こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『名探偵の有害性』桜庭一樹

2024-11-09 20:22:26 | 読書感想
 
三十年前、大学生の鳴宮夕暮は同じ大学に通う五狐焚風と知り合った。
間もなく二人の身の周りで事件が起き、そのたびに風が推理して解決し鳴宮は手伝った。

当時の世の中では名探偵が大流行しており、メディアが派手に活躍を取り上げトップの四人が四天王と呼ばれていた。
それが今、令和の時代になってYouTuberがその時代の名探偵を取り上げ、その有害性を主張しだした。

SNSの時代の無責任な群集心理による誹謗中傷からの元名探偵と元助手の逃避行でしょうか?
ただ物語の中でも語られていますが、その時代を生きていない現代人が当時の人々を今の正義で論じても無意味な気がします。
それこそ、無責任な群集の有害性ですよね?

本題に戻りますが、元探偵と元助手が過去の事件を検証しなおして、同時に自分自身の生きざまを見つめ返す、そういう物語でもあるでしょう。

二人と同世代の私も、読みながら自分の生き方をいくらかは振り返ることになりました。
5、60代の方には特に、おすすめです。
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