私が契約している生命保険会社を名乗る女性から電話で連絡があって、「直接お会いして契約内容の確認をしたい」とのこと。
ときどき連絡してくる方とは違う名前なので一瞬いぶかしく思ったのですが、年に一度のいつもの確認でした。
職場へ来てもらって、会って話をしてみると、普段の担当者と違う理由は「私はダブルカバーという役回りなので…」とのこと。
契約先の人を地域単位で担当している人とは違う部署が契約確認をするということは、一人が見逃しても異なる目線でいわゆる「フェイル・セーフ」が働いているという事でしょう。
かつて保険金の不払い問題があった時から、コンプライアンスとして実施している対面での契約確認だそうで、そういわれてみれば、別に入っている保険会社からは本人確認の知らせは全く来ませんね。
こういう真面目な保険会社かどうかを見極めることって案外大事です。
その担当者は現在契約の内容をプリントアウトして持って来てくれましたが、それが正しいかどうかを確認・チェックするのは全てタブレット上でサーバーとリアルタイム通信をしながら行います。
本人確認できた相手を目の前にして、直接会社のサーバーとやり取りをすることが最もセキュリティが高いのですから、それも当然と言えるでしょう。
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いろいろと手続きを終えたところで雑談です。
「保険って結局申請主義でしょう。ということは申請しないと保険は降りてこないのですよね。とすると保険の受取人には、こういう保険に入っていますよ、という情報は共有していないといけなんでしょうね」
「まさにおっしゃるとおりです。実は契約者様が亡くなって、それと知らずに電話をしたときに受取人の奥様が電話口に出たとして、『ご用件は何ですか』と訊かれても『ご主人様の保険のことです』とは言ってはいけないんです。それも契約者様情報の守秘義務なものですから」
「えー、じゃあ言われないと保険が下りることも知らせないんですか」
「さすがにそこは会話の中で、触れていただけるように導いたりしますが、相手の素性も確認しないといけませんしね」
保険情報はあくまでも契約者の情報だ、ということはわかっていても、紋切り型にやられることにはやや抵抗も感じます。
保険に関する自分の情報は、ネット上でもアクセスできるのですが事前登録してあるIDとパスワードを使わなくてはいけません。
「こういうIDやパスワードは妻に知らせておかないと、突然死んだりしたら困りますよね」
「はい、でもパスワードはやはり自己管理が原則だと思います。それも個人情報なので」
自分自身の保険や契約内容って、一覧にして情報共有をしておくほうが良いですね。
情報の共有とセキュリティという相反することを同時にやり遂げなくてはいけないのがこの複雑化した現代社会を生きるということなのでしょう。
現代社会の常識は情報社会の拡大とともにいよいよ複雑で膨大になっています。