黒人たちが綿畑で奴隷労働を強いられている南北戦争以前の時代の女奴隷と、現代の超インテリでリベラルでフェミニストの女性と、ジャネール・モネイが違う時代の二役を一人で演じるという、四つの時代を平行させながら進行させたD.W.グリフィスの「イントレランス」をちょっと思わせたりする構成。
グリフィスといえばよりにもよってKKKを英雄扱いした“問題”作「国民の創世」の監督。
作り手の知的な操作ぶりからして、たぶん頭にあっただろう。
人種差別と女性差別とをモチーフにしているのは確かだが、その見せ方のトリッキーなところでエンタメ化しているのが「アス」の製作者のスタンスということなるだろう。
インテリの嫌らしさも描出しているのは目配りが効いている感じ。