prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「天気の子」

2019年08月08日 | 映画
東京の風景をあそこだなと特定できるようにリアルに描くとともに、日の光や雨の効果などものすごく過剰に思えるくらい綺麗に仕上げているのだが、一方で廃墟や滅びの姿をそれらの効果が覆っているわけでもあって、「君の名は」で隕石が降ってくるあたりタルコフスキーの「ストーカー」みたいだとちょっと思ったのだが、あそこでむき出しになった廃墟感や、ここでのラストのJ・G・バラードの「沈める世界」の沈んで滅亡しかけた世界に向かいそうな予感に何重にもオブラートをかけた感あり。

廃墟や滅亡といったものはある種ロマンチックだったかリセット感をもたらすものだった時代とは明らかに時代の感性が違っていて、淡くて透明でどこか甘美な無力感を感じてしまう。

いくら新宿でも今どき拳銃がその辺の空き缶入れに捨ててあるのかな。しかもクライマックスにかけての「盛り上げ」のために強引にとってつけられた感が強くて、ストーリーの肝である天気を晴にできる能力とまるで関係ないのが、正直興を削ぐ。
それに拳銃発砲しておいてそう警察の事後の処置が甘く済むものなのかどうか、ヒロインとの関わりも含めて主人公にどうも周囲が都合がいい。

クライマックスが音楽がかかるタイミングの決まり具合そのものは見事。

「天気の子」 - 公式サイト


「天気の子」- 映画.com







8月7日のつぶやき

2019年08月08日 | Weblog
日本で木版画の和装本を手がける唯一の出版社・芸艸堂本社の噂の凄い版木蔵を見学させて頂きました!北斎漫画のオリジナル版木をはじめ、江戸末期~現代まで約10万枚の版木が所狭しと収められた二階建の蔵は、まるで洞窟のような異空間。山田社長ですら「全てはとても把握しきれていません」との事! pic.twitter.com/Kco22O4WDH