今日から明日で、北見・網走への一泊二日出張です。
出発するときの札幌はまあまあ晴れていて、(出張を昨日からにしなくてよかった)と思っていました。
しかし北海道は南北に長い。
北上する高速道路の途中では、岩見沢近辺や旭川近辺に強い雪雲があって、降りしきる雪のために10m先が見通せないホワイトアウトになりました。
先行の車が舞い上げる粉雪も災いして、まったく前が見えません。
特に高速道路は一般国道に設置されている「矢羽根」と呼ばれる道路幅を示すサインもありませんから、まず道路の横幅がどこなのかがわからず、おまけに前も見えない。
もしも前の車が止まっていたならば確実に追突していたと思われるようなひどい状況で、久しぶりにハラハラする運転でした。
◆
ようやく天候の回復した遠軽・北見地域に入ってきて、営業挨拶のために訪れた道路維持事業者さんと会話をしました。
「途中の高速道路にホワイトアウトの箇所があって、追突するんじゃないか、追突されるんじゃないかとひやひやしましたよ。左右がどこまで道路なのかもわからず、左に寄り過ぎたときにランブルストリップがゴロゴロと音で教えてくれるがこんなにありがたいとは思いませんでしたよ」
すると彼は「北海道でも、ホワイトアウトの時の運転方法は教えてくれませんからね」と言いました。
「ホワイトアウトの時の運転のコツなんてあるんですか?」
「はい、教科書のようなものに書いてあるわけではありませんが、コツがあるんです」
「それはどのようなものですか?」
「はい、まず車は止めないこと。ノロノロでもよいから動き続けること、これ大事です。そしてヘッドライトもハザードランプも点けて、とにかく前や後ろから見えるようにします。走る際には車の左側の雪堤を注視して、左の雪の壁との距離を保つように走るんです」
「ほう」
「ホワイトアウトの中では、路上のドライバーが皆訓練をしてこのような運転をすれば、大規模な衝突事故にはならないと思います」
「うーむ、確かにホワイトアウトの中では(前も同じようなスピードで走っているだろう)という思い込みが一番危険ですもんね。しかしそういうことって誰からも教わったことがありません」
「これは私自身の経験から導き出したコツなので、半分疑って半分信じるくらいが良いかと思いますが、できればそんな天気の時には外出しないのが一番良いですね(笑)」
◆
話題は私の乗っている社有車の装備の話になりました。
「会社から与えられている私の車は一応新しい衝突安全装置が付いていて、レーダーで前方の車との距離が近くなると自動的にブレーキがかかるようにはなっているんです」
「ええ、私のもです」
【黄色い丸の部分から電波が出る】
「そのレーダーが車の正面のエンブレムのところから電波を出しているのですが、吹雪の時はそこに雪がくっついてしまって、しばしば『レーダーが効きません』というサインが出るんです。ホワイトアウトで見えない時にこそレーダーが効果的なはずなんですが、それが効かないんです」
まさにレーダーがあっても吹雪の時には自分の目も使えず、機械もダメという情けない状況になるのです。
「私もそれを不満に思っていました。車のメーカーは、レーダーの電波が出るところは雪を融かしたりするような装置をつけてくれて、積雪寒冷地仕様を強化してほしいものです」
さて、このようなドライバーの願いはいずれメーカーさんに届くでしょうか。
雪国の冬のドライブ、ご安全に!