こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『人工知能の見る夢は AIショートショート集』新井素子/宮内悠介ほか 人工知能学会編

2017-06-04 19:39:28 | 読書感想
‘‘人工知能’’をテーマに、SF作家の方々が書かれたショートショートアンソロジー。

‘‘対話システム’’を中心に描かれたものの中では、母を模した[母]が年一回やってくる忍澤勉さんの「発話機能」

‘‘自動運転’’について描いたものでは、運転を機械に頼り切っている森岡浩之さんの「姉さん」

‘‘環境に在る知能’’を描いたものは、林譲治さんの心霊現象にも似た「愛の生活」と、どこまで行ってもロボットをまともに動かすには人間から、と思わされた新井素子さんの「お片づけロボット」

‘‘ゲームAI’’からは、将棋プログラムを描いた林譲治さんの「投了」と、父の意思を継ごうとする息子を描いた井上雅彦さんの「魂のキャッチボール」

‘‘神経科学’’においては、事故に遭った少年とそのための人工知能を描いた矢崎存美さんの「僕は初めて夢を見た」と、医療用から始まったサブブレインの結果を描いた田中啓文さんの「みんな俺であれ」

‘‘人工知能と法律’’では、覆面作家の正体を描いた堀晃さんの「当業者を命ず」と、人の心をおもんばかる機能を持つロイドを描いた山之口洋さんの「アズ・ユー・ライク・イット」

‘‘人工知能と哲学’’については、人工知能と人の違いを証明しようとした博士を描いた橋元淳一郎さんの「人工知能の心」と、人工知能を息子の先生にしたらどうなるかを描いた森下一仁さんの「ダッシュ」

‘‘人工知能と創作’’に至っては、音楽を聴くAIが人にもたらした効果を描いた高野史緒さんの「舟歌」と、中二病を発症した人工知能が笑える神坂一さんの「人工知能は闇の炎の幻を見るか」

これらが、特に面白かったです。
また‘‘AI作家’’の作品も、なかなか楽しめました。
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『楽譜と旅する男』芦辺拓

2017-06-03 19:25:14 | 読書感想
ロンドン近郊の屋敷に住む百歳近い老婦人が、かつてピアノで弾いていた不思議な曲。
オーストリアに存在していた二流音楽家が、恋した女性のために作曲した曲。
昔、ある人物が戦場だった南の島で聴いた島の人々の曲。

様々な国の色んな人々が、有名ではない、むしろ消えていった曲の楽譜を求めて、この人物に依頼をします。
その結果は、喜びばかりでなく、悲劇、どうかすると無に帰するものもあって、何とも複雑な気持ちにさせられました。
もちろん、中にはハッピーエンドもあるわけでして、それには救われました。

さて、どれがどんな結末を迎えるのかは、ぜひ、お読みいただいて楽しんでください。
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『紫式部の娘。賢子がまいる!』篠綾子

2017-06-01 19:43:09 | 読書感想
何事も控えめで、漢字の一の字さえ知らないふりをしていた紫式部の娘・賢子は、母とは正反対の負けず嫌いの勝ち気な性格。

宮仕え最初のイジメにも、仕返しするほどのたくましさ。

そんな賢子が、仕える彰子様に命じられ、最近出没する幽霊騒ぎの真相を確かめることとなった。

そうですね。
紫式部は、賢子からすれば仕事中心で忙しく、自分をないがしろにしていたと思われるほどだったのかもしれませんね。
でも、物語の中の賢子は、14歳の女の子らしく生意気で、純粋で、とても面白い娘でした。
そして、次々と現れる歴史的有名人の娘たちも、それぞれ個性的で、さもありなんという方々が多かったです。

実際の賢子も、結構、有名な公達と浮名を流したようですね。
他にも、賢子が主人公の小説があれば読んでみたいです。
調べてみよっと(^_^)
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