ラストの高い塔での一騎討ちを見ていて、戦う二人が肉親であること(を片方だけ知っていること)、片手を切り落とされているところ、など「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」みたいだな、と思った。
「ジェダイの帰還」のラストみたいな荼毘のシーンもある(これは映画評論家の森卓也が指摘していた)し、参考にしていても不思議はないね。
残虐な描写が多いのだけれど、製作が約半世紀も前の1958年となると、今の目で見ると直接描写は少ない。
リチャード・フライシャーの演出はゆったりしたテンポの割りに不思議と飽きず、まったく早送りしなかった。
異教徒対キリスト教徒との対立という要素もあることはあるのだが、セリフは全部英語(もっとも現代英語にはかなりバイキングの言葉が入っているはずだが)。
クライマックスの城攻めの長いプロセスを丹念にセリフなしで描いたカットの積み重ね方が的確。
いよいよ攻め入ろうという直前、男どもの髭面の面構えのアップをずうっと移動で押えたショットがぴたっと決まった。
北欧の海にバイキング船が浮かんだ風景など、雄大でぴたっと構図の決まった撮影はジャック・カーディフ。
(☆☆☆★★)