こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

僕の妻はエイリアン

2006-03-15 00:00:00 | 未分類
泉流星さん『僕の妻はエイリアン』を読みました。

自閉症スペクトラム(広汎性発達障碍)であると、30半ばにして解った妻と夫の日常生活について書かれています。

結婚後、妻の自閉症独特の性質から、夫婦の行き違いが起こり、度々ケンカが起き、
あげく、妻はアルコール依存症になり、急性肝炎で危篤にまでなります。
その頃は、妻も自閉症だなんて解っていなかったのですが、回復して退院すると、
依存性の専門病院に行き、状態をきちんと診断してもらい、医師と相談して治療方針を決めました。
内容は割愛しますが、依存症が治ると、妻は「そもそも、自分はなんで耐えがたいほどの不安や
緊張を抱えているのか?」という問題に徹底的に取り組んで、
自閉症じゃないかという結論にたどりついたようです。
普通は、発達段階で見つかる不具合なので、児童精神科医の管轄になります。
困った事に、大人になってから自閉症やアスペルがー症候群の疑いがあると思っても、
成人を診てくれる医者を見つけること自体、とても難しいそうです。
でも妻は、インターネットを利用し、医療機関の情報をかき集め、ネット上で出会ったいろいろな人たちにも
助けを求め、ついに大人の高機能自閉症を診断してくれる人を探しあてます。
そして、検査と問診をしてもらった結果の診断名は「自閉症スペクトラム障碍」でした。

自閉症と解ったからって、すぐに何かが変わるわけじゃないけれど、そうなる理由が解るから、
どう対応すればいいのか解ります。
妻も夫も、未だにケンカすることも多いし、感情的になった時の対応に苦慮することも多いけど、
常にあきらめずに努力しているようです。

さて、うまくまとめることができたでしょうか?
本当に大事なことは、本を読まないと解りません。自閉症に間違った認識を持っている人が
非常に多いのも事実です。どうか、自分に関係ないからと排除せず、彼らがどう感じ、
どう考え、どう行動するのか、理解しましょうよ。
まぁ、そういう私も、読んだからといって、本質的に理解できているかどうか、
心もとないところではありますが。

20代の頃、自閉症児に1度だけ触れ合って、この子に、世界がどう見え、どう感じ、
どう考えているのか知りたいと、ふと考えた時のことを思い出します。
当時は、思っただけで過ぎてしまったことですが、今知ってみて、1歩でも進むことができていれば、
ラッキーです。

コメント
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