prisoner's BLOG

私、小暮宏が見た映画のノートが主です。
時折、創作も載ります。

「市子」

2023年12月17日 | 映画
市子という女が失踪し、婚約者が過去を探っていくというのが大筋なのだが、画面の隅にかつてのサービスサイズの写真のプリントの隅に入っていたような時刻が入り、それが遡っていくことで場面自体が過去に戻っていくことが示される。
写真のプリントみたいな字体にしてあるのも、今ではそれ自体が失われたこと=広い意味の喪失感の表現を狙ったのではないか。

宮部みゆきの某作品みたいな話だが、必ずしもミステリの体裁はとっていない。
見ていて足元が揺らぐような感覚がある。