今日の東京は快晴。
日本海側ではこの季節は大体曇りがちで雪が降る日が続きますが、脊梁山脈で雪を降らせた後の太平洋側は快晴になるのが太平洋側の気候です。
こういうところに住んでいると、冬は晴れが続く過ごしやすい季節に思えるのかもしれませんが、その分の雪を日本海側に降らせているから晴れているのだ、という、『他者のお陰』についてどれだけ想像力が働くでしょうか。
会議を終えた後に、東京の友人と情報交換をしましたが、彼は地方発のビジネス作りに邁進しているのだそう。
地方発のビジネススキームとは、地方で獲れた野菜を多数ミックスして、コールドプレスという低速回転式のジューサーで作ったジュースを売るというもの。
ジュースはミックスする野菜や果物の種類によって色や味わいが変わりますが、水や砂糖などの混ぜ物は一切なく、食物繊維や各種のビタミンなどの栄養素、それにある種の酵素を壊さない形で体に取り入れられるので、健康志向の方向けの一品です。
ジュースは都内のショップでスタンド売りをするものと、パック詰めにして宅配で自宅へ配送するという二つの入手方法があり、お値段はちょっとお高めですが、地方発の産物を味わえます。
このビジネススキームが特徴的なことは、作るのは一カ所の効率的な工場ではなく、地方の母さんたちが集まって家内制手工業で手作りの形で作るものだということ。
効率的ではないのでどうしても高くなりますが、地域で採れる産物をジュースにするということではその程度の作業量で十分。また地域の人たちが集まって顔を見合わせながら作るコミュニティの産物であるともいえます。
そして、こうした工場を全国で百カ所作れば全国で百カ所の地域のコミュニティを応援することができるというわけです。
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売るのは東京を中心とした、お金はあるけれど健康への感性が豊かで、地域との関わりを価値あるものと考える人たちをターゲットにするもので、安いから売れるというようなビジネスとは一線を画したい、と友人は言います。
「損をしない程度で、それを買うことが幸せな人たちに訴求して、結局地域のおばちゃんコミュニティを助けられるようなビジネスになるといいと思って挑戦してみます」
とにかく多様な人がたくさんいる都会だからこそ売れるようなビジネスモデルなのかもしれませんが、都会ならではの可能性を追い求めて、都会と地方を結び付け、結果として地域が救えるのなら面白い。売って儲けるだけのビジネスではない、地域との連携を追い求めるビジネスです。
ジュースの名前は「ベジピア」。この挑戦を見守りたいと思います。