り、それが成長してゆきます。

 それを洞窟外の発電機でライトアップすると、ちょっと幽玄な風景見られます。この先さらに気温が下がると、氷筍はもっと成長するそうですよ。

 全工程で三時間半のツアーは、気楽に来られるというものではないかもしれませんが、これからも工夫の余地はありますね。

 凍りの鍾乳洞探検は、体験ツアーとしては他にはない独自な価値を感じるツアーでした。
 
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地元客と観光客はどこで見分けるのか~稚内の居酒屋の眼力

2016-02-11 22:46:15 | Weblog

 昨日まで暴風雪が嘘のような穏やかな天気の稚内。レンタカーを借りて、昨日から稚内へ来た妻と一緒にまたまたワカサギ釣りに行ってきました。

 午前11時から始めた釣りでは全く反応がなく三時間が経過。「ワカサギは一日二食で、昼ごはんは食べないんだね」と皮肉を言いながら反応のない釣竿を見つめ続けます。

「もうだめだね」と諦めて川の下流へ下ると、途中で釣りをしていた夫婦連れが「今になって少し釣れ始めたよ」と教えてくれたので、近くに開いていた穴で最後のひとあがきをしてみました。

 すると「おっ」。反応が良くて、ちょっと釣れ始めました。面白くなって頑張ってみると、なんとか二人で二十匹ほど釣れました。

 四時間で二十匹とは、ワカサギ釣りにしては寂しいところですが、「ボウズを食らうよりはマシだ」とひと笑い。

 ビール一杯分くらいのから揚げにはなりそうです。


       ◆ 


 夜には南稚内の居酒屋へ繰り出して、お店のご主人と居酒屋談義。

「お客さんって、地元の常連さんと観光客とはどんな比率なんですか?」
「そうですねえ、あまり良くわからないんですよ。でも観光客は観光シーズンしか来ませんからね」

「観光客と地元の人のどちらかだ、なんて分かるものですか」
「注文するもので分かりますよ。地元の方は、刺身でもマグロとかサーモンはここでは獲れないと分かっているので頼まないんですよ。それに魚は地元で安く買えるのが分かっているので、こんな居酒屋で頼む人はいませんね」

「なるほど」

「それと観光客の方は、稚内の魚が美味しいと思っているので、焼き魚を頼む人が多いですね。以前十勝からバイクでやってきて、『焼き魚を上から全部ください』なんていう注文をした方もいました」
「ははあ、そうですか」

「何曜日が多いとかいうような傾向はあるんですか?」
「それが今は分からなくなりましたね。花金だから多いわけでもないし、平日の夜にどやどやと入ってくることもあります。でも観光シーズンだったら、観光客の方はのれんを出す前から待っていたりしますよ。まあ九月のシルバーウィークあたりまでかな、って感じですが」

 
 今日は祝日のために空いているお店が少なくて、今まで行ったことのないお店を開拓してみましたが、面白い会話になりました。

 地元民と観光客の違いって、分かる人には分かるものなんですね。もっと人を見る目の切り口を養いましょう。 

 


       【ワカサギもゲットです】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一生を貫く一つのテーマ

2016-02-10 23:53:37 | Weblog

 雑誌「致知」を読み合わせる勉強会の『木鶏会』。今日は今月号のテーマである『一生一事一貫』について意見を交わしました。

 今月号の致知には、職人の技を貫く人たちの記事が掲載されていますが、さてそれでは自分には『一生一事一貫』というような、何かを貫く生き方をしているだろうか、と考えました。

 大学で造園と公園づくりを学び、公園づくりとは単なる施設づくりや木を植えることではなく、人が喜び幸せになる空間づくりをすることだ、と思っていました。

 それが静岡県の掛川市役所へ行った時に、当時の市長さんから「まちづくりをやっていると、まちが公園のようになればよいなあ、と思うようになるんだよ」と言われて、(ああ、公園に来る人を幸せにすることと、わがまちで暮らす人たちを幸せにすることにはつながるものがあるんだなあ)ということに思いが至りました。

 それからは、人に会って挨拶をすることだけでも相手が喜ぶのだったらそれもまた大事なことだ、と思うようになりました。

 公園づくりでもまちづくりでも人との対話でも、相手を喜ばせて幸せにするということを心がけてはどうかと思うようになったのです。

 
 まあそういうことを心がけて、人の役に立つような生き方をしたいものだ、と思ってはいるのですが、それがどれだけ実現できているかということになると、忸怩たる思いがあります。

 恥もかいたし、「こうすればよかった」と反省することもひとしおです。しかし取り返せない過去を嘆くよりは、未来に向かって進む方が建設的だろうと思います。

 
 さて皆さんは、『一生一事一貫』と言われて、そんな生き方をどう思うでしょうか。

 一生をかけて貫けるテーマを見つけることができたならば幸せなことですね。

 さて、どんな形で人の役に立てるでしょうか。いろいろと考えてしまいますね。 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする