prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「エノーラ・ホームズの事件簿」

2020年11月04日 | 映画
シャーロックとマイクロフトのホームズ兄弟に、兄たち同様推理力に恵まれた妹エノーラ(Enola=aloneを逆にした名前)がいて活躍するという設定のパスティーシュ。

エノーラがまだはなはだ若いこともあって、ジュブナイル的なテイストが強く、ホームズものにあるドラッグや犯罪の魔窟がかったおどろおどろしさは薄い。

長男マイクロフト(どうでもいいが、この名前を変換しようとするとマイクロソフトに勝手になってしまう)があからさまに男尊女卑的な態度をとるせいもあって、現代らしくフェミニズム的なテイストも当然入っている。
主演のミリー・ボビー・ブラウンがプロデュースも兼ねているあたりからも来ているのだろう。

ワトスンを女にしたり、ホームズとワトスン両方とも女にしたりと色々なパスティーシュが作られてきたが、もともとのホームズものにホモソーシャルな性格がかなりあるのが突っ込まれている感じ。

ビリー・ワイルダー監督のパスティーシュ「シャーロック・ホームズの冒険」のシャーロックのワトスンに対するセリフで、「君はぼくのことを女嫌いだ女嫌いだとしきりと書くけれどね、ぼくは女性が嫌いなわけじゃない。ただ信用してないだけだ」というのがあったのが典型。

とはいえ、今回のシャーロックは横暴な兄に比べるとヘンリー・カヴィルがやっているせいもあって、かなりまとも。
続きを予感させる作りなので、今後シャーロックの方も変わっていきそう。