prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「エターナルズ」

2021年11月20日 | 映画
作品背後の宇宙感の説明の部分が原作を知らない者には聞きなれない固有名詞が頻出して、なかなか理解が追い付かない。
構成も五千年前から始まって現代にとび、また昔に戻ってと、時代がずいぶんイレギュラーに錯綜する。
昔だったらアートフィルムの技法で、正直タルくてわかりにくいところもある。

エターナルズという永遠に生きる存在が、死なないわけではないというという設定で、初めから「自然に」発生してきたわけではなく、存在する目的が別から与えられて作られたという設定。

ちらっとナウシカの漫画版のナウシカや腐海が人工物だったということが明かされ、それでも命がある以上自身の独立した生を全うすることを選ぶという展開が頭をかすめた。
ラムダっぽいデザインも出てくるし。

「ガメラ 大怪獣空中決戦」公開時に同作のプロデューサーの一人がガメラがギャオスを滅ぼすために作られた「人工」怪獣という設定に観客が引っ掛かることはないだろうかと心配していたのも連想した。

マ·ドンソクの鉄拳が唸るたびに凄い重低音が鳴り響き、一方でエプロン姿も用意してくるあたり、これまでのイメージを心得たもの。

監督のクロエ·ジャオが中国生まれなのに倣ってか、東洋系が大半を占めるキャスティングはマーベル初だろう。
白人のアンジェリーナ·ジョリーが特に中心になっているわけではないし、黒人も一人だけ。