『アクアマリンの神殿』海堂尊

佐々木アツシは、桜宮学園の中等部三年生。
先生・生徒のほとんどが知らないことだけど、アツシは今までの人生の大部分を、冷凍睡眠の中で生きてきた。
学習は睡眠学習で行われており、中等部の学習はすでに終わらせていたが、人格形成上、同じ世代の生徒との交流が必要だったのだ。

そんなアツシは、夜、アツシと入れ替わりに冷凍睡眠に入ったオンディーヌの医療機器などのメンテナンスのバイトをしている。
そして、たまに上司として顔を出すのが、ヒプノス社の西野昌孝さん。
アツシが目覚めてから、様々な面でバックアップしてくれている。

間もなくオンディーヌの目覚めの頃が来ようとしていたが、それに向けて、アツシは嫌も応もなく成長させられようとしていた。

変わり者のアツシと仲良くしてくれる同級生の麻生夏美と蜂谷一航。
彼らの応援もあって、アツシも西野さんが投げかけてくる難問をクリアしていきます。
その最終過程が結構辛いものだったので、読んでいてきつかったですね。
そしてまさか、結末近くになって東城大のおなじみの方が登場しようとは！
温かく厳しく切ない、青春成長物語でした。