こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『真実の10メートル手前』米澤穂信

2016-08-17 19:52:48 | 読書感想
急激に成長し、鳴り物入りでナスダックへの上場を遂げたベンチャー企業フューチャーステア。
しかし、新たな事業を始めてから雲行きが怪しくなり、経営破たんした。

その社長・早坂一太と妹の広報担当・真理が行方不明になっていた。
手掛かりは、末妹・弓美にかかってきた電話の録音データだった。

表題作をはじめ『王とサーカス』のジャーナリスト・太刀洗万智を主役にした短篇シリーズとなっています。
取材対象は、老若男女・善人・悪人、その他様々ではありますが、 読んでいくと心が締め付けられるような気分になります。
太刀洗が、彼らの思いを引き受けつつ取材をしているせいでしょうか?
どの短篇も、誠実さがにじみ出てくると同時に、結末に切なさを感じさせられます。

中でも、少年の心を守るという決意を感じさせられた「名を刻む死」が、一番印象に残りました。
お勧めです。
コメント (2)
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